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許すな!憲法改悪・市民連絡会

民衆の運動

2013年12月11日 (水)

(どうする?秘密法)反対の声が歯止めに 奥平康弘さん

http://www.asahi.com/articles/TKY201312100400.html

(どうする?秘密法)反対の声が歯止めに 奥平康弘さん

2013年12月11日00時34分

 ■憲法研究者・奥平康弘さん

 世論の強い反対を退け、1952年に成立した破壊活動防止法(破防法)の本来の狙いは団体規制でした。しかし、この規制は一度も適用されていません。オウム真理教に対して破防法に基づく解散の指定が請求されましたが、97年に棄却されました。

 暴力主義的破壊活動をした団体が将来も同じような活動を行う明らかな恐れがある場合、解散指定されると活動できなくなります。冷戦を背景に当局が念頭に置いていた団体は日本共産党などでした。

 当時、戦前の特高警察が再現されるのではと危険を感じた労働組合や学術団体、野党が強く反対しました。学生だった私もデモに参加しました。結果、国会では原案が修正され法律を適用する条件が厳しくなり、施行後も当局への歯止めになったのです。

 特定秘密保護法への反対の動きは政治史に残るでしょう。85年に国家秘密法が廃案になった時も、反対の広がりはこれほどではありませんでした。市民の自由の幅をできるだけ守るべきだという意識の表れだと思います。戦前への回帰の恐れというより、官僚の秘密主義が今も残っていることへの危機感が強いからだと見ています。

 今回の反対の声も法律乱用の歯止めになると思います。同時に絶えず監視していくことが必要です。公務員や記者らが秘密漏洩(ろうえい)罪に問われたとき、知る権利を保障する憲法21条に反するとして司法の場で論陣を張れるはずです。

2013年12月 1日 (日)

「絶叫デモはテロ行為」 石破幹事長 市民活動、テロと同一視

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013120102000127.html

「絶叫デモはテロ行為」 石破幹事長 市民活動、テロと同一視

2013年12月1日 朝刊

 自民党の石破茂幹事長は十一月二十九日付の自身のブログで、デモ活動について「単なる絶叫戦術はテロ行為と変わらない」と指摘した。テロの定義をめぐっては、特定秘密保護法案の条文のあいまいさが問題視されており、弁護士などからテロの範囲が広がりすぎることへの懸念が示されている。法案の審議が続く最中に、市民の活動をテロと同一視した記述は批判を集めるのは必至だ。 

 石破氏は「今も議員会館の外では『特定機密保護法絶対阻止!』を叫ぶ大音量が鳴り響いています」とした上で、「いかなる勢力なのか知る由もありませんが、左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう」と指摘した。

 さらに「主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべき。単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」としている。

 特定秘密保護法案のテロの定義をめぐっては早い段階から議論となっている。法案は一二条で、テロについて「主義主張に基づき、国家もしくは他人にこれを強要し、または社会に不安もしくは恐怖を与える目的で人を殺傷し…(後略)」としている。

 この部分は(1)「主義主張を強要する目的で人を殺傷」した場合と「恐怖を与える目的で人を殺傷」した場合がテロにあたるという解釈と(2)「主義主張を強要」した場合と「恐怖を与える目的で人を殺傷」した場合がテロ-の二通りの読み方ができる。森雅子内閣府特命担当相は(1)だと主張したが、石破氏の発言は(2)のように主義主張を強要しただけでテロになるととらえているように聞こえる。

 法案に反対する清水勉弁護士は「普通の法律の読み方だと主義主張を強要しただけでテロになる」と指摘している。

2013年11月29日 (金)

【特定秘密保護法案】「秘密国家へ道、廃案に」 分野超え、ノーベル賞学者ら会結成

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/list/CK2013112902100004.html

【特定秘密保護法案】「秘密国家へ道、廃案に」 分野超え、ノーベル賞学者ら会結成

 高まる懸念を置き去りに、衆院で採決が強行された特定秘密保護法案の成立を阻むため、学者らが分野を超えて決起した。二人のノーベル賞受賞者を含む三十一人が「特定秘密保護法案に反対する学者の会」を結成。「法案は憲法の基本的人権と平和主義を脅かす立法で、直ちに廃案とすべきだ」との声明を二十八日発表した。 

