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2012年1月29日 (日)

消費増税:「低所得者へ1万円」案、民主党内で浮上

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120129k0000m010060000c.html
消費増税:「低所得者へ1万円」案、民主党内で浮上

 消費増税を柱とする「税と社会保障の一体改革」で、最初の増税時をめどに低所得者向けに実施する「給付措置」の取り扱いに関心が集まってきた。民主党内では1人1万円を支給する案が浮上し、安住淳財務相も28日、給付の必要性に改めて言及した。ただ、安易な給付は「バラマキ」との批判を招きかねず、政府は給付額や対象を慎重に検討する。

 安住財務相は28日、福岡市内で一体改革についての説明会を開いた後、記者団に「早い段階からセーフティーネット(安全網)としての現金給付を考えたい」と述べた。低所得者ほど負担感が重くなる消費税の「逆進性」に配慮したものだ。

 政府・与党は一体改革素案で消費税率を14年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる方針を決めた。消費増税時の低所得者対策として負担が増えた分の税金の還付や現金給付をする「給付付き税額控除」を導入する計画だが、それは15年以降になり、最初の増税に間に合わない。このため素案では、「給付付き税額控除」導入前に「簡素な給付措置」を実施すると決めていた。

 給付対象者や支給額などは現段階では決まっていない。だが、消費税を導入した89年や、税率を3%から5%に引き上げた97年に、「臨時福祉給付金」などとして、高齢の低所得層や生活保護受給者らに1万~3万円(給付総額は89年=645億円、97年=948億円)を支給した前例から、8%への増税時に合わせて、低所得者などに1万円を支給する案が民主党内で浮上している。

 ただ、低所得者の年金支給額などは、消費増税に合わせて増額する方針も決まっている。社会保障の給付増と消費税の逆進性対策の給付を二重に支給するのが適切かの議論もあり、「簡素な給付措置」の支給対象をどうするかの線引きは難しい。このため政府は当初、「議論が難航すると、一体改革の大綱取りまとめや消費増税法案の提出に影響しかねない」として、具体的な検討を消費増税法案の国会提出後に先送りする意向だった。

 ただ、安住財務相は28日、「与野党協議のテーマとして取り上げていただくのも一つの方法」と発言。増税法案の取りまとめに向けた与野党協議で、給付措置を議論する考えを示唆した。今後、野党から素案のあいまいさや「バラマキ」懸念を追及されかねず、協議が紛糾する火種の一つになる可能性もある。

 給付措置は、消費税を増税すると、低所得者は所得のうち日用品に使う金額の比率が高所得者より高いため負担感が重くなる(逆進性)ことに配慮して導入する。「給付付き税額控除」を実施する方針だが、納税者の所得を一体的に把握する「共通番号制」の導入(15年以降)が前提となる。【小倉祥徳、中山裕司】

毎日新聞 2012年1月28日 21時10分(最終更新 1月28日 21時45分)

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