<放射線不安>林業にも 山の除染困難「商売成り立たぬ」
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<放射線不安>林業にも 山の除染困難「商売成り立たぬ」
毎日新聞 12月25日(日)11時4分配信
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木炭やキノコの原木となる木材を見つめる高橋さん。この一部から放射性セシウムが検出された=宮城県白石市で、曽田拓撮影
東京電力福島第1原発事故の影響で、キノコ栽培の原木や木炭を扱う林業従事者の間に検査に対する不満や除染への懸念が広がっている。法的裏付けがある農水産物と異なり、自前で検査した上で東電に損害賠償請求する手続きが必要となるからだ。山間部の除染は平地より困難とされ、先行き不安から転業を考える人も出ている。【曽田拓】
林野庁は10月、キノコ栽培に使う原木に1キロ当たり150ベクレル、11月には調理用のまきや木炭はそれぞれ同40ベクレル、280ベクレルとする指標(目安)を設定。上回る場合は流通させないよう都道府県に通知した。食品衛生法に基づき自治体が検査する農水産物と異なり、原木や木炭の汚染に関する法律はなく、検査は「あくまで要請」(林野庁)。生産者が自力で行い、賠償請求する。
「高額な検査機器を準備しても、取引先が減っていては商売が成り立たない」。福島県境にある宮城県白石市で林業を営む高橋富夫さん(58)は、ため息をつく。35年前に県南や福島県の木材を使ってキノコ原木や木炭、まきの製造販売を始め、年商9000万円まで成長したころ、原発事故が起きた。
福島第1原発からは70キロ離れているが、取引先から「放射能は大丈夫か」と聞かれシイタケの原木を検査機関に送ったところ、1キロ当たり333ベクレルのセシウムを検出。キャンセルが相次ぎ、ある社からは「今後2年は取引できない」と告げられた。
木炭を作る炭焼き窯の灰からも同約1800ベクレルが検出され、「木を焼いたため窯自体が汚染されてしまったのでは」と不安が募った。6基ある窯を壊すと約3000万円かかる上、解体後の処理も課題だ。
「周辺の山にいつまで放射能が残るか分からない」と除染への懸念もある。「お客さんが戻ってくる保証もない」と、木炭作りからの撤退も考えている。
宮城県は、業者に情報提供するため、セシウム濃度が低い山林を探す調査を始めた。
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