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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2013年3月 3日 (日)

東京新聞【社説】週のはじめに考える 集団的自衛権で何をする

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013030302000153.html

東京新聞【社説】週のはじめに考える 集団的自衛権で何をする

2013年3月3日

 安倍晋三首相はオバマ米大統領との首脳会談で、歴代首相として初めて集団的自衛権の行使容認の検討を始めたと伝えました。何がしたいのでしょうか。

 安倍首相は第一次安倍内閣で有識者を集めて「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」をつくり、集団的自衛権行使を容認すべきか検討を求めました。安倍氏が退陣したため、報告を受けたのは福田康夫首相。行使に慎重な福田氏はお蔵入りさせました。

 再登板した安倍首相は同じメンバーで懇談会を再開。強いこだわりがうかがえます。
◆先に結論わかる懇談会

 懇談会は前回と同じく(1)公海上での米艦艇の防護(2)米国を狙った弾道ミサイルの迎撃(3)国連平和維持活動(PKO)で他国部隊を守るための「駆け付け警護」(4)戦闘地域での多国籍軍への後方支援の四類型についても検討します。

 前回の結論は(1)(2)が集団的自衛権の行使にあたり、(3)が海外における武力行使、(4)が武力行使との一体化に区分され、いずれも現行の憲法解釈では禁じられているが、解釈変更によって容認すべきだというものでした。

 同じ顔ぶれで議論するのですから、結論は分かりきっています。興味深いのは懇談会十三人のうち、「日米同盟の維持・強化」を目的に二〇〇一年に開かれた民間の研究会「新日米同盟プロジェクト」に名前を連ねた有識者が五人もいることです。

 プロジェクトには米国の研究者らも参加し、沖縄の基地問題、朝鮮半島問題などについて議論しました。関心をそそられるのは憲法・有事法制についての提言です。

 現在、懇談会の一員でもある坂元一哉大阪大学大学院教授は、日米同盟を深化させるため、日本領域や公海で集団的自衛権行使に踏み込むべきだとし、その方法として「国家安全保障基本法のようなもの」をつくり、規定するのが一番よいと主張したのです。
◆国家安全保障法の端緒

 この考えを自民党が受け止めて発展させ、昨年七月の総務会で国家安全保障基本法の制定を目指すことを決めました。

 再びプロジェクトの議論から。マーク・ステープルズ元米国防総省日本課長は、一九九三~九四年の朝鮮半島危機で日本が集団的自衛権行使を禁じているために米国とともに行動できなかったと指摘し、行使容認に踏み切るよう求めました。

 朝鮮半島危機を振り返ります。九三年、北朝鮮は核開発を目指し、核拡散防止条約(NPT)脱退を表明しました。米国は米韓共同作戦計画「5027」に基づく北朝鮮攻撃を検討しましたが、死傷者百万人以上との見積もりから踏みとどまったとされています。

 このとき、在日米軍司令部は日本政府に、米軍による空港・港湾の使用、自衛隊による米兵の輸送、補給、救難など千五十九項目の支援を求めましたが、日本側は「集団的自衛権の行使は認められていない」とゼロ回答しました。

 すると日米関係は険悪化。修復するため、周辺有事への対応をうたった日米安保共同宣言、日米ガイドラインを経て、九九年に周辺事態法が制定されました。わが国に波及するような戦争が起きた場合、官民挙げて対米支援する国へと日本は変化したのです。

 この法律では集団的自衛権行使を避けるため、自衛隊の活動は日本の領域と公海までとの制限があります。行使容認となれば、米国と交戦する相手国の領域で米軍を支援できるだけでなく、イラク戦争の英軍のように米軍と一緒に戦うことも可能になるのです。

 その後、北朝鮮は三回の核実験を実施し、弾道ミサイルの発射にも成功、朝鮮半島の緊張はいっそう高まっています。このタイミングで安倍政権は集団的自衛権行使の議論を再開させたのです。

 安倍首相が行使容認にこだわるのは、朝鮮半島の問題というより、中国を意識してのことかもしれません。

 尖閣諸島をめぐり、米国は日米安全保障条約の対象と明言しています。相応のお返しが必要と考えているのでしょうか。
◆米国の関心は経済成長

 ただ、米国とは温度差があるようです。日米首脳会談でオバマ大統領は記者団を前に「日米同盟はアジア太平洋の礎だ」と述べたものの、それ以上踏み込まず、「両国にとって一番重要なのは経済成長だ」とかわしました。

 経済面で相互依存が進む中国と敵対したくない米国にとって、日本が地域の緊張を高める方向へとかじを切るのは避けたいところでしょう。

 安倍首相には勇猛果敢に突き進むより、世界で孤立しないよう多国間の連携に汗をかいてほしい。心からそう願います。

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