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2012年6月26日 (火)

東京【社説】オスプレイ配備計画 政府は沖縄をだますな

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012062602000139.html

東京【社説】オスプレイ配備計画 政府は沖縄をだますな

2012年6月26日

 墜落事故が続く米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが近く沖縄の米軍基地に配備される。「危険な航空機」に沖縄が反発するのは当然だろう。

 オスプレイは主翼の両端にある二つのプロペラの角度を変えてヘリコプターのように垂直に離着陸したり、固定翼機のように高速で移動したりできる特殊な航空機である。開発・試験段階で四回墜落し、計三十人が亡くなった。実戦配備後も事故は続き、今年四月にモロッコで墜落して二人が亡くなり、今月になって米国で空軍仕様機が墜落した。
◆不具合なくても墜落

 それでも日本政府は山口県の岩国基地への一時移駐を経て、予定通り八月にも沖縄へ配備する方針でいる。モロッコでの事故について、防衛省は「米国から『機体に不具合はなかった』と連絡を受けた」と途中経過を発表し、地ならしを急いでいる。

 米国の説明通りとすれば、不具合がなくても墜落するほどコントロールが難しい機体ということになり、沖縄の不安をかきたてるばかりだろう。不安の背景には「政府は本当のことを言わない」という根深い不信感があることを指摘せざるを得ない。

 米政府は十五年も前に沖縄への配備計画を作成した。計画は公然の秘密となり、何度も国会で取り上げられたにもかかわらず、日本政府が公式に認めたのは昨年五月である。強く批判されても仕方がない。

 事故率について、日米両政府は「平均を上回る安全性を有している」と発表したが、米国の技術系専門サイトは少なくとも四件の事故が除外された可能性があるとすっぱ抜き、地元紙の沖縄タイムスが報道して公になった。
◆危険な普天間へ配備

 安全性は米国でも疑問視されている。米国防総省でオスプレイの首席分析官だったレックス・リボロ氏は二〇〇九年六月、米下院の公聴会に出席し、エンジン停止した場合、空力でプロペラを回転させ、安全に着陸するオートローテーション機能に「欠陥がある」と述べた。滑空できる固定翼モードへの移行も「試みてはならない」との決まりがあるとし、墜落する可能性が高いことを証言した。

 そんな航空機を米政府が採用したことに驚きを禁じ得ないが、より納得できないのは日本政府の態度である。

 このほど作製したパンフレットには、エンジン停止時にはオートローテーション機能を使うか、固定翼モードに切り替えて着陸できると書かれ、リボロ証言を完全に無視している。データは米政府提供というが、情報を都合よく使い分けるのは大飯原発の再稼働宣言とうり二つではないか。

 沖縄の人々には、政府が「危険な航空機」である事実を隠し、住民の安全より米国の意向を優先させていると映る。配備先となる宜野湾市の普天間飛行場の構造的な問題は、さらなる不安材料となっている。

 米軍は滑走路の延長線上に障害物のないことを基地の条件としているが、普天間飛行場の滑走路の先には学校、病院など十八施設、住宅八百棟があり、米軍の安全基準を満たしていない疑いが強い。オスプレイの配備がなくても危険極まりない基地なのである。

 普天間飛行場には太平洋戦争前まで集落が点在していた。米軍による沖縄占領と同時に強制接収され、本土決戦に向けた滑走路が建設された。戦後、奪われた土地の周りを囲むようにして家が建ち、現在に至っている。

 土地を取り戻す機会は、過去に二度あった。日本が主権を回復した一九五二年のサンフランシスコ条約で沖縄が切り捨てられなかったならば、と仮定した場合と、七二年の本土復帰時である。本土復帰に際し、日本政府は沖縄の期待を裏切って米政府にほとんどの基地の返還を求めず、米軍基地として継続使用することを認めた。

 沖縄の人々が口にする「(本土からの)差別」は、戦前戦後を通じて日本の「捨て石」にされ続けてきた歴史に根ざしている。政府は特別措置によって償ってきたが、カネだけで済む話ではない。米軍基地が必要だというなら、本土も公平に負担しなければならないし、負担の必要がないというのなら米政府に撤収を求めるべきである。
◆基地問題に取り組め

 オスプレイの配備をめぐり、沖縄四十一市町村の全議会が反対決議をした。基地に関する問題に正面から向き合わず、小手先でかわすやり方は限界に来ている。モロッコと米国での墜落事故の原因と安全対策が明確に説明できるようになるまで、沖縄のみならず、日本のいかなる場所でもオスプレイを飛行させてはならない。

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