許すな!憲法改悪・市民連絡会

2008年7月 9日 (水)

拓殖大学学長・渡辺利夫 「集団的自衛権」の解釈変更を

拓大の渡辺学長、使い古された論理で、集団的自衛権行使を主張。安保法制懇報告を「久方ぶりに気概に満ちた報告書に接したとの感が強い」と最大級に評価したが、いらだちが隠せない文章だ。改憲派の典型的な論理のサンプルとして掲載する。(高田)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080709/plc0807090304007-n1.htm
【正論】拓殖大学学長・渡辺利夫 「集団的自衛権」の解釈変更を

 ≪日米同盟の脆弱性露呈≫

 日米同盟は日本の安全保障の「基軸」である。しかしNATO(北大西洋条約機構)などに比べると相互防衛条約としての性格は弱い。相互に不信と猜疑(さいぎ)が生まれれば毀損(きそん)されかねない脆弱(ぜいじゃく)性が日米同盟にはある。日米が相互に守るのは日本の施政下にある地域に限定され、何より集団的自衛権に関する日本の解釈が日米同盟を損ねる危険な可能性を秘めている。

 米ソ冷戦時代にあっては日本に存在する米軍基地の戦略的重要性は決定的であり、片務的な条約であっても存在理由は十分にあった。しかし冷戦崩壊とともに日米が共同して防衛すべき対象が不鮮明となり、日米条約の在り方について過去の解釈を踏襲していては危うい。

 集団的自衛権についての日本政府の解釈は「わが国は独立国として集団的自衛権を保有するが、それを行使することは自衛の限度を超え、したがって憲法上許されない」というものである。“保有するが行使できない”などというのは誰がどう考えたって奇妙な論理である。そういう論理が許されるような「太平楽」な安全保障環境が長くつづいたというだけのことである。

 集団的自衛権は国連憲章51条で諸国家に固有の権利として認められ、日米安保条約の前文でも日米双方が集団的自衛権を保有する旨が明記されている。日本国憲法第9条はもとより、国内法のどこをどう探してみても集団的自衛権を禁止する文言などない。

 ≪期待にたがわぬ安保懇≫

 北朝鮮が6カ国協議の議長国・中国に核申告をしたという事実を受けて米国は北朝鮮をテロ支援国家指定国から解除するという挙に出た。申告がプルトニウムを中心とし、日本が最も知りたい核兵器保有の数や場所などを含まないと知った上での指定解除である。日本の米国に対する不信の高まりは避けられないが、米国の方にも集団的自衛権行使に踏み切れずにいる日本への不信が根強い。

 集団的自衛権に関する法的制約はないのにもかかわらず、“行使できない”ということはありえない。これは法理的解釈というより政策的解釈である。そうであれば政策的解釈を変えればいいのだが、その勇気が日本の政治家や官僚にはないのである。

 安倍政権下のことである。「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保懇)の設置が内閣総理大臣決裁として発表された。指名されたメンバーのリストを眺めて、日本もついにまっとうな方向に歩みを始めたかと快哉(かいさい)を叫んだ。

 検討さるべきテーマとして首相から示されたのは、(1)日米が公海で共同行動している際に米艦船が攻撃された場合、わが国自衛隊の艦船が何もしないという状況が生じていいのか(2)米国に向かう蓋然(がいぜん)性が高いミサイルをわが国がレーダーで捕捉した場合、自衛隊がこれを迎撃しないといったことが許されるか(3)PKO(国連平和維持活動)において他国の部隊や隊員が攻撃された場合、わが国自衛隊が武器をもって駆けつけ友軍を助けないでいいか(4)補給、輸送、医療などそれ自体は武力行為ではない「後方支援」を武力行使と「一体化」したものとみなしてこれを拒否していいか、であった。

 ≪「お蔵入り」は許されず≫

 安保懇は平成19年5月18日に第1回会議が開催され、第5回の会議が8月30日に終わり、それ以降は会議はまったく開かれなくなった。政権交代がその原因なのかと気をもまされたが、結局はこの6月24日に最終報告書が首相に提出された。

 結論は期待を裏切らぬ明快なものであった。集団的自衛権の行使ならびに国連憲章にもとづく集団的安全保障措置への参加は日本国憲法の「法理」にまったく抵触しない。かつ法的解釈は安全保障環境の変化に応じて変更さるべきは当然であり、集団的自衛権の行使は憲法改正を要しないことを明示した。

 その上で先の4つの検討事項について(1)と(2)には個別自衛権ではなく集団的自衛権として解釈を変更すべきこと、(3)と(4)は集団的自衛権には当たらず、国際平和維持のためにむしろ積極的にこれを行うべきこと、というのがその論旨であった。

 個別的自衛権の「姑息(こそく)」な解釈変更は安全保障の法的基盤の全体を崩しかねないという。「集団的自衛権の対象となるべき事項を個別自衛権の適用範囲を拡張して説明しようとすることは、国際法では認められない」と明言する。

 政府の審議会や懇談会というのは、とかく政府の方針の「追認」の域を出ない。久方ぶりに気概に満ちた報告書に接したとの感が強い。支持基盤の弱い福田政権がこれを「お蔵入り」させてしまうことだけを私は恐れる。(わたなべ としお)

2008年7月 4日 (金)

朝雲、法制懇報告を大々的に報道

防衛省・自衛隊の準機関紙「朝雲」最近号(7月3日付)はトップ記事に安保法制懇の報告書提出を載せた。
サイトからは採れない。報告書の概要を記事として書いている。見出しは「集団的自衛権 行使へ解釈変更を」「有識者懇談会首相に報告書提出」「信頼関係維持に不可欠 米艦防護」というもの。
要旨を載せて、評価は書いてないが、何とも残念、という感じの報道である。見方によっては、「行使へ解釈変更を」という大見出しが、朝雲の意見のようにもとれる書き方である。それにしてもトップ記事だというのには恐れ入った。(高田)

2008年6月26日 (木)

赤旗・主張/安保法制懇報告/派兵恒久法への危険な執念

安保法制懇報告への赤旗紙の主張での批判を採録します。(高田)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-06-26/2008062602_01_0.html
主張
安保法制懇報告/派兵恒久法への危険な執念

 安倍晋三首相(当時)が集団的自衛権についての政府の憲法解釈を見直すために設置した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)が福田康夫首相に報告書を提出しました。予想された通り、憲法九条のもとでは不可能な軍事行動を可能にする解釈改憲の提言です。

 福田首相は憲法解釈の変更には否定的ですが、懇談会がいまになって報告書を提出したのは、解釈改憲の布石を打つと同時に、自民党と公明党が進めている海外派兵恒久法づくりを後押しする狙いもあります。具体化を許さないことが重要です。

改憲派の異常な議論

 安倍前首相が当初めざしたのは、昨年秋までに懇談会の提言を受け、それをテコにして解釈改憲を強行することでした。昨年七月の参議院選挙で自民党が大敗したことで野望は崩れました。諮問した当人がいなくなった以上、懇談会の役割は終えるのが筋です。懇談会が議論を続け、報告書をだしたのは、諮問機関の報告書をテコに、なにがなんでも解釈改憲の筋道をつけるためです。

 柳井座長は、「今までの憲法解釈では、激変する安全保障環境に対応できない」とのべました。安全保障環境とは、アメリカが先制攻撃戦略と一国覇権主義にもとづき、イラクなど世界各地で軍事介入をつよめている事態のことを意味します。このアメリカの軍事戦略に参加するうえで邪魔になる憲法解釈を変えるのが、懇談会の狙いです。解釈改憲先にありきの、対米追随の異常な議論がそれを示しています。

 そもそも懇談会が議論した「四類型」は、いずれも集団的自衛権の行使が前提です。集団的自衛権とは、日本が攻撃もされていないのに、武力を行使してアメリカなど他国を助けることです。日米同盟強化を口実にして集団的自衛権の行使を認めるなど言語道断です。

 たとえば「公海における米艦の防護」では九条のもとでなぜ自衛隊が米艦を守れるのかの法理も示さず、「日米同盟の効果的機能が一層重要」だから「集団的自衛権の行使を認める必要がある」というだけです。「米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃」も、自衛隊が撃ち落とさなければ「日米同盟を根幹から揺るがすことになる」といって、集団的自衛権の行使を認めるというのではあまりにも乱暴です。

 報告書は、他国の部隊・兵員などを守る「かけつけ警護」とそのための武器使用を「憲法で禁止されていない」と言い切っています。自衛隊が米軍の補給車両や兵員などを警護すれば、米軍を狙う勢力と自衛隊が戦闘することにもつながりかねません。憲法のもとで許されるはずはありません。

 「警護」問題は、自民党と公明党が現在進めている海外派兵恒久法づくりのなかでも焦点の一つです。懇談会の報告書が恒久法づくりを後押しすることにもなっています。どこから見ても危険な報告書の具体化を認めるわけにはいきません。

九条守り生かしてこそ

 いま国際社会は、紛争を戦争ではなく平和的・外交的方法で解決するという新しい平和の流れを強めています。報告書は、「国際的安全保障環境の変化」を解釈改憲の口実にしながら、世界の平和の流れと変化を無視しています。報告書は日本を世界から孤立させるだけです。

 憲法九条は、世界の平和の流れと合流して戦争のない世界をつくる原動力です。改憲ではなく九条を守り生かすことこそ、焦眉(しょうび)の課題です。

2008年6月25日 (水)

夏の日の亡霊ー憲法解釈変更、集団的自衛権の行使容認を…政府懇が報告書

夏だからということでもあるまいに、安保法制懇の亡霊が今頃出てきた。読売が社説で取り上げているのがおかしい。「画期的意義を持つ報告だ」と!。安倍の置きみやげである。これを派兵恒久法論議などにつなげさせてはならない。(高田)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080624-OYT1T00596.htm
憲法解釈変更、集団的自衛権の行使容認を…政府懇が報告書

 政府の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の柳井俊二座長は24日夕、集団的自衛権の行使は禁じられているとする政府の憲法解釈を変更し、行使容認を求める報告書を福田首相に提出した。

 憲法解釈の変更には与野党に慎重論があり、福田首相が報告書の内容を実行に移すのは当面、難しいとみられる。

 懇談会は、集団的自衛権の行使などの点で憲法上のグレーゾーンと見られてきた4類型を検討した。報告書はこのうち、対米支援に関する「公海上での米艦防護」と「米国に向かう可能性のある弾道ミサイルの迎撃」の2類型について、「集団的自衛権の行使を認める必要がある」と明記した。

