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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2012年5月 9日 (水)

ジャーナリスト・東谷暁 迫力ない3党の改憲案

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120509/plc12050903050001-n1.htm
【今日の突破口】
ジャーナリスト・東谷暁 迫力ない3党の改憲案
2012.5.9 03:05

 毎年、憲法記念日が過ぎ去ってしまうと、改憲問題はどこかにいってしまう。今年は3政党が何らかの形で改憲の提案をしたものの、それほど話題とはならなかった。さまざま理由があると思うが、一言でいっていずれの案も迫力がないのである。

 まず、自民党の「日本国憲法改正草案」だが、全体によく目配りをした改正案であるにもかかわらず、平成17年の「草案」の書き直しに終わっていて、政権奪還を目指す党として、現政権に突きつけるには安易にすぎたのではないだろうか。

 前回の草案との大きな違いは、前文が書き直されていて、前回の基本的人権、自由主義、民主主義、平和主義、国際協調主義の羅列が姿を消したことだ。これは当然のことで、現行憲法の価値観を前文に並べていたのでは元のもくあみである。しかし、それでも今回の草案は現行憲法の価値観から抜け出せていない。

 みんなの党の「基本的考え方」にいたっては憲法改正を志向しているのかすら疑わしい。安全保障について「我(わ)が国を防衛するため、自衛権のあり方を明確化」というのはよいとしても、「2年間の国民的議論のうえ、国民投票を実施して決定」というのでは、文字通り「みんなにお任せ」といっているだけで、自党の考え方は示されてはいないのだ。

 たちあがれ日本の「自主憲法大綱『案』」は、皇位継承について男系を打ち出しているので、もっとも硬派だといわれている。しかし、気になるのは前文に自由と民主主義、さらには平和主義を規定するという点だ。同党の価値観だといわれればそれまでだが、これは前回の自民党草案の轍(てつ)を踏んだことにならないだろうか。同じく規定される日本の文化・伝統に、自由や民主に類似の価値観があるというのなら、それに相当する言葉を掲げるべきだろう。

 共通した問題点としては、それぞれの党が現行憲法の「修正」にとどめようとしているのか、それとも現行は「廃止」して新しく「制定」しようとしているのか不明なことである。この点、いちばん責任があるのは自民党だろう。自民党は昭和30年に結党する際、「党の使命」として「現行憲法の自主的改正を始めとする独立体制の整備を強力に実行」と宣言していた。これは吉田茂の路線に真っ向から対決する姿勢を打ち出したものであり、その意義を忘れるべきではない。

 今回の自民党草案では前文で「ここに、この憲法を制定する」と、はっきりと制定を打ち出しながら、条文においては現行の文言を多く残し、国防軍の規定以外は補足的な修正にとどめている印象が強い。制定か廃止か修正かは、憲法理論においてもまったく異なる概念である。

 もうひとつ共通した問題点として、平和主義がある。平和を志向して努力することは好ましいことだろう。しかし、それは現行憲法に色濃い従属的で無責任な「平和主義」とは意味がまるで違う。この点、平和主義者たちに媚(こび)を売るためか、いまだにこの薄汚れた言葉を一緒に繰り返しているのは納得がいかない。

 こうしてみると3党とも現行憲法と根本的に対決する姿勢が不十分か希薄なのだ。これでは迫力がなくて当然である。残念ながら、現行憲法は来年の連休まで、安泰だということになる。(ひがしたに さとし)

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