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2012年3月14日 (水)

東日本大震災:どうする放射能汚染/6止 子どもの保養、支援広がる

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120314ddm013040169000c.html
東日本大震災:どうする放射能汚染/6止 子どもの保養、支援広がる
 ◇「チェルノブイリ」で効果確認 教室ごと受け入れも

 放射線量の高い福島県の子どもたちを、県外での保養に出すボランティア活動が活発になってきた。チェルノブイリ原発事故のときも欧米や日本、キューバなど約30カ国が被災した子どもたちの保養先になり、ドイツやイタリアでは事故後26年たった今も続く。

 川遊び、プール、カブトムシ捕り、スイカ割り、日帰り温泉--。昨夏、埼玉県秩父市に福島県の母と子計22人の歓声が響いた。子どもたちは、乳児1人と小学生2人を含む、幼児中心の14人。無償で提供されたロフト付きの山荘に泊まり、震災以来できなかった外遊びを思う存分楽しんだ。

 交代で1週間滞在し、福島では口に出せない放射能の不安を語り合った。参加者はすっかり打ち解け、8月末に同窓会を開くほどの仲になったという。

 サマーキャンプを主催したのは東京都練馬区の住民でつくる「福島こども保養プロジェクト@練馬」。昨年6月、被災地を支援しようと考えた大城資子さん(57)と竹内尚代さん(67)が、ベラルーシの子どもたちをかつて練馬に招いたロシア文学者の和田あき子さん(73)らに、話を聞く会を開いたのが始まりだった。「1週間でも精神面に効果がある」と聞き、準備を始めた。

 秩父でのキャンプはさらなる保養や避難につながった。竹内さんの家の隣に偶然、開所前の知的障害者のグループホームがあった。木造2階建ての大きな家で、運営する「旭出生産福祉園」に頼むと、無償で貸してくれた。キャンプに参加した母子十数人が、相次いで保養に来た。産後2カ月の母子ら3組は1カ月滞在した。ある小学生の女児はキャンプの後、山形県に避難した。転校をいやがっていたが、知らないスタッフと生活できて転居に自信を持てたという。

 「福島こども保養プロジェクト@練馬」は今年8月にも埼玉県飯能市で保養をする。事務局(電話03・3978・3874)の竹内さんは「練馬近辺に無償で借りられる空き家があれば助かる。秩父市はプールなどの入場料を無料にしてくれた。長く続けるには行政からの支援が必要」と話す。

    *

 被災地の子どもを受け入れる動きは全国で進む。

 全国初の放射能汚染地からの保養施設が今、宮城県登米市に建設されている。土地、建物の所有者はアウトドア用品メーカー「モンベル」で、NPO法人「日本の森バイオマスネットワーク」(宮城県栗原市、電話0228・22・6721)が運営する。完工予定は6月。最大20人が宿泊できる。ボランティア団体などと連携し、福島県の子どもたちを交代で保養させる計画だ。

 沖縄に保養施設を建てる動きもある。91年に「チェルノブイリ子ども基金」を設立したフォトジャーナリストの広河隆一さんは今月3日、企画案を発表した。

 200人が宿泊可能な施設を目指し、小中学校のクラスごとに1カ月交代で“学童疎開”をしてもらい、沖縄で授業を受ける。担任の同行や、全国の教育学部の学生ボランティアを募る。福島県と沖縄県の教育委員会の承認を得る予定で、承認が取れるまでは、乳幼児と母親を受け入れる。主な資金は募金で賄う(事務局=デイズジャパン、電話03・3322・0233)。

 児童・生徒の保養では、教室ごとの集団疎開が大切だ。友人関係を崩さず、生活に余裕がない家庭の子も、線量の高い場所から出る必要があるからだ。

    *

 保養の効果はどこにあるのか。被爆者で素粒子物理学が専門の名古屋大学名誉教授、沢田昭二さんは「短期間でも確実に累計被ばく線量は減る。細胞分裂が活発なほど、放射能の影響を受けるため、胎児を抱える妊婦や乳幼児は線量の高い場所を出た方がいい。出る期間は長いほどいいが、社会的・経済的な要因が大きく、国の責任で避難先を用意して実施すべきだ」と話す。

 異論もある。「市民と科学者の内部被曝(ひばく)問題研究会」呼びかけ人で、呼吸器と放射線医学が専門の医師、松井英介さんによると、半減期が約30年の放射性セシウム137の体内濃度は、保養先では下がり、汚染地に戻ると上がる。チェルノブイリで被災した子を受け入れてきたドイツの医師には「2、3カ月の保養では意味がない」と見る人がいるという。

 チェルノブイリ事故で被災したウクライナとベラルーシでは、毎年国の事業として子どもたちを汚染地の外に保養に出している。両国とも財政は厳しいが、子どもの健康問題を国家的な優先課題としていて、保養先では無料で子どもたちにリハビリプログラムを行う。ベラルーシ南部の汚染地に住む子どもは22万人で、毎年1カ月、約半数の10万人が国内で保養する。

 92年から19年間、チェルノブイリで被災した子ども648人を受け入れたNPO法人「チェルノブイリへのかけはし」(札幌市、電話011・511・3680)代表、野呂美加さんは「保養で抵抗力がつき、病気の発症を防げる」と指摘する。

 汚染地を出て、汚染されていない物を食べると、放射性物質が妨げていた体内の遺伝子の修復速度が速くなり、新陳代謝が良くなる。チェルノブイリの子どもたちは鼻血や下痢が止まり、髪の毛が伸びてきた。内部被ばくを測ると、子どもの体内の放射性物質は30日間の保養後、50~70%排出され、半分以下になることが各国で確認されている。

 練馬区の和田さんたちは93年夏に1カ月余り、ベラルーシの子6人(9~12歳)を日本に招待した。和田さんによると、チェルノブイリ事故から7年たっていたが、来日直後の内科医の問診で、ほとんどの子がめまい、頭痛、耳鳴り、嘔吐(おうと)がいつもあると訴えた。風邪も引きやすかった。血液検査ではどの子も貧血で、総たんぱくも正常値に至らず、赤血球が小さい点が共通していた。ある9歳の男児は白血球が1マイクロリットル当たり1万3400個で、正常値よりかなり高かった。

 海水浴や山登りを満喫し、1カ月後に再び同じ内科医に見せるとどの子も、体重が1~2キロ増え、めまい、耳鳴りが改善した。「免疫系の働きがよくなり、元気になったと言われた」。和田さんは振り返る。【中村美奈子】=おわり

毎日新聞 2012年3月14日 東京朝刊

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