社説:大間原発 「原発ゼロ」と矛盾する
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社説:大間原発 「原発ゼロ」と矛盾する
毎日新聞 2012年10月04日 02時32分
大間原発の建設を「Jパワー(電源開発)」が再開した。東京電力福島第1原発の重大事故を受けて中断していたが、枝野幸男経済産業相が建設容認の見解を示したことを受けての判断だ。
政府はエネルギー・環境戦略で、「30年代に原発ゼロ」の目標を掲げている。「原発の運転期間を40年とする」「原発の新増設はしない」との原則も表明している。
大間原発をこの原則に従って動かせば、30年代に原発をゼロにすることはできず、明らかな矛盾だ。着工済みの大間原発は「新増設」に当たらないとの見方も、詭弁(きべん)にしか聞こえない。
Jパワーは民間会社であり、政府が着工を止める難しさはあるだろう。しかし、原発の現状は国策の上に築かれてきたものだ。原発事故を受け新たな原発政策を掲げた以上、政府にはゆるがない一本の筋を通してもらいたい。
大間原発をめぐる疑問は他にもある。現在、新設された原子力規制委員会が原発の新安全基準の作成を進めている。骨格ができるのが来春。新基準ができるのは来年の夏だ。たとえ工事を進めても、新基準に適合しなければ稼働はできない。大間原発はウランとプルトニウムを混ぜたMOX燃料だけを使用する世界初の「フルMOX炉」であり、その点でも慎重な審査が要求される。それなのに、なぜ建設を急ぐのか。
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