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2012年8月 3日 (金)

「尖閣開戦」できない 中国海軍、日本の海保・海自に及ばず

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120802/chn12080211400003-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120802/chn12080211400003-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120802/chn12080211400003-n3.htm

【石平のChina Watch】
「尖閣開戦」できない 中国海軍、日本の海保・海自に及ばず
2012.8.2 11:41 (1/3ページ)[石平のChina Watch]
 試験航行を終え、中国遼寧省大連に帰港した初の空母「ワリャク」(共同)

 試験航行を終え、中国遼寧省大連に帰港した初の空母「ワリャク」(共同)

 尖閣諸島の“領有権問題”をめぐる日中間の緊張が高まる中、中国政府が果たして今後「尖閣奪取」のために武力行使に踏み切る可能性があるのかどうか、との問題が浮上している。

 それに対し、筆者自身の答えはやはり「NO」である。今年秋の共産党大会と来年3月の全国人民大会開催までに政権移譲という国内最優先日程を控え、南シナ海ではベトナムやフィリピンと紛争している最中の中国は、現時点で近隣大国の日本とコトを構える余裕はない。7月31日に中国国防省の報道官が記者会見で尖閣問題について「軍が職責を果たしていく」と述べたことが大きく報道されたが、これは記者から質問をされ「一般論を述べたに過ぎない」と筆者は思う。

 確かに中国政府の中から「武力行使」の声が上がったこともある。同月11日、国家海洋局が所管する「海監総隊」の孫書賢副総隊長が、「もし日本が釣魚島(尖閣諸島の中国名)問題で挑発し続けるなら、一戦も辞さない」と発言したのはその最たる例である。

 しかし彼は軍の関係者でもなければ軍を指導できる党の幹部でもない。たかが「海監総隊」の一副隊長が国家の大事である「開戦」を口にするとは滑稽にも見える光景だ。おそらく中国政府は、そういう人物に恫喝(どうかつ)的な言葉を吐かせて日本側に揺さぶりをかけながら、政府と軍としてはいっさいの責任を負わなくて良い、と考えているのであろう。

その一方、国防大学の教授で軍所属の著名軍事評論家である張召忠氏は同月8日、「尖閣問題で日中間戦争が勃発する可能性は大きくない」と語ったことが注目されている。そして環球時報の電子版である環球網が同19日に伝えたところによると、中国海軍装備技術部長だった鄭明少将は、日中間の「尖閣紛争」に関連して「今の中国海軍は日本の海保、海自の実力に及ばない」と発言したという。

 中国の軍人がそれほど「謙虚」になれるのは珍しいことだが、考えてみればそれは、彼我の実力の差を強調することによって「今は開戦すべきでない」との世論形成を狙った一種の国内工作であると理解すべきであろう。今の時点では戦争なんかやりたくないというのは、どうやら政権の本音のようである。

 それどころか、尖閣問題で自国民を刺激するような大騒ぎを起こしたくない気持ちさえ今の中国政府にはある。中国浙江省寧波市で7月中旬、尖閣諸島の中国領有権を主張する「保釣」(釣魚島防衛)運動活動家20人が漁船をチャーターして尖閣海域に向かおうとしたところ、同市当局に阻止されたことは香港と日本の一部メディアによって報じられているが、中国政府の抱えるジレンマはそこからも見てとることができる。

中国政府はとにかく、尖閣諸島が「自国の領土」だと主張している。しかしそれは今、日本の固有領土として日本の実効支配下にある。武力行使でもしない限り中国側がこの現状を打破することは不可能であるが、「対日開戦」がそう簡単にできそうもないのは前述の通りだ。そうすると、「尖閣問題」で何か大きなトラブルでも起きれば、苦しい立場に立たされるのはむしろ北京政府の方であろう。自国の「領土・核心的利益」である尖閣を「奪還」できない中国政府の無力さが逆に国民の前で露呈してしまうからである。

 したがって今の中国政府は、尖閣への実効支配を強化する日本側の動きに対して、言葉による恫喝や監視船による短時間の領海侵犯などの象徴的な抗議行動以外に、本格的な強硬姿勢はなかなか取りにくい。日本にとってチャンスはまさに今なのである。

【プロフィル】石平

 せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

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