 自衛隊の国際平和活動に関する「国連平和維持活動(PKO)などで他国部隊が攻撃された際の駆けつけ警護」と「他国軍に対する補給、輸送などの後方支援」の残りの2類型については集団的自衛権とは別問題だとし、「参加の可否は国益に照らして政策的に決定すればよい」と指摘した。一方、関係法律で自衛隊の具体的措置の範囲と手続きをあらかじめ規定するなど、集団的自衛権行使の「歯止め」を設けることも併せて求めた。

 首相は24日夜、首相官邸で記者団に、憲法解釈の変更について、「変えるという話はしたことはない」と述べ、慎重姿勢を示した。
(2008年6月24日21時24分  読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080624-OYT1T00725.htm
集団的自衛権 行使容認へ具体論の検討を(6月25日付・読売社説)

 日本の安全保障政策を考え直すうえで、画期的な意義を持つ報告だ。

 有識者による「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が、集団的自衛権の行使の容認を提言する報告書を福田首相に提出した。

 米国向けの弾道ミサイルが発射されたり、公海上で米軍艦船が攻撃されたりした際、日本はどう対応すべきなのか。仮に黙って見過ごすようでは、日米同盟の根幹が揺らぎかねない。

 報告書は、いずれの場合も、集団的自衛権の行使を認める必要があるとして、「保有するが、行使できない」とする政府の憲法解釈の変更を求めた。

 国際平和協力活動に参加する自衛隊の武器使用基準は、国際標準に合わせる。任務遂行のための武器使用や、他国の部隊に救援を頼まれた際の「駆け付け警護」に道を開くものだ。

 自衛隊が他国軍を後方支援する際の「武力行使との一体化」という概念も見直す。補給、輸送、医療支援などを他国軍の戦闘との関連の度合いで武力行使に当たるとみなす考え方をやめ、支援の是非は総合的に政策判断する。

 いずれも妥当な提言だ。政府・与党は、憲法解釈変更に向けて具体的な対応を検討すべきだ。

 終戦直後の憲法制定時には、自衛権に様々な制約を加えることに意味があったかも知れない。だが、時代は大きく変化した。

 国際テロや核、ミサイルなど新たな脅威が広がる今、日本の安全保障環境は極めて厳しい。日米同盟をより強固にする必要がある。日本が国際平和協力活動でより大きな役割を果たすことへの国際社会の期待も高まっている。

 報告書は、集団的自衛権行使の“歯止め”にも言及した。行使の範囲や手続きを定める関連法の整備や、国の安全保障に関する基本方針の閣議決定などだ。

 集団的自衛権の行使は、日米同盟の維持に不可欠で、日本の安全保障に資する場合に限定する。戦闘行為が主任務の国際活動に、自衛隊は参加しない。こうした基本方針の具体例も挙げている。

 政府の憲法解釈を変更しても、日本が海外での戦争に参加するわけではない。そうした意思を内外に明示することは大切だ。

 衆参ねじれ国会の下、集団的自衛権行使の関連法整備は簡単ではない。まずは、与党が、自衛隊の海外派遣に関する恒久法の論議を再開してはどうか。武器使用や一体化論の見直しをめぐる報告書の提言は重要な論点となろう。
(2008年6月25日01時23分  読売新聞)

2008年4月 5日 (土)

忘れられた「集団的自衛権」 政治課題に上らず 

3日付の産経の「政論」というコラムである。福田内閣を極右派がどう見ているかを考える上で参考になる記事である。安倍内閣の退陣がこの人々にとっていかに打撃であったかが、よく現れている。この文章の最後のところは泣かせるね。阿比留さんよ、今は福田康夫首相はそれどころではないんだよ、安倍の二の舞を演じないためにもね。(高田)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080403/stt0804031812003-n1.htm
忘れられた「集団的自衛権」 政治課題に上らず 

昨年9月の福田内閣発足以降、福田康夫首相が隅に追いやり、政治課題としてすっかり話題に上らなくなった重要問題がある。安倍晋三前首相が推進していた集団的自衛権の行使と憲法の関係の再整理がそれだ。安倍氏が、日米同盟の双務性を高め、米国に対して対等の発言権を持つために打ち破ろうとした安全保障上のタブーは、福田首相によって再び厳重に「封印」されようとしている。

 安倍氏は昨年4月の訪米時に、ブッシュ大統領に対しこの問題を再整理する方針を伝え、5月に「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」を設置。周辺事態に公海上で米艦船が攻撃を受けた際、近くの海上自衛隊艦船が敵に反撃できるかどうかなど4つの事例を示し、検討を指示した。

 懇談会では「権利」はあるが、憲法上「行使」はできないとする政府解釈に対する批判が相次ぎ、昨年中に解釈の見直しを求める報告書を出す方向だった。

 安倍氏は集団的自衛権の全面容認ではなく、昭和35年に祖父の岸信介元首相が示した「他国の領土、領空、領海では集団的自衛権を行使しない」とする「制限行使論」に立ち戻る考えだったとされる。自国の領土などでは集団的自衛権を行使できるという論理だ。

 日本近海の公海上で米軍艦船が攻撃を受けた際に、日本は何もできないとする政府解釈に従えば「日米同盟は崩壊する」(防衛庁長官経験者)とされる。国際テロ組織の脅威も顕在化した現在、この問題は喫緊の課題であるはずだ。

 ところが、福田内閣発足後、懇談会は開かれていない。福田首相に提出されるはずの報告書は「中身はできている」(政府筋)が、たなざらしのままだ。

 福田首相が国会運営に苦慮しているのはわかるが、この問題はそれとはかかわりなく首相の決断で前に進められる。首相には安倍氏がまいた種を枯れさせず、育てる度量を見せてほしい。(阿比留瑠比)

2008年1月 6日 (日)

安保法制懇:前首相退陣で宙に浮いた報告書、近く提出へ

この6日の毎日紙の記事は、福田内閣の性格一端をよく表現していて面白い。
安倍晋三が政治生命を賭けて設置し、推進しようとした「安保法制懇」に、安倍に代わって登場した福田はこういうやり方で決着をつけつつある。
①安保法制懇をすぐ解散はさせず、継続させ、報告書を提出することを容認した。②しかし、首相の私的諮問機関なのに、福田自身は受け取らず、官房長官に受け取らせることで、安保法制懇のやり方に消極的であることを表明する。これで法制懇を終わらせ、集団的自衛権の憲法解釈に手をつけようとした安倍の計画を打ち切り、従来の自民党の路線に戻す。③しかし、これは記事で「なお、福田首相は解釈変更には否定的だが、「駆けつけ警護」など海外での武器使用に関する議論の一部は、民主党との大連立構想でテーマになった自衛隊海外派遣の要件を定める恒久法案を策定する際、参考にしたい考えを持っているとされる」とあるように、恒久法の際に活用するというのである。
なんとも福田の狸ぶりがよく現れた動きである。今となっては安倍は道化にすら見えてくるが、福田という人物は本当に食えないやつだ。狸汁というのはうまいそうだが・・・。(高田)


http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080106k0000m010076000c.html

安保法制懇:前首相退陣で宙に浮いた報告書、近く提出へ

 憲法9条解釈の見直しを検討していた安倍晋三前首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二前駐米大使)は、安倍前首相の突然の退陣で宙に浮いていた報告書を、新テロ対策特別措置法案成立後の1月中旬をめどに首相官邸に提出することになった。ただし、福田内閣の政策には反映されず、当面は「お蔵入り」になる見通し。

 内容は安倍前首相の期待通り、憲法解釈で認められていない集団的自衛権の行使を容認するよう政府に求めるものになる予定。だが、福田康夫首相は解釈変更に否定的で、報告書は首相の代わりに町村信孝官房長官が受け取る変則的な形になりそうだ。著名な学者らを集めた懇談会に区切りをつけるセレモニーの意味合いが強い。

 懇談会は昨年5月に発足。5回の会合で、(1)公海上で米軍艦船が攻撃された際の自衛隊艦船による反撃(2)米国を狙った弾道ミサイルに対するミサイル防衛(MD)システムでの迎撃(3)国際活動中に攻撃を受けた他国軍隊の救援(駆けつけ警護)(4)戦闘地域内での輸送など後方支援の範囲(武力行使との一体化)--の4類型について議論し、いずれも憲法解釈を変えるよう結論付けた。

 昨年秋には報告書をまとめる予定だったが、7月の参院選で与党が惨敗した後、公明党は憲法解釈の変更に反対する姿勢を強め、安倍前首相も「(解釈変更は)困難な状況になったと覚悟している」とトーンダウンした。福田首相は懇談会を存続させたが、新テロ特措法案の国会審議への影響を懸念し、会合を開いていなかった。

 なお、福田首相は解釈変更には否定的だが、「駆けつけ警護」など海外での武器使用に関する議論の一部は、民主党との大連立構想でテーマになった自衛隊海外派遣の要件を定める恒久法案を策定する際、参考にしたい考えを持っているとされる。【古本陽荘】

毎日新聞 2008年1月5日 21時13分

2007年11月25日 (日)

ミサイル防衛、来月から訓練実施…新宿御苑など10か所で

こんなこと、ゆるせるものか。(高田)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071125i402.htm?from=main4
ミサイル防衛、来月から訓練実施…新宿御苑など10か所で

 弾道ミサイル攻撃から首都は守れるのか――。防衛省は12月から、ミサイルを地上から撃ち落とす地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の移動展開訓練を、東京・新宿御苑や防衛省のある市ヶ谷駐屯地など都内約10か所の公園や施設で実施する。
 緊急時に迎撃部隊が展開する場所を決めるためで、精密兵器の運用に重要な通信環境、障害物の有無などを綿密に調査し、“その時”に備える。
 PAC3は今年3月、埼玉・航空自衛隊入間基地に初配備された。だが、発射される迎撃ミサイルの射程は15~20キロと短く、都心まで約40キロも離れた同基地からでは、皇居や首相官邸、国会議事堂のほか、中央省庁が集中する霞が関を狙った弾道ミサイルを迎撃することはできない。
 このため、ミサイルが発射される兆候をつかんだ段階で、政府は速やかに自衛隊に出動を命じ、発射機やレーダーなどPAC3本体を、都心に移動させておく必要がある。
 訓練はまず、防衛省が迎撃時にPAC3を展開する候補地として検討中の新宿御苑(環境省所管)や陸自第1師団(練馬区)、市ヶ谷駐屯地など、国が管理する施設からスタートする。その後、都が管理する晴海ふ頭公園(中央区)やお台場海浜公園(港区)などでも実施する予定だ。
 訓練では、実際に入間基地からPAC3本体を移動させ、迎撃ミサイルを発射する際に障害物となる高層ビルの有無を調べる。
 また、弾道ミサイルを追尾するレーダーなど射撃管制機器の通信環境を確認する。
 日本のミサイル防衛(MD)は、海上からイージス艦が迎撃ミサイルSM3を発射し、撃ち漏らした場合、PAC3が地上から再迎撃する2段階システム。
 来月には、SM3を搭載した海自のイージス艦「こんごう」が、ハワイ沖で初の実弾迎撃訓練を行う。
 今回の訓練に続き、防衛省は来年度以降、阪神・中京・北部九州などでも訓練を実施する方針。
(2007年11月25日9時24分  読売新聞)

