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2012年4月 9日 (月)

なにが見える 橋下「維新八策」/メディア持ち上げるが

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-04-08/2012040803_01_1.html
なにが見える 橋下「維新八策」/メディア持ち上げるが

 いまマスメディアが、民主党、自民党などの「既成政党」に対抗する勢力として盛んに持ち上げる、橋下徹・大阪市長率いる「大阪維新の会」。民主、自民などは戦々恐々ですり寄りを強めています。国政進出を狙って、3月末からは、約2000人を集めた「維新政治塾」を始めています。14日には維新塾の2回目が開催されます。そこで議論されるのが、次期衆院選向け公約とされる「維新八策」の原案。そこからみえてくるものは…。
虚構の土俵つくり
写真

(写真)「大阪維新の会」の維新政治塾・レジュメの一部

 「維新八策」原案は、八つの柱にそって約90項目の「政策」(レクチャーが必要なもの、議論が必要なものを含む)が並んでいます。橋下氏は「あれは問題提起」「維新の政治塾でのレジュメをつくっているようなもの」(3月5日)などと語り、国政政策と呼べるものではないと自認しています。実際に配布したものも「維新政治塾・レジュメ」と題しました。

 これには「新聞でいえば見出しを並べたにすぎぬ。中身がない橋下氏のあいかわらずの手法だ」(「大阪日日」3日付コラム)との批判もあります。

 一方で、橋下氏は「(維新の会の)大きな方向性、価値観が、今まとめている維新八策」だとツイッターで語っています。

 政治を、その「価値観、方向性」に導くために、橋下氏がとっている手法が問題です。大阪府知事時代、財政破綻もしていないのに、「大阪府は破産会社です」と決め付けて、教育や福祉予算に切り込みました。虚構の前提をぶちあげて自らの土俵に引き込む橋下流です。

 「八策」原案でも、「給付型公約から改革型公約へ 今の日本、皆さんにリンゴを与えることはできません」と、社会保障切り捨てに伏線を敷いています。
極端な新自由主義推進

「自立する個人」

規制緩和と福祉切り捨て

 「八策」原案の2ページ目に「維新が目指す国家像」として掲げられているのが、「自立する個人」「自立する地域」「自立する国家」です。これについて、橋下氏は「維新政治塾」の開講式(3月24日)で次のように語りました。

 「格差拡大はダメ、競争はダメ、このような甘い言葉こそ本当に危険。他者に依存しすぎる日本の今のあしき流れを断ち、『自立する個人』『自立する地域』『自立する国家』をつくりたい」

 この三つの「自立」こそ、橋下氏が「維新の会の根本的価値観」と語るものです。

 「維新」の狙いが、「小泉構造改革」以上の市場原理主義の導入で国民にいっそうの貧困と格差を広げる「過激な新自由主義」の推進であることは明らかです。

 「自立する個人」といっていますが、要は仕事も社会保障も「自己責任で」ということです。

 その考え方がはっきりあらわれているのが「労働市場の流動化、自由化」です。労働法制の規制緩和で非正規雇用が増加し、いまや雇用者の3人に1人以上が非正規労働者です。ここまで拡大した貧困と格差の最大の要因です。若者もなんとかしてほしいと願っているのに、それをもっと自由化しろというのです。

 社会保障でも、「最低生活保障制度の創設」と称して実際には社会保障にまで「競争は真正面から認める」考え方を取り入れます。

 橋下氏はツイッターで「(国が国民に一定の現金を配る)ベーシックインカムが成立すれば…年金制度、生活保護制度、失業保険制などを失くす可能性を考えることができる」と指摘。“ある程度の金をやるから後は勝手にしろ”といわんばかりです。

 お金のあるなしで医療に格差をもたらす「混合診療」も「解禁による市場原理メカニズムの導入」を明記。先進諸外国と比べても利用率が低い生活保護に対しては「就労義務の徹底・医療費の一部自己負担」でさらに給付を絞り込もうとしています。

 橋下氏は民放番組(3月20日)で「(生活保護受給者に就労を)義務化しようといったら、厚労省は憲法違反だという。総理大臣が言わない限り変わらない。そのための首相公選制」とまで語っています。

「自立する地域」

内政は丸投げ、地方交付税は廃止

 「自立する地域」とは何か。それは、「内政は地方・都市の自律的経営に任せ」、「国の役割」は外交や安全保障などに「絞り込む」という「道州制」です。財界が「究極の構造改革」と位置づけてきたものに他なりません。

 「八策」原案では、「地方の仕事は地方の財布で」として「地方交付税の廃止」を明記。「その代わり消費税は地方税とする」としています。

 これが何をもたらすのか。橋下氏は4月6日のツイッターでは「地方は4兆円損をする。そうすると地方はこの4兆円を埋めるために消費税を上げるか、サービスを削るしかない」と、結局地方に最悪の二者択一を迫る仕組みだということを自ら明かしています。

「自立する国家」

中身はアメリカいいなり

 「自立する国家」といいながら、中身は「自立」どころかアメリカいいなりです。

 「八策」原案では、「外交・防衛」分野で「日米同盟を基軸」と明記。具体策でも、当初の「維新八策」の「たたき台」では、沖縄県辺野古への米軍新基地建設を決めた「2006年在日米軍再編ロードマップの履行」を宣言。その後の「八策」原案では「沖縄負担の軽減を図る更なるロードマップの作成に着手」と変更したものの、具体的な「軽減」策は提示できていません。「日米同盟基軸」の枠内では打ち出しようがないのです。

 日本の食料主権と経済主権をアメリカに売り渡す環太平洋連携協定(TPP)でも、原案で「自由貿易圏の拡大↓TPP」と明記。2月10日には、橋下氏がTPP参加に対する農家などの反発について「一部の人は痛みを伴うかもしれないが、将来的には必ずプラスになる」と語ったことが報じられています。
改憲志向と“恐怖政治”
全ては9条のせい!?

