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2012年4月24日 (火)

朝日社説:大飯再稼働―消費地の提案を生かせ

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1
大飯再稼働―消費地の提案を生かせ

 関西電力大飯原発の再稼働には、実に厳しい数字だ。

 朝日新聞の世論調査で、再稼働に反対が、この原発のある福井県でさえ4割、近畿2府4県では5割を超えた。夏に電力不足で節電や計画停電になってもいい、という人が電力消費地の近畿で8割近くにのぼる。

 しかも、再稼働で同意を得る地元には、福井県以外も含めるべきが、福井でも近畿でも過半数。再稼働の前提になる安全基準を「信頼しない」人が、福井で6割を超えた。

 数字が物語るのは、再稼働へ動く政府の姿勢が信頼を得ているとは言い難い実態である。

 結論ありきのような説得の繰り返しでは、再稼働の方針は暗礁に乗り上げることも考えられる。政府は、住民、自治体の安全への不安が強い現実と真正面から向き合う必要がある。

 今週、さまざまな動きがある。経産省は昨日、副大臣を滋賀県と京都府に派遣した。橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事は今日、藤村官房長官に会う。26日には2府5県でつくる関西広域連合の知事会がある。

 大阪府・市が再稼働に対する八つの提案を出し、京都、滋賀両府県知事も連名で七つの提言を出している。

 応急措置で安全と言える根拠、脱原発依存への工程表の提示、第三者委員会による需給見通しの検証などだ。その多くが民意をくんだ内容と考える。

 2本の提案・提言に共通するのは、安全面で恒久対策がなされないままなぜ再稼働なのか、電力供給のための緊急性はどれほどのものなのか、という疑問が根底にある点だ。

 福島第一原発事故ではシステムの「安全神話」が崩れ、安全基準・規制への信頼も地におちた。原子力がこの二重苦を克服するには、急ごしらえの安全措置の追加だけでなく、安全行政への信頼回復が欠かせない。

 政府はこの教訓をいま一度かみしめ、消費地からの提案を真剣に検討するべきだろう。

 全国の電力需給見通しを客観的に検証する政府の需給検証委員会は昨日、初会合を開いた。夏の電力がどのくらい足りず、どの程度の節電を企業や家庭が実現すればしのげるのか。情報公開を徹底した議論で、幅広い選択肢を示してもらいたい。

 それでも、調査結果から見る限り、失われた信頼を夏までに回復するのは極めてむずかしいのが現実だ。「原発なき夏」も視野に入れて、影響を最小限に食い止める節電など、もっと備えに力を入れていく。それこそが、賢明な道ではないか。

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