集団的自衛権 報告先送り 政府有識者会議 首相の慎重姿勢受け

25日の東京新聞のトップ記事である。
安部前首相の企てはあまりに乱暴すぎたと言うことだろう。
しかし、解釈改憲を進めるよりほかにない福田首相がこのあと、どうでてくるか、注目をつづけよう。(高田)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2007112502067108.html
集団的自衛権 報告先送り 政府有識者会議 首相の慎重姿勢受け

2007年11月25日 朝刊

 安倍晋三前首相の下で設置され、憲法解釈で禁じられている集団的自衛権行使の事例研究を進める政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(柳井俊二座長)は二十四日、今秋予定していた報告書の取りまとめを年内は見送る方針を固めた。福田康夫首相が性急な憲法解釈見直しに慎重な上、海上自衛隊によるインド洋での給油活動を再開させる新テロ対策特別措置法案の国会審議への影響も考慮した。 
 懇談会はことし五月から八月まで五回開催。検討対象となった四類型について、集団的自衛権の行使などにあたるとの従来の憲法解釈を見直す意見が大勢を占め、報告書に盛り込む方針だった。
 しかし、安倍前首相は九月に突如退陣。その後、福田首相は国会答弁でも憲法解釈見直しについて「扱いは十分慎重でなければならない」と表明していた。
 さらに新テロ特措法案の審議の過程で、自衛隊の海外派遣のあり方を定める一般法(恒久法)制定論議も浮上。一般法の論議は、武器使用基準の緩和など懇談会の四類型とも重複しており、政府内からも「懇談会だけが結論を急ぐべきでない」との意見が強まっていた。
<メモ> 安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会が検討した4類型 (1)公海上での自衛艦による米艦船の防護(2)米国向け弾道ミサイルの迎撃(3)国際平和協力活動に参加中の自衛隊が、攻撃を受けている他国部隊の活動場所に赴いて武器で援護する「駆け付け警護」(4)戦闘地域での輸送、医療など後方支援の拡大-の四つの事例。これまで集団的自衛権の行使((1)と(2))や海外での武力行使((3))、武力行使との一体化((4))にあたるとされてきたが、安倍前首相が懇談会に憲法解釈の見直しを提起した。

ちなみに本日の読売はこんな社説を載せた。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20071124ig90.htm

2007年11月 2日 (金)

テロ特措法の期限切れの評価の仕方について

自衛隊のインド洋での給油活動の期限切れに関してのWORLD PEACE NOWの声明は市民連絡会のサイトのトップ頁から見ることができるので読んで頂けたかと思う。
ここに紹介するのは北海道新聞の31日の社説である。WPNの声明との共通性に注目して欲しい。ジャーナリズムの精神が地方紙では発揮されているところもある。これはひとつの見本ではないか。
いくつかの新聞はこのテロ特措法の期限切れを「給油活動の中断」と書いた。朝日新聞や東京新聞もそうである。単なる言葉の問題ではない。ここに書いた者の「権力との距離」「緊張関係の程度」が表現されてしまっているのだ。石破防衛相ですら「終結」と表現したのに、「中断」とはどういうことだ。私は朝日新聞に電話してこの問題を指摘した。福田政権にとっては中断としたいということに過ぎない。法的にも終結したのは間違いない。政府は新法でやろうとしているが、これは先行き不明である。どう見ても「中断」ではないのだ。(高田)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/57996.html?_nva=27
社説
海自、インド洋撤収へ 武力でテロはなくせない(10月31日)

 対テロ戦争は本当に有効なのか。武力によってテロをなくすことはできるのか。
 そんな根源的な問いがいま、目の前に突きつけられている。
 灼熱(しゃくねつ)のインド洋で、海上自衛隊の補給艦が最後の給油活動を終え、あす十一月一日限りで撤収する。テロ対策特別措置法が期限切れとなるためだ。
 「国際貢献」の名のもとに続けてきた給油は、そもそも日本の正しい選択だったのだろうか。この機会にあらためて考えてみる必要がある。
 テロリスト掃討を掲げながらアフガニスタンの人々の命と暮らしを踏みにじってきた現実にも、目を向けなければならない。そこから日本の果たすべき役割が見えてくるはずだ。
*空爆の惨禍が憎悪を生む
 海自の給油は「9・11テロ」のあと、米国主導で始められた対テロ戦争の後方支援だった。この六年間で、計十一カ国の艦船に約四十九万キロリットルを無償提供してきた。
 政府は国際社会から高い評価を受け、感謝されていると強調する。しかし、その八割は米国向けのものだった。事実上の米国支援といっていい。言葉を換えれば「日米同盟のあかし」ということだ。
 日本から補給を受けた艦船は、アフガンの空爆作戦に参加してきた。爆撃の巻き添えになったり誤爆にあったりして幾多の命が奪われ、国土と生活が破壊されてきたことも隠しようのない事実だ。
 確かにアフガン攻撃は、テロリストの拠点をたたいた。だが、理不尽に家族や友人を奪われた人々の憎悪は新たなテロを生み出す。
 旧政権タリバンが人々の根強い支持を得て復活したことを見れば、対テロ戦争の限界は明らかだろう。
 自衛隊という実力部隊の参加こそ国際社会への貢献策だと考える政府は六年前、反対世論を押し切ってインド洋への海自派遣を決めた。しかし、実態は戦争の後押しだった。
 しかも給油をめぐっては、イラク戦争への転用疑惑や給油量ミスの隠ぺい疑惑が浮上している。文民統制が機能しない自衛隊活動が許されぬことはいうまでもない。
 政府は最近、シーレーン(海上交通路)防衛という考えも強調し始めた。中東に石油を依存する日本にとって、海上阻止活動に貢献することは国益にかなうとの主張だ。
 だが、広大なインド洋でその実効性はどれほど期待できるのか。国益をいいだせば世界中どこにでも自衛隊を派遣できるということにもなる。
*求められるのは民生支援
 アフガンの人々を苦しめているのは戦争だけではない。すさまじい干ばつと食糧不足も、たくさんの命を危険にさらしている。
 そうした人々を救うために現地で汗を流す日本人は少なくない。
 武器の代わりにスコップを握り、井戸を掘る。貧しい患者のために病院をつくり、治療に当たる。たとえば非政府組織(NGO)のペシャワール会は、かんがい事業ですでに千数百ヘクタールの土地を潤した実績がある。
 住民たちの声をくみ取り、信頼関係を築きながら地道に民生支援を続ける。現地で評価され、感謝されているのは、実はそんな活動だ。
 力ずくでテロリストをやっつけるという米国などの論理と、何より平和な生活を求めるアフガンの人々の願い。双方の間には埋めがたい溝がある。
 「国際社会」という言葉に、当のアフガンは含まれているのか。そこで一人一人の人間が生きている現実にどれほど想像力が及んでいるのか。
 そう問われたら、日本はどう答えることができるだろう。
 カルザイ大統領は先日、米テレビのインタビューに答え、多くの市民を巻き添えにしている空爆の停止をはっきりと求めた。それこそがアフガンの切実な声にほかならない。
*日本への信頼あってこそ
 国会では給油継続をめぐる論戦が本格化している。日本の国際貢献や自衛隊の海外活動のあり方について議論を深めるのは結構なことだ。
 ただし、その前提に憲法九条があることは忘れないでほしい。日本にはやってはいけないことがあるのだ。
 民主党の小沢一郎代表が提唱する国際治安支援部隊(ISAF)への参加も、九条を踏み越える発想だ。
 日本のNGOがアフガンで武器も持たずに活動できるのは、日本は戦争をしない国だという信頼があるからだ。
 日本がアフガン軍閥の武装解除にいったんは成功したのも、日本なら安心して武器を放棄できると協力してくれたためだ。
 では、日本がこれからできること、なすべきことは何か。
 二○○二年に東京で開かれたアフガン復興支援会議は、五年間で四十五億ドルの資金拠出を決めた。こうした国際的経済支援の枠組みづくりなどは日本のもっとも得意な分野ではないか。
 あるいはカルザイ政権と穏健なタリバン勢力との和解をバックアップし、内政の安定を図ることも必要だ。
 給油はできなくなるが、今後は民生分野で積極的に貢献したい。そういう日本の立場を丁寧に説明すれば、必ず国際社会の理解は得られるだろう。

2007年11月 1日 (木)

海外派兵恒久法

本欄でも幾度か指摘してきたことだが海外派兵「恒久法」の問題は重大な問題だ。与党と民主党の見解には違いがあるが、与党は事態を一歩でもすすめる上で、どんな手段にでてくるか、警戒を緩めることはできない。
こんな時期の自民・民主党首会談など「百害あって一利なし」だ。先ごろ、小沢党首はシーファー駐日米国大使の会談要求に対して、全面公開で応じたことがある。「なかなかやるな」と思ったものだが、今度の非公開の党首会談はなんとも無様で、議会制民主主義に反するものだ。それも明日、またやるという。ここで、この海外派兵恒久法も話題になるという報道がある。
小沢政権獲得戦略も雲行きが怪しくなってきた。憲法審査会の再開に向けた自民党憲法審査会の動きもあわただしくなってきたようだ。
われわれは気持ちを引き締め、どのような事態にも対応できる態勢をもって運動を進めて行かなくてはならない。(高田)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071101it07.htm
自衛隊の海外派遣、恒久法を検討…官房長官が表明

 町村官房長官は1日午前の衆院テロ防止特別委員会で、自衛隊の海外派遣のあり方を総合的に定める一般法(恒久法)の制定について、新テロ対策特別措置法案をめぐる対応が決着後、早急に検討に着手する方針を表明した。

