無料ブログはココログ

許すな!憲法改悪・市民連絡会

« 防衛予算2年連続増 政権、防衛力強化めざす | トップページ | 琉球新報社説 海兵隊引き留め 歴史的過ち繰り返すな2013年11月11日 »

2013年11月10日 (日)

【特定秘密保護法案】<国家のヒミツ>情報保全隊に監視されて 守るのは国民より自衛隊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/list/CK2013111002000113.html

【特定秘密保護法案】<国家のヒミツ>情報保全隊に監視されて 守るのは国民より自衛隊

2013年11月10日

 政府が指定した秘密を守ることを大義名分に、ジャーナリストや市民が厳罰に処せられる恐れのある特定秘密保護法案。すでに、自衛隊による国民監視の実態がある。さらに国民に圧力をかけようというのだろうか。 (編集委員・半田滋)

 二〇〇七年六月、防衛相直轄の部隊、情報保全隊がイラク派遣に反対する人々の情報を収集していたことを示す内部文書が流出した。陸上自衛隊東北方面情報保全隊が収集した情報を週単位で一覧表にした「週報」で計十一部百六十六ページ。

 名前を掲載された東北六県の住民が精神的苦痛を受けたとして国を訴えた裁判で、仙台地裁は昨年三月、人格権を侵害したとして計三十万円の賠償を国に命じた。原告と国の双方が控訴し、裁判は現在も続いている。

 昨年十二月、原告側は新たに一〇年十二月の三週間分の「週報」を裁判所に提出した。市民集会などの監視結果が詳細に記されている。イラク派遣はこの約二年前に終わっているにもかかわらず、だ。日ごろの国民生活そのものを監視対象にしていたことになる。

 「12月8日」には札幌市であった市民団体「(北海)道平和運動フォーラム」の集会に「約二百人」が集まり、「半田滋東京新聞編集委員」が講演したと私の名前、肩書が出てくる。そして「防衛大綱、武器輸出三原則見直しを終始批判する内容の発言が認められた」と報告している。

 報告は事実をゆがめている。「迷走する普天間問題」の題名で、沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題に解決の道筋がみえないことや、日本全体で受け入れを拒否する米軍基地とは何か、を問いかける内容だった。

 「週報」は明らかに不正確だが、黒枠で「関係者以外閲覧禁止」とあり、これを読んだ「関係者」は事実と受けとめるのだろう。

 週報には「左翼系大衆運動団体及び反戦市民団体」「右翼」「右翼系市民団体」「保守系市民団体」「その他の団体の動向」とあり、国民を分類したうえで幅広く監視していることが分かる。

 憲法で保障された思想・信条の自由、集会・結社の自由など、どこ吹く風だ。「国民を守る」のではなく「自衛隊を守る」のが自衛隊の本分ととらえているかのようだ。

 特定秘密保護法案は何を秘密にするか、判断は行政機関の長に任せられている。例えば、この「週報」のように防衛省にとって不都合な文書が、「特定有害活動やテロの防止」に関する情報として永遠に出てこなくなる可能性がある。さらに、その情報を入手したジャーナリストや市民を厳罰にすることさえできる。何が秘密か、それこそが秘密。「暗黒社会」を連想させる。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/list/CK2013111002000111.html

【特定秘密保護法案】<ウォッチ>「国家の安全に優先せず」  「法案批判は放送法違反」

2013年11月10日

 「知る権利」が国家の安全に優先するとの考えは間違い。法案に批判的なテレビキャスター発言は放送法違反-。特定秘密保護法案をめぐり、自民党の閣僚経験者や政権幹部から、国民の知る権利や報道の自由を軽視するかのような発言が続いている。法案は知る権利と報道・取材の自由に十分配慮すると規定しているが「うわべだけのものだ」との声も上がる。

 自民党の特定秘密保護法案に関するプロジェクトチーム座長を務める町村信孝元外相は、八日の衆院国家安全保障特別委員会で「(知る権利が)国家や国民の安全に優先するという考え方は基本的に間違いがある」と発言。「『知る権利は担保しました、しかし個人の生存が担保できません、国家の存立が確保できません』というのは、全く逆転した議論ではないか」とも述べた。

 一方、小池百合子元防衛相は十月二十八日の衆院特別委で、首相の一日の行動を報道する首相動静について「知る権利(の範囲)を超えているのではないか」との認識を示した。「知る権利もあるが、何を知り、何を伝えてはいけないかを精査してほしい」と求めたが、菅義偉官房長官は同日の記者会見で「(首相動静は)特定秘密には当たらない」と火消しに走った。

 短文投稿サイト「ツイッター」で盛んにつぶやいているのは、法案を担当する礒崎陽輔首相補佐官。十一月七日にはテレビ報道をめぐり「こういう法案にはファイティングポーズをとらなければならないということなのだろうが、放送の中立性を侵せば、放送法違反だ」「キャスターが『廃案にさせなければならない』と明確に言った。明らかに放送法に規定する中立義務違反の発言だ」と投稿した。

 今国会での法案成立を目指す安倍晋三首相は衆院本会議で「国民の知る権利や報道の自由への配慮も重要と認識している。適切に対応する」と述べた。

 しかし、山口二郎北海道大教授(政治学)は、自民党が七月にTBSの取材を一時拒否したことも挙げながら「安倍政権になってメディアに対するけん制、威嚇はずっと続いており、元閣僚らの発言はその一端だ。配慮規定はうわべだけのソフトな言葉を入れ、法の有害さを隠しているにすぎない」と指摘した。

« 防衛予算2年連続増 政権、防衛力強化めざす | トップページ | 琉球新報社説 海兵隊引き留め 歴史的過ち繰り返すな2013年11月11日 »

国内情勢」カテゴリの記事