(憲法はいま)首相、改憲へ本音封印 96条を突破口に
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(憲法はいま)首相、改憲へ本音封印 96条を突破口に
4月16日早朝の首相官邸での国会答弁打ち合わせ。安倍晋三首相は、外務、防衛両省幹部の説明に対して皮肉たっぷりにこう言った。幹部が示した答弁案は、海外での邦人保護にあたる自衛隊の活動について「憲法9条の規定に反するので、武器は使用できない」という従来の政府方針。首相は「そういう答弁は、僕にはできない」と切り捨てた。
その2時間余り後、衆院予算委員会で民主党の長島昭久氏が質問に立った。野田政権の首相補佐官で、党内きっての改憲論者だ。
「(海外での)自衛隊の武器使用は違憲と合憲とが紙一重だ。これを分かつ法的な根拠は何ですか」。長島氏がこう質問すると、首相は「そこが問題なんだよな」とつぶやきながら閣僚席を立って答えた。「目の前に邦人がいても自衛隊の保護下にないと判断された場合は救出に行けない。自衛隊が能力と装備を持っていながら、最高指揮官として忸怩(じくじ)たるものがある。宿題は確かに残っている」。その言葉からは、自衛隊の行動をしばる憲法9条への違和感がにじみ出ていた。
だが、首相は9条改正を声高には叫ばない。代わりに、憲法96条の改正を前面に押し出す。改憲案を発議するために必要な衆参両院の3分の2以上の賛成という要件を「過半数」に引き下げようというのだ。
9条改正という中身ではなく、96条改正という「入り口」から入る――。そんな戦略で首相は参院選を戦う構えだ。1日、訪問先のサウジアラビアで同行記者団を前に、首相はこう力を込めた。「憲法改正は自民党立党以来の課題。昨年の衆院選でも公約としてまずは96条と掲げていた。参院選においても変わりはない」
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