許すな!憲法改悪・市民連絡会

2008年5月20日 (火)

今、平和を語る:哲学者・梅原猛さん

毎日の大阪本社版の記事で、梅原さんが九条の会などについて語っている。梅原さんがこうしたことを語るのはあまり多くないので採録しておく。(高田)
http://mainichi.jp/select/wadai/heiwa/talk/news/20080428ddf012070018000c.html
今、平和を語る:哲学者・梅原猛さん
 ◇真の道徳教育が必要

 リベラル保守で知られる哲学者の梅原猛さん(83)は「最後の戦中派」として、腹の底から戦争を憎み、その一念から平和憲法を守る「九条の会」の呼びかけ人になった。愛国心教育に反対し、今こそ真の道徳教育が必要と説く、梅原さんに登場願った。<聞き手・広岩近広>
 ◇戦争を憎み、人類理想の憲法守る
 ◇19世紀的国家主義が復活しようとしている。「九条の会」参加を幅広く呼びかけ国民運動に。核戦争をなくし地球環境改善を最優先すべし。賢治、漱石、太宰…文学こそが最良の教科書だ。

 --大江健三郎さん、井上ひさしさんらと「九条の会」の呼びかけ人になられて間もなく4年になります。マルクス主義による国家体制を批判し、その崩壊を予言するなど、保守主義を通されてきた梅原さんが「九条の会」に参加されたのは。

 梅原 私は一貫して、社会主義には賛成してこなかったが、平和憲法は守らなければならない、そのうえで民主主義国家をつくっていくべきだと、ずっと主張してきました。私は憲法9条の支持者です。保守政党も憲法が成立したときは、そういう思想だった。ところが最近になって、憲法はアメリカから強要されたもので、日本の伝統が謳(うた)われていないなどという批判もあって、改憲の動きが出てきた。私に言わせたら、改憲派は19世紀の国家主義の原理を信じていて、日本を再び19世紀並みの国家主義を目指す国にしようとしているのではないか、と非常に危惧(きぐ)します。私は戦争中は国家主義を、戦後はマルクス主義を強く批判してきました。マルクス主義はつぶれたものの、またぞろ国家主義が復活しようとしているように思われてなりません。

 --そんな状況もあって「九条の会」が生まれました。

 梅原 どちらかといえば、社会主義者といわれた方々が多いですね。しかし私は、「9条を守る」「平和憲法を守る」という精神において、それらの人に劣りません。だから自分の信念で、9人の呼びかけ人の1人になったのです。ただ、もっと幅広い層の人たちに呼びかけて、平和を守る国民運動にしていく必要があると思っています。

 --日本を「普通の国」にするために、改憲が必要だとの意見があります。

 梅原 普通の国というのは、国家を絶対化する19世紀的国家主義の理念に従った国です。今は単なる国家主義では困ります。なぜなら核戦争や地球環境の問題があるからです。21世紀以後の世界は核戦争を避け、地球環境問題を解決することを最優先しなくてはいけない。それは国家を絶対とする憲法では不可能ではないですか。現在の憲法にこそ新しい人類の理想が盛られており、だから私は改憲に反対なのです。

 --少し補足説明を。

 梅原 地球環境問題という国家を超えた課題に対処していくには、カントが「永遠の平和のために」で提唱した「国家間の連帯によって平和を築く」理想に立たねばなりません。憲法にはカントの永久平和論に通じる恒久平和の理想、つまり人類の未来への理想が語られています。

 --改憲の前に教育基本法が改正され、先月に告示された小中学校の学習指導要領では「愛国心教育」を明記しています。

 梅原 愛国心は教えられるものではありません。真の道徳教育を通じて自然と育っていくものです。ドストエフスキーの小説でしたか、愛国者という者は国という観念のみを愛するだけで、国民を少しも愛さない者だとあります。国民を愛せない権力者に黙って従えというのが愛国心教育であれば、私は断固として反対ですね。

 --最初にありきの道徳教育はいかにして。

 梅原 私は文学を通して教えるのがいちばんいいと思う。生きとし生けるものの命がいかに大切かは宮沢賢治の童話「よだかの星」が語り、ウソをついてはいけないと語るのは夏目漱石の「坊っちゃん」です。約束を守る大切さは太宰治の「走れメロス」が語ってくれます。こうした文学による道徳教育こそが大切で、教育勅語に帰れというのはとんでもない。

 --道徳教育は子どもより、むしろ大人のほうが必要かもしれません。

 梅原 だいたい日本の政治家に愛国心があるような人は、ほとんどいないでしょう。理想が低くなって、私利私欲にはしっている。平気でウソをつく政治家も多い。

 --かつての日本の道徳教育はいかがでしたか。

 梅原 日本人は長い間、仏教や儒教や神道の思想を心の糧にしてきた。多神教の神仏習合ですね。生きとし生けるものを殺さない、平等でなければならない、これが基本です。だから日本の伝統は戦争の礼賛ではなく、平和を愛することなのです。平安時代は250年、徳川時代は300年も平和が続きました。こんな国は日本だけです。

 ところが明治政府は富国強兵を掲げて、国家神道という一神教にしてしまった。廃仏毀釈(きしゃく)です。このため平和と平等が奪われました。私が「神殺し」と呼ぶ廃仏毀釈は教育勅語と結びつき、国家主義を強めていった。その結果、とんでもない戦争をして、おびただしい数の人間が死んだではありませんか。

 --名古屋大空襲(1944年12月13日)を体験されたのですね。

 梅原 旧制八高生のときです。三菱発動機に勤労奉仕に行っていたのですが、私が入るはずの防空壕(ごう)に爆弾が直撃して大勢の中学生が座ったまま死にました。そして死骸(しがい)が吹き飛ばされて屋根の鉄骨の上に引っかかっているのを見て、深く戦争を憎みました。私は、原爆を落とした者と、特攻というおぞましい死の道具を考えた者を許すことができない。

 --戦争をしない、平和を愛する日本の伝統に戻るためには。

 梅原 真の道徳教育が必要です。道徳なしに国家の品格はありません。政治家は愛国心を口にする前に、日本の文化のすばらしさを勉強してほしい。伝統思想に従って、世界の平和と人類の繁栄に貢献するように努めてほしい。私は95歳まで生きて、親鸞と世阿弥というすばらしい日本人の人生を明らかにするとともに、これからの人類の生き方を説く哲学を作りたいと思っています。(専門編集委員)

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 毎月最終月曜日の夕刊に掲載、次回は5月26日の予定です。

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 ■人物略歴
 ◇うめはら・たけし

 1925年、仙台市生まれ。京都大文学部哲学科卒業。立命館大教授、京都市立芸術大学長、国際日本文化研究センター初代所長を経て、現在は顧問。日本ペンクラブ会長を務め、1999年に文化勲章を受章。「隠された十字架」で毎日出版文化賞、「水底の歌」で大佛次郎賞をそれぞれ受賞。近著に「神と怨霊」(文芸春秋)。「梅原猛著作集」(小学館)など著書多数。

毎日新聞 2008年4月28日 大阪夕刊

2008年5月14日 (水)

世論調査のひとつの見方

北海道新聞のコラム「卓上四季」に載っていた記事を見つけた。読売と北海道新聞(朝日も同類形)の一般的改憲についての数値の相違をどう読み解くかを筆者も考えていただけに参考になる文章であった。
9条についてはこの指摘で間違いないと思う。一般的改憲が多いことが、環境や貧困についての願いの表現だとすれば、これは9条護憲派の運動のあり方への問題提起として受け止めるべきであろうか。私たちは幸福追求権や25条の活用で現行憲法を生かして行こうという声をもっと9条との関係で強調して行かなくてはならないのではないか。
「護憲的改憲論」というのは東大の大沼教授の表現で手あかが付いてしまっているから、あまり頂けないが。(高田)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/90700.html?_nva=13
改憲論(5月3日)

北海道新聞社が行った道民世論調査で、改憲を容認する人が71%を占めた。先月の読売新聞の全国調査では、改憲への賛成は43%だった。北海道はずいぶん高い。どう考えたらいいのだろう▼道内の数字を眺めると見当がつく。改憲を認める人の中でも九条への支持は多い。改憲して戦力保持を明記するべきだとする回答は31%にとどまった。改憲を認める七割のうちの三割だから、全体では二割余りになる▼「改憲容認」は七割。「戦力保持の明記へ改憲」は二割。同じ調査の表と裏だ。どちらを見るかで印象が変わる。ともあれ、戦力不保持の削除を含む自民党憲法草案などと共通の意味での「改憲派」は、多くはないことになる▼九条改憲に反対して、旧防衛庁の竹岡勝美・元官房長も書いていた。「(戦後)日本が一人の外国兵も殺さず、一人の自衛隊員も殺されなかった世界に誇る名誉の看板は、取り外すべきではない」(「我、自衛隊を愛す 故に、憲法9条を守る」かもがわ出版)▼一方で、憲法も時代と共に変化した方がいいと考える人は多かった。貧困が深刻になる。地球環境への貢献が問われる。こうした問題を解決するため憲法を生かしたい、といった願いが見て取れるようだ▼平和条項を前提にして、憲法の将来を考える。「護憲的改憲論」とでも呼ぶのだろうか。改憲を認める人の中にも、少なくない考えだと思う。

2008年5月 9日 (金)

9条に世界からエール 初の世界会議に2万人

本日の朝日の記事である。5/4~6の熱気が冷めやらぬ記事。しっかりとした立場で書かれている良い記事である。(高田)
http://www.asahi.com/national/update/0509/TKY200805080312.html

9条に世界からエール 初の世界会議に2万人
2008年05月09日03時01分

 戦争の放棄をうたう憲法9条に、世界で平和運動に取り組む人たちがエールを送っている。千葉市の幕張メッセで6日まで開かれた初の「9条世界会議」は約2万2千人が訪れた。なぜ9条なのか。海外から来たゲストは「支持するのは、あなたたちだけじゃない」と日本の参加者を勇気づけた。

 会議初日の4日。予想以上の人出で会場に入れなかった人々のもとに、基調講演を終えたアメリカの平和運動家が駆けつけた。

 「9条を広めるために私は来た。日本はひとりぼっちではない。世界から支持されているのです」

 99年にハーグ平和市民会議を開いたコーラ・ワイスさん。21世紀の世界のあり方を模索した同会議には、100カ国以上のNGOが参加し、「9条を見習うべきだ」と宣言した。そのワイスさんの励ましに何度も拍手がわいた。

