在日米軍再編見直し協議 海兵隊8000人移転に暗雲
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012031802000033.html
在日米軍再編見直し協議 海兵隊8000人移転に暗雲
2012年3月18日 朝刊
日米両政府が2006年に合意した在日米軍再編のロードマップ(行程表)の見直しを公表してから1カ月余。中国の軍備拡張をにらんだ抑止力の強化と、沖縄の負担軽減の両立を目指した話し合いはどの程度進んでいるのか。点検した。
Q 見直しのポイントは何か。
A 沖縄に駐留する米海兵隊約一万八千人の一部移転と、沖縄本島の米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)以南にある五つの軍施設・区域の返還を、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設から切り離して先に進めることだ。
Q 見直す理由は。
A 普天間飛行場移設のめどが立っていないことが大きい。米政府が打ち出したアジア重視の新しい国防戦略や、米海兵隊のグアム移転経費を削りたいことも影響している。
Q 海兵隊の移転はどうなるのか。
A これまで米政府は約八千人を沖縄からグアムに移転させる計画だったが、軍事予算の大幅な削減を迫られ、規模を約四千七百人まで縮小する。残り約三千三百人をハワイやオーストラリア、フィリピンなどにローテーション(巡回)配置させ「中国包囲網」を築こうとしている。
Q 三千三百人の配置は確定したのか。
A 決まっていない。米政府は日本政府に対し、沖縄の第一海兵航空団司令部約千三百人を岩国基地(山口県)など沖縄以外の国内に移転できないか打診したが、日本側は地元の反発を懸念して拒否した。
Q 沖縄に残る海兵隊が見直し前より増える可能性もあるのか。
A 日本側は八千人の移転を堅持していく構えを崩していない。ただ、第一海兵航空団司令部を移転できなければ調整は難航しそうだ。約千三百人分を減らすには、他の部隊配置を見直すしかなく、防衛省幹部は「数合わせに苦労している。正式に決まるのは秋ごろだろう」という。
Q 嘉手納以南の米軍施設・区域の返還見通しは。
A 部隊の移転計画が固まるかどうかにかかっている。沖縄県内の各米軍施設は、密接に連動して機能しているため、ある施設を返還する場合は、その機能を別の施設に移す調整も必要になってくる。新たな部隊の配置が決まらないうちに、施設の調整だけ進めるのは難しい。
Q 具体的にどう連動しているのか。
A 例えば返還予定の桑江タンクファーム(北谷町)は、普天間飛行場に燃料を送るため、パイプラインでつながっている。普天間移設が実現しないと返還は困難だ。
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