 町村氏は、この問題で与野党協議の場の設定が必要だとの考えを示した。2日に行われる福田首相と小沢民主党代表との2回目の党首会談でも、この問題が議題となる見通しだ。

 一方、現行のテロ対策特別措置法が1日いっぱいで期限切れとなるのを受け、石破防衛相は同日午後3時、インド洋で活動する海上自衛隊に撤収命令を出す。2001年の米同時テロ後、「テロとの戦い」の一環として6年近く続いてきた補給活動は、これをもってひとまず終了する。

 政府は、自衛隊の海外派遣に関する一般法の検討について、これまでも内部で準備作業を続けてきたが、町村氏の発言は、福田政権として与野党で検討に取り組む方針を示したものだ。

 町村氏は「自民党はすでに案を作り、国民に示している。まず、与党の皆さん方、そして野党も含めて、政策協議とか(国会の)委員会といった場がいいのか関係者で議論していただき、新テロ特措法案(の審議)が決着した段階で、できるだけ早く努力していかなければいけない」と述べた。

 石破防衛相も、「国会において、そういう場ができることを政府としても期待している」と強調した。

 一般法の制定を巡っては、福田首相も30日の同委で「今後の大事な課題だ。そういう(議論の)場をなるべく早く作らないといけない」と前向きな考えを示している。

 自衛隊の海外派遣に関し、インド洋での海自活動のような時限立法の特措法の制定で対応することについては「泥縄式で迅速・的確な対応ができない」との指摘が出ている。

 自民党は06年8月、党国防部会の防衛政策検討小委員会が自衛隊の海外派遣に関する恒久法となる「国際平和協力法案」をまとめ、参院選の公約にも「国際平和協力に関する一般法の制定を目指す」と明記した。

 一方、民主党内でも一般法制定が必要だとの意見は多い。同党の前原誠司・前代表らは今年8月、自衛隊の海外派遣などに関する一般法の議論を始めるよう提案した。小沢氏も基本的には前向きで、かつて率いた自由党が01年、国連決議などに基づき、自衛隊の海外活動への参加を認める「国防・自衛隊国際協力基本法案」を衆院に提出している。

 自民、民主両党の関係が激突型から調整型に移る中、自衛隊の海外派遣に関する一般法をめぐる議論が、与野党協議の“触媒”となる可能性が出てきた。
(2007年11月1日14時37分  読売新聞)

2007年10月24日 (水)

「いらない!10・23インド洋派兵・給油新法」国会前ヒューマンチェーン報告

「私と憲法」用に、(D)さんから昨日の報告を書いてもらったので掲載します。
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 10月23日午後6時半から、東京・永田町の衆院第2議員会館前で「いらない!インド洋派兵・給油新法」国会前ヒューマンチェーンが行われた。この日は衆議院本会議で同法案が審議入りしており、300人が集まり、“武力で平和はつくれない!”、“米軍の戦争に加担するな!”、“給油は戦争加担だ!”などのメッセージを貼ったキャンドルを灯したり、メッセージボードを手にしたりして訴えた。
 ヒューマンチェーンでは議員や市民が次々に発言し、発言の間にシュプレヒコールを繰り返した。
スピーチでは社民党党首・福島瑞穂さん、共産党参議院議員・井上哲史さん、民主党衆議院議員の原口一博さん、民主党参議院議員の喜納昌吉さん、共産党参議院議員の紙智子さんが発言した。原口さんは「武力で平和はつくれないというのはその通りだ。給油は給油先も問題だが、どこから買っているかも問題だ。油の精製の質からして購入先は米軍以外に考えられない」と指摘し、注目された。
 参加者の中からは「JVC」でアフガニスタン事業を担当している長谷部貴俊さんがアフガニスタンの状況を報告し、自衛隊の給油活動が問題解決に役立たないことを話した。次に弁護士の日隈一雄さんが、イラク派遣自衛隊の「駆けつけ警護」による自衛隊の武力行使の企てについて話し「世論を盛り上げよう」と話した。ピースボートの田村美和子さんは、世界の友人とのつながりの中で給油反対と平和を訴えた。アジア女性資料センターの本山央子さんはアフガンの女性が今も人権を奪われている実態を報告し、女性の人権が保障されなければ平和はないとはなした。「不戦へのネットワーク」山本みはぎさんは名古屋での派兵と給油反対の取り組みを報告した。座間市の「バスストップから基地ストップの会」の原順子さんは、米軍第一軍団司令部の移転が進んでいることを報告し、ともに闘おうと訴えた。「教科書ネット21」の俵義文さんは日本軍による集団自決強制を教科書から削除する検定意見の撤回と沖縄県民の怒りを報告した。
 リレートークの最後は全員のコールで締め、市民連絡会の高田健さんが今後の闘い方などを訴えた。短い時間だったが、国会の動きとも合い、民主、共産、社民など野党各党へもしっかりとエールを送ることができた行動となった。(D)

2007年10月18日 (木)

小沢一郎氏の外交観 国連中心主義、ルーツは…

毎日新聞夕刊の特集ワイド。小沢民主党代表がISAFに関する発言をして以来、いろいろ話題になるが、これは「特集」としては物足りないが、その問題についての初歩的な資料としては使えると思うので掲載する。ご一読ください。(高田)

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071017dde012010016000c.html
特集ワイド:小沢一郎氏の外交観 国連中心主義、ルーツは…

 国連の活動に積極的に参加することは武力の行使を含んでも憲法には抵触しない--小沢一郎民主党代表が月刊誌「世界」(岩波書店)11月号に寄せた論文が波紋を広げている。それによると政府がこだわるインド洋上の給油活動はノーだが、政府もためらうアフガニスタンのISAF(国際治安支援部隊)への参加はできるという。小沢氏の国連重視の外交・安全保障観のルーツを探った。【山田道子、田中義宏】

 ◇湾岸戦争の教訓、戦後の憲法観を整理

 「国際平和の維持・回復のために国連が行う実力行使に日本が参加・協力することは『正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求』する日本国民にとって当然のことであり、憲法9条の趣旨に沿ったものだ」。「そのような国連の実力行使に対し日本が参加しても国連の行動の一環であって、日本国の主権発動の性格を有しないものであり、憲法9条が放棄した戦争・武力行使とはまったく異質のものと考えられる」

 これは、1993年2月、自民党総裁直属機関で小沢氏が会長を務めた「国際社会における日本の役割に関する特別調査会」(通称「小沢調査会」)の答申の一節だ。背景には、90年のイラクのクウェート侵攻から91年の湾岸戦争に至る冷戦崩壊後の国際情勢の変化があった。

 当時、日本は初めて「国際貢献」という問題を突きつけられた。自民党幹事長だった小沢氏は「あの戦争は幕末の黒船来航と同じ」「日本はこういう時にこそ国際社会できちんとした役割をシェアする一人前の国家にならなければならないと考えた」と「小沢一郎政権奪取論」(朝日新聞社)で振り返る。小沢氏は野戦病院での医療活動や難民輸送をしようと動いたが、実現しなかった。政府は130億ドルを拠出したものの、国際的には全く感謝されないどころか、「金は出すが汗はかかない」と批判され日本外交のトラウマとなった。

 戦争終結後、ペルシャ湾に掃海艇が派遣されたのを機に長期的な日本の国際貢献のあり方を検討するため設置されたのが小沢調査会だった。答申は「我々の行う憲法解釈はこれまで議論されてこなかった政府解釈の空白を埋めるものだ」としたが、自民党内からも反対意見が出て、最後は小沢氏らの離党で答申は宙に浮いた格好となった。

 その後も小沢氏は著書「日本改造計画」(講談社)などで「国連の平和活動への協力は今の憲法のままでできる」と繰り返し、憲法9条を改正して国連常備軍を創設することも主張している。その流れから、今回の「世界」の論文の趣旨も唐突なものではない。

       *

 「あの答申の考えは我々二人の共同作品だ」と語るのは、一緒に答申をまとめた平野貞夫元参院議員だ。湾岸戦争時、衆院委員部長だった平野氏は日本の対応を検討するため小沢氏の指示で資料を集めた。そしてまとめあげたリポートが「護憲開国論」だった。

 平野氏によると、答申のポイントは憲法前文の精神を体して9条を読みかえた点。大きな示唆を受けたのが、1946年の憲法制定論議での南原繁貴族院議員や吉田茂首相らの考え、国際法学者の横田喜三郎氏や憲法学者の佐藤功氏の見解などだったという。

 南原氏は9条の問題点として、国連加盟後の国際貢献の妨げになることをあげ、吉田首相は独立の回復が第一だとして明確に答えなかった。横田氏は「国連の強制措置は国際警察活動なので憲法と矛盾しない」、佐藤氏は「国連軍に参加することは9条の理念に合致する」と主張した。つまり「昭和20年代の共通認識が冷戦でゆがめられたのを湾岸戦争を機会に整理し直した」(平野氏)。

 今の状況について平野氏は「憲法に基づいて対応するには小沢理論しかない。第二次世界大戦での日本の悲劇は基本原則がないままズルズルと戦争に突入したことだ。原則なしで事実関係を積み重ねていくことが一番危険だ」と指摘する。

 小沢氏の論文は「世界」10月号で国連本部政務官の川端清隆氏が小沢氏のテロ対策特別措置法の延長反対姿勢に対し、「実効ある代替案を用意する準備と決意があるのか」と疑問を投げかけたことに対する回答だった。民主党事務局長も務めた政治アナリストの伊藤惇夫氏は「政府・与党が特別措置法を積み重ねていいかげんなのに対し、小沢さんは原理原則に基づくきちんとした対応があることを示したかったのでは」と見る。

 しかし実際には、政府・自民党は「国連決議があれば武力行使もいいというのは、わが国が一貫してとってきた考え方と相いれない」(高村正彦外相)とし、民主党内からも「党の決定ではない」との声が上がる。

 「今出すのはどうかという話はあるが、小沢氏の反論と理解していい。党内には個人的意見としておけばいい」と藤井裕久・民主党最高顧問は語る。また小沢氏はISAFに参加するにしても民生安定分野を想定していることを明らかにした。

 「この問題について世論は与党案のほうが安全でお金でカタがつくからいいというのが大勢だ。民主党にとって、これを争点にすること自体がマイナスだった。自民党のステージに乗せられてしまった」と伊藤氏は指摘する。