 9条世界会議は、「世界がもし100人の村だったら」の著者池田香代子さんらが中心となり、井上ひさしさん、ピーコさんら約90人が呼びかけ人に名を連ねた。

 国際貢献のためには日本も血を流す必要がある――そんな改憲派の主張は本当なのか。「それを確かめたかった」と、実行委員でピースボート共同代表の吉岡達也さんは趣旨を語る。海外のゲストは31の国と地域からノーベル平和賞受賞者や大学教授ら150人余りがやってきた。

 答えの一つはイラクから寄せられた。

 イラクで人道支援をしているカーシム・トゥルキさんは「戦争のない世界をつくる」と題された全体会で体験を語った。03年の開戦時、共和国防衛隊として米軍と戦った。兄もいとこも友人も失った。「軍は国民を守ると教えられたが、そうではなかった。非暴力こそ人々を守る最善の方法だ」

 そのイラクに派遣された元米兵のエイダン・デルガドさん。アブグレイブ刑務所での虐待を見て、兵役を拒否した。「9条は国際的な問題だ。同じ道を歩いていこうと決意した」

 中国・韓国・台湾などからは、9条は戦後日本の対外公約だ、というメッセージが異口同音に語られた。

 現実として世界有数の「軍事力」を持っている日本。台湾で憲法に平和条項を入れる運動をしているピースタイム財団理事の徐斯倹さんは「もし日本が9条を放棄すれば、周辺に悪いシグナルを送ることになる」と語った。「アジアのなかの9条」という分科会で韓国の聖公会大教授・権赫泰さんはこう発言した。「9条は日本だけのものではないのです」。(谷津憲郎)

2008年5月 7日 (水)

九条世界会議

画期的な九条世界会議を報道した各メディアの記事です。のべ2万人以上の参加でした。各紙の写真は野外の特設会場でのが多かったです。(高田)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20080504-OYT8T00628.htm
「9条会議」1万人殺到

 憲法9条と、武力によらない世界平和について考える「9条世界会議」が4日、千葉市美浜区の幕張メッセで開幕。北アイルランド問題の平和的解決に取り組み、1976年にノーベル平和賞を受賞したマイリード・マグワイア氏らの基調講演が行われた。夜には、趣旨に賛同する加藤登紀子さんやUA(ウーア)さんらのコンサートも行われた。

 幕張メッセ前には1万人を超える来場者が殺到し、会場内に入りきれない人が続出。当日券の販売は中止となり、前売り券の払い戻しも行われた。このため、近くにある野外のメッセモールで入場待ちをしていた約1000人を前に、急きょ、マグワイア氏らが追加講演を行う一幕もあった。

 マグワイア氏は「9条は全世界にとって重要なもの。紛争などは話し合うことで解決できる」と訴え、「会場に人が入りきらなかったのは、世界中の人が平和を求めているからだ」と熱弁を振るった。会議は5日にシンポジウムなどが行われ、6日に閉幕する。
(2008年5月5日  読売新聞)


http://www.asahi.com/national/update/0504/TKY200805040139.html
「9条世界会議」開幕 市民続々、約3千人会場に入れず

2008年05月04日19時13分

 作家の井上ひさしさんらが呼びかけ人となった「9条世界会議」が4日、千葉市の幕張メッセで始まった。憲法9条の意義や核兵器撤廃などについて議論する。9条を守ろうという趣旨に賛同する市民らが主催者の予想を超えて各地から集まり、主催者によると、3千人以上が会場に入りきれない事態になった。

会場に入れなかった人たちを前にハンドマイクで話しかけるマグワイアさん(中央右)=4日午後2時59分、千葉市美浜区

広島・平和公園を2月に出発したピースウオークの一行も4日、会議場にゴールした

 この日は、9条にエールを送る海外ゲストの発言が相次いだ。76年にノーベル平和賞を受賞した北アイルランドのマイレッド・マグワイアさんは「9条を放棄しようとする動きが日本にあることを憂慮している」と述べた。

 約1万2千人が入れる会場からあふれた人たちは近くの広場で、講演を終えたアメリカの平和活動家コーラ・ワイスさんらを囲んで、集会を開いた。バス2台で福島県郡山市から来た星光行さん(57)は「会場に入れなかったのは残念だが、ゴールデンウイークのさなかに9条のためにこれだけ人が集まったことに感動した」と話していた。

 会議は5日に分科会などを開き、6日に閉会する。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805030074.html

戦争出前噺の94歳男性、海外で憲法9条語る計画

2008年05月03日

 戦争体験を各地で語る「戦争出前噺(ばなし)」に1200回以上取り組んできた和歌山県みなべ町の本多立太郎さん(94)が、千葉市の幕張メッセで4日から開かれる「9条世界会議」に参加する。数え年95歳の本多さんは、5日の同会議のプログラムの中で「本多立太郎 95歳の決意表明」と題し、9条を外国語に翻訳したパンフレットを自ら海外で配る構想を披露する。

戦争体験を話す本多立太郎さん=和歌山市鷺ノ森の本願寺鷺森別院本堂

 本多さんは知り合いの研究者や外国人らに依頼し、9条を英語、フランス語、中国語など約10カ国語に翻訳してもらった。今後、パンフレットを作り、09年からヨーロッパ各国で配りたいという。「今までは、どのようにして9条を守っていくかということを考えてきた。これからは他国でも9条のような憲法があるのが普通の世の中になるように積極的に広めていきたい」と意気込んでいる。

 本多さんは、第2次世界大戦で中国大陸に従軍し、シベリアに抑留されて1947年に帰国。「再び同じ過ちを繰り返さないために、誰かが語らなければならない」と決心し、86年2月から「戦争出前噺」を始めた。47都道府県を回り、回数は計1222回になる。中国やシンガポールを訪問し、そこで戦争体験を語ったこともある。

 9条世界会議は、市民団体「ピースボート」など50近くの団体で組織する「9条世界会議日本実行委員会」が主催。6日まであり、北アイルランドの女性平和運動家で76年にノーベル平和賞を受賞したマイレッド・マグワイアさんが基調講演をする。(森本未紀)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008050490202002.html

「9条は希望与え続けた」 平和憲法を考える世界会議
2008年5月4日 20時20分

 戦争放棄をうたった日本の憲法9条の意義を話し合おうと、非政府組織(NGO)の「ピースボート」などが4日、「9条世界会議」を千葉市の幕張メッセで開き、主催者発表で約1万2000人が参加した。

 基調講演した英国北アイルランドの平和運動家で、1976年にノーベル平和賞を受賞したメイリアド・マクガイアさんは「9条は60年間にわたって世界の人々に希望を与え続けた」と評価。「北アイルランド紛争で、私たちは武力なしで平和をつくることが可能だと実践した」と非暴力の重要性を説いた。

 一方で「9条をないがしろにすることは、広島、長崎の被爆者への侮辱でもある」と憲法改正の動きを批判した。

 スイスに本部がある平和団体「国際平和ビューロー」元会長のコーラ・ワイスさんは、中米のコスタリカにも常備軍の保有を禁止する憲法があることなどを報告。「日本が"自衛"を拡大解釈すれば平和な国際社会はつくれない」と訴えた。

(共同)

http://mainichi.jp/select/today/news/20080505k0000m040054000c.html

9条世界会議:千葉で開幕 1万人が「不戦の精神」考える

9条世界会議で映し出されたワンガリ・マータイさんのビデオメッセージ=千葉市の幕張イベントホールで2008年5月4日午後3時24分、塩入正夫撮影
憲法9条の「戦争放棄」の理念を世界に発信しようというイベント「9条世界会議」(主催・同会議日本実行委)が4日、千葉市美浜区の幕張メッセで始まった。6日までの3日間「世界の紛争と非暴力」「アジアの中の9条」などの分科会を開催、憲法にうたわれた不戦の精神について意見交換する。

 初日の全体会は約1万人(主催者発表)が参加。ノーベル平和賞受賞者による講演や加藤登紀子さんらのコンサートに聴き入った。同賞受賞者の元ケニア副環境相、ワンガリ・マータイさん(68)はビデオメッセージで登場。スクリーンを通じ「世界は9条という夢、ビジョンを実現すべきだ。9条は人類全体が賛同すべきものだ」と訴えた。

 第二次大戦後、GHQ(連合国軍総司令部)の一員として憲法起草にかかわった米国人女性ベアテ・シロタ・ゴードンさん(84)は当時のエピソードを披露したうえで「戦争放棄という9条の精神は、さまざまな国のモデルになると思う」と話した。【柳澤一男】

毎日新聞 2008年5月4日 20時20分(最終更新 5月4日 20時42分)


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-05-05/2008050501_02_0.html

平和憲法の価値再発見
9条世界会議開幕 内外参加者熱く交流

 憲法九条の意味を世界の人々と考える「9条世界会議」が四日、千葉・幕張メッセで開かれ、講演や合唱、アーティストによるライブなど多彩な催しが行われました。全国から参加者がかけつけ、満席となった会場にはのべ一万二千人が入場。三千人以上が入りきれませんでしたが、外でも海外ゲストとの交流が行われました。

 実行委員会共同代表の池田香代子さん(翻訳家)は、「平和憲法は日本の市民が日々選びとり、六十一年間努力して維持し続けてきたもの」と強調。イラク派兵を憲法九条違反と断じた名古屋高裁判決を原告の一人として法廷で聞いた感動を述べ、「民主主義は戦争を否定して初めて本物になる」と訴えました。

 講演したノーベル平和賞受賞者のマイレッド・マグワイアさん(北アイルランド)は、「日本の平和憲法は、世界中の人々に希望を与え続けてきた」と指摘。一九九九年のハーグ平和会議を主宰したコーラ・ワイスさん(アメリカ)は環境や経済の面からも戦争をなくす大切さを訴えました。

 トーク企画「イラク、アメリカ、日本」では、いまでは平和活動に身を投じているイラク帰還米兵、元イラク兵、元米陸軍大佐のアン・ライトさんが、高遠菜穂子さん(イラク支援ボランティア)や雨宮処凛さん(作家)と討論。雨宮さんは貧困と戦争の関係にふれ、「解決策は、軍事費を削って生存の方に回すことだ」と訴え。高遠さんはイラクでの人質事件の体験から「九条で命が守られた。二度と同じようなことが起きてほしくない」と話し、盛んな拍手に包まれました。

 会議には、海外からも法律家団体やNGO(非政府組織)代表など三十カ国百五十人以上が参加しました。会議の日程は三日間の予定です。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-05-06/2008050604_01_0.html
世界史変える「改憲ノー」
9条世界会議 多彩に分科会

