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駆けつけ警護は集団的自衛権の試金石 法制局「ワイルドだ」
2012.7.20 00:02 (1/3ページ)
国連平和維持活動(PKO)に従事している自衛隊が宿営地外で襲われた国際機関職員らを助けに行く「駆けつけ警護」を認めるPKO協力法改正案の今国会提出に内閣法制局が抵抗している。
法制局は大規模テロ組織など「国に準ずる組織」が存在しない地域のみで認める限定条件をつけるよう求めている。外務、防衛両省からは、改正が実現できるかは、野田佳彦首相が持論とし、検討の必要性を強調した集団的自衛権の行使容認の「試金石」だとの声が出ている。
「着実に一つ一つわれわれのやれることを広げていくことが大事だ」。民主党の前原誠司政調会長は19日、民主、自民、公明3党による議員連盟「新世紀の安全保障体制を確立する議員の会」でこう主張した。
自衛隊の海外派遣の常態化に伴い、駆けつけ警護容認を求める声は与野党に広がっている。自民党の中谷元・元防衛庁長官は「国際情勢や時代の変化とともに安全保障政策を改善していくべきだ」と訴えた。
政府は改正案について駆けつけ警護の対象を国連職員や非政府組織(NGO)の民間人などに限定。受け入れ国の要請を受けた上で、市民が襲撃・拉致された場合に武器を使って排除する「即時強制権」を代行することを検討している。
首相の検討指示を受け、内閣官房と外務、防衛両省は5日に改正案の方向性について合意した。12日の衆院予算委員会では首相が「政府内で最終調整している」と意欲を表明した。
だが、政府内では水面下の綱引きが続いている。法制局は「国に準ずる組織」が存在しない地域のみに限定すれば「駆けつけ警護は可能だ」(幹部)との見解を提示した。もっとも、国に準ずる組織に関しては「国際法上、確立された定義はない」(法制局)。「『国に準ずる組織がいない地域』を認定できず、駆けつけ警護もできないで終わりかねない」(政府関係者)ため、事実上の反対表明だとみる向きもある。
野田政権が駆けつけ警護実現の先に集団的自衛権の行使容認を見据えていることについて法制局側は否定的だ。
「集団的自衛権の方がワイルドだ」。法制局幹部はこう言い切る。政府内には、海外での宿営地共同防衛など駆けつけ警護よりもハードルの低い改正案で妥協を図るべきだとの意見も出始めている。
閣僚の一人はすべては首相の決断にかかっていると語る。「駆けつけ警護を認めず文民も救えないようでは、どうして武力行使につながる集団的自衛権の問題に手をつけられるのか」(杉本康士)
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