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2012年6月11日 (月)

特集ワイド:消費増税国会 民主党政策調査会長代行・仙谷由人氏に聞く

http://mainichi.jp/feature/news/20120611dde012010023000c.html

特集ワイド:消費増税国会 民主党政策調査会長代行・仙谷由人氏に聞く

毎日新聞 2012年06月11日 東京夕刊

 いよいよ国会の会期末が迫ってきたが、野田佳彦首相の前には、野党ばかりか身内の民主党内の消費増税反対派という厚い壁が立ちはだかる。そんな中、仙谷由人氏は党政策調査会長代行として野田首相を支え、大飯原発再稼働を強力に進める。その剛腕から小沢一郎民主党元代表になぞらえ「赤い小沢」とも称された仙谷氏に、松田喬和・専門編集委員が迫る。
 ◇「決められる政治を」 大連立あり得る/新党…「瞬間芸」/小沢さん反対心外

 −−野田首相は成立に意欲を燃やす消費増税法案について、「21日までに衆院で採決する」としています。行方をどうみていますか。

 消費増税を含む税と社会保障の一体改革を、現時点で何としてもやり抜かなければならないという野田首相の固い決意は、もう国民の皆さんには十分過ぎるほど分かっていただいている。社会保障制度、それを裏打ちする財政、いずれも制度設計された当初とは状況が明らかに違っています。持続可能な制度にするにはどうしたらいいか。与野党ともそこをちゃんと考えている人たちの「解」に、大きな幅はないと思います。

 今国会で法案を通すという首相の決意は固い。ただ、参議院での成立を考えれば21日の会期末までにというのは到底無理ですから、会期延長を考えるのではないか。


 −−一体改革関連法案を巡る自民、公明両党との修正協議がようやく始まりました。仙谷さんは、法案採決のために公明党を含めた大連立の必要性を主張していますね。

 どこが与党第1党だろうが、今必要なのは「決められる政治」です。国会でデータと論理に基づく政策論を交わし、国民に選択肢を示し、国民の動向を見極めつつ責任をもって決断する。その前提として、野党も政権の一角に加わった方が政治が安定し、より合理的な結論を導けるとするなら、連立、大連立へと向かうことは十二分にあり得るでしょうね。

 −−現実には「ねじれ国会」で決められない既成政党に対する批判から、橋下徹・大阪市長率いる「大阪維新の会」や、石原慎太郎東京都知事に対する期待が高まり、新党ブームが起きそうです。

 僕は石原新党がブームを起こしているとは思いません。橋下市長については、関西を中心に「維新の会がブームになりそうだ」という報道が影響しているのでしょう。

 −−橋下市長が国政に転じるのか、石原知事が新党を結成するのかはいずれもはっきりしていません。この2人について仙谷さんはどのように評価していますか。

 僕は古いのかもしれませんが、刹那(せつな)主義的な瞬間芸では、何かが変わるかもしれないというムードやイメージは作れたとしても、政治を動かすのは簡単にはできません。

どこからかリーダーが現れて人々を救済してくれるということは、宗教の世界ではあるかもしれないが、政治の世界ではないでしょう。国際政治がより複雑化、専門化する中、日本の立ち位置を決め外交政策を決めたり、安全保障に当たったりするには、幅広い分野に基礎的な素養を持ち、経験的に蓄積された交渉力を持っているリーダーが必要。時間がかかっても辛抱して育てるべきです。

 リーダーを育てるのは確かに難しい。だからといって、過剰な期待と絶望を繰り返すということはあってはならない。リーダー育成の工夫やシステムの必要性について、政治は改めて考えるべきです。

 −−一体改革と並んで、野田首相の判断が問われるのが関西電力大飯原発の再稼働問題です。首相は8日夜の記者会見で再稼働の必要性を訴えましたが、国民の理解を得られるでしょうか。

 大飯原発は事故の経験を踏まえ、電源喪失や冷却機能喪失にならないよう三重、五重の安全対策をしている。関西電力の域内の電力供給が異常にならないようにするためにも、地元のご理解をいただければ、粛々と再稼働する必要があります。

原発全面廃止という考え方が100%間違いだとは言いません。ただ、今の日本のエネルギー構造を考えると、全面廃止にしたら国民生活と経済がひっくり返る。脱原発依存、脱化石燃料は計画的に進めなければならない。自然エネルギーはまだ規模が小さく、普及までに時間がかかる。国債購入などに流れている資金を、そういう分野への投資に向かわせる仕組みを考えなければなりません。

 −−原子力の安全規制を担う新組織の設置前に再稼働を認めるのは、手順が逆との批判にはどう答えますか。

 新組織の設置が遅れているのは残念ですが、今でも原子力発電所の使用済み核燃料などの規制や保管は経済産業省の原子力安全・保安院がやっています。保安院は東京電力福島第1原発の事故で必ずしもうまく機能せず、天下りなどで電力会社と癒着しているとの批判も受けましたが、原発に関する専門職員は保安院などにいるのです。新しい規制組織ができてもこの人たちが中核になるでしょう。要は、政治が専門家をどうマネジメントするか。設置法案をめぐる民自公の修正協議も煮詰まってきています。

 もう一つ強調しておきたいのは、再稼働させようとしている大飯原発3、4号機は技術革新を生かし、1980年代以降に建設した新鋭機だということです。70年代に運転を開始した福島第1原発とは分けて考えたほうがいい。

 −−党内では、「反小沢の筆頭」と見られていますが。

いやいや、僕はそうは思いません。力量では圧倒的に小沢さんのほうが大きい。そんなおこがましいことは考えたことはない。小沢さんと対極にいると言っているとすれば、メディアでしょう。あれだけの資金を集めて、軍団をつくることは私はしないし、できない。伝統的手法なのかもしれないし、数の問題を無視することもできないのも政治ですが……。

 −−小沢元代表は消費増税、原発再稼働ともに反対で、野田政権と対立する姿勢を弱めていません。

 小沢さんだけではなく、自民党も同じですが、現時点での部分部分を捉えて簡単に「反対」と言われるのは心外です。今重要なのは、改革をできなくする国会ではなく、与野党の関係を超えて改革する議会ではないでしょうか。

 自民党政権下で政権の中枢にいて国の経営に携わってきた人たちは、自分たちの問題は何だったのかという真摯(しんし)な総括が必要です。

 −−野田政権には何点をつけますか。

 点をつけるのは難しいな。まあ、75点ぐらいはつけられるかな。誰がやっても難しい時代状況です。それでも、野田さんの腹は決まっているので、ピンチは乗り越えていけるでしょう。

 −−マイナス25点は?

 いやあ、そんな因数分解をしたことはない。直感ですって。【まとめ・瀬尾忠義、大槻英二】

■人物略歴
 ◇せんごく・よしと

 1946年生まれ。東大在学中に司法試験に合格。弁護士。90年、衆議院選挙に社会党から立候補し、初当選。その後、民主党に移り、政権交代後は公務員制度改革担当相や官房長官などを歴任。

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