(写真)話し合う、シンポジウム「平和を創る女性パワー」の参加者たち=5日、千葉市

 「9条世界会議」は五日、二日目の「九条を生かす分科会」を開き、会場の幕張メッセ国際会議場にはのべ六千五百人がつめかけました。大小三十近い多彩なシンポジウムやパネル討論、各団体の自主企画が催され、どの会場も立って聞く参加者がでる盛況でした。ミニライブや映画上映も行われました。

 「九条の危機と未来」の分科会で、経済同友会終身幹事の品川正治さんは「九条改憲にノーということはアジアを変え、アメリカの世界戦略も変える。われわれ日本国民は世界史を変える立場に置かれている」と訴えました。「核時代と九条」では、広島平和研究所所長の浅井基文さんが「九条と核廃絶は切っても切れない」とのべ、「力によらない平和」という九条の思想の大切さを強調しました。

 「アジアの中の九条」では、フィリピン代表が米軍基地追い出しの経験から、九条が平和運動発展の契機になったと発言。「平和を創る女性パワー」では、バウネット・ジャパンの西野瑠美子さんが「慰安婦問題の解決は、真のアジア和解に欠くことのできないプロセスであり、九条の要請だ」と発言。米陸軍元大佐のアン・ライトさんは米軍の性暴力について「部隊ではなんのとがめもない」と告発しました。

 新日本婦人の会の高田公子会長は、「九条の会」などでの活動を紹介し、「草の根でのがんばりが改憲キャンペーンの影響を押し返している」と報告しました。

 「世界の紛争と非暴力」では、アフガニスタンで軍閥の武装解除を成功させた伊勢崎賢治東京外国語大学教授が自らの体験を踏まえ「いかに紛争を起こさないかが現代の最大の問題だ」と提起。ボスニア出身のジャーナリスト、ヤスナ・バスティッチさんは、紛争を未然に食い止める市民の取り組みの重要性を語りました。

 また、いくつかのパネル討論では、九条にかんするグローバル・ネットワークづくりの提案も出ましたが、「それぞれの国の政治状況、実情に応じてそれぞれが頑張ることが重要だ」など各国の自主的な取り組みを尊重するべきだとの発言が相次ぎました。

5・3集会、東京日比谷

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-05-04/2008050401_01_0.html
憲法守る運動さらに
施行61周年 全国で行動
東京 4300人が集会・パレード

 「憲法守れ」の世論の大きな広がりのもと、憲法施行六十一周年を迎えた三日、「憲法を生かそう」「海外派兵恒久法やめよ」と全国で行動がくり広げられました。

 東京では、日比谷公会堂で「5・3憲法集会」(憲法会議、許すな!憲法改悪・市民連絡会など八団体で構成する実行委員会主催)が開かれ、四千三百人が参加。小雨のなか、開場二時間前から参加者が列をなし、会場からあふれた参加者が場外に設置された大型スクリーンの前を幾重にも囲みました。

 「毎月の宣伝で、最近はビラの受け取りがいい。署名も増えている」というのは東京土建本部の瀬田宗市さん(60)。「福祉を削って軍事費に回すような悪政に国民のがまんは限界。これからも燃えて駅頭に立つ」。けさ、地元で宣伝してきたという集会初参加の女性。地元の若者に誘われ、二月から活動を始めたばかりです。「私の家の近くにも平和を守ろうとする同年代がいると知ってうれしかった」

 集会では、女性の憲法年連絡会の堀江ゆりさんが、改憲を掲げた安倍政権を退陣に追い込むなどこの一年間の変化をのべ、「憲法九条を守ろうという世論の高まりのなかで開かれた集会。もっともっと運動を強めよう」と主催者あいさつ。日本共産党の志位和夫委員長、音楽評論家・作詞家の湯川れい子さんら四氏がスピーチしました。

 元米陸軍大佐・元外交官のアン・ライトさんは、「憲法九条をもつ日本は平和な世界のモデル。九条を世界に」と語りました。

 社民党の福島瑞穂党首は、憲法二五条を守れとたちあがった若者など「この数年の国民の力を実感する」とのべ、「人間を尊重する幸福の社会をつくろう」と訴えました。

 集会後、うちわや風船を手に銀座パレードが行われ、志位氏、笠井亮衆院議員、福島氏らも参加しました。
志位委員長が発言

 志位和夫委員長は発言で、憲法をめぐる国民世論の前向きの変化をつくりだした「九条の会」の草の根の組識の成長をあげ、改憲派の新たな巻き返しの危険を軽視せず、彼らが何より恐れる国民世論と草の根の運動で包囲し「ゆるぎない国民的多数派をつくりあげよう」と力を込めました。

 「憲法を平和に生かし、暮らしに生かすための攻めのたたかいを、あらゆる分野で発展させよう」とよびかけた志位さんは、平和に生かす点で、名古屋高裁判決は自衛隊イラク派兵に真正面から憲法違反と断じた歴史的・画期的なものと指摘。

 暮らしに生かし、貧困と格差をただす点では、日本国憲法が三十条におよぶ人権条項をもつ世界で最も豊かな人権憲法だとのべました。

 志位さんの発言に、随所で「そうだ」の声援と拍手が送られ、「憲法の輝く値打ちを国民が体験をつうじてつかむことが、憲法改悪のたくらみを阻止する一番の力となります。ともにがんばりましょう」と結びました。

9条改正反対66%に増、賛成23%に減 朝日世論調査

九条世界会議でパソコンに向き合う時間がとれず、掲載が遅れました。この朝日の記事は読売型とは異なり、先の北海道新聞の調査結果に類似しています。分析が必要です。世界会議のレセプションで司会の小森陽一さんがこの記事を振りかざして「九条の国へようこそ」と挨拶したのが印象に残っています。(高田)
http://www.asahi.com/national/update/0502/TKY200805020272.html
9条改正反対66%に増、賛成23%に減 本社調査

2008年05月02日21時33分

 3日の憲法記念日に合わせて、朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)によると、憲法9条を「変えない方がよい」との回答が66%にのぼり、「変える方がよい」の23%を大きく上回った。憲法改正が「必要」とする人は56%いるが、その中で9条改正を支持する人の割合は37%にとどまり、54%が「9条は変えない方がよい」と答えた。

  

 調査は4月19、20の両日に実施した。

 前の安倍内閣時代の07年4月に実施した調査でも、9条は「変えない方がよい」が49%で「変える方がよい」の33%を上回っていたが、今回は大きく差が広がった。

 この1年間は、安倍内閣が改憲への準備や集団的自衛権の議論を進めたほか、福田内閣のもとでもインド洋への海上自衛隊派遣をめぐる国会論戦が続くなど、9条や自衛隊の対米協力にかかわる論議が具体性を帯びた時期だった。

 一方、憲法全体について聞くと、憲法改正が「必要」とする人は56%なのに対し、「必要ない」は31%。07年調査で「必要」58%、「必要ない」27%だったのと大きな変化はなかった。

 憲法改正が「必要」と答えた人に理由を聞くと、74%が「新しい権利や制度を盛り込むべきだから」と答えた。「9条に問題があるから」は13%、「自分たちの手で新しい憲法を作りたいから」は9%にとどまった。

 また、憲法改正が「現実的な問題」と思う人は52%、「まだ先の問題」とする人は35%。07年調査ではそれぞれ59%、31%だった。「先の問題」とする人に理由を聞くと、71%が「国民の間で機運が高まっていない」を選んだ。国会で与野党の対立が深まっていることを挙げたのは19%、安倍首相が退陣したことを挙げた人は5%だった。

 衆参両院で多数派が異なるねじれ国会への評価を聞いたところ、「好ましくない」が62%を占めた。ただ、憲法を改正して衆議院の権限をさらに強めることについては、反対が58%だったのに対し、賛成は23%だった。

2008年4月30日 (水)

図書紹介「軍隊のない国家~27の国々と人びと」

図書紹介
「軍隊のない国家~27の国々と人びと」日本評論社発行1900円四六判256頁前田朗著

帯には「想像してください。憲法9条が世界を変えることを」とある。著者の前田さんの3年にわたる努力の結果、結実した労作で、それはまさに足で歩いて書き上げられたものである。本書は図書館などで調査をしただけのものとちがい、きわめて実証的なものである。
しばらく前、私は前田氏のこの仕事に注目して市民連絡会の会報「私と憲法
(2006年8月号)」で少し紹介したことがある。そこに当時私が、前田さんにメールをだして、返事を頂いたメールを紹介している。「クリストフ・バルビーさんが言う軍隊の1ない国家27を全部まわろうとして始めましたが、ただいま10カ国をまわり、9カ国について報告してきました。まだまだこれからですが、南太平洋やカリブ海など遠方かつ不便なところが多いので大変です。(略)」
当時私はこう書いた。「このクリストフ・バルビーという人は、前田さんの紹介によると、スイスの弁護士で、『脱軍事化を求める協会コーディネーター』でその著書『非軍事化と軍隊のない国家』(同協会、2001年)で軍隊のない国家を列挙している。現在バルビーさんが掲げる非武装国家は27国である。前田さんはこの27カ国をまわろうとしている。こうした足で確かめた報告は基調であり、その努力に敬意を表する」と。
軍隊のない国家というとコスタリカが有名である。しかし、前田さんは世界に27カ国もあることを自分の足でたしかめたのだ。入国できないでトランジットだけだったという国も一カ国あったようだ。
27の国々の各章ごとに、ひとつひとつ形容詞がついている。前田さんが歩い手考えたオリジナルである。これがなかなか面白い。例えばこうである。史上初の非核憲法ーミクロネシア。リン鉱石の島ーナウル共和国。最初に夜が明ける国ーキリバス共和国。国が海に沈んでいくートゥヴァル。女性がつくった憲法ーヴァヌアツ共和国。豊かな虹の国ーモーリシャス共和国。700年の平和の旅ーアンドラ公国。君主が軍隊を廃止ーリヒテンシュタイン市国。白夜の国から米軍撤退ーアイスランド共和国。ハミングバードの聖地ードミニカ国。奴隷解放の闘いーセントルシア。運河に翻弄された国ーパナマ共和国。軍隊を捨てた国ーコスタリカ共和国。ざっと、これだけでも興味をそそられるだろう。
国連に入っていない国が2つあるから、加盟国25カ国、国連加盟国192カ国中、こんなに沢山の国が軍隊を持っていないということを、多くの人々は知らない。その一事からだけでも、本書は一読の価値がある。ここからどういう結論を導き出すか、それは読者の仕事である。(高田)

2008年4月26日 (土)

「九条の会」7千突破

本日の赤旗紙の報道である。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-04-26/2008042601_02_0.html
「九条の会」7千突破
運動への不当な干渉に抗議
記者会見で発表

