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2012年1月 8日 (日)

朝日社説:米軍の新戦略―軍事費バブルに大なた

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1
米軍の新戦略―軍事費バブルに大なた

 「対外関与と国力の均衡を保つ。それが外交政策である」

 米国の評論家ウォルター・リップマンは第2次大戦中、戦後世界への米国の関与について、こう指摘した。関与がいき過ぎれば、国力の衰退をもたらす、という警鐘である。

 いま、オバマ米大統領も改めて、この言葉をかみしめていることだろう。

 大統領は新たな軍事戦略を発表するなかで、国防費の大幅な削減の必要性を強調し、「10年に及ぶ戦争のページをめくる」と宣言した。

 なにしろ、アフガニスタンとイラクでの対テロ戦で、軍事費は2倍近くに膨らんだ。いまや年間7千億ドル(約54兆円)規模にのぼる。一国で世界の軍事費全体の半分を占めているのだ。

 一方で、米国の経済力はすでに世界の国内総生産(GDP)の2割を切っている。この偏重ぶりは異常であり、軍事費バブルさながらである。

 「最大の脅威は雪だるま式に膨らむ対外債務」という声が議会で強まり、今後10年間で最低4900億ドルの国防予算の削減が義務づけられた。財政全体の赤字縮小案がまとまらないと、さらに削減される見通しだ。

 軍事費に大なたをふるうことで、海外に展開する兵力は大幅に削減される。軍事力を背景に担ってきた「世界の警察」の役割も、それにあわせて変わらざるを得なくなった。

 新戦略では、二つの大規模な紛争に同時に対処できる二正面戦力の維持はしない。限られた軍事費を、米国の国益により直結する地域へ集中させる。

 それでもアジア重視の方針には変わりがない、という。大統領も「予算を削減しても、この重要な地域を犠牲にすることはない」と断言している。

 米国の将来がかかる地域で、中国の影響力が増すことへの強い警戒心があるのだろう。急速に近代化する中国軍には、海空両軍の統合作戦能力と日本などとの同盟関係の強化で対抗する姿勢を明言している。

 海兵隊のオーストラリア常駐など新たな米軍の展開が、地域全体にどう影響するかは、まだ見えない。その中でも普天間基地を含む沖縄の負担軽減は、改めて真剣に探る必要がある。

 米国の兵力削減は、一時の政策ではない。もしも今秋の大統領選で政権が交代しても、流れは変わらないだろう。

 この新戦略を新たな対決の幕開けにせず、地域の長期的な緊張緩和と安定につなげる。そんな知恵と努力が、日本を含む各国に求められる。

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