 日本は戦後、外交の柱として「対米協調」「アジア重視」と並んで「国連中心主義」を位置づけてきた。しかし、今回の小沢氏の発言に伴う与野党の論争は、その柱そのものがいかにあいまいなものであるかをはからずも証明したことになったのではないだろうか。

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 ◇解釈に無理ある--改憲論者の小林節慶応大教授(憲法)

 湾岸戦争で小沢さんと同じような問題意識を持ち、小沢調査会で講演するなど協力したが、「国連の下では武力行使できるという解釈は無理だ」と当時伝えた。

 小沢氏は憲法前文で「平和を維持し、専制と隷従……を除去しようと努めている国際社会において名誉ある地位を占めたい」とうたっているから国連の活動に積極的に参加するとしているが、この憲法は日本が戦争をあきらめれば世界は平和になるという前提で書かれた。つまり日本が非戦非武装を貫くことがここでの「名誉ある地位」だ。

 憲法9条1項で「国権の発動たる戦争」という表現をしているのは、宣戦布告がなくても国家以外の集団による交戦でもすべての「戦争」を否定するためだ。「日本国権」と「国連権」を区別するためではない。小沢さんは国連理想主義だが、現実には世界中央政府のような国連は存在しない。正式な国連軍はなく、実際には多国籍軍だ。そこに各国は自国の決断で自国の旗を立てて参加する。あくまでも国権の発動となる。従って国連による国際安全保障活動でも、日本は憲法上、海外で武力行使はできない。

 民主党はまず小沢氏の論文が個人的見解であることを確認したうえで、むしろアフガニスタンにおける米軍等の軍事活動に不可欠な給油活動こそが違憲であることを明らかにすべきだろう。

新法・閣議決定抗議、WPN緊急官邸前行動

昨日(17日)、衆院議面と官邸前で緊急行動を行いました。
ちょうど、午後7時頃に官邸で派兵給油新法案の決定をする閣議が開かれたので、タイミングとしては絶好でした。閣僚の連中はこの抗議行動のシュプレヒコールにきっと気づいたことでしょう(9・11のWPNの官邸前行動は翌日、安倍首相が辞任するという絶妙なタイミングでしたが)。
参加者は、議面が30人、官邸前が50人と少なめでしたが、12日の夜に決めたのでやむを得ないというか、よかったと思いました。キャンドルや、横断幕で、にぎやかな彩りの行動でした。いよいよこれからだと思います。
集会では民主党の佐々木隆博衆院議員、社民党の保坂展人衆議院議員が挨拶し、川田龍平参院議員がメッセージを届けて来ました。また、ちょうど、岩国から緊急に上京していた田村順玄岩国市議が来られたので、報告を受けました。(高田)

2007年10月17日 (水)

本日、夕刻、閣議決定される「派兵・給油新法案」全文

本日、夕刻、閣議決定される「派兵・給油新法案」全文です。毎日新聞の報道から。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071017ddm012010106000c.html
新テロ特措法:法案要綱

 16日明らかになった「新テロ対策特措法案」(テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案)の要綱は次の通り。

 ◇第一 目的

 この法律は、我が国がテロ対策海上阻止活動を行う諸外国の軍隊その他これに類する組織(以下「諸外国の軍隊等」という)に対し旧平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成十三年法律第百十三号)に基づいて実施した海上自衛隊による給油その他の協力支援活動が国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に貢献し、国際連合安全保障理事会決議第千七百七十六号においてその貢献に対する評価が表明されたことを踏まえ、あわせて、平成十三年九月十一日にアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃によってもたらされている脅威(以下「テロ攻撃による脅威」という)がいまだ除去されていない現状において、同理事会決議第千三百六十八号、千三百七十三号その他の同理事会決議が国際連合のすべての加盟国に対し国際的なテロリズムの行為の防止等のために適切な措置をとることを求めていることを受けて、国際社会が国際的なテロリズムの防止及び根絶のための取組を継続し、その一環として、諸外国の軍隊等がテロ攻撃による脅威の除去に努めることにより国際連合憲章の目的の達成に寄与する活動を行っていること、及び同理事会決議第千七百七十六号において当該活動の継続的な実施の必要性が強調されていることにかんがみ、テロ対策海上阻止活動を行う諸外国の軍隊等に対し補給支援活動を実施することにより、我が国が国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に引き続き積極的かつ主体的に寄与し、もって我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的とすること。

 ◇第二 基本原則

 一 政府は、この法律に基づく補給支援活動を適切かつ迅速に実施することにより、国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に我が国として積極的かつ主体的に寄与し、もって我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に努めるものとすること。

 二 補給支援活動の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならないこと。

 三 補給支援活動については、我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域において実施するものとすること。

  1 公海(インド洋<ペルシャ湾を含む。以下同じ>及び我が国の領域とインド洋との間の航行に際して通過する海域に限り、海洋法に関する国際連合条約に規定する排他的経済水域を含む。第五の五において同じ)及びその上空

  2 外国(インド洋又はその沿岸に所在する国及び我が国の領域とこれらの国との間の航行に際して寄港する地が所在する国に限る。以下同じ)の領域(当該補給支援活動が行われることについて当該外国の同意がある場合に限る)

 四 内閣総理大臣は、補給支援活動の実施に当たり、第四の一の実施計画に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督すること。

 五 関係行政機関の長は、第一の目的を達成するため、補給支援活動の実施に関し、防衛大臣に協力するものとすること。

 ◇第三 定義

 この法律において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによること。

  1 テロ対策海上阻止活動 諸外国の軍隊等が行っているテロ攻撃による脅威の除去に努めることにより国際連合憲章の目的の達成に寄与する活動のうち、テロリスト、武器等の移動を国際的協調の下に阻止し及び抑止するためインド洋上を航行する船舶に対して検査、確認その他の必要な措置を執る活動をいう。

  2 補給支援活動 テロ対策海上阻止活動の円滑かつ効果的な実施に資するため、自衛隊がテロ対策海上阻止活動に係る任務に従事する諸外国の軍隊等の艦船に対して実施する自衛隊に属する物品及び役務の提供(艦船若しくは艦船に搭載する回転翼航空機の燃料油の給油又は給水を内容とするものに限る)に係る活動をいう。

 ◇第四 実施計画

 一 内閣総理大臣は、補給支援活動を実施するに当たっては、あらかじめ、補給支援活動に関する実施計画(以下「実施計画」という)の案につき閣議の決定を求めなければならないこと。

 二 実施計画に定める事項は、次のとおりとすること。

  1 補給支援活動の実施に関する基本方針

  2 補給支援活動を実施する区域の指定に関する事項

  3 補給支援活動を外国の領域で実施する自衛隊の部隊等(自衛隊法<昭和二十九年法律第百六十五号>第八条に規定する部隊等をいう。以下同じ)の規模及び構成並びに装備並びに派遣期間

  4 自衛隊がその事務又は事業の用に供し又は供していた物品以外の物品を調達して諸外国の軍隊等に譲与する場合には、その実施に係る重要事項

  5 補給支援活動の実施のための関係行政機関の連絡調整に関する事項

  6 その他補給支援活動の実施に関する重要事項

 三 実施計画の変更については、一と同様とすること。

 ◇第五 補給支援活動としての物品及び役務の提供の実施

 一 防衛大臣又はその委任を受けた者は、実施計画に従い、補給支援活動としての自衛隊に属する物品の提供を実施するものとすること。

 二 防衛大臣は、実施計画に従い、補給支援活動としての自衛隊による役務の提供について、実施要項を定め、これについて内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊等にその実施を命ずるものとすること。

 三 防衛大臣は、二の実施要項において、当該補給支援活動を実施する区域(以下「実施区域」という)を指定するものとすること。

 四 防衛大臣は、実施区域の全部又は一部がこの法律又は実施計画に定められた要件を満たさないものとなった場合には、速やかに、その指定を変更し、又はそこで実施されている活動の中断を命じなければならないこと。

 五 補給支援活動のうち公海若しくはその上空又は外国の領域における活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の長又はその指定する者は、当該補給支援活動を実施している場所の近傍において、戦闘行為が行われるに至った場合又は付近の状況等に照らして戦闘行為が行われることが予測される場合には、当該補給支援活動の実施を一時休止し又は避難するなどして当該戦闘行為による危険を回避しつつ、四による措置を待つものとすること。

 六 二の実施要項の変更(四により実施区域を縮小する変更を除く)については、二と同様とすること。

 ◇第六 物品の無償貸付及び譲与

 防衛大臣又はその委任を受けた者は、その所管に属する第五の一の物品につき、諸外国の軍隊等からテロ対策海上阻止活動の用に供するため当該物品の無償貸付又は譲与を求める旨の申出があった場合において、当該テロ対策海上阻止活動の円滑な実施に必要であると認めるときは、その所掌事務に支障を生じない限度において、当該申出に係る物品を当該諸外国の軍隊等に対し無償で貸し付け、又は譲与することができること。

 ◇第七 国会への報告

 内閣総理大臣は、次に掲げる事項を、遅滞なく、国会に報告しなければならないこと。

  1 実施計画の決定又は変更があったときは、その内容

  2 補給支援活動が終了したときは、その結果

 ◇第八 武器の使用

 一 補給支援活動の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官は、自己又は自己と共に現場に所在する他の自衛隊員若しくはその職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者の生命又は身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、武器を使用することができること。

 二 一による武器の使用は、現場に上官が在るときは、その命令によらなければならないこと。ただし、生命又は身体に対する侵害又は危難が切迫し、その命令を受けるいとまがないときは、この限りでないこと。

 三 一の場合において、当該現場に在る上官は、統制を欠いた武器の使用によりかえって生命若しくは身体に対する危険又は事態の混乱を招くこととなることを未然に防止し、当該武器の使用が一及び四に従いその目的の範囲内において適正に行われることを確保する見地から必要な命令をするものとすること。

 四 一による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条又は第三十七条に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならないこと。

 ◇第九 政令への委任

 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定めること。

 ◇第十 附則

 一 この法律は、公布の日から施行すること。

 二 自衛隊法について、所要の整備を行うものとすること。

 三 この法律は、施行の日から起算して一年を経過した日に、その効力を失うこと。ただし、その日より前に、補給支援活動を実施する必要がないと認められるに至ったときは、速やかに廃止するものとすること。

 四 三にかかわらず、施行の日から起算して一年を経過する日以後においても補給支援活動を実施する必要があると認められるに至ったときは、別に法律で定めるところにより、同日から起算して一年以内の期間を定めて、その効力を延長することができること。

