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2011年10月 3日 (月)

クローズアップ2011:南スーダンPKO 「内向き」返上へ急浮上

http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20111003ddm003010201000c.html
クローズアップ2011:南スーダンPKO 「内向き」返上へ急浮上
首都ジュバ中心部でも、アスファルト未舗装の道路は依然多い=ジュバで、高尾具成撮影
 ◇国際貢献で「野田色」

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に、インフラ整備を行う陸上自衛隊施設部隊約300人を派遣できるか判断するため、政府が現地に送った調査団が2日、帰国した。10月中には補給路などを調べる2次調査団を周辺国に送る方針で、野田政権になって検討が急ピッチで進む。ただ、長い内戦を経て7月に独立したばかりの同国は、ケニア海岸部から陸路で約1900キロも離れた内陸国で、補給路確保など派遣への道のりは平たんではない。自衛隊の武器使用基準見直しの議論も課題となっている。【坂口裕彦、ヨハネスブルク高尾具成】

 調査団の斎藤雅一防衛省国際協力課長は2日午前、成田空港で記者団に「現地も平穏で、所期の目的を大過なく実施できた。各省の政務三役、幹部と相談し、政府として可否を判断する」と語った。

 南スーダンは国土は日本の約1・7倍だが、舗装道路は約60キロしかない。インフラ基盤は脆弱(ぜいじゃく)だ。道路整備などを担う陸上自衛隊の施設部隊は、ハイチなどで高く評価され、国連は独立前から水面下で日本政府に施設部隊の派遣を要請してきた。8月には潘基文(バンキムン)事務総長が来日し、菅直人前首相に直談判した。

 北沢俊美前防衛相は、司令部要員の派遣にとどめる考えを表明。東日本大震災の被災地支援や、ハイチでの施設部隊の活動が続き、余力に乏しいことを理由に挙げた。菅政権で影響力が強かった北沢氏の意向が、政府全体の慎重姿勢につながっていた。だが、野田政権発足に伴い同氏が退任、8月末には自衛隊の大規模震災災害派遣も終わり、「重し」が取れた。

 「菅さんに比べて国際貢献に積極的」(外務省幹部)とされる野田佳彦首相は、国連総会の演説で、「日本の得意分野でぜひとも貢献したい」と調査団派遣を表明した。復興増税など重い内政課題を抱え「内向き」になりがちな野田政権で、国際貢献をアピールできる数少ないカードという事情も後押しした。外務省関係者は「事務方から情報が上がってきた中で、首相がいい玉だと思ったのは間違いない」と振り返る。防衛省も前向き姿勢に転じてきた。
 ◇陸上輸送1900キロ、派遣の難題に

 とはいえ、実現へのハードルは残る。難題は重機や物資をどう現地に運ぶかだ。政府は、治安が比較的安定している首都・ジュバ周辺を活動地域とし、ケニア・モンバサを輸送拠点にする方針だが、「重機は陸路で運ばざるを得ない」(内閣府幹部)。東ティモールやハイチで、施設部隊は拠点となる港湾施設から近い活動場所を選んでいて、ここまでの長距離移動は初体験だ。さらに4月から9月までは雨期で、陸路での移動は難しい。

 自衛隊の海外派遣が当たり前の光景となる中、PKO協力法が要員防護のための必要最小限しか認めていない武器使用基準を緩和すべきか否かの議論も、避けては通れない問題だ。現場の自衛隊員には見直しを求める声が強い。PKOに派遣された経験のある自衛隊幹部は「一緒に活動している他国の軍隊が攻撃された場合でも助けることができない。現実にそういう事態が起これば、国際的信用を失う。法解釈も複雑で、現場の負担感は大きい」と打ち明ける。

 民主党内でも前原誠司政調会長が基準の早期見直しに向けた与野党協議を呼びかけている。しかし、野田首相は9月27日の衆院予算委員会で、今回の派遣はあくまで、現行法の枠内で検討する方針を示した。
 ◇復興進まず、治安悪化 「テロ温床」の危険性も

 「復興と呼べるものは何もない」。南スーダンのキール大統領は9月23日、初めて国連総会で演説し、20年以上続いた内戦で荒廃した国土の復興作業が遅々として進まない窮状に焦りをにじませた。障害となっているのは、腐敗や軍閥政治から脱却し切れない新政権の機能不全とそれに伴う治安の悪化だ。

 国連南スーダンミッションのジョンソン代表は28日、記者会見を開き、「(国際社会から)新政権に送られた復興資金が、個人の海外口座に入金されている」と指摘。新政権の「腐敗」に強い懸念を示し、資金の即時回収と本格的な捜査を求めた。

 内戦下で続いた軍閥統治の弊害も出ている。分離前のスーダンは行政機能が北部に集中、現在の南スーダンにあたる南部は地元軍閥の支配下にあった。このため新政権を担う役人の多くは元軍人で、法に基づく統治や民主主義に対する意識が極めて低いとされる。

 地方政府も人事をめぐる内紛などから統治機能が育たず、内戦時代に破壊された警察署や刑務所などの再建工事も進んでいない。首都ジュバ周辺以外は雨期になると主要幹線が寸断されることもあり、日本のPKO部隊が派遣されても、その補給路の確保すら危ぶまれるのが現状だ。ケニアの政治学者ジョージ・オデラ・オウタ氏は「最優先課題は人材育成であり、政治機能の拡充だ」と話す。

 政府の機能不全は治安悪化の呼び水にもなっている。9月27日、南スーダンのマガヤ内相は記者会見で「通貨偽造や薬物密売などの犯罪が急増している」と発表。警察組織の強化が最重要課題だと訴えた。新国家樹立で人や資金、物資の流れが急拡大し、犯罪集団が流入しているという。

 一方、欧米諸国は「新たなテロの温床となる危険性」を懸念する。周辺国にはイスラム過激派アルシャバブが勢力を拡大するソマリアや武装勢力「神の抵抗軍」の拠点があるウガンダなどがあり、すでにテロリストの侵入も確認されている。

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