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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2011年8月 7日 (日)

米空母「最大の敵」は中国にあらず

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110807/plc11080712010005-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110807/plc11080712010005-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110807/plc11080712010005-n3.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110807/plc11080712010005-n4.htm

米空母「最大の敵」は中国にあらず

 中国が修復していた空母「ワリヤーグ」が、近く試験航行する見通しだ。東シナ海や南シナ海を舞台に米中の空母が対峙することも現実味を帯びてきたが、実は、米空母にとって「最大の敵」は日本国内に立ちはだかっている。

懸案は危険水域

 米海軍の原子力空母「ジョージ・ワシントン(GW)」が母港とする横須賀基地(神奈川)。そこを「安住の地」として維持していく上で解決すべき懸案が危険水域に入ってきた。

 米軍再編での空母艦載機「陸上離着陸訓練(FCLP)」の移転問題だ。

 FCLPは空母に艦載されている戦闘機が飛行場の滑走路を空母甲板に見立てて行う離着陸訓練。空母に安全に着艦させられるようパイロットの技術を維持するための訓練だ。

 FCLPは、GWが修理や整備を終え、横須賀を出港する前に10日間ほど実施する。修理や整備の間、艦載機はGWを離れ、厚木基地(神奈川)に拠点を移すが、騒音問題を避けるため硫黄島(東京)に移動しFCLPを行ってきた。

 在日米軍再編では艦載機の拠点を厚木から岩国基地(山口)に移すことが決まっている。FCLPのために、硫黄島より近い場所で新たな訓練地を探す必要もある。

 そこで防衛省がFCLP候補地として狙いを定めたのが「馬毛島(まげしま)」(鹿児島県西之表市)だ。種子島から12キロ離れた無人島である。

「1年半は動かない」

 「新幹線の車内並みの70デシベルの騒音区域はかからない」。7月、FCLP移転に理解を求めるため地元の西之表市を訪れた小川勝也防衛副大臣は、FCLPが種子島に与える騒音の影響は小さいと強調した。

 「米軍色」を薄めるのにも躍起だった。馬毛島に建設するのは自衛隊施設であり、離島侵攻に対処する訓練や、人員・装備を集結させる大規模災害対処拠点という位置づけを説いた。その上で、副次的に米軍のFCLPも実施したいという論法だ。

 これに西之表市の長野力市長は「反対は変わらない」とにべもなかった。移転受け入れに比較的柔軟とされる鹿児島県の伊藤祐一郎知事も「地域の意向で対応する」と突き放した。

 「市長が賛成に回ることはない。この問題は1年半は絶対に動かない」。政府高官はそう指摘する。1年半とは、長野市長の任期満了に伴う市長選のある平成25年2月までを指す。

 高官によると、長野市長は任期満了まで受け入れ反対を貫き、3選を目指す市長選でも公約に反対を掲げる見通しだという。政府内には、受け入れ賛成派が対抗馬として出馬するとの情報も伝わり、「長野氏は反対派としての勝算を確信しているのではないか」(別の高官)とみている。

第2の普天間問題

 地元の反対で膠着状態に陥る構図は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題と同じだ。振り返れば、米軍再編や普天間問題も選挙でこじれてきた。

 米軍再編の発端となった日米の防衛態勢や役割分担の見直しに関する協議開始に合意したのは、14年12月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)だった。米側は15年11月にたたき台となる再編案を提示したが、日本側は回答を留保。16年7月の参院選を前に政治問題化するのを嫌ったからだ。

 フラストレーションを募らせた米側は、再編案をマスコミにリークする「情報戦」に出た。ある政府関係者は「再編案に関連する自治体の反発を買い、日本政府とも抜き差しならない関係になった」と話す。

 政権交代後は、民主党政権が「県外・国外移設」に期待を抱かせた普天間問題で選挙は深刻な影響をもたらした。

 普天間飛行場の移設先となる同県名護市では、昨年1月の市長選で移設容認派の現職をおさえ、反対派の稲嶺進氏が勝利。同9月の名護市議選でも稲嶺市長派が圧勝した。

 昨年11月には沖縄県知事選で仲井真弘多知事が再選を果たしたが、「条件付き県内移設容認」から「県外移設要求」に転換した。名護市の「民意」に歩調を合わせざるを得なかったことが大きい。

選挙を経るごとに普天間問題は八方ふさがりに陥っているのだ。同じように地元の反対に加え、選挙を理由に膠着も余儀なくされそうなFCLP移転が「第2の普天間問題」となることは避けられそうにない。

 FCLP移転候補地の選定は、期限だった21年7月からすでに2年以上が過ぎた。空母艦載機の厚木から岩国への移転完了時期も3年後に迫っている。

 中国海軍の増強が加速する中、艦載機パイロットの訓練環境を整え、GWによる抑止力を維持しないかぎり、日本は「安住の地」とはならないし、日米同盟も再び揺らぎかねない。米政府が「選挙」を言い訳にした計画先送りを、何より忌み嫌っていることも肝に銘じておくべきだろう。(半沢尚久)

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