 五 効力を延長した後その定めた期間を経過しようとする場合については、四と同様とすること。

毎日新聞 2007年10月17日 東京朝刊

2007年10月16日 (火)

念のため

今後の国会審議予測について、こういう情報もあります。この説はまんざらでもないので、念のため、掲載します。(高田)

http://news.livedoor.com/article/detail/3345916/
福田首相「9月まで生き延びる」
2007年10月16日10時00分
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「遅くとも来年春までには解散・総選挙がある」――多くの国会議員がこう見ているが、福田首相の本音は違うらしい。世論調査の内閣支持率が6割に迫る勢いだったことに気をよくして、「来年9月まで選挙を延ばせないか」と考え始めているというのだ。そのためには、不安要素はすべて取り除いてしまう。もちろん、テロ新法も先送りの魂胆だ。

 福田政権は新テロ特措法について、今月17日に閣議決定、19日に衆院本会議で審議入りし、その後、特別委員会で約30時間の審議を考えている。特別委員会は毎日でも開けるので、早ければ、今月26日に委員会を通し、即刻、本会議で可決させることもできる。

 しかし、法案を参院に送って、たなざらしにされると、審議未了、廃案になってしまう。継続審議になっても、通常国会で法案がたなざらしにされる恐れがある。法案が2国会にまたがると、参院送付後、2カ月たてば衆院に差し戻して再議決する3分の2条項も使えない。

「そのため、テロ新法は衆院でも採決しないで、継続審議にする案が現実的になってきているのです。その場合、国会は会期末の来月10日で閉じてしまう。福田首相は来月20日からAPECに行く。その前に訪米して、ブッシュ大統領に経緯を説明、通常国会で新法を通すことを約束するとみられています」(自民党国会議員)

 通常国会では予算審議を優先させ、テロ新法は後回しにする。通常国会の会期末に3分の2条項を連発して、テロ新法と予算関連法案を通し、すぐに国会を閉じてしまう。

 その後は洞爺湖サミットで逃げ切る。こんな算段だ。

「そうすれば、臨時国会冒頭解散まで生き延びられる。福田周辺はそう言い出しています。早期の解散説が流れましたが、解散・総選挙で与党が過半数を得ても3分の2の勢力を保てなければ、衆院差し戻しの“伝家の宝刀”も抜けなくなる。そうなれば、本当に予算案以外は通らないわけです。福田首相は、そんなリスクは冒しませんよ」(国会関係者)

 一日でも長く首相の座にいたいらしいが、9月まで粘ったところで展望ゼロ。

 最後は醜態をさらすことになるだけだ。

【2007年10月13日掲載】

姑息な情報隠匿

「開いた口がふさがらない」とはこのことだ。石破防衛相が「情報はきちんとだす。そのうえで野党も責任をもってもらいたい」などという啖呵の、舌の根も乾かないうちに、こういう話が飛び出した。こんな情報隠しは許せない。これでは何度、「陳謝」しても意味がない。「法律違反ではない」だって。これではシビリアンコントロールなど問題外だ。(高田)

http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007101601000261.html
補給艦の航海日誌を廃棄  防衛省「誤って」と説明

 防衛省は16日、インド洋で給油活動に従事していた海上自衛隊の補給艦「とわだ」について、2003年7月から11月までの5カ月分の航海日誌を、文書の保存期間内にもかかわらず廃棄したことを明らかにした。

 海自の文書管理規則によると、艦船の航海日誌の保存期間は4年間になっている。同補給艦は03年7月中旬から同11月中旬まで給油活動にあたっていた。イラク作戦への燃料転用疑惑が指摘される中、防衛省のずさんな管理体制が批判される可能性がある。

 16日午前、民主党の外務防衛部門会議での資料要求に対し答えた。防衛省側は「07年7月に『とわだ』艦内で保存期間が過ぎている資料を整理した際に、誤って保存すべき資料も廃棄した」と説明。分量は1航海分の日誌すべてという。
2007/10/16 13:09  【共同通信】

http://www.asahi.com/national/update/1016/TKY200710160214.html
防衛省、補給艦の航泊日誌「誤って破棄」

2007年10月16日13時24分

 防衛省は16日午前、民主党の外務防衛部門会議で、インド洋で給油活動をしていた海上自衛隊の補給艦「とわだ」の03年7~11月の航泊日誌について「今年7月に誤って破棄した」と説明した。文書保存期間は5年。同省は「省内の内規に違反しており、事実関係を調査中」とも説明。同党は関係者の処分を求めた。

 航泊日誌には、給油した日時や場所、給油先の艦船名などが記載されており、国会でイラク作戦への転用疑惑を追及している民主党が資料請求をしていた。航泊日誌をめぐっては、同省が補給艦「ときわ」の03年2月分について「破棄した」との説明を覆して公開。石破防衛相が「文書管理が徹底されていなかった」と陳謝した経緯がある。 (朝日)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071016i104.htm

インド洋補給艦の航泊日誌、保存期間中に一部破棄

 防衛省は16日午前の民主党外務防衛部門会議で、テロ対策特別措置法に基づきインド洋で給油活動を行っていた海上自衛隊の補給艦「とわだ」の航泊日誌の一部を、文書保存期間が過ぎていないにもかかわらず、今年7月に破棄していたことを報告した。

 破棄していたのは2003年7~11月の5か月分。防衛省側は「誤って破棄した」と説明した。

 民主党議員が「法律違反ではないか。関係者の処分は行うのか」とただしたのに対し、防衛省側は「文書保存期間を定めた内部規則に反しているが、法律違反ではない。処分は、現在、経緯を調査しており、結果を待ちたい」と述べるにとどめた。
(2007年10月16日13時39分  読売新聞)

2007年10月12日 (金)

武力で平和はつくれない-道新社説に寄せて

北海道新聞の10日の社説はなかなかだと思う。
商業新聞としてはギリギリのところまで腰をためて問題をつきだしている。
民主党小沢代表が与党や右派言論に釣り出されるようにして「世界」誌に例の論文を書いて以降、運動圏の一部にも方向を定めきれない迷いが生じているのも確かである。
今が大事なときで、小沢氏も民主党も「対案」などであれこれ迷わずに正攻法で派兵・給油新法を追いつめていく必要があると思う。
①日米政府がウソをつき、違法行為をしていること、②テロ特措法は違憲であること、③この6年が証明するように、このやり方でテロはなくならないこと、④武力で平和はつくれないこと、これらの原則的視点を腹に据えて、与党との論戦に向かえば勝ち抜けるはずだ。
市民運動も迷ってはならない。「武力で平和はつくれない」というスローガンは、この間の全世界の反戦運動が獲得した綱領的スローガンなのだ。ISAFであれ、武力行使への加担はしてはならない。(高田)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/54328.html?_nva=27
社説
海上給油活動 憲法の原点に返る時だ(10月11日)

 今国会最大の争点である海上給油活動継続問題をめぐり、衆院予算委員会で攻守ところを変えたような憲法論議が行われている。
 政府・与党が野党党首の自衛隊派遣論に対し、「憲法違反につながる」とかみついているのだ。
 火種を提供したのは民主党の小沢一郎代表だ。月刊誌の論文で、自分が政権を取ったらアフガニスタンで活動する国際治安支援部隊(ISAF)に自衛隊を参加させると明言した。
 国連決議に基づく活動は日本の主権に基づく行為とは区別される。仮に武力行使を含んでも「国権の発動たる武力行使」を禁じる憲法九条には抵触しない。そう主張している。
 海外での武力行使を認めるこの憲法解釈を私たちは到底容認できない。たとえ国連決議があっても、平和憲法の精神に照らせば自衛隊が海外で血を流すことは許されないはずだ。
 政府も自衛隊が海外で武力を行使するのは憲法違反だとの立場をとっている。だからこそ、陸上自衛隊をイラクに派遣する際、当時の小泉純一郎首相は「自衛隊の行くところは非戦闘地域」と強弁したのだ。
 石破茂防衛相も小沢論文を「武力行使を伴うISAFへの参加は認められない」と批判した。
 ただ論文が給油活動が抱える問題の本質を突いている面は否定できない。
 政府は、給油活動はテロ活動の抑止を目指す国際社会の取り組みに協力する国際貢献だと説明する。これに対し、実態は米軍への支援で集団的自衛権の行使に当たり、憲法に反しているというのが小沢氏の指摘だ。
 福田康夫首相は予算委員会で、海上自衛隊は非戦闘地域に限って行動し、後方支援で武力行使をしないのだから憲法に違反しないと反論した。
 政府はこの見解にのっとり、十一月一日で期限が切れる現行のテロ対策特別措置法に代わる新法案を来週にも国会に提出する予定でいる。
 だが、後方支援が軍事活動の一環だというのはむしろ常識だ。
 集団的自衛権行使の問題を含め、自衛隊の海外派遣と憲法との関係をめぐる政府の説明は、およそ説得力を持っているとは言えない。
 一九九一年の湾岸戦争の際、日本は百三十億ドルもの巨費を拠出しながら国際社会から評価を得られなかった。
 これがトラウマ(心的外傷)となり、政府は以後、国連平和維持活動(PKO)法を作り、特別措置法も成立させて自衛隊を海外に送り出してきた。
 この間、強引な解釈改憲を重ねてきたことは否定できまい。新法案をめぐる国会論議が再び原理原則をないがしろにしたものになってはいけない。
 あらためて憲法という原点に立ち返る-。それが小沢論文の問題提起だと受け止めることもできよう。

2007年10月11日 (木)

またイラク作戦転用疑惑が浮上

国会論戦で、首相や石破防衛相が給油のイラク戦争への転用はないと弁明に大わらわになっている最中、また疑惑が露呈した。本日の「赤旗」紙の記事である。今度は昨年9月の事例だ。(高田)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-10-11/2007101101_02_0.html
2007年10月11日(木)「しんぶん赤旗」
海自給油の米艦イオウジマ
イラク戦争参加
米軍資料で判明

 海上自衛隊の補給艦「ましゅう」から昨年九月に給油されアフガニスタン攻撃に参加した米海軍強襲揚陸艦イオウジマが、その直後に改めて「ましゅう」から給油を受けてイラク戦争にも参加していたことが、米軍資料で判明しました。アフガン戦争支援に限定するテロ特措法に違反して、海自の給油が米国のイラク戦争支援に転用されていたことを示すものです。