 メンバーには、ノーベル物理学賞の益川敏英・名古屋大特別教授、化学賞の白川英樹・筑波大名誉教授のほか、法学、経済学、哲学などの著名学者らが名を連ねた。インターネットを通じ、三百人以上の学者が賛同の意思を示しており、さらに増える見込み。

 政治的な問題で、幅広い分野の学者が団体をつくり、反対の態度を表明するのは異例。大きなうねりとなれば、岸信介内閣だった一九五〇年代に、ノーベル物理学賞の湯川秀樹らが憲法問題研究会をつくって改憲反対の立場を表明して以来、半世紀ぶりとなる。

 声明では「知る権利や国政調査権が制限され、表現や学問の自由が侵害される恐れがある」と指摘。「市民の目と耳をふさぎ、『秘密国家』『軍事国家』への道を開く」と廃案を求めた。衆院で採決強行の末に法案を通過させた自民党の姿勢にも「戦争へと突き進んだ戦前の政府をほうふつとさせる」と抗議した。

 記者会見で久保亨・信州大教授(歴史学)は「日本は世界的に見て、公文書管理や情報公開の取り組みが遅れている国。なぜこんな法律をつくるのか」と疑問を投げかけた。

 改憲に反対する「九条の会」の事務局長も務める小森陽一・東大教授(文学)は「政府が憲法違反の決定をしても秘密にされる。秘密保護法ではなく『秘密隠蔽(いんぺい)法』だ」と憤った。
◆国民が危機感持たねば 益川敏英・名大特別教授

 益川敏英・名古屋大特別教授は会見には出席しなかったが、二十八日、本紙の電話取材に応じた。

 政治をやる上で、秘密にし続けなければならないことはありません。外交や国防に関する内容であっても、後から必ず公開されるのが大原則です。無制限に秘密を指定できる法案を通せば、恐ろしいことが起こります。国民は、政治の決定プロセスが明らかにならないことに、だんだん慣れてしまうでしょう。社会というのはなし崩し的に変わる。安倍晋三首相の施策からは「日本を戦争ができる国にする」という意図が透けて見えます。

 今回、専門分野を超えてこれだけの学者が集まったのは、国民全般の生活に関わるからです。それだけの危機感を持たなければならない問題なのです。

2013年11月17日 (日)

九条の会、秘密保護法案を批判「9条改正にもつながる」

http://www.asahi.com/articles/TKY201311160189.html

九条の会、秘密保護法案を批判「9条改正にもつながる」

2013年11月16日19時28分

 【川端俊一】憲法を守ろうと訴える有識者や市民らが結成した「九条の会」の全国交流・討論集会が16日、東京都内で開かれ、国会で審議中の特定秘密保護法案に対する批判が相次いだ。

    法案への意見投稿はこちら

 約600人が参加。呼びかけ人で憲法研究者の奥平康弘さんは、1970年代に米国で政府のベトナム戦争の報告書を暴露した報道を例に、「国家の秘密が明らかになっても混乱は何も生じなかった」と指摘。「未来永劫(えいごう)、秘密を国民に明らかにしないようできる法律。9条改正にもつながる深刻なもの」と訴えた。

 「密約」などの著書のある作家の沢地久枝さんは、自ら取材した沖縄返還時の日米密約問題に触れながら、「どこからどこまでを秘密にするのか。あまりに無限定で、政府がどんなことも秘密にできる法律は前代未聞だ」と批判した。

 「九条の会」は作家の大江健三郎さんらの呼びかけで2004年に発足。全国各地で結成されている。

http://www.47news.jp/CN/201311/CN2013111601001946.html

九条の会「秘密保護法案廃案に 「憲法が形骸化」と反対する声

  ノーベル賞作家大江健三郎さんらが呼び掛け人の護憲団体「九条の会」の第5回全国交流・討論集会が16日、東京都内で開かれた。特定秘密保護法案が成立すれば憲法が形骸化するとして、廃案に向け「結集して運動を起こす他ない」などと、同法案に反対する声が相次いだ。

 機密を漏らした公務員らへの罰則を強める同法案に対し、奥平康弘東京大名誉教授(憲法)は、戦争につながる決定も秘密のまま行われる恐れがあると指摘。「修正すればよいという種類のものではない。憲法改正の外堀を埋める象徴的な意味がある」と強調した。
2013/11/16 18:51   【共同通信】

