3カ国結束、難しく=日韓対立で困惑-米国防長官歴訪
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3カ国結束、難しく=日韓対立で困惑-米国防長官歴訪
ヘーゲル米国防長官は4日、今年2月の就任以来初の日韓訪問を終え、帰国の途に就いた。長官は滞在中、米国の進めるアジア太平洋重視戦略の基盤となる日米韓3カ国の団結の重要性を繰り返し訴えた。だが、韓国の朴槿恵大統領が日本批判を延々と展開するなど、日韓の距離は縮まらないまま。長官は3カ国の連携強化の道のりは遠いことを実感することになった。
◇政治ショーに利用
「国防長官の役割は、政治ではなく安全保障に取り組むことだ」。9月30日にソウルで行われた朴大統領と長官の会談後、米高官は困惑した様子でこう語った。
会談では、日韓関係改善への期待を表明した長官に対し、朴大統領が「歴史や領土問題について、しばしば時代に逆行した発言をする」などと安倍政権を非難し続けた。米側としては、北朝鮮の脅威を踏まえ、安保政策に関する議論を深めたい考えだったが、激しさを増す反日世論に迎合した大統領の政治ショーに利用された形になった。
◇かみ合わない日米
一方、長官は日本で、独自の国防力の向上を目指していく政府方針について理解を求められた。岸田文雄外相は日米安全保障協議委員会(2プラス2)終了後の記者会見で、「安倍内閣の安保政策について説明し、米側から歓迎の意が示された」と強調した。集団的自衛権の行使容認など、安倍晋三首相の進める「積極的平和主義」路線に米側もお墨付きを与えたとのアピールだ。
だが、行使容認や敵基地攻撃能力の保有といった安保政策の一大転換は、韓国と中国の反発を招きかねない。長官は2プラス2前の小野寺五典防衛相との会談で、「日米韓の連携は新たな脅威、新たな世界の課題に対応していく上で重要だ」とクギを刺した。安倍政権の掲げる積極的平和主義と、近隣各国との摩擦を避けるよう促す米国の姿勢は、かみ合っていないようにみえる。
◇3カ国連携、抑止の核
長官は北朝鮮と対峙(たいじ)する最前線の板門店を視察した後、「世界で唯一、常に衝突の危険を抱えている場所だ」と感想を述べた。米軍は韓国に2万8000人以上の部隊を駐留させており、朝鮮半島有事が起きれば米兵の犠牲は避けられない。北朝鮮への抑止力を高めていくことは極めて重要で、日米韓の結束の誇示はその核になる。
米国防総省高官は朴大統領の強硬姿勢について、反日の機運が高まる国内世論に配慮した結果だろうと指摘し、大統領も日本との連携の大切さは理解しており、時間とともに関係改善の動きも出てくると予測した。米政府はまた、日本に対し、憲法9条の解釈変更の意図などを近隣国に説明する努力を怠らないよう水面下で求めていくとみられる。(時事)
朴槿恵(パク・クネ)、板門店(パンムンジョム)(2013/10/04-14:31)
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