http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120710-00000085-san-pol
PKO協力法改正案 今国会に提出 「駆けつけ警護」可能
産経新聞 7月10日(火)7時55分配信
■宿営地外襲撃での武器使用
政府は9日、国連平和維持活動(PKO)中に自衛隊の宿営地外にいる国際機関職員らが襲われた場合に自衛隊が助けに行く「駆けつけ警護」を可能とするPKO協力法改正案を今国会に提出する方針を固めた。テロ組織など「国に準ずる組織」への武器使用は政府の現行解釈で憲法違反の疑いがあるとされているが、改正案では、緊急事態に実力行使する「即時強制」に当たる場合は認める方向で検討する。
藤村修官房長官は同日の記者会見で改正案について「国会提出も視野に検討中だ。国際機関の職員などが生命の危難を受けたときに自衛隊が何をすべきかは重要な課題だ」と指摘。「現場の自衛官が判断に迷わない明確な枠組みづくりを検討している」とも述べた。
即時強制とは市民への襲撃、拉致など身体に急迫不正の侵害があった場合、これを実力で排除する行政行為。改正案では、即時強制の範囲内であれば駆けつけ警護の任務終了後に襲撃したのが国に準ずる組織と判明しても憲法違反には当たらないとする見通し。
改正案では、他国軍隊と共同使用する宿営地が襲撃された場合の武器使用も認める方針だ。
野田佳彦首相は就任以来、駆けつけ警護容認に意欲を示していた。政府は6月の内閣改造以降から本格的な検討に着手。(1)国に準ずる組織が活動していない地域でのみ駆けつけ警護を可能にする(2)民間人を襲撃しているのが国に準ずる組織の可能性が否定できなくても緊急時であれば可能とする-の2案を検討した。
関係省庁が調整した結果、テロ組織など国に準ずる組織が活動していない地域を特定することはできないと判断。国に準ずる組織かどうかの判断を現場の自衛官に委ねるのも「過重な負担を強いることになる」(政府関係者)として、(2)の考え方をもとに法整備を進めることにした。
駆けつけ警護をめぐっては、安倍晋三内閣が設置した「安全保障と防衛力に関する懇談会」が平成20年に容認を求める報告書を提出。現行解釈を「常識に反している」と批判した。
東ティモールPKOでは、暴動に巻き込まれた日本人を陸自の任務外の「人道的見地による緊急避難」として宿営地に輸送。イラクの復興支援活動では、情報収集の名目で陸自が襲撃現場に急行し、あえて巻き込まれることで警護を可能にすることも検討された。
【用語解説】駆けつけ警護
自衛隊の宿営地の外にいる国際機関職員や非政府組織(NGO)の民間人らが襲撃された場合に自衛隊が駆けつけて行う任務。国に準ずる組織が襲撃している場合に関しては、平成15年5月に内閣法制局が参院外交防衛委員会で「憲法9条の禁ずる武力の行使に当たる恐れがある」と答弁。自衛隊の武器使用は民間人が宿営地内にいるなど「自己の管理下」に置かれている場合に限定されている。
PKO協力法改正案 今国会に提出 「駆けつけ警護」可能
産経新聞 7月10日(火)7時55分配信
■宿営地外襲撃での武器使用
政府は9日、国連平和維持活動(PKO)中に自衛隊の宿営地外にいる国際機関職員らが襲われた場合に自衛隊が助けに行く「駆けつけ警護」を可能とするPKO協力法改正案を今国会に提出する方針を固めた。テロ組織など「国に準ずる組織」への武器使用は政府の現行解釈で憲法違反の疑いがあるとされているが、改正案では、緊急事態に実力行使する「即時強制」に当たる場合は認める方向で検討する。
藤村修官房長官は同日の記者会見で改正案について「国会提出も視野に検討中だ。国際機関の職員などが生命の危難を受けたときに自衛隊が何をすべきかは重要な課題だ」と指摘。「現場の自衛官が判断に迷わない明確な枠組みづくりを検討している」とも述べた。
即時強制とは市民への襲撃、拉致など身体に急迫不正の侵害があった場合、これを実力で排除する行政行為。改正案では、即時強制の範囲内であれば駆けつけ警護の任務終了後に襲撃したのが国に準ずる組織と判明しても憲法違反には当たらないとする見通し。
改正案では、他国軍隊と共同使用する宿営地が襲撃された場合の武器使用も認める方針だ。
野田佳彦首相は就任以来、駆けつけ警護容認に意欲を示していた。政府は6月の内閣改造以降から本格的な検討に着手。(1)国に準ずる組織が活動していない地域でのみ駆けつけ警護を可能にする(2)民間人を襲撃しているのが国に準ずる組織の可能性が否定できなくても緊急時であれば可能とする-の2案を検討した。
関係省庁が調整した結果、テロ組織など国に準ずる組織が活動していない地域を特定することはできないと判断。国に準ずる組織かどうかの判断を現場の自衛官に委ねるのも「過重な負担を強いることになる」(政府関係者)として、(2)の考え方をもとに法整備を進めることにした。
駆けつけ警護をめぐっては、安倍晋三内閣が設置した「安全保障と防衛力に関する懇談会」が平成20年に容認を求める報告書を提出。現行解釈を「常識に反している」と批判した。
東ティモールPKOでは、暴動に巻き込まれた日本人を陸自の任務外の「人道的見地による緊急避難」として宿営地に輸送。イラクの復興支援活動では、情報収集の名目で陸自が襲撃現場に急行し、あえて巻き込まれることで警護を可能にすることも検討された。
【用語解説】駆けつけ警護
自衛隊の宿営地の外にいる国際機関職員や非政府組織(NGO)の民間人らが襲撃された場合に自衛隊が駆けつけて行う任務。国に準ずる組織が襲撃している場合に関しては、平成15年5月に内閣法制局が参院外交防衛委員会で「憲法9条の禁ずる武力の行使に当たる恐れがある」と答弁。自衛隊の武器使用は民間人が宿営地内にいるなど「自己の管理下」に置かれている場合に限定されている。