2013年11月 9日 (土)

山本太郎氏と原発考える講演会中止…会場使えず

この市民団体の苦労はわからないでもないが、静岡福祉大学に抗議して、断固、開催すべきだった。
市民団体の会場内自主警備と、大学の学内自主警備(ガードマンなど)、学外の警察当局の厳重警備を要求して、開催すべきであった。
結果、責任をとって活動停止とは二重の間違いだ。
学校はいったん、会場を貸した以上、責任がある。
市民がきちんと集会を開ける条件を確保するのは、憲法に保障されている基本的権利であり、警察の責任でもある。
警察に右翼対策を講じさせるのは当然だ。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131108-OYT1T01341.htm?from=top
山本太郎氏と原発考える講演会中止…会場使えず

 静岡県焼津市の市民団体「くろしおネットはまおか」は8日、山本太郎参院議員(無所属)を招いて10日に静岡福祉大学(焼津市本中根)で予定していた講演会を中止することを決めた。

 山本氏が秋の園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した問題で、大学側から来場者の安全を責任を持って確保できないと警備上の理由を指摘され、会場が使えなくなった。別の会場を探す時間もないとして中止することにした。

 講演会は「山本太郎さんと語る子どもたちの未来~原発についてみんなで考える~」と題し、10日午後から約260人が入る同大の講義室で開催する予定だった。

 同団体は「突然の中止で多くの人に迷惑をかけた。責任を取って活動を停止したい」と話している。

 同団体は東日本大震災をきっかけに、原子力発電所や放射能の問題を考えようと、2011年7月に発足。年5~6回の講演会を開催してきた。今回の講演は、参院選前の今年5月に山本氏に依頼していた。
(2013年11月9日09時52分  読売新聞)

2013年11月 4日 (月)

「秘密」は秘密って ばかな話 作家・沢地久枝さん

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013110402000126.html

「秘密」は秘密って ばかな話 作家・沢地久枝さん
2013年11月4日 朝刊

 機密を漏らした公務員らへの罰則を強める特定秘密保護法案に、強い懸念が広がっている。一九七二年の沖縄返還をめぐる日米密約を、著書で取り上げたノンフィクション作家沢地久枝さん(83)は「この法律が成立したら、密約の当時よりもっとひどいことになる。憲法がどんなことを定めていても全部吹っ飛ぶのではないか」と憂える。

 「とんでもない法案だとあきれました。こんなに内容が分からない法案は初めて見た。具体的な部分で『政令で定める』と書いてある箇所がいくつも出てくる。政令は、政府がいくらでも出せるものです」

 特定秘密とは、安全保障に著しい支障を与える恐れがあって特に秘匿する必要のある情報で、防衛相ら行政機関トップが指定する。「一般の人には、自分が特定秘密に触れているのか分からない。文章を書く人が取材した後、これは特定秘密だと言われたらアウト。特定秘密の秘密とは何ですかと聞いても『それは秘密です』なんて、こんなばかな話はない」

 政府は今国会中の成立を目指しているが「戦争中の法律よりひどいのではないか。当時、軍事機密に触れるようなことは一般の人も予測できた。今度の場合、想像ですが、何が特定秘密かはだいたい米政府との話し合いで決まるのではないか。今急いでいる理由は、日米関係を特に軍事面で円滑にするため、日本はこうしますという約束を米国に見せようとしているんだと思いますね」

 沖縄返還の日米密約に迫った新聞記者が逮捕された外務省機密漏えい事件を、著書「密約」で取り上げ、密約の文書開示請求訴訟にも原告として加わった。「法案が成立すれば警察国家のようになる。特定秘密の保護措置として警察庁長官はいろんなことができる。戦争中の日本人は『警察ににらまれたらまずい』と思いながら話していた。そういう時代に戻る可能性が非常に大きい」