 「八策」原案のもう一つの特徴は、憲法改悪への志向と大阪での“恐怖政治”を全国に広げようという方向が鮮明に打ち出されていることです。

 憲法については、「憲法9条についての国民投票」「国民投票の結果によって、国際貢献の在り方、国際貢献する際の防衛措置の在り方が決まる」と改憲の方向を明記しています。

 橋下氏は「『維新の会』は9条をどうするかは決めない。国民に決めてもらう仕組みをつくってもらう」(2月24日)などと“中立”を装います。しかし、実際は「自分の命に危険があれば、他人は助けないというのが9条の価値観」(2月24日の記者会見)などと9条を攻撃。果ては、大震災被災地のがれき処理がすすまないことまで「全ては憲法9条が原因だ」(ツイッター)と9条のせいにする始末です。

 その根底には、「9条がなかった時は、他人のために汗をかこう、場合によっては命の危険も負担せざるを得ないとやっていた」(3月5日)と、国民に“血を流せ”と迫る立場があります。自民党などが9条を「一国平和主義」と攻撃していたのと同じです。
職員・教育条例を全国へ

 一方、大阪での“恐怖政治”を全国に広げる方はどうか。

 「八策」原案は、公務員制度改革では「大阪府職員基本条例をさらに発展、法制化」、教育改革では「大阪府教育基本条例をさらに発展」と明記しています。

 これらの条例は、政治が教育に介入し、異常な競争を持ち込むとともに、職員・教員に同一職務命令違反3回で免職対象とするなど厳しい処分規定を課し、管理統制するものです。橋下氏は、2日の大阪市新規採用職員の発令式で、「みなさんは国民に対して命令をする立場に立つんです。みなさんの命令には大阪市民はみんな従うんです」と暴論をはきました。いつから、公務員が市民に命令する立場に立ったのか。

 「全体の奉仕者」から市民への「命令者」へ、そしてその「命令者」は首長いいなりの「下僕」に―これが橋下氏の「公務員改革」です。

 行き着く先が、「労使関係に関する職員のアンケート」を名目にした違憲・違法の「思想調査」です。職員の思想・信条を調べ上げ、市民の政治行動まで“密告”させるという恐怖政治そのものです。橋下氏はいまだ謝罪もしていません。

安倍元首相らからエール

 こうした改憲志向と“恐怖政治”の橋下氏には、安倍晋三元首相や石原慎太郎都知事など右翼改憲派から盛んにエールが送られています。安倍氏は橋下氏を「この時代に必要な人材だ」と持ち上げ、「維新の会の(教育基本)条例案は、(戦後レジームからの脱却という)私たちの方向とまったく合致している」とのべました。石原氏も橋下氏とたびたび会談。「思想調査」を「いいんじゃないか」と擁護、「橋下さんの(教育基本)条例(案)を参考にして東京もやろうと思っている」などとのべています。
「決定できる民主主義」
“白紙委任”で独裁

 「八策」原案で三つの「自立」を実現するために「不可欠」と位置づけられているのが、「決定でき、責任を負う民主主義」と「決定でき、責任を負う統治機構」です。

 橋下氏は昨年6月、「今の日本の政治に必要なのは『独裁』」と語り、大阪府知事選、大阪市長選のダブル選挙(同11月)で強い批判を浴びました。そのためか市長就任後は、「今の日本に必要なのは『決定できる民主主義』」と言い換えています。

 そこには“選挙で勝ちさえすれば何でもあり”といわんばかりの「独裁」的手法への反省があるわけではありません。

 「朝日」のインタビューでは「選挙では国民に大きな方向性を示して訴える。ある種の白紙委任なんですよ」と発言。これを批判されても、「政治家は大きな方向性、価値観を示し、それが支持されたのであればその範囲である種の白紙委任」と開き直っています。

 橋下氏は以前にもこの手法で、府議選の公約にもなかった「君が代」強制条例を「何を話し合う必要があるのか」と問答無用でごり押ししました。これを「独裁」といわずして、なんというのでしょうか。

 「維新政治塾」で橋下氏は「独裁だとか議論が拙速だという反論があるが、反対のための反対によって何も動かないのがわれわれの日本。決定できる仕組みをつくる」と語りました。

 しかし、一番大事なことは、橋下「維新の会」が何を決定しようとしているのかです。それは、これまで見てきたような「過激な新自由主義」と「改憲・恐怖政治」の価値観にもとづく政策です。橋下氏のいう「決定できる仕組み」づくりもそのための国家改造にほかなりません。

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