集団的自衛権 自衛隊 海外での活動範囲は 関係国に攻撃なら際限なく拡大も
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013092402000121.html
集団的自衛権 自衛隊 海外での活動範囲は 関係国に攻撃なら際限なく拡大も
2013年9月24日 朝刊
安倍政権は集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈の変更に向け、議論を進めている。これに関連して、政府内から自衛隊を地球の反対側に派遣する可能性を指摘する声も出始めた。集団的自衛権の行使が認められると、自衛隊はどのような行動ができ、海外での活動範囲はどこまで広がるのか。 (後藤孝好)
Q 自衛権には「個別的」と「集団的」の二つがあるようだけど、どう違うのか。
A 「個別的」は他国からの武力攻撃に対して、自らを守るために戦う権利。「集団的」は自国が直接攻撃されていなくても、密接な関係にある国への武力攻撃に対して、関係国とともに戦う権利だ。
集団的自衛権は国連憲章により認められ、歴代の内閣も「国際法上有している」としてきた。ただ、戦争放棄と戦力不保持を定める憲法九条を踏まえ、その行使は「自衛のための必要最小限度の範囲を超える」と解釈し、禁じてきた。
Q 行使を認めると、自衛隊が地球の反対側まで行って戦争できるようになるのか。
A 行使が認められれば自国が攻撃を受けていなくても、関係国と海外で武力を行使できる。同盟国の米国が攻撃された場合、敵が日本から遠く離れた地域にいても、ともに戦うよう求められる可能性が出てくる。
Q 自衛隊は既にイラクなど海外へ派遣されているが。
A これまでは「非戦闘地域」での人道支援や後方支援に限った派遣で、他国との武力行使の一体化を避けてきた。集団的自衛権の行使を認めることは、その一体化を解禁することになる。いや応なく戦闘に巻き込まれるし、戦った国の人たちの恨みを買い、日本がテロ組織などから狙われる恐れも高まる。「平和国家」として歩んできた日本の安全保障政策は大きく変質する。
Q 行使できるように憲法解釈を変えたら、必ず行使しなければいけないのか。
A 義務ではなく、政府がその是非を判断する。安倍政権は「米国を守るために戦えないのでは、同盟関係にひびが入る」として、憲法解釈変更を目指している。これまでも米政府の要求に応えるように、なし崩し的に自衛隊の海外活動を拡大してきた。行使を禁じてきた憲法解釈の歯止めがなくなれば、際限なく自衛隊の活動範囲が広がる可能性は大きい。
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