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2012年6月25日 (月)

特集ワイド:ブレーンとして招かれた大阪市特別顧問と特別参与 ま〜だまだ足りない!? 60人の「ミニ橋下」

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特集ワイド:ブレーンとして招かれた大阪市特別顧問と特別参与 ま〜だまだ足りない!? 60人の「ミニ橋下」

毎日新聞 2012年06月25日 東京夕刊

 改革実現に向けての不可欠な存在か、それとも税金の無駄遣いなのか。橋下徹・大阪市長が大阪都構想実現などのため、招請した特別顧問と特別参与の面々。その数は計60人。一自治体としては異例の多さの「ブレーン政治」を考えた。【江畑佳明】

 ◇理解派、首長ひとりでは壁ある/批判派、責任回避する「弾よけ」だ

 「『中之島48』と呼びたいが、もう48人を超えてしまいました」

 今年3月、大阪市議会で、木下吉信市議(自民)は増加しつつある特別顧問、特別参与を、大人数の人気アイドルグループ・AKB48に引っかけてこう皮肉った。「中之島」は市役所のある地名のこと。取材に対し「市の職員は何十人もの市長に仕えているようだ」と疑問を呈した。

 木下市議によると、先日市側がある会議を開催しようとしたところ、首都圏で活動する特別顧問らの日程が調整できず、市職員が東京まで出張した。「手間も費用も決してばかにならない」と指摘する。

 そもそも、特別顧問、特別参与とは何だろうか。

 市要綱によると、特別顧問は市長に委嘱され、助言・指導を行う。特別参与は各所属長(局長など)に委嘱され、弁護士や大学教授、在阪鉄道の幹部などが名を連ねる。

 24日現在、特別顧問17人、特別参与が43人。平松邦夫・前市長時代は特別顧問3人だけで、そもそも特別参与制度はなかったのだから大幅な増加だ。大阪府の特別顧問を兼任している人も12人いる。

特別顧問には著名人がずらり。通産(現経済産業)官僚出身で元経企庁長官、作家として著書も多い堺屋太一氏は、最高顧問的存在だ。古賀茂明氏も元経産官僚。公務員制度を批判、経産省と決別して大阪へ活躍の場を移した。慶大教授の上山信一氏は、以前から「大阪の成長のため」府市統合を主張してきた。ほかにも元経産官僚の原英史氏、元財務官僚の高橋洋一氏……と官僚出身は多い。前横浜市長の中田宏氏は、市長時代に改革派と呼ばれ職員削減などを断行。任期途中で突然辞任し、東京都杉並区長職を任期途中で辞職した山田宏氏とともに、10年の参院選に日本創新党から立候補し、そろって落選している。

    ■

 具体的にどんな仕事をしているのか。「区政担当」の中田氏は、橋下市長の目玉政策のひとつ、公募区長の選任と、その後の行政運営のあり方の提言などを行っている。「区長選定を主体的にやってきました。橋下市長と相談し、決まったことを役所サイドにやってもらった」と説明する。

 「ここのところ、週3〜4回は大阪に行っていました。想像を絶する忙しさです」と多忙さを語る。

 特別顧問や参与が多すぎるとの批判をどう考えるのか。

 「行政には、首長がひとりで乗り込んでも変わらない壁がある。『政治任用』をどう活用するかの問題。行政を分かっていない人たちや、分かっていても既得権益を手放したくない人たちが批判するんでしょう」


 一方、中央政界の取材の長い日本BS放送報道局長の鈴木哲夫氏は「橋下市長は使えるものはどんどん使う現実主義者。使われる側は、『脱藩官僚』と呼ばれる中央官僚出身者らがもう一花咲かせたいと考えている。中田さんや山田さんらは成果を上げて国政復帰を狙っているはず。橋下市長の名前、人気が魅力です。今のところは、双方の利益になっている」と分析する。

 ちなみに、つい先ごろまで「府市エネルギー戦略会議」で特別顧問として脱原発を訴えた飯田哲也氏は山口県知事選への立候補のため、15日付で辞任した。大飯原発再稼働を求める関西電力へ厳しい発言を繰り返したことが、知名度アップに役立ったのは否定できない。

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 これだけ大人数だと経費が気になる。大阪市によると、顧問の報酬は1日2万2000〜5万5000円。交通費は実費、宿泊費は1泊上限1万900円を支給。橋下氏の就任直後の昨年12月から今年3月まで特別顧問17人に支払われたのは約844万円だ。

 「問題は、報酬額ではない」と指摘するのは、帝塚山学院大の薬師院仁志教授(社会学)だ。

薬師院教授は「条例などで権限が明確にされていない特別顧問たちが、具体的に何をしているのか、不透明なことが問題なのです。有権者の負託を受けていない特別顧問は本来、アドバイザーのはず。しかしそれにとどまらず、橋下市長が自分のすべき仕事を特別顧問に任せ、特別顧問は市長の代わりに市政を動かしている節がある」と話す。

 こんなデータがある。大阪市が5月、「市政改革プラン(素案)」のパブリックコメントを募集したところ、反対意見が90%以上だった。

 大阪市民でもある薬師院教授は「政策が市民の暮らしに根付いていない証拠。特別顧問たちが大阪の実情を知らないことも一因でしょう。また橋下市長は役人批判を繰り返しているのに、中央官僚出身者を多用していることも合理性がない」と語る。

 肝心の市長は、どう考えるのか。登庁時の「囲み取材」に行って聞いた。

 「政治家は役所と一体化してはダメなんです。価値観の異なる部分は常に議論しなくてはならない。しかし、政治家ひとりが、ありとあらゆる問題について全役所組織と議論するのは無理。だから政治家と役所をつなぐ役割として特別顧問、参与は絶対必要です。僕に成り代わって、役所組織と議論してもらうメンバーとして、外部人材は必要」

 成り代わって? やはりアドバイザーではない?

「まあそれはものは言いようです。役所の今の状況について、僕にアドバイスしてくれれば僕はその方向で動かせばいいわけですし」

 今後も増えるのですか?

 「まーだまだ足りないですよ。50人、60人じゃあ、手が回っていない。必要な状況になれば、これで頭打ちというわけではないです」

 まだ増えるとは! 経済評論家の佐高信さんに聞いた。

 「特別顧問は、橋下市長に雇われた『弾よけ』と言えるでしょう。そもそも政治家に批判はつきもので、責任感ある政治家は、それにぐっと耐える。橋下さんはそれができないから、周囲に幾重にも『弾よけ』が必要なんでしょうね」

 大阪取材の翌日、さらに4人の特別参与が委嘱された。「船頭多くして船山に上る」ということわざがある。大阪は一体、どこへ行くのか。

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