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2014年1月 6日 (月)

東京新聞【社説】年のはじめに考える 「幸せの循環」創りたい 2014年1月6日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014010602000116.html

【社説】年のはじめに考える 「幸せの循環」創りたい  2014年1月6日

 映画「おしん」が昨秋、公開されました。大ヒット作品が、三十年ぶりに注目されたのには訳がありそうです。社会の大きな転換期かもしれません。

 「おしん」は一九八三年のテレビ放映当時、最高視聴率62・9%を記録しました。困難に負けずけなげに生きる主人公の姿が感動を呼びました。

 実は、原作者の橋田寿賀子さんが込めた思いは別にあります。
◆「おしん」に込めた思い

 「日本人はもうこれ以上、経済的に豊かにならなくてもいいのでは」という思いだったと著作「おしんの遺言」で吐露しています。経済的な豊かさが身の丈を超えていると感じていた。明治から昭和を生きた女性の生涯を材料に、この価値観を問いたかったのです。

 戦後、社会は生産を拡大することで富を追求してきました。最近のグローバル競争はそれに拍車をかけている。アベノミクスも依然として成長にすがっている。

 しかし、永遠の成長はあるのか。成熟社会になったと自覚すべきではないでしょうか。

 福島第一原発事故もそれを問うている。再稼働で成長路線を続けるのか、脱原発を進め別の豊かさを目指すのか。脱原発の大きなうねりも、「おしん」の長い沈黙後の再登場も、人々が社会のありようを考えだした証左にみえます。

 年金、医療、介護、子育てなど社会保障制度は社会変化の影響を大きく受けます。戦後からこれまで経済成長と人口増加が重なり、現役世代は自力で生活ができました。社会は安定し社会保障は退職後の高齢期の支援に軸足を置けばよかった。

 成熟社会の行く末は分かりませんが、人口減少と高齢化は進む。二〇六〇年には総人口は九千万人を割る一方、高齢化率は六十年前の5%から40%に上がります。

 制度を支える現役世代には低賃金の非正規雇用が増えました。既に労働者の四人に一人、約一千万人は年収二百万円以下の給与所得者です。若い世代は自助では乗り切れない困難を抱えています。

 社会状況に制度が合わなくなっている。今後は社会保険の共助、税による公助、住民同士の互助による総力で取り組むべきです。
◆支え合う社会保障制度に

 それには支える側、支えられる側に分かれるのではなく支え合いで連帯するしかない。全員が制度の、地域の支え手になる。

 だれかに支えられ「幸せ」をもらったら、今度はだれかを支えてそのお裾分けをする。「幸せの循環」を創る。「幸せ」の交換を繰り返すことで周囲とつながり支え合う力は強くなるはずです。

 約七割が高齢者に回っている社会保障給付を若い世代にも振り向ける。子育て支援や若者の雇用対策にも充てれば高齢世代が若い人たちを支えることができます。

 特に教育は人生前半の社会保障です。欧州では大学までほぼ無償で学べる国が多い。教育は未来への投資と考えているからです。日本は自助が前提ですが、こうした点は学ぶべきです。格差が広がるなかで、親の経済力で子どもの教育を受ける機会に差がでることは避けなければならないからです。

 税と社会保険料の国民負担は、高福祉の北欧より低いが、自助を基本にする米国の低負担とさほど変わらない。日本は「中福祉・低負担」といわれます。中福祉を維持するには中負担を避けて通れないし、高福祉ならなおさらです。

 経済力のある人は世代に関係なく少し負担を増やしてもらう。自力で生活できる人は年金の受給を我慢してもらう。医療機関への不要不急の受診は控えてもらう。国民には、社会保障を次世代に受け渡すために負担増を引き受ける覚悟はあると信じます。東日本大震災での助け合いの姿にその可能性を感じるからです。

 地域でも住民同士の「幸せの循環」が力になります。その中心を若者たちが担っていることに希望が見えます。

 社会貢献を目的に仕事に取り組む社会起業家やNPOなどが子育て、介護、貧困対策など地域の課題に取り組む「ソーシャル・デザイン」といわれる動きは広がっています。
◆若者が示す「未来の姿」

 貧困家庭の子どもたちの学習を支える人、地域に集ったり働く場をつくる人、ホームレスに仕事を見つける人が各地にいます。

 若者は内向きになったといわれますが、関心は足元の地域に向いている。無関心なのではなく、社会の将来を自分の問題ととらえている。成果は収入の多寡ではなく「地域づくり」です。グローバル社会で芽生えた「未来の姿」に映ります。

 政府は消費税増税分はもちろん、国土強靱(きょうじん)化に十年で投じる二百兆円を社会保障に回す。それをすべき時代です。

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