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2012年3月 4日 (日)

「原発ゼロ」危機 場当たりと迷走の果て…「寿命40年」新増設なし

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20120304065.html
「原発ゼロ」危機 場当たりと迷走の果て…「寿命40年」新増設なし
産経新聞2012年3月4日(日)07:58

 【復興日本】前へ進むために

 ■「全原発停止で、20%超の節電を要請されれば、対応できない。中国での代替生産も考えざるを得ない」≪サクラクレパス(大阪市中央区)の西村貞一社長≫

 2月20日、福井県高浜町の関西電力高浜原発3号機が発電を停止した。これで、日本国内にある54基の原発のうち、稼働しているのは、東京電力柏崎刈羽原発6号機と北海道電力泊原発3号機の2基だけ。その柏崎原発は今月26日、泊原発も遅くとも5月には定期検査に入る。

 東日本大震災が引き起こした東京電力福島第1原発の事故以降、定期検査のために停止した原発は一つも運転を再開していない。今のままでは、「稼働原発ゼロ」の状況で電力需要がピークとなる夏場を迎えることになる。

 「きちんとした安全基準と安全規制を実行できる態勢をつくり、動かすべき原発は動かしていけばいい」。全国知事会のエネルギー・環境問題特別委員会委員長の橋本昌茨城県知事は、こう訴える。全国原子力発電所所在市町村協議会会長の河瀬一治敦賀市長は「再び原子力の火で電力を送れるよう、国の対応を見守りたい」とまで発言している。

 地元自治体は「何が何でも再稼働反対」というわけではない。その一方で、再稼働の前提となる「きちんとした安全基準と安全規制」がない限り簡単に再稼働に同意できないのも事実だ。

 自治体側の動きも決して遅くはなかった。

 福井県の西川一誠知事が海江田万里経済産業相(当時)と会談したのは事故から約1カ月の昨年4月19日だった。席上、西川知事は「暫定的でもいい」と事故の知見を反映させた新たな安全基準の早期策定を求めた。日本のエネルギー供給に貢献してきたという自負。国からの補助金や雇用確保も考えれば、早く再稼働できる環境を整えてほしい。これが全国最多13基の原発が立地する県の思いだった。

 だが、政府は場当たり的な対応と迷走に終始し、こうした立地自治体の願いに応えるどころか、不信感を募らせただけという結果になってしまった。

 実は政府が全国の原発に具体的に指示した安全対策は2つしかない。昨年3月30日、全電源喪失に備えた電源車や原子炉への冷却水注入用消防ポンプ車の配備など。そして、6月7日に指示した水素爆発防止措置や放射線防護服の確保など。これだけだ。

 しかも、いずれも当時、福島第1原発で次々に発生・発覚していた非常事態を見た応急的措置ばかりで、とても事故の知見を反映させたものでもないし、安全基準にはほど遠いものだ。

 にもかかわらず、各原発を立ち入り検査した経産省原子力安全・保安院は6月18日、早々に「安全対策は適切に実施されている」と“宣言”。29日、古川康佐賀県知事が海江田経産相に九州電力玄海原発2、3号機の再稼働に同意する意向を伝え、再稼働の道筋はつけられつつあった。

 迷走はここから始まる。政府が7月6日に唐突に原発のストレステスト(耐性検査)の実施を発表したのだ。海江田経産相はストレステストと再稼働は連動しないと明言したが、直後に菅直人首相(当時)がテストを再稼働の条件にすると言い出す。海江田経産相ははしごを外され、地元自治体は政府不信に陥った。古川知事は「政府の方針がフラフラしている以上、検討は進められない」と玄海原発再稼働を白紙に戻した。

 保安院は今年2月22日、ようやく安全基準策定に着手した。だが、その前提となる事故の原因究明はどうか。政府、国会、東電がそれぞれ事故調査委員会を設置する乱立状態。しかも、中間報告では政府事故調が菅氏ら政府や東電の事故対応に焦点を当てた「人災」、東電が想定外の津波が原因という「天災」。こうした分析で安全基準づくりができるのだろうか。

                   ◇

 ■「日本は原発を捨て、割高なエネルギーコストを負担していくのか」≪白川浩道・クレディ・スイス証券チーフエコノミスト≫

 野田佳彦首相が示した「原発の新増設は難しい」との考えに従えば、平成21年12月に運転開始した泊原発3号機が国内最後の原発になる。これに、政府が今国会に提出している「原発の寿命を原則40年」とする原子炉等規制法改正案を重ね合わせると、おのずと結論が出る。

 あと38年足らずで、日本の原発は消滅する、ということだ。

 すでに運転開始40年を経過した原発は2基、30年超は13基だ。法案が可決成立すれば、これらは順次“寿命”を迎える。

 想定運転期間は炉型や機器の交換状況などで異なり、法律で一律に原発の寿命を定める国はまれだ。

 そのせいか、法案も二転三転した。細野豪志原発事故担当相は今年1月6日に「40年以上たった原発は一部例外を除き運転を認めない」と強調。ところが、17日、「1回限り最長20年間の延長を認める」と内閣官房原子力規制庁準備室の荻野徹副室長が言えば、細野担当相が翌日、改めて「40年廃炉の基本方針は変わらない」。こうしたドタバタの中で「科学的根拠は一切ない」(保安院幹部)法規制が独り歩きしている。

 来るべき原発ゼロ時代への備えはどうか。代替電源候補の再生可能エネルギーでは、100万キロワットの原発1基を太陽光発電で賄うには、東京・山手線の内側と同じ面積が必要と試算される。新計画を議論している資源エネルギー庁の審議会委員の榊原定征東レ会長は「再生可能エネルギーは経済性の問題、出力の不安定さ、地理的制約などから、当分、基幹エネルギーになり得ない」と指摘する。

 結局、当分は火力発電で代替するしかない。燃料は、中心となるLNG(液化天然ガス)をはじめ全て輸入だ。

 昨年の日本の貿易収支は31年ぶりに赤字に転落した。東日本大震災の影響や歴史的円高による輸出の不振がクローズアップされたが、原発停止に伴う火力発電強化による燃料輸入の急増も見逃せない。燃料輸入額は、前年より4兆4千億円も増え、21兆8千億円に達している。燃料費は、電気代に転嫁されて企業や家計を圧迫する。コスト増で企業の海外脱出が加速、国内雇用や賃金が失われる可能性は高い。

 政府に、日本の国力衰退を受け入れる覚悟があるのか。長く厳しい道のりだが、感情的な原発不要論から抜け出し、原発の安全性と信頼を取り戻し、安全な原発への建て替えを進める。この選択肢を捨ててはならない。(小雲規生、渡部一実)

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