 憲法九条の改定に反対し、九条を守り生かす活動をすすめている「九条の会」は二十五日、国会内で記者会見し、同会アピールに賛同する地域・職場・分野別などの「会」が七千を突破したことを明らかにしました。会見では運動への不当な規制・干渉に抗議する事務局見解も発表しました。

 「会」結成数は、昨年十一月段階の六千八百一から二百三十八増加し七千三十九になりました。

 会見した事務局長の小森陽一・東大教授は、小学校区単位の会づくりを提起した第二回全国交流集会(昨年十一月)以降、地域住民の身近なところで会を広げていくとりくみがすすめられていると指摘。「こうした草の根からの運動を四年近く続けてきたことが、『読売』調査でも改憲反対が多数派になった世論の形成に大きな役割を果たしている。この草の根の活動をいっそう広げたい」と述べました。

 また、六月二十一日(岐阜市)と七月十二日(宮崎市)に開く「憲法セミナー」の詳細な内容を紹介しました。

 この間、神奈川県箱根町では、地域の「会」が公民館を借りる際、町教育委員会が「九条堅持に偏って主張することは避ける」と条件をつけるなどの事態が起きています。事務局見解では、この事態について「教育委員会による検閲にほかならず、表現の自由、集会の自由に対する明らかな侵害」と批判。

 映画「靖国」への助成をめぐる自民党議員の攻撃を含め、見解は「9条改憲をもくろむ勢力のあせりが、権力の側から言論・表現・集会の自由の侵害という形で現れている」と指摘。「憲法をめぐる議論は最も手厚く保障されるべき言論だ」とし、不当な規制や干渉に抗議しました。

2008年4月25日 (金)

九条の会事務局見解・憲法9条を守る運動に対する不当な規制・干渉に抗議する

九条の会事務局は25日、国会内で記者会見を行い以下の見解を発表した。

九条の会事務局見解

憲法9条を守る運動に対する不当な規制・干渉に抗議する

 

 今年の3月4日に、「新憲法制定議員同盟」の総会が開催され、「われわれと正反対の勢力、『九条の会』と称する勢力」(同同盟幹事長の愛知和男衆院議員の表現)が全国に細かく組織作りができているとして、「九条の会」への対抗意識をあらわにし、「拠点となる地方組織」を作っていくことを方針に掲げました。

 私たち「九条の会」の運動は、憲法9条の「改正」に反対し、9条を守り実現しようと市民が進めているものであり、憲法9条の擁護は市民の自由闊達な議論を通じてこそ実現できると確信しています。それだけに憲法「改正」の是非をめぐる旺盛な議論の自由は絶対に守られなければなりません。

ところが、この間、こうした市民の言論や九条の会の活動を権力的に押さえ込むかのような、表現の自由や集会の自由に対する規制や干渉が目立っています。

 神奈川県の

箱根町

では、地域の九条の会が会合のために公民館を借りた際に「9条堅持に偏って主張することは避ける」などとの条件を町教育委員会からつけられたり、施設に掲示された「憲法9条が危ない情勢」という表現について「内容が中立的でない」として紙で覆い隠したりされました。

これは、町教育委員会による検閲にほかならず、憲法が保障する表現の自由、集会の自由に対する明らかな侵害です。また、憲法の趣旨に沿って公の施設の平等な利用を定めた地方自治法や、公民館の目的を住民の教育・学術・文化に関する事業とし、その事業のなかに「討論会」も含めている社会教育法にも反する違法な規制です。

 また、映画「靖国」が日本芸術文化振興会から助成を受けたことを問題にした自民党の議員は、国会の質問で、助成対象の選定にあたった専門委員の一人が「映画人九条の会」のメンバーであることを取り上げて、「専門委員の中立性」を問題にしています。しかし、文化的な活動への助成の内容に党派的な国会議員が干渉することこそ、文化行政の公正さ・中立性を損なうといわねばなりません。

 こうした規制や干渉の口実として、憲法9条の擁護を訴えることは「政治的」で「偏った」言動だという主張がありますが、憲法をめぐる議論は決して一党一派の立場を主張する「政治」的言論ではなく、むしろ自由な社会では最も手厚く保障されるべき言論です。

 私たち「九条の会」の運動が地域や職場に広がる中で、憲法9条を守ろうという声は着実に大きく確固としたものになってきています。4月8日に読売新聞が発表した世論調査で、憲法「改正」に「反対」(43.1%)と答えた人が「賛成」(42.5%)と答える人を上回り、9条の明文改憲に否定的な回答が60.1%にのぼったことは、その一端を示すものです。

 そうした中で9条改憲をもくろむ勢力のあせりが、権力の側から国民運動の提起や言論・表現・集会の自由の侵害という形で現れているのです。私たちは、こうした規制や干渉に断固抗議するとともに、今後とも、憲法9条を守る運動を進めていく決意を表明するものです。

 

 

2008年4月20日 (日)

長崎新聞、世界会議に注目

長崎新聞のコラムである。
世界会議に注目している。こういう記者さんがいることがうれしい。(高田)

http://www.nagasaki-np.co.jp/press/mizusora/top.html
 九条の世界
    (2008年4月16日付)
 米陸軍長官ロイヤル氏が「日本を反共の防壁にする」と演説したのが60年前の1948年1月だった。日本の非軍事化、民主化を軌道修正する占領政策の大転換を意味した。東西冷戦を意識した新たな世界の動きが理由だ▲それはまた、戦争放棄と戦力の不保持、交戦権を否定した憲法9条がお荷物となる始まりでもあった。新憲法施行からまだ半年過ぎたばかり。自衛隊発足の前年(53年)に来日した副大統領ニクソン氏(当時)の演説「憲法9条は米の誤りであった」が端的でわかりやすい▲米国のご都合主義に、わが国為政者もべったり同伴者となった。だが、憲法は容易にいじれない。そこでこの60年、何事も「解釈改憲」で乗り切ってきた▲その究極は自衛隊をいつでも海外派遣できる「恒久法」制定だろう。衆参の「ねじれ国会」も意識した自民党が10日、法案づくりのプロジェクトチームを立ち上げた▲一方、この時期、対極にある動きとして興味深いのが、来月4日から千葉や広島などで開かれる「9条世界会議」。ノーベル平和賞受賞者マイレッド・マグワイアさん(北アイルランド)らの講演など、各国非政府組織(NGO)が集まる▲護憲派には追い風の一大イベントだが、注目したいのは、「9条」をテーマにした初の国際会議ということ。日本の9条が、世界の平和や非軍事化の流れを広める道具となるかもしれない。(剛)

2008年4月 9日 (水)

赤旗の読売調査報道

本日の赤旗紙の報道である。同紙はこれを1面トップ記事で取り上げた。重視の程度がよくわかる。憲法会議の川村さんのコメントがよい。(高田)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-04-09/2008040901_03_0.html
「改憲反対」が15年ぶり上回る/「読売」世論調査/「9条守れ」6割に

 読売新聞が一九八一年から実施している面接方式の「憲法」世論調査で、「憲法改正」反対が賛成を十五年ぶりに上回ったことが、同紙八日付の報道で明らかになりました。「今の憲法を改正しない方がよい」と思う人は43・1%で昨年調査より4・0ポイント増、「改正する方がよい」は42・5%で同3・7ポイント減でした。

 同紙調査では、九条については改定反対が一貫して多数でしたが、憲法全体については九三年から改定賛成が反対を上回り、二〇〇四年には賛成65・0%と最高を記録していました。しかし、同年に「九条の会」が結成され、翌年からは四年連続で改憲反対が増加、昨年は賛成が過半数割れしていました。

 反対の理由(複数回答)では、「世界に誇る平和憲法だから」が6ポイント増の52・5%でトップ、「基本的人権、民主主義が保障されているから」も4ポイント増やして26・6%でした。支持政党別でも、自民支持層で賛成が九七年以来の半数割れ、無党派層でも九三年以降はじめて反対が賛成を逆転しています。民主支持層では二年連続で反対が多数で、50・2%と過半数でした。

 九条については、「これまで通り、解釈や運用で対応する」と「九条を厳格に守り、解釈や運用では対応しない」のいずれも増加し、あわせて60・1%に。「九条を改正する」は30・7%で5ポイントも減少、九条改定反対が圧倒していることを示しています。本来一体である九条を一項、二項に分離して改定の賛否を聞いた設問でも「改正する必要がない」が一項で81・6%、二項で54・5%を占めました。同紙は、これらの結果について「憲法改正に強い意欲を示した安倍前首相の突然の退陣」などに原因を求めています。

憲法会議代表幹事 川村 俊夫さんの話/草の根の運動の力

 「読売」調査の転換点は二〇〇四年です。この年の六月に「九条の会」が結成され、全国で草の根の「会」が結成されていくのとほぼ並行して九条改定反対が増加し、賛成派との差は年々拡大しています。そして、今回、憲法改定そのものへの反対も賛成を十五年ぶりに上回りました。草の根の運動の力です。

 草の根の運動が広がったのは、改憲の中身がたんに自衛隊を合憲とするなどということではなくて、「海外で戦争をする国づくり」なのだということをみんなが知り始めたからです。海外派兵・武力行使恒久法についても、海外での武力行使を可能にする中身を知らせていくことが大事です。

 改憲派も草の根の運動の重要さに気づきつつあります。「新憲法制定議員同盟」は「九条の会」に対抗する国民運動を提起し、それと連携して日本青年会議所が「憲法タウンミーティング」を全国で開催する計画です。

 だからこそ、「九条の会」を小学校区単位で結成するなど、憲法を守り生かす草の根の取り組みをますます強めて、職場・地域・学園で世論を動かしていくことが大事になっています。

2008年4月 8日 (火)

読売世論調査についての分析と評価

読売世論調査についての分析と評価

4月8日、発表された「読売新聞」の世論調査(3月15、16日実施。調査方法=全国の有権者3000人に250地点、層化2段無作為抽出法で戸別訪問面接聴取法、有効回収1786人、59.5%)で、画期的な結果が出た。読売新聞が過去に行ってきた憲法に関する世論調査(81年、86年、91年、93年以降は毎年)で、93年(改憲賛成50.4%、改憲反対33.0%)以来、15年ぶりに、改憲反対派が改憲賛成派を上回ったのである。 改憲賛成42・5、反対43・1%である。改正反対の理由の最多は「世界に誇る平和憲法だから」が52・5%(反対意見中、複数回答)を占めた。ここでいう改憲賛成派とは焦点の「9条」に限らず、環境など「新しい人権の付加」などを含め、憲法のいずれの箇所かを変えた方がいいという意見の人を指している。この意見は2004年にピークに達し、その時点では改憲賛成65.0%、反対22.7%となっていた。以降、この意見は年々減少傾向を示し、昨年は賛成46.2%、反対39.1%まで接近していた。
 第9条を今後どうするかについては、「厳密に守り、解釈や運用では対応しない」が23.9%で昨年より3.9%増、「これまで通り、解釈や運用で対応する」が36.2%で昨年より0.4%増加、計60.1%が改憲に反対か現状維持、「解釈や運用で対応するのは限界なので、改正する」は30.7%と昨年より5%減で、ほぼダブルスコアとなった。2004年以来の改憲反対派増の傾向は、ここにきて、憲法全般、9条の両指標とも、改憲派を追い越したのである。9条については、さらに別に第1項と2項に分けて、改憲の必要性が設問されている。戦争放棄の1項の「改憲」は12.5%、「改憲必要なし」は81.6%である。戦力不保持などの2項は「改憲」36.8%、「改憲必要なし」は54.5%であった。

