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2012年9月18日 (火)

毎日社説:尖閣と日中対立 対話解決に全力挙げよ

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社説:尖閣と日中対立 対話解決に全力挙げよ

毎日新聞 2012年09月18日 02時30分

 日本政府の尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化に対する中国国内の反日デモが7日連続で発生し、日中関係が緊迫している。小泉純一郎元首相の靖国神社参拝に抗議した反日デモ(05年)を上回る過去最大規模だ。今年は日中国交正常化(72年)から40周年の節目だが、日中関係は尖閣問題で正常化以降最悪のレベルに落ち込んだ。両国はあらゆる対話のパイプを駆使して対立を回避し、事態沈静化に動くべきである。

 デモ隊の一部は日系企業に乱入・放火するなど暴徒化し、在留日本人への暴行事件も起きている。18日は満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日にあたり、反日の機運が一層高まる可能性もある。
 ◇暴徒化は容認できぬ

 放火や略奪、暴行は犯罪だ。愛国や反日を口実にした破壊行為を容認するわけにはいかない。これを事実上黙認するかのような中国当局の対応は中国が国際ルールを尊重する法治国家なのかどうかを疑わせる。日本政府が抗議して在留日本人の安全確保を求めたのは当然であり、中国に今後渡航する日本人にも十分な注意喚起をする必要がある。デモがこれ以上拡大して中国政府も制御不能になるようなら、日本政府は在留日本人引き揚げなどの保護措置をとることも検討すべきだろう。

それにしても、国交正常化から40周年の記念すべき年が尖閣諸島をめぐる摩擦で台なしになったことは極めて残念である。パネッタ米国防長官が「挑発行為が続けば、当事者の一方あるいは他方が判断を誤り暴力に訴え、紛争化する可能性がある」と来日前に懸念を示したように、対立のこれ以上の激化が不測の事態を引き起こすこともありうる。それが両国だけでなくアジア太平洋地域全体の平和と安定をいかに損なうものかを、日中両国の政治指導者はまず肝に銘ずべきではないか。

 そのうえで、日本はこれからどうすべきかを考えてみたい。

 まず大切なのは、尖閣諸島を日本が静かに安定的に実効支配していくことであり、尖閣諸島周辺海域での監視・警戒態勢の整備だ。

 過去最多となる6隻の中国海洋監視船が尖閣諸島付近の日本領海に先日侵入したが、これに続き今度は大量の漁船が尖閣諸島に向かっているという。日本政府は海上保安庁による監視・警戒態勢を万全にするとともに、何らかのトラブルが生じてそれを理由に中国がさらなる攻勢をかけてこないよう細心かつ慎重な対応を心がけることが必要だ。

 中国は国営テレビを使って自国領だと宣伝し、日本の国有化以降は尖閣周辺を自国の領海とする海図を新たに国連に提出するなど、領土を守るための実力行使の準備とも受け取られる動きを見せ始めた。

日本政府は尖閣諸島は歴史的にも国際法上も日本の領土だから領土問題は存在しないとして論争を避けてきたが、世界に向けての外交戦の土俵に乗らないことが果たして日本の利益になる戦術なのかどうか、考え直すべき時期ではないか。

 日本の領土という根拠を広く国際社会に知らしめ、中国が力で実効支配を覆そうとするならその不当さを世界にアピールし理解を求めなければ、日本の立場は不利になる。尖閣問題の沈黙はマイナスだ。
 ◇アジア平和の大局を

 そのためには日米同盟を強固なものにし、東南アジアやオーストラリアなどの近隣諸国に日本の立場を理解し支持してもらうことも大事である。とりわけ米国は、尖閣諸島が日米安保条約の適用対象に含まれるとしている以上、傍観者的な態度でいるのは無責任ではないか。

 そのうえで、日本政府は中国政府と尖閣問題の解決策を本音で話せる環境を整備すべきである。

 政治的に敏感な尖閣諸島をめぐる争いを脇に置いて実現したのが72年の国交正常化だった。78年の日中平和友好条約締結交渉時も中国漁船が大挙押し寄せてきたが、当時の最高指導者・トウ小平氏が来日して問題を棚上げした。以後、日本は島への上陸を制限し施設を設置しないなど誠実な対応を維持してきた。それは中国もわかっているはずだ。

国有化も東京都の購入による混乱を避けるためであり、現状を力で変える措置ではないとの真意を中国に説明していくことだ。政府は中国指導部の交代前に国有化した方が日中関係への打撃は小さいと考えたフシがあるが、結果的には予想外の強い反発を招いた。事前の根回し不足もあっただろう。首相や閣僚といった政府レベルだけでなく、政党や民間も含めた日中間の対話のパイプを再構築することが急がれる。

 今の日中関係は、国交正常化以前に時計の針を戻したような深刻な対立状態にある。相互不信の連鎖を断ち切らなければならない。

 日中両国とも政治指導者や政治体制の移行期にある今こそ、双方は尖閣諸島をめぐる対立を地域の混乱に発展させない大局観を持つべきである。民主党も自民党も党首選のさなかだが、毅然(きぜん)とした強硬姿勢で臨むだけでは問題解決にならない。アジア太平洋の平和で安定した秩序をどうつくるか、米国も巻き込んだ外交戦略こそを論じてほしい。

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