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2011年7月 2日 (土)

論説副委員長・高畑昭男 遅すぎた日米2プラス2

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110702/plc11070203400007-n1.htm
論説副委員長・高畑昭男 遅すぎた日米2プラス2
2011.7.2 03:40

 「中国は東シナ海、南シナ海で航行の自由との関係でいろいろな摩擦を生じている。地域諸国とともに、中国に責任ある建設的対応を求めていく必要がある」(松本剛明外相)

 「南シナ海の航行問題は地域の緊張をもたらしている。日米が地域諸国と協力してしっかりと対応していかねばならない。尖閣諸島には日米安保条約5条が適用されることを改めて確認する」(クリントン米国務長官)

 先月21日、ワシントンで開かれた外務・防衛閣僚級の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、アジア太平洋の安保環境をめぐる討議は、こんなやりとりで進んだことが明らかにされている。

 ◆巧みだった演出

 2プラス2は4年ぶりだが、鳩山由紀夫、菅直人両氏と続く民主党政権にとっては初体験だった。正式文書では中国の名指しを避けつつも、閣僚の生の発言を公表することで日米の真の意図を示す巧みな演出だったといえる。

 日米共通戦略目標を全面改定して対中シフトを鮮明に打ち出し、「航行の自由と海洋安全保障の維持」や「国際的行動規範の順守や軍事活動の透明性を中国に促す」などと明記したことも、当然の対応として評価していい。

 残念だったのは、その開催が繰り返し延期され、最良のタイミングといえなかったことだ。理由の一つはいうまでもなく東日本大震災だが、これはやむを得まい。

 問題は、それ以前に何度も先送りされてきたことである。その結果、中国や北朝鮮の脅威に備える日米同盟の抑止力の実効性にも深刻な影響を与えかねない状況を招いてしまった。民主党政権の重大な怠慢といわざるを得ない。

 ◆「政治主導」の失敗

 その第一は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設計画の遅れが決定的となり、ハードルをさらに高めてしまったことだ。

 2プラス2は本来、昨年5月の日米合意と同8月の事務協議を経て、「今年早々」(1月~2月)に開くはずだった。名護市辺野古に建設する代替施設の工法や形状を閣僚レベルの正式決定とし、日米首脳会談へつなぐためだ。

 ところが、合意を引き継いだ菅政権は地元を説得する腰も重く、いたずらに時を浪費した。早期開催を望む米側や事務方の苦労にもかかわらず、「政治主導」の決断を下せない。2月が3月に、3月が4月になり、5月になっても開けないていたらくだった。

 この間に米議会では、度重なる先送りにしびれを切らし、日米合意に逆行する代替案も浮上した。日米合意は普天間の危険性の解消だけでなく、在沖縄海兵隊のグアム移転や嘉手納以南の基地・施設返還と一体のパッケージである。遅れれば遅れるほど沖縄全体の基地負担の削減を阻害し、同盟の抑止力強化の妨げにもなることを忘れてはならない。

 第二に、対外的にも同盟の足並みがそろわず、日本に対する信頼低下を招いたことも問題だ。

 菅政権が2プラス2開催を渋っている間に、米中間では1月に胡錦濤・中国国家主席の訪米と米中首脳会談があり、5月には第3回米中戦略・経済対話があった。海洋権益拡大と覇権的行動を実力でエスカレートさせる中国に対し、米国単独で向き合わなければならない局面が急増した。

 しかもオバマ米政権は昨年末、「日米で対中シフト強化を」とアジア担当チームの刷新に着手し、人事を進めてきた。これに日本が積極的に呼応し、大震災前に共通戦略目標などを定めていれば、一連の米中協議に側面から「助っ人効果」を加えることもできたと思うと、悔やまれることが多い。

 日本の存在感が薄れ、米側では「日本は頼りにならぬ」と失望が高まる中で、米中間では「アジア太平洋高官協議」の枠組みが新設された。その初会合は先月末、ハワイで開かれた。

 アジア太平洋問題は日本の平和と安全にも直結する。米中対話が「日本抜き」で進む一方で、これにどう関わっていくのか。これも同盟国として重要な課題だ。

 ◆開いた口がふさがらぬ

 それなのに、北沢俊美防衛相は民主党政権で起きた迷走や遅延について「政権交代に基づく民主主義のコスト(代償)だ」と正当化した。その無責任さには開いた口がふさがらない。歴史家や第三者の論評ならまだしも、これだけの迷走と遅延と信頼喪失を招いた当事者の一人がひとごとのように語るべき言葉ではあるまい。

 前米国防長官のゲーツ氏は普天間問題で「今後1年に具体的進展を遂げることが重要だ」と期限を切って苦言を呈した。北沢氏も含めて、民主党政権は自らの「コスト」が同盟と日本の国益に与えた重大な損失を深く反省して出直す必要がある。(たかはた あきお)

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