この調査での集団的自衛権についての設問は異常に誘導的なものであった。「日本と密接な関係のある国が武力攻撃を受けたとき、この攻撃を、日本の安全を脅かすものと見なして、攻撃した相手に反撃する権利を『集団的自衛権』と言います。政府の見解では、日本もこの権利を持っているが、憲法の解釈上、使うことはできないとしています。この集団的自衛権について、次の中から、あなたの考えに最も近いものを、1つだけあげてください。・憲法を改正して、集団的自衛権を使えるようにする ・憲法の解釈を変更して、集団的自衛権を使えるようにする ・これまで通り、使えなくて良い」とした。しかし、かくも誘導質問的なものに対して、結果は、「改憲して」が18.7%、「解約拡大で」が22.1%、「これまで通り」が51.6%であった。先の9条改憲反対の世論と同様に、平和憲法への確固たる支持の堅さが見える結果である。

 これは全国各地の草の根に急速に形成された「九条の会」をはじめ、この間の改憲に反対するさまざまな人々の運動の成果である。この間、実に多様な「市民」が、さまざまに自らの言葉で改憲反対、9条擁護の発信を次々としてきた。こうした努力が世論を掘り起こし、耕したのである。それは小泉内閣から安倍内閣にいたる経過の中で、「改革」を旗印にして「日本会議議連」など新国家主義的な改憲派がこの国の政治の中心に座り始めたことに対する、憲法3原則に代表される「戦後民主主義」的な価値に根ざしたこの社会の良心的な人々の危機感の発露であった。

今回の世論調査を発表した同紙の中で、駿河大学長の成田憲彦学長(政治学者・元細川護煕首相秘書官)は「(この結果は)安倍内閣の失敗の影響」だと断じて、「昨年の参院選前に、野党の反対を押し切って国民投票法(改憲手続き法=筆者)を成立させた。これが与野党が協調して憲法改正に取り組むという雰囲気を失わせ、いまだ国会の憲法審査会で論議が始まらない状況に至っている。参院選後は『ねじれ国会』が自民、民主の対決色を強め、一緒に憲法改正に取り組もうというムードはさらに後退した。憲法を改正しないほうがよいという理由では『世界に誇る平和憲法だから』が増えている。イラク戦争の泥沼化と、安倍内閣が憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めようと結論を急ぎすぎたことが、ここでも影響している」と評価した。これらの評価はおおむね妥当であると思われる。この評価は私が本ブログで昨年5月14日、「この10年のたたかいをふりかえって」で書いたことに通じるものがある。当時、私は「改憲手続き法の成立は政治的には敗北だが、運動として敗北感はない」と主張していた。この10ヶ月余り、それを裏書きする事態が進んできた。私たちは確信を持って良いのではないか。

それにしてもこの点はどう評価すべきだろうか。この世論踏査で、自衛隊の海外派兵恒久法を必要と思う人は46%で、「そうは思わない」の42%を上回った。まず、この設問も集団的自衛権問題以上に誘導的であることを指摘しなくてはならない。それはこうである。「政府は、国連のPKO、平和維持活動以外で、自衛隊を海外に長期間派遣するときには、その都度、特別な法律を作って対応してきました。あなたは、これを改めるために、自衛隊の海外派遣のルールを総合的に定めた新しい法律、いわゆる『恒久法』が必要だと思いますか、そうは思いませんか」というものである。これでは「そのつどやるのは大変だから一般法は必要と思う」といってしまいそうである。しかし、誘導的であるにしても、集団的自衛権では拒否が多かったのであるから、この問題は軽視できない。これは自衛隊海外派兵恒久法がいかに危険なものであるかの暴露の作業が進んでいないことの現れであろう。この問題を克服することが、改憲反対運動を進めてきた私たちの今後の緊急の課題である。私たちには広範な9条支持の世論を基盤にして、自衛隊海外派兵恒久法が9条を根底から破壊する悪法であることを暴露する仕事に取り組まなくてはならない。(高田)

2008年3月 3日 (月)

護憲は「一方的主張」/箱根町教委が九条の会施設利用に制限

これは何だ! 後で考えるとして、とりあえず紹介します。神奈川新聞の記事です。
(高田)

http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiifeb0802895/
護憲は「一方的主張」/箱根町教委が九条の会施設利用に制限

    * 社会
    * 2008/03/03

 平和憲法を守ろうと結成された箱根町の住民団体「箱根九条の会」が町施設を借りる際、グループ名を名乗らずに活動せざるを得なくなっていることが、二日までに分かった。イベント開催で町教育委員会に「九条堅持に偏って主張することは避けること」などと条件を付けられたためで、会の主張を前面に打ち出しにくい状況が生まれている。

 メンバーらは、七年ほど前から活動する「核兵器をなくし平和を進める箱根の会」を母体に、二〇〇五年十月に箱根九条の会を立ち上げた。結成時に記念集会を開くため町仙石原文化センターの使用を町教委に申請。チラシにカンパ要請の記述があり、町教委は「営利目的」と判断。カンパの文言削除を条件とした。

 さらに、町教委によると、一方的に九条堅持に偏っての主張は避けるという条件も付けた。その理由を「不特定多数を招く催しなので公平・平等の立場で使ってほしいため」と説明している。

 同会によると、町教委は護憲を訴えるチラシを配ることも禁止し、チラシの点検を求め、「九条を守るというのは偏った考え。九条の会は政党に類する。一切、九条について参加者に訴えないで」と言ったという。

 これに対し、町教委は「事前チェックはしていない」と否定。「一方的な考えを強く主張するのはやめてほしいと伝えたまで」と説明した。

 同会は条件をのみ、集会にはプログラムなどだけを持ち込み、九条について語らないことを参加者に説明した。以来、同会名では活動が制限されるとして、箱根の会名で施設を借り続けている。

 だが、箱根の会名での催しでも問題が起きた。同会によると、〇六年夏ごろ町社会教育センターに掲示した催しを告知するポスターの「憲法九条が危ない情勢」との記載部分を、同センター側が紙で覆い隠した。当時のセンター所長は「内容が中立ではなかったため」と話している。

 隣接する小田原九条の会の場合、〇五年十一月、小田原市の施設で結成集会を開いたが、物品販売をしないことだけが条件で、その後も活動を制限されずに同会名で使用している。市側は「学習の場としての使用ならば問題ない」という。

 全国レベルでの九条の会呼び掛け人の一人で作家の澤地久枝さんは「市民を中心に平和を守るのは常識で、色をつけたり閉め出したら民主主義も平和主義もなく、今世紀を生きていく国ではない」と憂えた。九条の会を名乗らないことには「市民運動は緩やかでいい。後ろに下がったのもその団体の判断。ただ、少しずつ勇気を持つことは大事」と話した。

◆九条の会 2004年6月に井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、澤地久枝さんら9人の知識人や文化人を呼び掛け人として結成された護憲団体。同会事務局(東京都千代田区)によると、賛同した各地の「九条の会」は07年11月現在で全国6801団体、県内302団体。

2008年2月28日 (木)

九条を守る首長の会/憲法は地域住民の隣にある

本日(28日)の河北新報社説である。本ブログでも紹介した宮城県内の首長経験者14人の動きである。この社説が地方自治との関連で、「憲法九条を守る首長の会」の動きを評価していることに注目したい。(高田)

http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2008/02/20080228s01.htm
九条を守る首長の会/憲法は地域住民の隣にある
 憲法九条(戦争放棄と戦力の不保持)の改正反対を主張する宮城県内の市町村長経験者14人が今月初め、「憲法九条を守る首長の会」(会長・川井貞一前白石市長)を結成した。

 「……九条の会」といった各界の組織は全国で5000を超えると言われるが、「首長」と名のつく会は川井会長が言っている通り、恐らく初めてだろう。

 地域社会でも先の戦争体験の風化が進む中、首長の会の結成は「住民と戦争」あるいは「自治体と憲法」について重い問題を提起しているのだと思う。

 自民党が2005年につくった「新憲法草案」は現憲法九条一項の戦争放棄を維持した上で二項の戦力不保持を変更、国の安全保障や国際平和協力のため「自衛軍」を創設するという。

 かいつまんで言えば、集団的自衛権か個別的自衛権かは別にして、日米同盟関係の変化に対応しながら国際社会で発言力を増すためには相応の軍備(自衛軍)が必要だ―との理屈が同党の九条改正論の裏側にある。

 これに対し、地方政治には縁遠いとみられてきた九条にあえて着目した理由について川井氏は「住民の安全安心など、戦争がひとたび起きれば吹き飛んでしまうからだ」と言っている。

 住民生活の向上を政治判断の最大基準にしなければならない市町村長の経験者だからこそ、九条改正に厳しい目を向けざるを得ないということだろうか。

 川井氏の発言は、能動的な外交やグローバリズム時代を重視した九条改正論と自治体住民の意識の間にはまだまだ大きな開きがあることを浮き立たせる。
 憲法改正の手続きを定める国民投票法が昨年5月成立した。

 「憲法は不磨の大典ではないのだから改正の自由を確保しておくべきだ」といった率直な世論に後押しされてのことだ。

 しかし、法を成立に引っ張ったのは九条を柱とする憲法改正に前のめりなほどの意欲をみなぎらせた安倍晋三内閣だった。

 続く福田康夫首相の登場で安倍カラーは消されて改憲熱も冷めたかに見えるが、改憲論はいつ再燃しても不思議はない。

 そうした重苦しい空気を背景に、国民投票法の成立効果とも言える現象が広がっている。

 明確な九条改正、九条を維持した上での憲法改正、そして護憲。それらを求める動きは政党レベルだけでなく、意識的な市民団体にまで見られるようになった。「……九条の会」のような組織もその一つと言えよう。