 罰則で、公務員らが特定秘密を漏らすと最高十年の懲役に、漏らすよう働き掛けた場合も五年以下の懲役となる。「公務員は恐ろしくて何も言わなくなるし、情報提供を受ける側も取材しにくくなる。おかしいと思うことを調べ、社会のためだと思って発表しても、特定秘密を公にしたと認定されれば罪に問われるかもしれない。記者やライターがさらし者になり、公務員も被告になるのです。われわれがこれも特定秘密かと用心深くなっていけば、この国の言論は窒息します。それが法案の狙いかと思います」

 法案は、平和主義や国民主権、基本的人権の尊重という憲法の基本原理に対する反動とも指摘する。「明らかな憲法違反です。米国の戦略の中で戦争に向かう約束をしても、秘密といえば分からない。この法律が通った瞬間に日本は別の国になる。それほど悪い法律で、憲法を変えなくても何でもできる。憲法九条や九六条を変えると言えば反論できるが、特定秘密の内容には反論できない」

 安全保障に関する情報を守るのが目的としているが「安全保障自体がはっきりしたものでないから、どれがその情報か分からない。みんな特定秘密にしてしまえば国は答えなくていいし、憲法も無視できる。こんな法律のある国を、次の世代に渡せますか」。

   ×   ×

 さわち・ひさえ 三〇年東京生まれ。中央公論社を経て「妻たちの二・二六事件」でデビュー。「火はわが胸中にあり」で日本ノンフィクション賞。ミッドウェー海戦の克明な調査で菊池寛賞。

2013年11月 2日 (土)

東京新聞【社説】山本議員「手紙」 軽挙慎み脱原発を前へ

山本太郎君のお手紙事件が話題を集めている。
山本君とその取り巻きの人びとは日本国憲法をわかっていない。
国会議員になったのだから、もう少し「憲法」を学んでほしいものだ。
引き合いに出された田中正造が泣くだろう。似て非なるものだ。
天皇の園遊会に国会議員が出て行くこと自体が問題外だ。「陛下」などという呼びかけもぞっとする。
あの90度に体を折った太郎君の最敬礼は見るも無惨だ。
批評としては、以下の社説がまだましだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013110202000169.html
東京新聞【社説】山本議員「手紙」 軽挙慎み脱原発を前へ
2013年11月2日

 脱原発を掲げる山本太郎参院議員が天皇陛下に手紙を渡し、「天皇の政治利用」と批判されている。儀礼を欠き、脱原発運動に水を差しかねない軽挙だが、批判する側に処分する資格があるのか。

 山本氏が差し出した手紙は、東京電力福島第一原発事故の現状を伝える内容だという。山本氏は「子どもたちの被ばくや、原発の収束作業員が最悪の労働環境で作業している実情などを知っていただきたかった」と説明した。

 「日本国民統合の象徴」として国民生活の安寧を祈る天皇に、原発を取り巻く厳しい現状を伝えたい気持ちは分からなくもない。

 しかし、山本氏は主権者たる国民の代表である。「国政に関する機能を有しない」天皇に、高度に政治的なテーマと化している原発問題で何かを期待するのは、日本国憲法の趣旨に反する。

 子どもを被ばくから守り、原発作業員の労働環境を改善し、国のエネルギー政策を脱原発に導くのは山本氏自身の仕事だ。国民の負託を受けた以上、どんなに困難でも、やり遂げる責任がある。

 原発推進派は早くも「天皇の政治利用」との批判を強め、議員辞職を求める声すらある。山本氏の行動は、脱原発を求めるうねりに付け入る隙を与え、運動全体にマイナスとなりかねない。慎むべきだった。まずは自覚を促したい。

 参院議院運営委員会は山本氏から事情を聴いた。具体的な処分を来週、検討するという。

 ただ、山本氏を批判する自民、民主両党に「天皇の政治利用」を断罪する資格があるのか。

 最近の例だけでも、自民党が衆院選で開催を公約した「主権回復の日」式典への天皇陛下出席、東京五輪招致に向けた国際オリンピック委員会総会への高円宮妃久子さま出席も、天皇・皇族の政治利用ではないか、と指摘された。

 民主党政権時代にも、天皇陛下と習近平中国国家副主席(当時)との会見を急きょねじ込み、同様の批判を浴びたことがある。

 自らの行動を顧みず、無所属議員を追い詰めるのなら、多数派の横暴、との誹(そし)りは免れまい。

 政府と国会に求められているのは、除染や補償を含む原発事故の収束に全力を挙げる、原発の危険性を認識し、使用済み核燃料の最終処分場のめどもないのに、原発政策を進めることの不合理性に一日も早く気付くことだ。山本氏の処分問題に政治的エネルギーを浪費している場合ではない。