 米海軍ホームページによれば、「ましゅう」は昨年九月二十二日、ペルシャ湾でイオウジマに給油しました。米海兵隊の「海兵隊ニュース」同年十二月四日付によれば、イオウジマを中心とする遠征打撃群(ESG)はその後、十月上旬までにペルシャ湾に入り、イオウジマ搭載の垂直離着陸攻撃機ハリアーが、イラク南部のバスラ周辺で駐留英軍部隊を支援する活動をしました。

 十月中旬には同ESGの海兵隊地上戦闘部隊がイラク西部アンバル州の作戦に参加。十一月一日には同部隊の突撃兵一人が道路脇に仕掛けられた爆弾で戦死しました。

 同ESGは昨年六月六日から十二月六日までの六カ月間、地中海・インド洋周辺海域に展開。このうち七月四日から十一月八日までの四カ月間は、対イラク作戦と対アフガン作戦を統括する米中央軍の担当地域に入りました。

 七月中旬以降にイスラエルのレバノン攻撃に関与した後、九月にはパキスタン海軍と合同演習。自衛隊が支援対象にするとしている「海上阻止活動」を実施した形跡はありません。(表)

 同ESGのこの航海の中心任務は、アフガン・イラク両作戦を直接支援することとされます。「海兵隊ニュース」十一月十日付も、イオウジマ搭載のハリアー機は「アフガンとイラクで戦闘飛行を実施した」と報じ、それを確認しています。

 「ましゅう」が昨年九月四日にアラビア海で「イオウジマ」に給油したこと、その後イオウジマ搭載のハリアー機がアフガン空爆のために百三十六回の攻撃飛行を実施したことは、すでに明らかにされています。

 イオウジマ遠征打撃群(ESG) 強襲揚陸艦イオウジマを旗艦とし、ミサイル巡洋艦フィリピン・シー、攻撃型原潜アルバカーキーなど計七隻で構成され、約六千人の兵力。特殊作戦遂行能力をもつ海兵遠征隊(MEU)や、ハリアー機、海兵隊ヘリコプター部隊などを載せています。

新法をめぐる国会の攻防日程について

政府・与党は「派兵・給油新法」案を17日に閣議決定し、18日ないし19日に衆院本会議で趣旨説明、ただちに衆院テロ対策特別委員会で審議入り、30時間程度の審議で、最短では、26日の委員会採決、同日、本会議採決、という日程をめざすという。
しかし、野党の抵抗にもかかわらず参院否決とみなすことができる「60日」を計算すると、参院否決は12月下旬になり、それから衆院での3分の2による再議決となる。しかし、与党内では国会延長は12月10日まで、とか15日までとか言われているので、日程設定の辻褄が合わない。
このため、本日の産経の記事の最後の部分、 「自民党内には法案を衆院特別委では採決せず、継続審議にすることで、来年の通常国会で成立を期すことを模索する動きもある」という話が出ている。
であれば、169通常国会の予算成立後の衆院再議決という目論みか。これには野党が参院で問責決議を採択して対抗するだろう。この場合、衆院は解散せざるを得ない状況に追い込まれる可能性が濃厚になる。
こうした国会内の与野党の攻防は、国会外の運動と世論の動向に大きく影響される。さあ、これからが頑張りどきになる。(高田)

【産経新聞】テロ新法、26日にも衆院通過 政府・与党方針
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071010/stt0710102311010-n1.htm
政府・与党は10日、インド洋での海上自衛隊の補給活動を継続するための「新テロ対策特別措置法」(仮称)を17日夕の臨時閣議で決定し、19日にも衆院テロ対策特別委員会で審議入りする方針を決めた。法案の衆院通過は早ければ26日となる見通し。ただ、参院で多数を占める野党は補給継続に反対姿勢を崩しておらず、現行法が期限切れを迎える11月1日までの成立は絶望的だ。

 自民、公明両党の幹事長、政調会長、国対委員長と町村信孝官房長官はこの日朝、都内のホテルで会談し、17日夕の閣議決定後、ただちに衆院に法案を提出することで一致。11日の衆院議院運営委員会理事会に大野松茂官房副長官が出席し、一連の方針を説明する。与党は18日の衆院本会議で趣旨説明したい意向を伝えるが、野党の反発を織り込み、19日へずれ込むことを想定している。

 与党は法案の委員会審議時間について、現行のテロ対策特別措置法が平成13年に成立した際、衆院で29時間の審議を行ったことを踏まえ、30時間程度にしたい方針だ。最短なら26日に委員会採決し、同日中の衆院通過が可能となる。

 与党は17日までの衆参予算委の期間を与野党協議に充てたい考えだったが、野党側は協議に一切応じず反対姿勢を貫いていることから、「野党から建設的な提案はなさそうだ」(自民党国対幹部)と判断した。

 町村官房長官はこの日午前の記者会見で「閣議決定は17日夕以降」と明言。新法案は5日に野党側に提示した骨子案とほぼ同じ内容となる。

 野党は反発を強めており、参院で会期末まで審議を引き延ばし、廃案に持ち込む可能性がある。参院送付後60日で否決とみなし、衆院で再議決するためには、年明けまで会期の大幅延長が必要だが、最大12月中旬までの延長幅にとどめることを決めている。

 このため、自民党内には法案を衆院特別委では採決せず、継続審議にすることで、来年の通常国会で成立を期すことを模索する動きもある。

2007年10月10日 (水)

集団的自衛権 首相『行使許されない』  前政権と違い鮮明

福田内閣をどう見るか。まだ運動圏での評価は必ずしも定まっていない。
私はこのところ、こういっている。安倍前首相が超タカ派だったので、福田首相があたかもハト派に見えるが、彼は本質はタカ派だ。いまのところ低姿勢でいく決意をしているタカ派だと。安倍との差は超タカ派とタカ派の差だ。
注目の「集団的自衛権」の行使問題で、福田首相は昨日、公明党の議員の質問に答えて、事実上、この方面での安倍路線を否定した。これはひとつの変化である。
警戒すべきことは、①集団的自衛権の行使は米国の要求であり、親米福田政権が暫定政権に甘んぜず、長期政権をめざそうとするなら、集団的自衛権の行使への踏切は避けられず、それはとりもなおさず9条改憲をめざすことになる。②憲法解釈は変えなくとも、例えば昨今の「テロ特措法は非戦闘地域での後方支援であるから、憲法違反ではない」という釈明に見られるような、拡大解釈は進めるに違いないこと。要するに歴代自民党政権の立場に戻ったというだけだ。(高田)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2007101002055249.html
集団的自衛権 首相『行使許されない』 衆院予算委 前政権と違い鮮明

2007年10月10日 東京新聞朝刊

 衆院予算委員会は九日午後、福田康夫首相と全閣僚が出席して基本的質疑を続行した。首相は集団的自衛権の行使を禁じた政府の憲法解釈について「どこまで憲法解釈上許される国際活動なのかの扱いは十分に慎重でなければいけない。政府は従来、憲法上(行使は)許されないという解釈をしていて、今もその通りだ」と、行使容認に否定的な考えを表明した。 

 安倍晋三前首相は集団的自衛権の行使容認に積極的で、有識者会議を設置して憲法解釈見直しに向けた議論を進めていたが、福田氏は安倍氏との姿勢の違いを鮮明にした形だ。

2007年10月 8日 (月)

新法の帰趨は院内外呼応したたたかいにこそ

インド洋給油・派兵新法をめぐる国会論戦が始まった。これを与党の思惑通りに成立させるのか、それともこの法案を阻止して、海上自衛隊を帰国させ、この問題での違憲状態を修復させるのか、重大なたたかいが始まった。このねじれ国会での与野党のたたかいの帰趨を決めるのは、院外の民衆の運動と、世論の動向だ。
この問題で、本日(8日)の「赤旗しんぶん」の中祖記者の論評は全く共感できるので、以下、掲載します。(高田)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-10-08/2007100802_02_0.html
2007年10月8日(月)「しんぶん赤旗」
新テロ特措法案 与党作戦に壁
戦争支援の核心 変わらず

 福田内閣が固執し続けるインド洋での海上自衛隊の給油活動の継続―。政府・与党は現行のテロ特措法(十一月一日失効)の延長をあきらめ、「新テロ特措法」案を国会に提出しようとしています。しかし、参院で与野党逆転した状況の下で、新法成立を阻止できる可能性も出てきています。
予算委で実質協議

 衆参の代表質問が終わった直後の五日夕、与党側は野党に新法の骨子案を示しました。政府提出法案を骨子段階から野党に示すのは異例のこと。法案に野党側の意見を「反映」させるとして、与野党協議に持ち込む作戦でした。

 しかし、野党側の拒否で、この作戦はあえなくとん挫。九日から始まる衆院予算委員会での審議を、法案作成にむけての「実質的な与野党協議とみなし、論戦の内容を踏まえながら、法案作成作業にあたっていく方針」(自民党ホームページ)です。

 「今の法律は米国の戦争支援法という性格が強い。9・11テロの直後にみんなワーッとなってつくったもので、大規模戦闘が終結した後につくられたイラク特措法のように復興支援という要素は入っていない」

 ある防衛庁長官経験者はこう語り、新法での“性格変更”の勧めを説きます。「新法では、戦時法、戦争支援法という法律の性格を変える必要がある。給水・給油への活動内容の限定や復興支援という要素を入れることで民主の理解も得られるのではないか」

 復興支援などは、これからののりしろというわけです。しかし、米艦船への給油・給水こそが戦争支援の核心である以上、その継続を前提に“法的性格の変更”を強調しても通りません。

 民主党幹部の一人も「その給油こそが軍事活動の一環であって、アメリカの戦争のために行うことは憲法で禁止された集団的自衛権の行使にあたる」とのべます。
世論が一番の変数

 民主党などを取り込むために、与党が力を注いでいるのが世論対策です。国連に強く働きかけ、海上阻止活動への貢献に「謝意」を示す文言を安保理決議に盛り込ませるなど、問題を「国際信用」にかかわる事柄として描き出しています。「ていねいな話し合い」の姿勢を強調するのも、国民の理解を広げようという思惑からです。

 伊吹文明自民党幹事長は、「民主党がどう対応するかは、国民の気持ちが一番大きな変数になる」(「毎日」九月二十八日付)とのべています。

 前述の長官経験者も「世論が大きく動いてこない限り、なかなか民主党は動かない。(参院で新法が否決された場合は衆院での)再議決も無理だ。公明党がついてこない」と言います。