 その中で、九条改正に異を唱えつつ改憲問題にアプローチしようとする「首長の会」の登場は特別の意味があると考える。

 川井氏はかつて自民党籍を持ったが、市長時代に自民党の公約を強行したわけではあるまい。自治体の首長は住民を意識するほど政党イデオロギーに縛られまいとする。

 そして自治体の住民は政党政治の思惑に左右されない行政のサービスを受けることになる。

 「首長の会」の主張はこうした「普通の住民」の集まりである地方自治体からの発信だ。幅の広い憲法論議に向けて一つの窓を開けたと言えるだろう。
2008年02月28日木曜日

2008年2月24日 (日)

メディアに載った九条おじさん

本日の北海道新聞のコラム「卓上四季」に「九条おじさん」が載った。簑輪さんである。草の根でコツコツと努力を重ねる簑輪さんにこの間、いくつものメディアが注目してくれた。朝日新聞、毎日新聞なども簑輪さんを紹介した。こうした報道を通じて簑輪さんの努力がどれだけ多くの人々を励ましたことだろうか。
草の根の市民の力は微力である。しかし、その微力であることを嘆かずに、にたじろがないで、簑輪さんは、権力を持った改憲派に向かい、自分にできることをやっている。このちからはすごい。誰かが言ったことがある。微力ではあるが、無力ではないと。「微」が10000筆集まるとき、それは「有力」になるにちがいない。強力になるだろう。春が来る頃、簑輪さんのたった1人の署名運動は10000筆を超える。
本日、5月の幕張をめざして、「9条ピースウオーク」がヒロシマを発つ。折悪しく、風が強く、寒い。でも70日以上の平和行進を通じて、この市民たちが沿道の人々に訴え続ける思いは熱い。こうした一見、無謀なことを計画し、執念にも似た準備の努力の中で、実現しつつあるピースウオーク実行委員会の仲間たちに敬意を払いたい。5月、関東の春爛漫の花々の中で、私はこのピースウオークの人々を迎えることができるのがうれしい。
いま、私たちは海外派兵恒久法の策定の動きに抗議する共同アピールの賛同を呼びかけている。次々とよせられる賛同の声に添えてある一言が励みになる。こうした市民の無数のおもいのつながりを感じている。(高田)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/
卓上四季
九条おじさん(2月24日)

東京・小金井市に住む簑輪喜作さん(78)は地元で「九条おじさん」と呼ばれている。二○○五年十二月から一人で憲法九条を守る署名を集めている▼ 「9条の会・こがねい」の発足がきっかけだった。戸別訪問から始め、今は毎日のように自宅近くの武蔵野公園に通う。二年余りで署名は九千人分を超えた。半数は若い人たちだ。「今どきの若者はといった声を聞きますが、そんなことはない。話しかけてみるとしっかりした人が多いことがわかります」▼戦争はいかに悲惨か。九条が変えられたらみんなはどうなるか。そんな話をする。涙ぐみながら聞いてくれたり、自宅を訪ねてきたり、手紙をくれたりする若い人もいる。九条が自衛隊員の兄を守ってると話す青年からは「兄ちゃんのためにも頑張って」と言われた▼終戦翌年から四十四年間、新潟県の山奥の小学校に用務員として勤めた。大勢の子供たちと接してきた。九条だけは次の世代に残さなければならないと話す▼「日本がおかしくなっている。私は十五年戦争まるごと生きてきた。その体験者がなぜあの時動いてくれなかったのかと後世の人に言われたくないのです」とも▼広大な武蔵野公園には各地から多くの人が来る。「この年になって人生で最高の経験をさせてもらっています」。署名簿片手に笑顔を見せる簑輪さん。若者との出会いが増える春が待ち遠しいようだ。

2008年2月 9日 (土)

保守系実力者ら9条守る会結成 元市町村長14人 宮城

本日の河北新報に掲載された記事。
私の記憶に間違いがなければ、鹿野さんは憲法調査会の仙台公聴会で公述人として発言したはずだ。(高田)

http://www.kahoku.co.jp/news/2008/02/20080209t11049.htm
保守系実力者ら9条守る会結成 元市町村長14人 宮城
 憲法九条の改正反対を主張する宮城県内の市町村長経験者14人が8日、「憲法九条を守る首長の会」を結成した。現職時代に強力な指導力を発揮した保守系の実力者らが顔を連ねている。全国の首長経験者のほか、知事や市区町村長に賛同を呼び掛けるという。

 全国市長会の副会長を務めた前白石市長の川井貞一氏(75)が会長に就任。元鹿島台町長で全国町村会副会長だった鹿野文永氏(71)、元七ケ宿町長の松村行衛氏(69)、前山元町長の森久一氏(62)らが参加した。

 初会合で「九条改憲こそ市町村住民の安全を脅かす最たるものであり、断固として阻止する」とのアピール文を作成。近く全国の都道府県や市区町村に郵送し、ホームページも立ち上げる。

 県庁で8日記者会見した川井会長は国民投票法制定や自衛隊のイラク派遣を指摘し、「米国に引きずられ、日本が危ない方向へ進んでいる。党派にとらわれず、国に遠慮せず地方から声を上げることが必要」と述べた。

 鹿野氏は「改憲阻止を明確に表明しにくい首長もいるが、会の結成が励ましになる。県内外に広く発信したい」と述べた。

憲法9条改正反対を主張する川井前白石市長(右)と鹿野元鹿島台町長=8日午前、県庁
2008年02月08日金曜日

2008年2月 3日 (日)

有名人による新ファシズム的な言辞の横行

軽い。どう見ても軽い。
橋下・次期大阪府知事の「憲法発言」は弁護士の肩書きをもった憲法に無知な人物の発言だ。これが単なる悪ガキの戯れ言ではなく、次期府知事だから始末がわるい。そのまんま東・宮崎県知事の徴兵制(で若者を鍛え直せ)発言にしてもそうだ。この連中、憲法などについてほとんどわかっていない。ただただ自らの特殊な政治的発言を知名度にまかせて振りまいているだけだ。ここに新しいファッシズムの萌芽を見ると言ったら言いすぎだろうか。そうは思えない。見逃さず、軽視せず、反撃することが重要だ。以下、朝日新聞の記事である。(高田)

http://www.asahi.com/politics/update/0202/SEB200802020019.html
橋下節に疑問の声「あんたこそ憲法学べ」 岩国住民投票

2008年02月03日11時38分朝日コム

 米空母艦載機移転をめぐり06年春に山口県岩国市が実施した住民投票に対する橋下徹・次期大阪府知事の発言に、憲法学者や政治学者らが首をかしげている。弁護士でもある橋下氏は、反論した前岩国市長の井原勝介氏を「憲法を勉強して」と痛烈に批判したが、「橋下さんこそ不勉強では」との指摘も出ている。

 橋下氏の発言が飛び出したのは1月31日。3日告示の岩国市長選で艦載機移転容認派が推す前自民党衆院議員の福田良彦氏を応援するビデオ撮影に応じた後、「防衛政策に自治体が異議を差し挟むべきではない」「間接代表制をとる日本の法制度上、直接民主制の住民投票の対象には制限がある」と持論を展開。井原氏が「国民が国政にものを言うのは当然」と反論すると、1日に「憲法を全く勉強していない」などと再反論した。

 橋下氏の発言に対し、小林良彰・慶大教授(政治学)は「この種の住民投票には法的拘束力がない。住民の意思の確認・表明なのだから、それを憲法が制限することはあり得ない」と指摘。「防衛は国の専権事項だが、基地問題は地元住民にとって生活問題だから、意見を言う資格がある。それは憲法が認めた言論の自由だ」と述べ、「橋下さんこそ憲法を勉強した方がいいんじゃないか」と皮肉った。

 小林節・慶大教授(憲法)は「橋下さんは憲法を紋切り型に解釈しているのではないか」と首をひねる。「地域の問題について住民の声を直接聞いて、その結果を地方自治体の意向として国に示して実現を図っていい、というのが憲法の考え方だ」と言う。

 奥平康弘・東大名誉教授(憲法)は「法的拘束力のない住民投票の是非について、わざわざ憲法を引き合いに出すこと自体が論外」と突き放した。「弁護士が『憲法』と言えば、いかにも説得力があるように聞こえるが、政治家として政治的な発言をしたまでのこと。人びとの注目を集め、目的は達成したんじゃないのかな」と冷ややかに語った。

http://www.asahi.com/kansai/osakatiji/OSK200802010040.html
橋下氏に前岩国市長反論「大阪府民の声は聞かないのか」

2008年02月01日

 山口県岩国市にある米軍岩国基地への空母艦載機移転問題で、大阪府知事選で初当選した橋下徹氏が「国の防衛政策に地方自治体が異議を差し挟むべきでない」と述べて同市が06年に行った住民投票を批判したのに対し、前岩国市長の井原勝介氏(57)は1日、記者会見で「主権者である市民、国民が国政にものを言うのは当然だ。大阪でこういう問題が起きれば、国策だから府民の声は聞かないということなのか」と反論した。

 井原氏は「住民投票は議会で成立した条例に基づいて行われ、住民の意思が明確に示されたもの。とやかく言われるのは筋違いだ」とも述べた。

 住民投票は井原前市長が発議して06年3月に行われた。神奈川県の米軍厚木基地から空母艦載機部隊を岩国基地に移す計画に対する賛否を問い、「反対」が87.4%だった。

 同市では出直し市長選が3日に告示される。移転に反対する井原氏と、移転容認派が推す前自民党衆院議員の福田良彦氏(37)の一騎打ちとなる見込みで、橋下氏は福田氏を支援する考えを示している。

http://www.asahi.com/kansai/osakatiji/OSK200801310067.html
「岩国の住民投票には反対」橋下氏が発言

2008年01月31日

 大阪府の次期知事の橋下徹氏(38)は31日、米軍空母艦載機の岩国基地への移転をめぐり、山口県岩国市が一昨年に住民投票で反対の意思を示したことについて、「国の防衛政策に地方自治体が異議を差し挟むべきでない」と批判した。2月3日告示の同市長選では、移転容認派が推す福田良彦・前自民党衆院議員を支援する考えを示した。

 橋下氏はこの日、府庁の自民党談話室で、福田氏を応援するビデオ撮影に応じた。党本部の菅義偉・選対副委員長から電話で依頼されたという。

 その後、報道陣に応援の経緯を説明し、過去のテレビ番組で「岩国の人たちが住民投票をやることには反対」と発言していたことを明かし、「この考えは今も変わらない」と述べた。橋下氏は「直接民主制の住民投票の対象の範囲は、間接代表制をとる日本の法制度上、制限があると思う」と持論を展開した。