2013年9月15日 (日)

原発稼働ゼロずっと続いて 東京で9000人集会

http://www.asahi.com/national/update/0914/TKY201309140194.html
原発稼働ゼロずっと続いて 東京で9000人集会

【動画】再稼働反対訴え東京で9000人が集会=小川智撮影

写真:原発再稼働に反対し、デモ行進する参加者ら=14日午後、東京都墨田区立花、小川智撮影拡大原発再稼働に反対し、デモ行進する参加者ら=14日午後、東京都墨田区立花、小川智撮影

写真:集会に参加した人たち=14日午後、東京都江東区亀戸の亀戸中央公園、小川智撮影拡大集会に参加した人たち=14日午後、東京都江東区亀戸の亀戸中央公園、小川智撮影
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 【小川智】脱原発を訴える市民集会「再稼働反対!9・14さようなら原発大集会」が14日、東京都江東区の亀戸中央公園であった。関西電力大飯原発4号機(福井県おおい町)の15日の停止を機に国内の稼働原発が再びゼロになるため、この状態の継続を望む人たち約9千人(主催者発表)が参加した。

 福島県郡山市から一家3人で静岡県富士宮市に自主避難した長谷川克己さんは「我が子の未来を汚されて、放射能と人間は決して共存できないという事実に気づいた」とアピール。作家の大江健三郎さんや落合恵子さんらを含む参加者は集会後、墨田区のJR錦糸町駅近くや東京スカイツリー付近までデモ行進した。

2013年8月29日 (木)

特集ワイド:憲法よ 作家・作詩家、なかにし礼さん

http://mainichi.jp/feature/news/20130829dde012040085000c.html
http://mainichi.jp/feature/news/20130829dde012040085000c2.html
http://mainichi.jp/feature/news/20130829dde012040085000c3.html

特集ワイド:憲法よ 作家・作詩家、なかにし礼さん

毎日新聞 2013年08月29日 東京夕刊

 <この国はどこへ行こうとしているのか>
 ◇時代こそ間違っている??作家・作詩家、なかにし礼さん(74)
 ◇国家を国民の上に置く自民党改憲案、死を人ごとだと思っているのか

 ジャケットの内ポケットに手を入れ、取り出したのは手のひらサイズの日本国憲法の小さな冊子だった。作詩家にして直木賞作家のなかにし礼さんが最初に引用したのは前文でも9条でもなく、基本的人権の本質を規定した97条だった。「『この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、過去幾多の試錬に堪え……』。素晴らしい一文じゃないですか。ところが自民党の改憲草案では、この部分がすっぽり削除されている。現憲法の最高法規性を平気で無視しようとしている」

 「天使の誘惑」「北酒場」「石狩挽歌(ばんか)」など数々の名曲を生み出した人が今、改憲の動きに警鐘を鳴らしている。自らのコラムで「憲法を守る気がないのなら、さっさとバッヂを外しなさい」と国会議員を激しく糾弾した。なぜそうまで?

 「現憲法は主権者が国民であることを明記している。しかし改憲案には『全て国民は、この憲法を尊重しなければならない』とあり、国家を国民の上に置こうとしている。おこがましいにもほどがある」

 国家への不信が原点にある。旧満州の牡丹江市(現中国黒竜江省)で生まれ、7歳になる直前に終戦を迎えた。その4日前、ソ連軍部隊が間近に迫り牡丹江駅には避難しようとする日本人市民であふれていた。だが、旧満州を守る日本陸軍の精鋭といわれた関東軍は市民を置き去りにし、夜の闇に紛れ軍用列車で逃れた。

 関東軍だけではない。国もまた旧満州の居留民を見捨てた。<ポツダム宣言を受諾したがゆえに日本は、国境外には力を及ばすことが出来ない、そして日本は近来に無い飢饉(ききん)である。ゆえにあなた方を養い難し>。引き揚げを待っていた居留民に届いた日本の外相名の通達の内容を知り、絶望のふちに沈み嘆く大人たちの姿が焼きついている。

