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2012年4月 1日 (日)

東京【社説】週のはじめに考える なぜ消費税引き上げか

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012040102000036.html
【社説】週のはじめに考える なぜ消費税引き上げか

2012年4月1日

 野田佳彦内閣が消費税引き上げ法案を閣議決定しました。これから国会審議が始まります。そこで、あらためて増税問題を根本に戻って考えてみたい。

 閣議決定にこぎつくまでに民主党内では連日、深夜未明まで激しい議論の応酬が続きました。最後まで争点になったのは、景気が好転しなければ増税を凍結するかどうかをめぐる景気条項です。

 結論を言えば、条文は玉虫色になりました。増税を目指す政府側は「経済成長に努力すれば増税できる」と条文を解釈し、反対派は「実質2%、名目3%成長が達成できなければ増税できない」と受け止めています。
◆増税実現に高ハードル

 条文は玉虫色とはいえ、政府が成長率を数字で示すのに強く抵抗していたのを考えれば、法案がこのまま成立したとしても、実際に増税するには高いハードルが課せられたとみていいでしょう。

 その前に法案が成立するかどうか不透明です。民主党内の増税反対ないし慎重派は小沢一郎元代表を中心とするグループだけでなく、小沢鋭仁元環境相や馬淵澄夫元国土交通相など経済成長を重視する議員たちにも広がりました。

 国民新党は亀井静香代表が反対する一方、自見庄三郎金融相が閣議で法案に賛成し事実上の分裂状態に陥っています。

 自民党はもともと増税賛成の立場ですが、最低保障年金の創設や後期高齢者医療制度の廃止を唱える民主党の議論に反対し、まず衆院解散・総選挙を訴えています。野田首相が「政治生命をかける」と力説しても、法案成立は相当難しいと言わざるをえません。

 増税は社会保障との一体改革がうたい文句でした。ところが、月額七万円の最低保障年金創設だけでなく、年金一元化も具体的な制度設計を示さず、社会保障部分は置き去りにされたままです。
◆「所得再配分」の財源は

 民間に比べて有利な公務員の共済年金にある「職域加算」と呼ばれる上乗せ給付の廃止も先送りです。国会議員の定数是正も進みません。これで「身を切る改革」といえるのでしょうか。

 増税に伴う制度設計もずさんさが目立ちます。医療と介護、保育などの自己負担合計額に上限を設ける総合合算制度、共通番号制が始まるまでの低所得者に対する簡素な給付措置、住宅課税や消費税との二重課税が指摘されている自動車取得税・重量税の扱いなど、ざっと法案をみただけでも「検討中」ばかりです。

 「まず増税ありき」の姿勢で結論に到達するのを急いできたから、弱い立場の低所得者や中小零細事業者への目配りも完全に後回しになってしまいました。

 本来なら、もっと根本にさかのぼって議論を深めねばならない問題があります。それは、そもそも社会保障の財源に充てるために消費税を引き上げるのが適切なのか、という論点です。

 消費税を社会保障財源に充てる考え方は、自民党政権時代から財務省が推し進めてきました。社会保障費が政府予算の三割を占め、年に約一兆円増加する現状をみれば、増税分を社会保障に回すのはもっともらしく見えます。

 しかし、社会保障が「政府の所得再配分」機能そのものである点を踏まえれば、その財源も所得再配分にふさわしい税目によって賄われたほうが望ましい。それは所得税や法人税です。

 高所得者により重い負担を求める累進構造を備えた所得税や利益を出した法人に課す法人税を財源に、政府が弱者への安全網を整える。それこそが所得再配分、すなわち社会保障の原理原則であるからです。

 あるいは保険料の引き上げによって財源を賄う考え方もある。個人の納付記録が残る保険料を主財源にすれば、給付と負担の関係が透明になる利点があります。

 これに対して、消費税は地方の基幹財源にしたほうが適切です。消費はどこでも生じるので、都会と比べた地方の偏りが少ない。行政サービスの対価として課税するので納得感も得られやすい。

 たとえば住民が手厚い行政サービスを望むなら、自治体は高い消費税を課せばいいのです。もちろん逆もあります。受益と負担の関係が明確になり、結果として地域の自立意識も高まるでしょう。
◆ちゃぶ台返しの論争を

 もしかしたら「私の住む街は消費税が高いから、行政サービスの質がいいんだ」と高い税金に誇りを抱く住民意識すら生まれるかもしれません。「高い税は絶対ダメ」ではなく、納得感がない増税だからダメなのです。

 野田首相はよく「ちゃぶ台返しはダメだ」と言いますが、国会は政府ではありません。国会議員は政府がこしらえた議論の土俵を壊すところから論戦を始めねば。

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