 同市長選では在日米軍再編に伴う艦載機移転の是非が争点。「反対」派の井原勝介・前市長は2年前、住民投票で圧倒的な「移転反対」の民意を引き出し、直後の市長選でも当選した。しかし、容認派が多数を占める議会と対立して昨年12月に辞職、出直し市長選に再び立候補している。

2008年1月19日 (土)

「憲法に対する労働組合の態度」にかんする「赤旗」紙の記事に注目

1月17日の赤旗紙【国民運動】欄に、「08春闘 9条守れを多数派に」という国民運動委員会の藤田宏署名の記事があり、私は興味深く読んだ。インターネットからとれなかったので、関心をもった点のみ紹介する。

 労働戦線分野では「改憲反対」「9条守れ」の声が組織的にも多数派になっている。改憲反対の労組の構成員は320万人。内訳は全労連125万人、全労協30万人、憲法労組連85万人、日教組・私鉄総連など連合系15単産78・5万人。ほかに連合内に9条改憲反対という組合が自治労など5単産102・3万人。改憲賛成はゼンセンや電力総連など2組織101・1万人。職場でも「9条を守れ」の一致点で「9条の会」等が結成されている。
記事では各単産の一覧も載っている。

 私はこうした、ナショナルセンターを超えた評価の仕方は広範な「9条改憲反対」の戦線を作っていく上でも、また労働組合の共同を作っていく上でも重要だとおもう。時間はかかるかも知れないが、こうしたセクト的、教条的でない態度は、やがて大きな共同行動を形成して行く上での、布石となる。(高田)

2008年1月18日 (金)

1.18院内集会

 第169通常国会の開会日にあたり、「5・3憲法集会実行委員会」が主催する「憲法審査会を始動させるな! 政府は憲法9条を守れ! 1.18院内集会」が18日午後1時30分から、衆議院第1議員会館で開かれ、共産党、社民党の国会議員それぞれ5名をはじめ、約100名の市民が参加した。

 集会はこの通常国会で改憲の動きを進めさせないためさらに共同してがんばることを確認した。
 集会の冒頭に、実行委員会から高田健が開会挨拶を行い、2001年以来、共同を続けてきた5・3集会実行委員会の重要性を確認し、明文改憲をめざす憲法審査会を始動させない運動、および自衛隊海外派兵恒久法を阻止する取り組みへの決意を表明した。
 共産党の志位和夫委員長は、共産党がこの5・3集会の共同を非常に重視していること、この国会で福田首相が初めて派兵恒久法を提起していること、憲法審査会の始動をあきらめていないことを指摘し、ともに闘っていこうと呼びかけた。
 社民党の福島瑞穂党首は、昨年、安部内閣を退陣に追い込んだが、改憲の動きは止まっていない。また派兵恒久法を含む民主党案が参議院で採択され、衆議院で継続審議になっていることは、大連立の動きと併せて、警戒を要する。今年を憲法9条を守り抜いた年といえるようにするためにがんばろうと呼びかけた。
 両党首には憲法審査会の始動に反対する団体署名92筆、憲法9条の改悪に反対する署名が12738筆が手渡された。
 参加した国会議員からの一言挨拶が行われ、共産党の穀田、笠井、赤嶺衆院議員、社民党の日森、辻元、菅野衆院議員、共産党の井上、社民党の山内参院議員が発言した。
 集会では日本青年団協議会の大江さんと、日本山妙法寺の木津上人が連帯の挨拶をした。(高田)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-01-19/2008011902_02_0.html

2008年1月11日 (金)

福田内閣と与党の再議決の暴挙に抗議

本日、1月11日午後、与党は衆院本会議で派兵・給油新法案を再議決し、成立させた。
私たちは正午から午後1時まで衆院第2議員会館前で「米国などのアフガン戦争に加担する派兵・給油新法案を廃案へ! 与党は民意に反する衆院再議決をするな! 1・11国会前行動」という名前の集会を開いた。呼びかけたのは「憲法を生かす会、平和を実現するキリスト者ネット、平和をつくり出す宗教者ネット、許すな!憲法改悪・市民連絡会」の4団体であったが、多くの市民団体・労働団体などの皆さんが駆けつけ、集会は200名以上にふくれあがった。
集会では共産党の赤嶺政賢、社民党の辻元清美、山内徳信、福島みずほの各議員(到着順)が発言、参加各団体からは、宗教者平和ネット、キリスト者平和ネット、全労協、平和フォーラム、ふぇみん、憲法を生かす会などの発言があった。
最後に、私から①再議決強行は福田内閣が追いつめられた結果の暴挙であること、②ひきつづきインド洋やイラクからの自衛隊の撤退をめざして運動を続けること、特にイラク開戦まる5年の3月22日の国際共同行動の成功と、来る総選挙での与野党逆転などをめざすこと、③予想される自衛隊海外派兵恒久法の動きに反対し、阻止するためたたかうこと、などを提起し、確認した。
集会の最後にシュプレヒコールを行い、集会を終えた。参加者の一部は、ひきつづき衆院での議決が強行された午後2時過ぎまで国会前で監視行動を続けた。(高田)

http://www.asahi.com/politics/update/0111/TKY200801110181.html
補給支援法、衆院での再議決で可決、成立

2008年01月11日14時05分

 海上自衛隊のインド洋での給油・給水活動を再開するため、政府が今国会での成立を目指している補給支援特別措置法案が、11日午前の参院本会議で採決され、民主、共産、社民など野党各党の反対多数で否決された。これを受け、午後の衆院本会議で憲法59条に基づく再議決が行われ、与党による3分の2以上の賛成で同法は可決、成立した。参院の否決を受けた再議決は57年ぶり。政府は同法の成立を受け、2月中旬にもインド洋での補給活動を再開させる。

 採決の結果は、賛成340、反対133で、賛成が出席議員の3分の2を上回った。

 補給支援特措法は、海上自衛隊の活動地域をインド洋の「非戦闘地域」とし、実施期間を施行の日から1年とした。また、昨年11月に失効したテロ対策特措法で定められていた航空自衛隊による輸送活動などの協力支援、捜索救助、被災民の救援活動を削除。活動を他国の艦船に対する給油と給水に絞り込んだ。

 参院で野党が多数を占めるため、テロ対策特措法にあった活動内容の国会承認規定も削られた。承認されない場合、自衛隊の部隊を戻さなければならなくなるためだが、政府は国会審議で「国会での法案審議そのものが国会承認と同じ意味を持つ」と説明している。

 11日の参院本会議では自民党の佐藤昭郎氏が賛成の立場から「我が国が消費する石油の90%はインド洋を経由して輸入され、この海域の安全を保つ活動は国益にもかなう」と述べた。一方、民主党の牧山弘恵氏は「政府の情報公開は不十分で、(給油の)イラク作戦への転用疑惑もある。国民は給油活動の再開は望んでいない」と述べ、法案に反対した。採決の結果、補給支援特措法案は賛成106、反対133で否決された。

 これを受け、法案で衆参の議決が異なった場合、憲法59条で合意案を作るために衆院の要求で開催できると定められている両院協議会は開かれず、午後1時すぎに衆院本会議が開会。再議決を求める動議が与党の賛成多数で可決された後、補給支援特措法案の採決が行われ、与党の賛成多数で可決、成立した。

 一方、民主党が対案として参院に提出したテロ根絶法案も採決された。与党に加え、共産、社民両党も反対に回ったが、賛成120、反対118の2票差で可決された。与党は、同法案を衆院で廃案にせず、継続審議にする。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/70070.html
3カ月ぶりの給油再開へ 防衛相、補給艦おうみ派遣(01/11 19:33)北海道新聞

 石破茂防衛相は11日午後、新テロ対策特別措置法の成立を受け、斎藤隆統合幕僚長、吉川栄治海上幕僚長らに対し海上自衛隊によるインド洋での給油活動再開に向けた準備命令を出した。海自は派遣艦船を補給艦「おうみ」(佐世保基地所属・13、500トン)と護衛艦「むらさめ」(横須賀基地所属・4、550トン)に決定、今月中の出航と2月中旬の活動再開へ準備を急ぐ。

 福田康夫首相は11日、談話を発表、昨年11月の給油中断以来、3カ月ぶりの海自活動再開の意義を強調、国民に理解を求めた。ただ対テロ新法は来週にも予定される施行から1年間の時限立法で、今秋以降、派遣延長論議が国会で再燃する可能性が高い。

 石破氏は法成立後の記者会見で、インド洋での海上阻止活動に限定した日本の提供燃料が対イラク戦などに転用されるのを防ぐため(1)各国と結ぶ交換公文で法の趣旨を明確化する(2)有志連合部隊が拠点を置くバーレーンで現地連絡官が給油のたびに転用防止のための文書を交わす(3)他国の補給艦に給油した場合は再補給先まで把握する-考えを示した。

2007年12月11日 (火)

<政党ビラ配布>1審無罪の僧侶、罰金の逆転有罪…東京高裁

「ちょっと、ちょっと、これはひどいなあ」
この高裁判決は許せない。チラシ配りのいっそうの萎縮傾向が強まる。憲法の精神がまるでわかっていない。共同して、なんとかしないといけない。(高田)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071211-00000065-mai-soci
<政党ビラ配布>1審無罪の僧侶、罰金の逆転有罪…東京高裁

12月11日16時0分配信 毎日新聞

 東京都葛飾区のマンションに共産党のビラを配布するために侵入したとして、住居侵入罪に問われた僧侶、荒川庸生(ようせい)被告(60)の控訴審で、東京高裁は11日、1審・東京地裁の無罪判決(06年8月)を破棄し、罰金5万円の逆転有罪判決を言い渡した。池田修裁判長は「政党ビラ配布という目的自体に不当な点はない」と認めつつ「マンション住民はビラ配布目的を含め、部外者が立ち入ることを禁止できる。被告の行為が相当性を欠くことは明らか」と指摘した。

 弁護側は「ビラ配布は政治的表現の自由の一つとして憲法で保障されている」などとして、無罪か公訴棄却を主張した。しかし、高裁は「表現の自由は必要不可欠な基本的人権だが、他人の財産権を不当に害することは許されない。住民らの許諾を得て立ち入ることまでは禁止されていないのだから、有罪としても憲法に反しない」と退けた。

 判決によると、荒川被告は04年12月23日午後2時20分ごろ、葛飾区の7階建てマンションに入り、共産党の「都議会報告」などのビラを3~7階27戸のドアポストに入れた。注意した住民が現行犯逮捕し、23日間にわたり身柄を拘束された。

