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2011年6月21日 (火)

沖タイ社説:[復興基本法]地元主体の再生目指せ

http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-06-21_19449/

[復興基本法]地元主体の再生目指せ

2011年6月21日 09時07分   
(4時間6分前に更新)

 数日前、福島県相馬市の酪農家の男性が自殺したニュースが報じられた。男性は農場の壁に「残った酪農家は原発に負けないでがんばってください」と書き残した。

 原発事故で原乳が出荷停止となり、せっかく搾乳しても捨ててしまう毎日だったという。メッセージには「(借金を)保険で全て支払ってください。ごめんなさい」とも。

 被災地に響く断末魔だ。なぜ支援の手が届かなかったのか。せっかく生かされた命が失われるのは無念だ。

 きのう東日本大震災の復興に向けた基本理念や、政府の態勢整備を盛り込んだ復興基本法がようやく成立した。震災から3カ月もたっており、あまりにも遅すぎる。

 1995年の阪神大震災の復興基本法が発生後1カ月余りで成立したのに比べ、今回の遅れは人災にも匹敵する。政治の責任だ。

 福島第1原発の事故対応に追われた困難を差し引いても、国会の混乱は目に余る。同法は4月中の提出を予定したが、自民、公明両党の主張を取り入れる修正協議が続いた。この間、菅直人首相に対する不信任決議、民主・自民の大連立構想、首相退陣をめぐる与野党の駆け引きといった政争が繰り返された。

 いまも菅首相の退陣時期や次期政権をめぐり永田町は揺れ動いている。

 復興基本法は政府の態勢として首相を長とする「復興対策本部」を設置、復興対策担当相も置くことにしているが、身内からも辞任要求が高まる首相の下で果たして役割を十分発揮できるだろうか。

 基本法は基本理念を「21世紀半ばの日本のあるべき姿を目指す」とし、「安心・安全な地域づくり」「社会経済の再生」「地域社会の絆の維持・強化」などを掲げた。

 この理念を生かすには地元の意見、要望を復興対策に直結させる仕組みが求められる。施策の企画立案と総合調整、実施権限を持つ「復興庁」が、各省庁の縦割り行政に埋没しないよう強力な権限を持たせるべきだろう。

 当面は関係省の副大臣を長とする「現地対策本部」を被災地に置き、内閣府の復興対策本部と連絡する。

 この形は沖縄振興計画の実施態勢とダブって見えるが、沖縄県はこの形に不自由を訴えている。

 復興庁を担当大臣とともに現地に置き、予算編成、執行、人材採用など全てを任せる大胆な仕組みを検討してはどうだろうか。地方分権の推進と21世紀型という基本法の理念にも合致するはずだ。

 財源確保には「復興債」を発行し、所得税、消費税、法人税の「基幹税」を中心に増税で財源を賄う考えだ。国会での審議はまだ煮詰まっていないが、増税には慎重な審議が不可欠だ。

 基本法により政府の態勢がようやく整った。本格復興に向けて迅速に取り組んでもらいたい。被災地ばかりでなく国民は無意味な政治の混乱に辟易(へきえき)している。

 福島の酪農家のように死の淵(ふち)に追いやられている被災地の現状を直視すべきだ。それが政治の責任だ。

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