 しかし、この長官経験者自身が「戦争は二年ぐらいで終わると思っていたが、六年たった今もまだ続いている」と嘆くように、想定がはずれた自衛隊の活動実態が国会審議では問われます。とりわけ、アフガニスタン情勢やイラク戦争との関係が明らかになれば、「戦争でテロはなくせるか」という根本問題がいっそう明確になります。

 国民的議論が起これば、米軍の戦争支援を見直す好機です。(中祖寅一)

2007年9月21日 (金)

国連アフガン決議:露が批判声明文 小沢氏主張裏付ける

毎日紙の速報である。
日本政府の姑息な策動が裏目に出た。
どこかの報道が安倍首相の最後の努力が「感謝決議」に結実した、などと書いていたが、安倍首相はほんとうになにからなにまでKY(空気が読めない)だったことが証明されてしまった。
民主党よ、動揺するなかれ。時の利は諸君等に有り、だ。(高田)

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070922k0000m030066000c.html
国連アフガン決議:露が批判声明文 小沢氏主張裏付ける 

 【モスクワ杉尾直哉】アフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)に関する国連安保理決議案の採択でロシアが棄権した問題で、ロシア外務省は20日、「これまで安保理で議論されたことがないインド洋の海上阻止活動が盛り込まれ、棄権せざるを得なかった」とする報道声明文を発表した。

 安保理で拒否権を持つロシアが、現時点で海上阻止活動を受け入れていないことを明確にしたもので、「米国の活動を国連安保理で承認する決議はない」とする民主党の小沢一郎代表の主張が逆に裏付けられた形。民主党対策で採択を急いだ日本政府の読みの甘さが浮き彫りになった。

 今回の決議案では、日本などがインド洋の海上阻止活動に参加する米軍主導の「不朽の自由作戦」(OEF)への謝意が盛り込まれた。これに対し露外務省は「アフガンやほかの紛争に関する過去の国連決議で扱われたことがないまったく新しい要素だ。海上阻止活動を行う根拠について米国などの提案国に説明を求めたが、無視され、性急な採択が行われた」と批判した。

 露外務省の声明文によると、ロシアは、これまでISAFを原則的に支持し、国連決議にも賛成してきた。だが、今回の決議案では、海上阻止活動に触れた文言を米国代表が議論の最終段階で追加。これに対しロシアは説明を求めたが、無視されたという。

 ロシア側は妥協案として、「いかなる海上阻止、臨検活動も国際法と国内法にのっとって行われなければならない」との文言を盛り込むよう提案したが、これも無視されたという。

毎日新聞 2007年9月21日 19時40分

福田の派兵恒久法の再登場

18日の共同通信のインタビューで福田氏が恒久法について触れている。彼は小泉内閣での官房長官時代にこれを積極的に進めようとした過去を持っている。首相になったら再度、これをやろうということだろうが、危険な道だ。
テロ特措法、イラク特措法に代わる派兵恒久法をねらっている。心しておこう。(高田)


http://www.47news.jp/CN/200709/CN2007091801000797.html

海外派遣で恒久法目指す  福田氏インタビュー

 自民党総裁選で優勢となっている福田康夫元官房長官(71)は18日午後、共同通信の単独インタビューに応じ、自衛隊の海外派遣を随時可能とする「恒久法」制定を目指す考えを示した。自民党が参院選で公約した「3年後の憲法改正案発議」は事実上棚上げする意向を表明。首相に就任した場合の組閣については、臨時国会開会中を理由に閣僚の大幅入れ替えは困難との考えを重ねて示した。

 恒久法は福田氏が官房長官当時の2003年7月に制定方針を表明し、安倍政権も来年1月からの通常国会への提出を目指していたが、参院選惨敗により当面凍結を決定。これについて福田氏は「何か起こった時に慌てて法律を作るということでは機敏な対応はできない。きちんと整えておくことは大事だ」と述べ、あらためて制定の必要性を強調。
2007/09/18 20:41  【共同通信】

2007年9月14日 (金)

雑記(18)公園で守る9条

8月14日の朝日新聞夕刊(関東)に「公園で守る9条」「戦中派78歳、署名集めを歌集に」「若者たち関心高い」という大きな記事が載り、目をひいた。

箕輪喜作さん(78歳)、東京・小金井市在住。05年11月、地元の小金井市に「九条の会・こがねい」が結成されたのを契機に、9条を守る署名を始め、1年8ヶ月で6千筆以上集めたという記事だ。そしてこのほど、歌集「九条署名の1年」(光陽出版社)を出したのだという。

●声かければ赤ん坊をわれに抱かせて署名してくれしお母さんあり

などの短歌も紹介されていた。

その後、私は箕輪さんのこの歌集を読む機会も得た。

箕輪さんにあってみたくなり、ツテをたどって箕輪さんに連絡し、武蔵小金井駅で待ち合わせをして頂いてお宅を訪ねることができた。

署名はすでにあと数十筆で7000になろうとしているという。休日には近くの武蔵野公園で1日50筆くらい集まると言うから、明日は7000筆を超えているかも知れない。公園にもつれていって頂いたが、本当にひろーい公園で、森があり、川があり、バーベキュー広場があり、スケボー練習場があり、という具合で、近県からの人びとも含めて若者や子ども連れの若い親たち、近くに大学などもあって外国人も多いという。箕輪さんはこれらの人たちに話しかけ、署名を集める。署名簿は「9条の会・こがねい」が作ったシンプルなもので、

We Love 憲法 We Want Peace 請願書 衆議院議長殿 参議院議長殿 請願項目 日本国憲法第九条を守ってください  とだけ書いてある。それに憲法九条の条文が添えてある。

これはいいと思った。いずれ5000万署名運動などにとり組むときは、これがいいのではないかと思った。

箕輪さんは新潟の山村の小学校の用務員を44年間務めて、その後、東京に出てきた。子どもたちや、教師や、村の人びとと箕輪さんの交流は熱いものだったようだ。聞いていて、箕輪さんの人との対話術、とくに子どもとの対話術はこの箕輪さんの長い人生経験のなかで作られたものであることがよくわかった。どんな話をして署名をもらうかの実演も聞いた。最初はつっけんどんだったお姉さんが涙を流したり、悩みをもつ若者の相談にのったり、ときに歌を歌ったり、ときには公園で同郷人に会えば十日町小唄まで踊るという。右翼に署名簿を強奪されたときも、やんわりと抗議し、公園にいたまわりの人びとが守ってくれたともいう。米軍人の家族も、創価学会の会員も、ほんとうに公園にくる人びとは多様だ。最初は「義務感」を伴いながらの署名活動だったが、だんだんにこうした人びととの出会いが楽しくなってきたという。交流したある学校の子どもたちは「九条おじさん」の演劇をつくって上演した。箕輪さんは、その写真を「これは私の宝物です」と微笑みながら見せてくれた。

●田舎弁まるだしなれど若者は戦争体験聞いてくれたり

2007年9月 2日 (日)

集団的自衛権*説得力ない身内の議論

31日の「北海道新聞」の社説である。
日本の各マスメディアもジャーナリズムとして、せめてこの程度の批判精神を発揮できないものか。(高田)


http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/46582.html?_nva=28

集団的自衛権*説得力ない身内の議論(8月31日)

 やはり、はじめに結論ありきだったようだ。
 集団的自衛権の憲法解釈見直しを検討する政府の有識者会議が、安倍晋三首相が示した四つの類型について、ひと通りの議論を終えた。
 《1》近くにいる米国艦船が攻撃された場合の応戦《2》米国に向けて発射されたミサイルの迎撃《3》他国の軍隊が攻撃されたときの駆けつけ警護《4》戦闘地域での後方支援の拡大ーである。
 会議ではいずれについても、現行の憲法解釈を改めるなどして認めるべきだという意見が大勢だった。
 メンバーは、集団的自衛権の行使や自衛隊の海外での武力行使を認めようという人ばかりだ。多様な観点から是非を論じる場とは思えない。
 専門家による検討という看板を掲げて権威づけしても、これでは説得力はない。会議は十一月にも最終報告書をまとめる予定だというが、こんな会議の議論を、憲法解釈見直しのよりどころにされては困る。
 ただ当面、政府の解釈見直しは棚上げせざるを得なくなっている。先の参院選で自民党が惨敗したうえ、連立を組む公明党も反対しているためだ。各種世論調査でも、見直し不要派が多数を占めている。
 国民の声をないがしろにして、結論を急ぐ必要はない。
 日本は国際法上、集団的自衛権を有しているが、憲法九条が許容する必要最小限度の自衛権の範囲を超えるため行使できない、というのが政府の一貫した立場だ。
 ところが首相は、この憲法解釈はおかしいと考えている。念頭にあるのは日米同盟だ。
 日米の軍事一体化が進めば進むほど、集団的自衛権の不行使原則は邪魔になる。米国も行使容認を求めて首相を後押ししている。
 これまでの政府見解は、内閣法制局が理論的裏づけを担ってきた。政府・自民党内には、役人がとりまとめた見解に政治がしばられる必要はないといった主張もある。
 だが政府見解には、国会でいく度となく議論を重ね、練り上げてきた歴史的経緯がある。国民的合意を得た見解だといっていい。その重みを無視することはできない。
 インド洋やイラクへの自衛隊派遣も、米国と共同で導入を進めるミサイル防衛システムも、すでに集団的自衛権の行使につながりかねない危うさをはらんでいる。
 陸上自衛隊のイラク派遣先遣隊長が、現地で駆けつけ警護を検討していた事実は、その懸念が決して非現実的なものではないことを示している。
 自衛隊のきわどい活動を既成事実として積み上げ、憲法解釈を現実に合わせてねじ曲げる。それは無理、乱暴というものだ。

2007年8月27日 (月)

集団的自衛権法制化、当面棚上げへ

26日の日経新聞の報道だ。集団的自衛権の法制化はいったん棚上げになった。しかし、日本政府にとって、テロ特措法、派兵恒久法などが焦眉の課題であることは変わりない。与党がこれらについてどういう手だてをうってくるのか、その過程で集団的自衛権問題が再浮上するのは火を見るより明らかだ。ゆるめることなく、キャンペーンを強化しなければならない。(高田)
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT3S2200O%2025082007&g=P3&d=20070826
自民、集団的自衛権の解釈変更棚上げ・公明反対、法整備も困難

 自民党は、今秋をメドにまとめる予定だった集団的自衛権の解釈変更に関する提言を事実