 検察側は罰金10万円を求刑したが、1審は「ビラ配布の目的だけであれば、共有部分への立ち入り行為を刑事上の処罰の対象とするとの社会通念は、いまだ確立していない」と指摘し、住居侵入罪の成立自体を否定した。

 ビラ配りを巡っては、東京都立川市の防衛庁官舎に自衛隊イラク派遣に反対するビラを配って同罪に問われた男女3人を1審・東京地裁八王子支部が無罪(04年)としたが、東京高裁が05年に罰金10万~20万円の逆転有罪判決を言い渡した(被告側が上告中)。

2007年12月 3日 (月)

道新コラムが書いた学生九条の会

北海道新聞のコラム「卓上四季」11月24日である。
見つけるのがおくれて、紹介が遅くなったが、読んで頂きたい。(高田)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/62245.html?_nva=14
「若者と九条」(11月24日)

憲法を語る集いといえば年配者の参加が圧倒的に多いが、東京の早稲田大学で先週開かれた集会は違った▼「ピースナイト9」と題し、都内十三の大学にある「学生九条の会」が主催した。若者による若者たちのための憲法を考える集いだ。意見発表やミニコンサート、評論家の加藤周一さんの講演など中身の濃い二時間半だった▼「日本は米国の戦争を真っ先に支持する国から、真っ先に反対する国になってほしい」と訴えた高校生。「拝啓九条様 あなたのことを思うと夜も眠れません」。大学院生は憲法を守り抜いていく決意をラブレターに読み込んで披露した▼集いのアピール文に「学生は戦争を知らない世代と言われる。しかし、戦争をイメージすることができる」とあった。女子学生の一人は横須賀を母港とする米空母の艦載機がイラクを爆撃し、多くの人々が死んでいることを知った。日本もイラク戦争に加担しているのだとショックを受けた。戦争放棄と軍隊の不保持を明記した九条の意義を伝えていかなければと声をあげた▼千百人を超える参加者の中には「若い人もなかなかやるね」とほほ笑む年配者も。学生の発言にうなずいたり、拍手する姿もあった▼きょう二十四日、東京で「九条の会」の全国交流集会が行われる。各地の若者たちが思いや活動内容を語る分科会もある。報告が楽しみだ。

2007年11月30日 (金)

神奈川新聞社説 九条の会

本日の「神奈川新聞」社説である。
社説は先頃開かれた「九条の会第2回全国交流集会」の取材を土台にして、九条の会の到達点と成果を確認しながら、新たな情勢のもとで「九条の会」がさらに前進するよう、叱咤激励している。
私が書くと、手前みそのようだが、卓見であると思う。
今日のマスメディアの状況は容易ではないところに至っているが、一方で、先頃の「北海道新聞」の九条の会の報道や、全国交流集会を報じた「共同通信」なども含めて、こうしたメディアもあることを、運動の中で広めてほしいものだ。(高田)

http://www.kanaloco.jp/editorial/entry/entryxiinov071128/
神奈川新聞社説
九条の会

    * 2007/11/30

多様な議論の広がり期待

 憲法九条の擁護を訴える「九条の会」の第二回全国交流集会が都内で開かれた。大江健三郎さんらが記者会見でアピールを発表してから約三年半、これに賛同する各地域、各分野の「九条の会」は現在までに全国六千八百一、県内三百二に達したという。この一年半に、全国で千六百二十七、県内で五十七増えた。集会には全都道府県から約千人が参加し、すべての小学校区(約二万二千)に草の根の会をつくるという壮大な目標も掲げた。改憲をめぐる攻防において、「九条の会」は護憲側の連帯の結節点となりうる存在だけに、活動の行方を注目したい。

 「九条の会」は、九条改定を阻止するという一点のみで連帯するユニークな市民運動だ。大江さんのほか、井上ひさしさん、七月に亡くなった小田実さんら作家、学者ら九人が呼び掛けた。草の根の会の結成は、それぞれ当事者任せ。非武装中立派から、政府の現在の九条解釈論を支持する自衛隊・日米安保容認派まで、会員は“多様性”を誇っている。

 集会では、保守系議員らが参加している例も報告された。世論調査では改憲賛成派が過半数を超えているが、こと九条に関しては、改定反対派が賛成派を上回っている。「九条の会」は、そうした幅広い世論を背景にしている。

 政局を見ると、任期中の改憲をうたった安倍内閣があっけなく崩壊したことで、改憲への動きにはブレーキがかかった。七月の参院選では、安倍前首相が焦点の一つに改憲を掲げたにもかかわらず、世論はほとんど反応しなかった。国民が改憲を急ぐ必要性を感じていないことは明らかで、福田首相も改憲問題には終始、慎重な姿勢を見せている。

 現状は九条擁護に追い風が吹いているかに見えるが、集会では楽観論を戒める声も上がった。呼び掛け人で評論家の加藤周一さんは「安倍内閣より福田内閣の方が手ごわい。自衛隊派遣恒久法など、解釈で九条を空虚にしていく手法が取られるだろう。長丁場だ。これからが大変」と語った。

 今後について「九条の会」事務局は、「各会が援助し合いながら『空白区』を埋めていく。ネットワーク化の取り組みを進める」という。また教育問題など九条以外の政治問題でも「大きな団結の一方、意見の違いを尊重して多様な取り組みを進めてもらいたい」と話した。こうした新たな方針が効果を発揮するかどうか、会にとっても正念場だ。

 国会では改憲派が三分の二を確保。国民投票法の成立により、最短で二〇一〇年の憲法改正発議も可能だ。ただ今後は米朝関係の進展などによって東アジアの秩序が大きく変わることも予想される。「九条の会」には、新たな視点から九条の意義を再認識させるような創造的な議論を期待したい。

2007年10月27日 (土)

来年5月「9条世界会議」

9条世界会議の実行委員会が昨日、記者会見を開催しました。
共同通信が全国配信し、地元千葉県の朝日新聞が写真入りで報道するなどの反響がありました。以下は、赤旗紙の報道です。
世界会議の成功のために、ぜひご協力ください。さまざまな仕事があります。市民連絡会(電話03-3221-4668)まで申し出て頂けばお取り次ぎします。よろしくお願いします。(高田)
朝日新聞の千葉版の報道は以下のサイトで読めます。

http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000710270003

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-10-27/2007102714_01_0.html
2007年10月27日(土)「しんぶん赤旗」
来年5月「9条世界会議」
実行委発表 国内4カ所で

 “世界の中で、9条を考えたい”と、国内の著名な呼びかけ人六十三氏や、NGO(非政府組織)、労組、女性団体など約五十団体でつくる「9条世界会議」日本実行委員会が二十六日、都内で記者会見し、来年五月に「9条世界会議」を開催すると発表しました。

 「世界会議」は、五月四日に千葉・幕張メッセで七千人規模の全体会を開くのをはじめ、五、六の両日に分科会や自主企画、仙台・大阪・広島での集会を計画しています。全体会ではノーベル平和賞受賞者のマイレッド・マグワイアさん(北アイルランドの平和活動家)らが講演する予定。自主企画も十二月十四日締め切りで公募しています。

 記者会見には、呼びかけ人のなかから、経済同友会終身幹事の品川正治さん、映画監督のジャン・ユンカーマンさんら十四氏が出席。実行委員会共同代表の吉岡達也さん(ピースボート共同代表)は「国際社会にとっての九条の意味を世界と話し合う最初の機会としたい」と開催の趣旨を説明しました。

 呼びかけ人は、「日本のなかで九条の意識が高まって改憲のうねりをとめた。もう一歩踏み込んで九条を生かして戦争のない世界をつくっていくことが大事だ」(ユンカーマンさん)、「憲法は人間の視点で、戦争をやってはならないとしている。先進国の憲法にすぐ九条のようなものをもてといっても無理だが、世界の人々にどれだけ共感を得るかということのために賛成した」(品川さん)など、それぞれの思いを語りました。

2007年10月 6日 (土)

小沢民主党代表の自衛隊国連活動派遣論について

昨6日以来、一部で報道されている「小沢民主党代表の自衛隊国連活動派遣論」について、私たちの運動との関連で緊急に若干コメントしておきたい。
この考え方は小沢一郎氏の持論で、目新しいものではない。彼の持論は、国連の活動への自衛隊派遣は日本の主権の下での武力行使ではなく、9条の禁ずる武力行使にあたらない、国際平和の維持には日本も責任を持たねばならない、現行憲法の下でも自衛隊の国連派遣は可能である、というものだ。今、あらためて小沢氏がISAFとの関連で、これを公言したのは、自民党など与党とその同調者の間から、「給油活動をめぐる小沢氏の発言に対して『アメリカの戦争というだけでは不参加の十分な理由とはならない』などと論じた川端清隆・国連本部政務官の寄稿(世界10月号)」のような反撃が起きているからであり、これへの反論の形をとったものだ。小沢氏はさきのシーファー駐日米国大使との会見でもISAFについて触れて、同様の立場を示したことがある。
私は小沢氏のこの見解には反対で、この場合の自衛隊派遣も決定的な憲法違反だと考えている。この議論は保守層の一部にある「専守防衛論」の立場とも相容れない危険な海外での軍事力行使につながるものである。国際平和の維持のために日本が出来ることは、いま自民党との論戦で民主党も言っているように、テロの温床を除去していくための非軍事民生支援が最適だ。日本は9条をもつ国として、堂々と国際社会に向かって、9条を掲げこの主張と実戦をしなければならないと思う。
小沢氏は米国の「自衛戦争に自衛隊を加担させるテロ特措法」や、同類の新法は憲法違反だと頑固に言い切って、この168臨時国会に対応する立場だが(そしてそれは正しいのだが)、その頑固さは政治的演出の側面がある。彼は「それだけで闘いきれるかどうか」の不安を内面に隠しているのに違いない。この動揺が、米国や自民党などに攻められて、「ISAF派遣」への言及として出てきていると見ていいだろう。
小沢代表は、民主党が政権をとったら、実行したいと言っている。私たちはその時ははっきりと反対して闘うだろう。民主党にそれ以外の道を探るように要求もするだろう。
だが、それは民主党が政権を取ってからの話で、自民党がいまこの小沢氏の議論に同調する可能性はない。それまでは、この問題は理論上の問題である。私たちもそのように対応するだろう。
目下は、自民党がこちらに蹴ってこようとしている米国の報復戦争に同調した「インド洋派兵・給油新法」を国会の野党と院外の市民・民衆運動の力を力を結集して蹴り返すことだ。さきにこのブログで紹介した奥平康弘さんがいうオーバラティヴ・コンセンサスはここだ。その後の展開はこの闘いで各勢力がどのような闘いを展開し得たかによって変化するし、民主党内の議論にも反映するだろう。(高田)