首相、脱原発デモに神経とがらす=「無関心」から反発拡大
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首相、脱原発デモに神経とがらす=「無関心」から反発拡大
首相官邸前で毎週金曜日夕方に行われている原発再稼働への抗議デモに、野田佳彦首相が神経質になっている。「消費増税以外は関心が薄い」(民主党幹部)とされる首相。その素っ気なさがデモ参加者の反発に火を付けた。今のところ沈静化するのを見守るしかない状況だが、政権の体力を奪いかねない事態に発展することも否めなくなってきた。
「国論を二分するテーマになっていると考える。さまざまな声に耳をしっかり傾けていきたい」。首相は16日の民放番組で、関西電力大飯原発(福井県おおい町)再稼働を受け、全国に広がる抗議活動の感想を聞かれ、慎重に言葉を選んだ。
国民の賛否が割れる政権の主要課題にもかかわらず、首相は6月29日、官邸から公邸に戻る際、抗議デモを「大きな音だね」と、傍らの警護官に語り掛けた。このことが報じられると、デモ参加者は一斉に反発した。
その後、官邸前デモは1960年の日米安保闘争当時の国会周辺デモをほうふつとさせるような規模に拡大。衆院議員会館の野田事務所にも、消費増税より再稼働に抗議する電話が多くなったという。首相側近は「毎週金曜夜は首相日程に外食を入れづらくなった」とこぼす。
首相もこうした動きを無視できなくなったのか、国会答弁で「(音と)言った記憶がない」と釈明。また、毎週金曜のデモのたびに記者団に「さまざまな声が届いている」(7月6日)、「多くの声を受け止めていく」(同13日)と、穏当な表現で語ることが多くなった。
もっとも、首相周辺は「再稼働に賛成と反対の差が縮まっている世論調査もある。60年安保当時の岸信介首相についても、現在では評価する声が圧倒的だ」と指摘。首相が再稼働方針を見直す可能性は極めて低いとみられる。
藤村修官房長官は17日の記者会見で「原発を(中長期的に)少なくしていくという方向ははっきりさせている」と強調するが、政府が具体策をまとめるのはまだ先。脱原発の抗議運動が収まる気配はなく、29日には国会議事堂をデモ行進が取り囲む「脱原発国会大包囲」が計画されている。民主党内からも「次の選挙に響く」との声が上がり始めた。(2012/07/17-22:05)
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