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2013年2月20日 (水)

特集ワイド:「平和の党」自任、公明党 右傾「抑止」に期待と懸念 「憲法改正」「国防軍」−−自民と支持者の板挟み

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特集ワイド:「平和の党」自任、公明党 右傾「抑止」に期待と懸念 「憲法改正」「国防軍」−−自民と支持者の板挟み

毎日新聞 2013年02月20日 東京夕刊

 「平和の党」。公明党を、人はそう呼ぶ。山口那津男代表の「ビジョン」にも掲げられている。もしその呼称通りならば、集団的自衛権行使の容認や憲法改正、自衛隊の国防軍化を目指す安倍晋三首相・自民党とは「水と油」の関係に陥りかねない。公明党はどこまで踏ん張るのだろうか。【瀬尾忠義】

 公明党は、自民党の先鋭化路線への「抑止力」になり得るのか。何はともあれ、まずはキーマンを直撃した。

 「国民から、政治が『右傾化しているのでは』という静かな声は聞いています。それに国民は、憲法改正を中長期的に考えているのではないでしょうか。選挙の度に極端に議席数が変わる小選挙区制度の下では、民意をよくよく確かめつつ数の力をコントロールする必要があります」

 穏やかな口調で語るのは山口代表だ。自民党が目指す憲法改正による国防軍設置に対し「長年定着した自衛隊の名称を今変える必要性はない」とけん制してきた。その言葉からは「ブレーキ役」としての自覚がうかがえる。

 山口代表は昨年12月の安倍首相との党首会談後、「我が党と自民党が連携して、国民のために政府としてやるべきことをしっかりやっていこうと合意した」と述べた。「この“政府として”がポイントなんです」とご本人。「政府としてやるべきことは一緒にやる。しかし憲法改正や集団的自衛権の見直しは政府・与党だけでできることではありません。立法府の国会、さらに国民全体で議論を重ね、コンセンサスを得る努力を必要とするテーマなのです」

 「改憲を急ぐべからず」というメッセージは分かる。最終的な改憲への賛否については「国民の理解を得るのが大前提。そのうえでの改正発議になるでしょうから、今の段階で意見を申し上げる状況にはありません」と言う。

 ならば自民党との関係はどうするのか。「国民が望んでいるのは政治の安定です。民主党中心の連立政権は、それぞれの党の主張が際立ち政治が不安定になった。この失敗を我々が繰り返してはいけない」。山口代表はそう話し、両党の来し方を振り返った。「1999年に初めて連立を組んで以来、両党の主張が違っても常に着地点を見いだしてきました。例えば我々が訴えた児童手当の拡充。自民党からは財源をどう確保するのかと指摘されましたが、両党が協議して捻出しました。そのようにして築いた経験、人脈が今も生きているので心配はありません」

 そして、自公の「絆」に自信を持っているかのように、こう付け加えた。「安倍首相は、総裁選などでの主張はそれとして、今の立場と責任は違うと自覚されていますよ」
自民党側も公明党との関係を大事にしているようだ。15日の記者会見で石破茂幹事長に「憲法改正を巡って公明党との間に溝が生じないか」と尋ねると、こう答えた。「有事法制(関連法)やテロ対策特別措置法の制定は私たちが丁寧な説明を行い、公明党の提言も取り入れたことで成功裏に終わりました。今回もそうあるべきであって、即座に両党間にきしみが生じると思わない」。だが、自民党には「公明党が改憲に乗らないなら、やはり憲法改正を目指す日本維新の会などと組めばいい」との声がある。国会の議席は公明50、維新57。公明党が切られることはないのか。

 この見方を否定するのは、公明党選挙対策委員長の高木陽介衆院議員だ。「昨年の衆院選で自民党は294議席を取りましたが、これは711万票の比例票を取った公明党の協力があればこそ。公明を切れば次の選挙で自民党は苦戦しますよ。『公明を切って維新と組む』と発言する人は、自分がどうやって当選したのか分かっていない。安倍首相や自民執行部は公明と離れて維新と組もうとなんて考えていないはずです」

 ささやかれる「参院選後に改憲始動」のシナリオも「今の最優先課題は景気対策。そんな状況じゃない」とばっさり。「憲法改正をムードでやっちゃいけない。51対49というように意見が真っ二つに割れるような改正は駄目なんです。集団的自衛権の見直しにしたって、もし自衛官が海外で命を落とした時、その遺族に首相がどう言葉をかけるのか、そんなリアリティーに基づいた議論を詰めないと」

 高木議員の言う通り、自民大勝に公明党が大きく貢献したとの見方は強い。日本BS放送の鈴木哲夫報道局長は「公明党の支持母体となる創価学会の会員は平均して1選挙区当たり2万5000人。もし昨年の衆院選で公明の選挙協力がなければ自民党では100人が落選していたはず。自民は今後も公明を切ることはできないだろう」とみる。

 自民党強硬路線の“中和剤”として公明党が存在意義を見せつけているのが対中関係だ。山口代表は1月に中国共産党の習近平総書記と会談し安倍首相の親書を手渡した。尖閣諸島を巡るいさかいで双方が過熱していた時期だけに、補完関係がうまく機能したと自公双方が喜んだ。

中国の反対を押し切って靖国神社を参拝するなど中国に強い態度で臨んだのが小泉純一郎元首相。だが当時、国土交通相だった北側一雄衆院議員は「小泉首相から『どんどん中国に行ってほしい。中国人観光客を増やすため、ビザ発給の条件を緩和するよう検討してほしい』と言われ、要人と会談を重ねて実現しました。先輩方が築いてきた日中人脈を連立政権の中で生かすことが、公明党の役割の一つですから」と振り返る。

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 しかし、公明党がどこまで「平和の党」として踏ん張れるかには厳しい見方がある。ジャーナリストの斎藤貴男さんは「生活弱者のための政治が結党の原点だったはず。それなのに消費税を容認し、監視社会につながる懸念のある住民基本台帳ネットワークシステムの導入に賛成するなど変質してしまった。自民党になびいているようでは存在意義はゼロです」と憤る。護憲を訴える「九条の会」事務局長の小森陽一・東大大学院教授も「小泉内閣時の03年、イラク特別措置法成立に協力し自衛隊のイラク派遣を認めたように、これまでも公明党は自民党の解釈改憲のブレーキ役にはならなかった。明文改憲にも協力しなければ連立から外されるという意識が働くはず」と懸念する。

 「公明党の姿勢を許容してきた創価学会も、憲法改正となると我慢できるのか。党が岐路に立たされていることは間違いない」。そう指摘するのは「公明党・創価学会の真実」などの著作がある平野貞夫元参院議員だ。

 かつて「どこまでもついていきますゲタの雪」と、自民協調路線をやゆされたこともある公明党。「自己主張」の腹構えが問われている。

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