外交孤立化の恐れ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013122602000240.html
外交孤立化の恐れ
2013年12月26日 夕刊
安倍晋三首相が靖国神社に参拝したのは、第一次政権で参拝しないまま退陣したことを「痛恨の極み」としてきた自らの信念に加え、首相の支持基盤である保守層の中でも特に右寄りとされる支持層が、参拝を強く希望していることに応えるためだ。
だが、中韓両国に加え、同盟国の米国も日本と中韓との冷え込んだ関係がさらに悪化することを危ぶみ、参拝に懸念を示していたとされるため、日本が外交的に孤立化する恐れもある。
首相は就任直前に同神社の秋季例大祭に参拝。一年前の安倍政権発足以降は中韓両国の反発を懸念し、参拝していなかった。だが、尖閣諸島問題や歴史認識問題で中韓との関係は改善されないまま。日本側が対話を呼び掛けても、両国との首脳会談すら実現しなかった。このため、「配慮をしても同じなら、年内に参拝するべきだ」との声が、保守層から出ていた。
一方、菅義偉(すがよしひで)官房長官ら首相周辺は中韓の反発以上に、米国との関係悪化を懸念し、「参拝を必死に止めていた」(周辺)とされる。実際、米国からは官邸側に水面下で首相の参拝を憂慮し、自制を促す意向が伝えられていたという。
米国内には首相の歴史認識を疑問視し「過去の戦争を正当化する国粋主義者」との指摘がある。A級戦犯が合祀されている靖国神社参拝は、こうした見方を強めることになりかねない。 (金杉貴雄)
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