 声のトーンが上がった。「最近も某政治家が『国民の基本的人権が破られたときに、誰がそれを守るのか。国家です』なんて発言していましたが、何をばかな。国が国民を守らなかった事例など山ほどある。沖縄戦でもそうだったし、国策によって造られた福島第1原発の事故で多くの人たちが古里を追われている現状だって。所詮、国家は個人の集合体がつくり上げた一つの概念に過ぎない。そんな不完全なものの権力を監視し、制限するためにあるのが現憲法なんです」
戦時下は多くの作家、芸術家が国家に協力した。歌で戦争を美化し、兵士を鼓舞した。童謡「赤とんぼ」「兎(うさぎ)のダンス」で知られる音楽家の山田耕筰は戦前から戦中にかけて軍歌「肉弾三勇士の歌」や「米英撃滅の歌」を残した。敗戦後の国民を勇気づけた「リンゴの唄」を作詞したサトウハチローも「敵の炎」で「憎き翼がけがす 祖国の蒼天 怒り心に沸き立ち 握る拳ぞ」と書いた。「芸術家はどんな時にも最高の作品をつくろうと力を尽くす。しかし、その作品にあおられて大勢の若者が戦地に赴くことへの想像力が欠けていた。芸術とは自ら発想して生み出すもので、『国家のため』というのは根本的に誤っている。御用作家はすでに芸術家ではありません」

 人類普遍の原理と理想が書かれた現憲法は「作家の目線で見ても哲学的、文学的な名作」と評する。「憲法が時代にそぐわなくなっている」との改憲派の批判を真っ向から否定した。「逆です。そんな時代の方こそ否定し、時代というものを説得していかなければいけない。現憲法は理想を語っているのだから、その理想を達成するために全力を挙げるのです」

 時代を切り取ってきた作詩家だけに「戦後レジームからの脱却」という乱暴な言葉が許せない。「私は戦後の繁栄をむさぼってきた人間」と自嘲しながらも「平和だった戦後のどこがいけないのか。戦後に対して失礼だ」と憤る。

 改憲派への鋭い批判が「結果として自分の活動範囲を狭めることは分かっている」と言う。しかし今の日本は昭和初期の日本にあまりに似ていないか。軍国主義が戦争をたくらんでいるような、どんよりと暗雲がかかった時代の空気をひしひしと感じている。

 2012年2月。食道に4センチほどの腫瘍が見つかった。がんだった。著書「生きる力 心でがんに克(か)つ」(講談社)に心境を記している。「病に伏して、眠られぬ夜がいくたびかあった。後悔と不安、あきらめと絶望。私は従容として死におもむくべしと、己に言い聞かせる。と同時に昨日まで暮らしていた世の中が蜃気楼(しんきろう)のように、おぼろに遠のき消えていく。その現実感に慄然(りつぜん)とする」
終戦時、何度も死線をさまよった。牡丹江市を逃れる日の午前、ソ連軍機の爆撃を受けた。爆撃機の胴体から「鹿のフン」のような物体が落ちてきた。その形がはっきりと爆弾とわかった直後、爆風で吹き飛ばされた。乗り込んだ軍用列車はソ連機の機銃攻撃にさらされた。目の前にミシンをかけたように機銃掃射の線ができ、撃たれた人がドス黒い血を流して倒れるのを目の当たりにした。だが、そんな経験をしても死への現実感はなかった。「それはあくまでも偶発的な、他人に起こった出来事でしかなかった。死というものを意識したのはがんになってからが初めて。そばにいる妻でさえ私の葛藤を心から理解はしていないのではないか。戦争で人が死ぬということに現実感覚を持つのはそれだけ難しいのです。その感覚があれば誰も戦争しようなんて発想は出てこない。あえて戦争への道を切りひらくような憲法に変えようとするのは、死を人ごとだと思っている証拠に他ならない」

 心臓に持病を抱えており、手術には耐えられないと思った。他の選択肢として抗がん剤、放射線があったが、それらも体への負担は大きい。医師を次々あたってようやく探し当てたのが体への負担が少ない放射線治療の一種、陽子線治療だった。がんを消し去り、告知から約8カ月後には仕事に復帰した。

