無料ブログはココログ

許すな!憲法改悪・市民連絡会

« 戦争30年なく「平和病」に=「戦勝は人民の要求」―尖閣念頭・中国 | トップページ | 「民主、党の体なしてない」=維新・橋下氏、分党促す »

2013年2月21日 (木)

毎日新聞コラム木語:手出しは排除せず=金子秀敏

http://mainichi.jp/opinion/news/20130221ddm003070086000c.html

木語:手出しは排除せず=金子秀敏

毎日新聞 2013年02月21日 東京朝刊

 <moku−go>

 北朝鮮が3回目の核実験をした。旧暦正月3日に当たる2月12日だった。わざわざ正月を選んで盛り上げようとしたのだろう。

 「先軍(せんぐん)の太陽・金正恩(キムジョンウン)将軍」というハングルの看板が登場した。「先軍政治」は、父・正日(ジョンイル)総書記の唱えた軍国主義だ。息子の代になって経済改革路線に転換するかと期待されたが、やはり先軍政治を継承した。今回の核実験は新しい先軍政治の始まりだ。

 さて、核実験のせいで東シナ海で起きた中国海軍の射撃用火器管制レーダー照射事件の影が薄くなった。しかし、この事件は中国が先軍政治に向かうかどうかを占うバロメーターとなる。目を離すのはまだ早い。

 前回書いたように、照射事件の背景には習近平(しゅうきんぺい)総書記が1月28日に共産党政治局で行った「和平発展の道」演説と、それに対する軍の反発がある。

 演説の翌日、人民解放軍の戚建国(せきけんこく)・副総参謀長が北京でリック・ラーセン米下院議員と面会した。副総参謀長は「中国側から海上で紛争や衝突を引き起こすことは絶対にない」と語った。習総書記の演説後、中国軍首脳から米軍に向けて発信された関係改善の重要なメッセージだった。この発言を中国の官製メディアが流した。ところが2時間後、記事が取り消され、「絶対にない」の部分を削除した記事に差し替えられた。

 レーダー照射事件が起きたのはこの翌日である。中国側から手を出さないという副総参謀長の公約を、海軍がほごにした。

 副総参謀長の発言は中国国内で大問題になったようだ。香港「明報」紙に上海の大学教授のコメントが載っている。「日本が中国の主権を侵害しているのに、軍人が『絶対に手を出さない』などという弱腰でたまるか。そんな約束は外交官にさせろ」

 習総書記の和平発展論には、軍や保守派から強い不満があるのだ。抑え込めなければ、中国も先軍政治になりかねない。注目されるのが強硬派軍人の代表格と見られていた劉源(りゅうげん)上将の演説だ。劉氏は劉少奇(りゅうしょうき)元国家主席の息子で、習総書記とは幼なじみ。党中央軍事委員会の委員のひとりだ。「手を出さない」発言の数日後、保守派の愛読紙「環球(かんきゅう)時報」に掲載された。

 劉氏は「手を出すことは排除せず」と言う。しかし「戦争は軍人にとって唯一の選択肢だが、国家にとっては最後の選択肢である」とも言う。強硬派のメンツを立てながら、よく読むと和平発展論でまとめようとしている。これで強硬派がおさまるのか、まだ目が離せない。(専門編集委員)

« 戦争30年なく「平和病」に=「戦勝は人民の要求」―尖閣念頭・中国 | トップページ | 「民主、党の体なしてない」=維新・橋下氏、分党促す »

「国際情勢」カテゴリの記事