無料ブログはココログ

許すな!憲法改悪・市民連絡会

« 米上院軍事委員長らの声明要旨=普天間 | トップページ | 東電単独で供給可能 広野火力、7月全基再開へ »

2011年5月12日 (木)

朝日・東京社説:原発事故賠償―東電温存にこだわるな

http://www.asahi.com/paper/editorial20110511.html#Edit1
原発事故賠償―東電温存にこだわるな

 東京電力福島第一原発事故の賠償策をめぐり、政府内での検討が大詰めを迎えている。だが、伝えられる中身は腑(ふ)に落ちないことばかりだ。

 被害の全容がつかめないなかで、東電の負担に上限を設けるかどうかといった関係者の利害調整ばかりに焦点があたった。

 政府は東電に対して厳しいリストラ策を求めてはいるが、上場企業としてこれまでどおりの経営を続けることが大前提になっているかのようだ。

 繰り返すが、賠償策を考えるにあたり、政府が急ぐべきは、被害者に対する支払いが迅速かつ十分に行われるようにすることと、管内への電力供給が滞らないようにすることに尽きる。

 決して東電を「守る」ことではないし、今の事業形態が維持できなければ、賠償や電力供給が実現できないわけでもない。「東電にしっかり支払いを履行させる」という国の関与さえ明確にしておけば、工夫の余地はいくらでもある。

 そもそも東電問題は、わが国の電力・エネルギー政策と不可分な関係にある。もっと大きな構図の中に位置づけて論じられるべきだろう。

 地域独占に守られながら政治や行政と強く結びついてきた電力産業をこのままにしていいのか。今後も原子力発電を続けるのか。その場合、今までどおり各電力会社に運用を委ねるのか。それとも切り離すか。使用済み核燃料を再利用する核燃サイクル事業に投じてきた資金は使えないのか――。

 こうした論点を整理し、方向性を打ち出すことで、東電の具体的な負担能力が見えてくるはずだ。事業収益や資産売却で、どの程度の支払い余力が見込めるのか。具体的な根拠に基づいた判断が求められる。

 その過程では、当然ながら株主の責任も問われるだろう。金融機関についても、震災後の緊急対応融資を除く一般債権について、何らかの負担を求めていくことになる。

 それでも最終的に賄い切れなければ、電力料金の値上げなどを通じて国民負担となる場合もある。そのためにも、丁寧な手順が必要だ。

 菅直人首相は10日の記者会見で、エネルギー基本計画を白紙に戻し、自然エネルギーの開発に力を入れていく考えを表明した。今の10電力体制のあり方も議論の対象にすべきだ。

 電力改革は過去、何度か試みられては挫折してきた。今回のような未曽有の危機は、大胆な改革のメスを入れるチャンスでもある。
検索フォーム


http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011051202000044.html

【社説】
原発賠償案 これは東電救済策だ

2011年5月12日

 東京電力・福島第一原発事故の被災者に対する賠償案が固まりつつある。はっきり言って、これは国民負担による東電救済策だ。菅直人政権は霞が関と金融機関の利益を代弁するつもりなのか。

 賠償案は政府が設立する機構に交付国債を発行し、機構は必要に応じて東電に資本も注入する。賠償は東電が上限なく負担するが、資金が不足すれば交付国債を現金化して支払い、後で東電が長期で分割返済する。

 一見すると、東電が賠償責任を負っているように見える。ところが、東電の純資産は約二・五兆円にとどまり、リストラに保険金を加えても、十兆円ともいわれる賠償費用を賄い切れない。

 実際、勝俣恒久会長は会見で「東電が全額補償するとなったら、まったく足りない」と認めている。つまり、東電はすでに破綻状態なのだ。“実質破綻”している東電を存続させた場合、賠償負担は結局、電力料金の値上げによって国民に転嫁されてしまう。

 東電だけではない。機構に負担金を払う他の電力会社も同じだ。事故に関係ない地域の利用者も料金値上げで負担する結果になる。被災者にすれば、賠償金を自分が負担するような話であり、とうてい納得できないだろう。

 一方で、被災者には十分な補償が必要だ。したがって政府の支援は避けられないだろうが、その前にまず東電と株主、社員、取引金融機関ら利害関係者が最大限の負担をする。それが株式会社と資本市場の原理原則である。

 ところが今回の枠組みでは、リストラが不十分なうえ、株式の100%減資や社債、借入金債務のカットも盛り込まれていない。

 東電をつぶせば電力供給が止まるわけでもない。燃料代など事業継続に必要な運転資金を政府が保証しつつ、一時国有化する。政府の監督下でリストラを進め賠償資金を確保しつつ、発電と送電を分離する。発電分野は新規事業者に門戸を開く一方、旧東電の発電事業は民間に売却する。

 銀行再建でも使われた一時国有化の手法は、東電再建でも十分に参考になるはずだ。

 菅首相は原発事故を受けてエネルギー基本計画を白紙に戻し、太陽光など再生可能エネルギーの活用を推進すると表明した。そのためにも新規参入による技術革新を促す枠組みが不可欠である。賠償案は東電と癒着した霞が関と金融機関の利益を優先してつくられた産物だ。根本から再考を求める。

« 米上院軍事委員長らの声明要旨=普天間 | トップページ | 東電単独で供給可能 広野火力、7月全基再開へ »

東日本大震災」カテゴリの記事