 がん治療を乗り越えたことを「生まれ変わった」と表現した。だからこそ憲法について語り続ける。「がんから運良く生き残ったのだから、言いたいことを言う。いや、言うべきことを、ですね。人を死なすためじゃない、人が生きていくために憲法はあるのだから」

 「生きていきましょう」。帰りがけに投げかけられた何気ない一言。その重みが胸にずしりと響いた。【庄司哲也】

2013年8月 3日 (土)

改憲暴走許さない 安倍内閣に抗し国会内集会

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-08-03/2013080305_01_1.html
改憲暴走許さない  安倍内閣に抗し国会内集会

 2013年5・3憲法集会実行委員会は2日、「安倍内閣の改憲暴走を許さない! 8・2緊急院内集会」を国会内で開きました。集会は、自民党が安倍晋三首相を先頭に、明文改憲を狙うとともに、国家安全保障基本法の制定など集団的自衛権の行使を可能にする解釈改憲の動きを強めるなか、これを許さないために開かれたものです。

 緊急の呼びかけにもかかわらず、約150人が駆けつけ、「憲法を守るたたかいを広げよう」と決意を固め合いました。

 主催者を代表してあいさつした「許すな!憲法改悪・市民連絡会」の高田健さんは「かつてなく改憲策動が強まっています。国会議員と私たちの運動が連携して、改憲阻止に向けたたかわなくてはなりません」と訴えました。

 実行委員会に参加する各団体の代表が「内閣法制局長官の首のすげ替えなど“ナチスの手口”はすでに始まっている」「改憲を許せば、北東アジアに亀裂をつくる。憲法を守るたたかいの輪を広げなくてはならない」「たたかいはここから。近所や駅頭などで憲法の話を広げていこう」と決意を語りました。

 政党を代表して、日本共産党の市田忠義書記局長(参院議員)、社民党の福島瑞穂参院議員があいさつ。日本共産党から山下芳生書記局長代行(参院議員)、穀田恵二国会対策委員長、笠井亮、赤嶺政賢、宮本岳志の各衆院議員、紙智子、仁比聡平、吉良よし子、辰巳孝太郎の各参院議員が参加しました。
改憲の暴走阻止へ憲法生かす運動広げよう
市田書記局長が訴え

 緊急院内集会であいさつした日本共産党の市田忠義書記局長は、参院選の結果、国会では自民党をはじめ改憲派が多数を占めたものの、この間の世論調査では国民の過半数が改憲に反対しており、「憲法をめぐって国会の議席と国民の意思は大きくかけ離れている」と語りました。

 市田氏は、自民、維新、みんなの改憲政党が改憲発議に必要な3分の2に届かなかった一方で、「安倍内閣の暴走を止めてほしい」との声が参院選での日本共産党の躍進につながったと語り、「安倍政権と改憲派の暴走を阻止するため、日本共産党は多くの国民の皆さんと力を合わせてたたかう」と述べました。

 麻生太郎副総理の“改憲のためにナチスの手口を学んだら”という発言について「改憲勢力の本性をあらわしたものだ」と批判し、「国会で徹底追及したい」と表明。この発言は、村山談話の「植民地支配と侵略」を認めず、「侵略の定義は定まっていない」と述べる安倍首相の姿勢に相通じるものだと指摘し、「歴史を否定する改憲策動は必ず打ち破らなければならない」と強調しました。

 安倍首相が明文改憲を進める意欲を露骨に示すと同時に、集団的自衛権行使のための「国家安全保障基本法」の制定策動など、9条を壊すなし崩しの解釈改憲を進めようとしていると警告し、その背景にアメリカの強い要求があることを告発。「普天間基地問題、オスプレイ配備など基地機能強化に反対するとともに、なし崩しの9条改憲の動きに反撃しよう」と訴えました。

 安倍内閣など改憲派の策動が強まる一方、自民党の古賀誠元幹事長が“憲法9条を世界遺産に”“憲法96条改定絶対反対”と述べていることや、さまざまな憲法本が発行されるなど多くの国民が憲法に向き合おうとしていることを指摘。「国民的な憲法の学習を巻き起こし、さまざまな要求運動と結んで、憲法を暮らし、政治に生かす運動を広げ、自民党改憲案を阻止する力を大きく広げよう」と呼びかけました。

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