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2012年1月 7日 (土)

米新国防戦略、同盟国日本の対応は 森本敏・拓殖大大学院教授

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20120107092.html
米新国防戦略、同盟国日本の対応は 森本敏・拓殖大大学院教授
2012年1月7日(土)08:00

(産経新聞)

 ■国家再生へ防衛力の充実

 米国は5日の新国防戦略で中国に対抗できる態勢づくりを急ぐ必要性を強調した。同盟国日本はいかに対応すべきか。安全保障問題に詳しい森本敏拓殖大学大学院教授は、朝鮮半島情勢や米中関係の変化など「周辺環境の変化に留意しつつ、安全保障戦略をたて直して国家を再生すべし」と提言する。

 東日本大震災後、日本国内では人と社会の「絆」が叫ばれ、内向き指向が強くなっている。だが、日本を取り巻く周辺には「絆」ではなく、外に向いたナショナリズムが広がっている。

 昨年末の野田佳彦首相の訪中は南京事件の当日であったという理由で中国国内に反対が起き、訪問が一時延期された。昨年末には訪日した韓国の李明博大統領が慰安婦問題を取り上げたため首脳会談が散々の結果になった。アジア諸国には歴史問題に落とし込むと日本に対して優位に立てるという考えがいまだに強い。

 軍事力を背景に海洋に出てくる中国の横暴な態度をみても、対話や外交で全ての問題が解決できると考えるのは幻想だ。われわれはどうすれば他国からなめられない国家として再生できるのか。その答えは国力の基盤としての防衛力と同盟関係の充実しかない。これなくして力強い外交や安全保障戦略は成り立たない。

 ◆半島情勢で指針

 今年東アジアでは政権交代が多く見られるが、まず14日投開票の台湾総統選が注目される。台湾の人々の願望は独立でも統合でもなく現状維持である。しかし、中国の野心は台湾統合だ。今後、台湾海峡の波が高くなれば「核心的利益」と中国が主張するエリアに米国が空母を展開することは困難である。

 その時「前進基地」になる日本の対応が試される。台湾海峡事態を念頭に、日米共同作戦計画を策定しておく必要がある。

 北朝鮮では4月に金日成生誕100周年記念日と朝鮮人民軍創建80周年軍事パレードがある。金正恩という経験・実績の少ない20代の青年が、複雑な国際情勢のもとで、的確な決断ができるとは思えない。軍部にも突出した指導者がいない中で、実利益や政権運営の手法をめぐって北朝鮮指導部内に分裂が起こっても不思議ではない。

 日本は半島情勢に関して米韓両国との間で、防衛協力やNEO(非戦闘員退避活動)のガイドラインを策定すべきである。

 中国は今秋の共産党大会で次期指導者が決まる。次期指導者がどの程度、人民解放軍をコントロールできるか注目されるが、軍は近代化に邁進(まいしん)し、海洋・宇宙・サイバー空間に進出してアジア全域に大きな懸念を引き起こしている。

 米国は中国に対応しようと、ASB(エア・シー・バトル)構想という投射兵力の運用概念を採用しようとしている。アジアに回帰し、この地域に軍事プレゼンスを維持する意向だが、一方で大幅な国防費削減が重くのしかかっている。日・韓・豪など同盟国や東南アジア諸国連合(ASEAN)の親米諸国に協力を求めつつ、限られた兵力で拠点より地域全体を面で抑止しようとしている。

 米国が有効な抑止機能を発揮できるかどうかは同盟国・友好国の協力次第である。特に、米中間のオフショア・バランス(海洋における勢力均衡)がアジア安定のカギになる。その中で日本の果たすべき役割は決定的だ。日本が外洋に出ようとする中国の出口を占める戦略的位置にあるからであり、今ほど日本が確固とした対中戦略や海洋戦略を構築すべき時はない。

 ◆法改正も不可欠

 中国が第一列島線から外洋に出る要路に日本の南西諸島が横たわる。この南西諸島を防衛することは、このラインで中国の外洋進出を食い止めるためにも、沖縄や尖閣諸島を守るために不可欠である。普天間の代替基地は結局、沖縄県民を守るためである。

 米海兵隊が沖縄より南方地域に下がればアジア太平洋全域の抑止には役立つが沖縄にとっての抑止機能は低下する。沖縄が使いにくくなると米国は海兵隊の兵力分散に動く。それは沖縄にとって危険である。

 南西諸島の防衛強化には追加的に兵力を配備するだけでなく、日米間で基地・施設の共同使用を拡大するとともに、日米共同運用態勢を強化すべきだ。領域外で武力行使に当たる活動を行って日米同盟協力を強化するためには周辺事態法の改正は不可欠といえる。

 防衛費を増額して情報機能、防空、対潜戦、ミサイル防衛、着上陸の能力向上を行い、米軍の機能を補完することも必要であり、尖閣諸島の実効支配を強化するための法的措置や海上保安庁の能力向上も優先される。

 こうした政治課題に優先度をつけて確実に実行していくことが国民の信頼を確保し、国家と国民の安全を維持する手段である。(寄稿)

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