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2011年5月 2日 (月)

東京【社説】日米を真のトモダチに 大震災と米軍支援

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011050202000037.html
【社説】日米を真のトモダチに 大震災と米軍支援

2011年5月2日

 東日本大震災で米軍は「トモダチ作戦」を展開し、最大規模で日本を支援した。感謝だけで終わらせず、支援の背景を考えて真の日米関係を築きたい。

 米軍は米韓合同演習に向かう途中の空母「ロナルド・レーガン」を東北沖に差し向け、原子力災害に対処する「虎の子」(北沢俊美防衛相)の専門部隊まで日本に送り込んだ。支援の狙いを分析すると、三つに分類できる。
◆有事司令部を災害に転用

 一つは、自衛隊との連携を通じて、良好な日米関係を内外にアピールすることである。横田基地の在日米軍司令部に新設された「トモダチ作戦」司令部の「統合支援部隊」は、ハワイの太平洋軍司令部にある常設司令部「統合任務部隊五一九」を移してつくられた。

 次には一九九七年の日米ガイドラインで合意した「日米共同調整所」を防衛省、横田基地、陸上自衛隊仙台駐屯地の三カ所に立ち上げた。

 いずれも日本有事や周辺有事に活用する予定の米軍や日米の組織だが、災害に転用したのである。これにより、緊急事態に自衛隊と米軍が密接に連携できることを日米双方が確認し、そのことを中国や北朝鮮にも示したといえる。

 二つ目の狙いは、オバマ米大統領が掲げた新規の原発建設を推進するクリーンエネルギー政策に影響を与えないこととみられる。米国製の原子炉を導入して稼働した福島第一原発での事故が拡大し、在日米人や米本土に放射能被害が及ぶ事態になれば、政策転換を迫られかねない。

 日本政府から十分な情報が得られないと分かると、米政府は希望を募って在日米軍の家族七千五百人を帰還させ、福島第一原発の周囲八十キロを避難地域に指定した。これを受けて「トモダチ作戦」は八十キロ圏外で行われている。フクシマを米国に波及させないことに関して、米政府は徹底している。

 三つ目は、日本を経済大国の地位から転落させない狙いと推測できる。下請けの部品工場が集まる東北地方の被災は、自動車メーカーなど製造業に大きなダメージを与えた。復興に巨額な費用が必要な中で長期的に輸出が滞れば、国力は衰退しかねない。

 世界の勢力地図が書き換えられる場面では、自衛隊による対米支援を織り込んだ米国のアジア太平洋戦略も見直しを迫られる。中国との戦略・経済対話を進めつつ、日本、フィリピン、シンガポール、タイ、豪州といった米国の友好国による、いわゆる中国包囲網の手を緩めないのが硬軟巧みに使い分ける米国の戦略である。そこから日本が脱落する事態は想定外といえる。

 復興資金の必要性から防衛費が大幅に抑制されれば、自衛隊による中国海軍の常時監視が期待できなくなり、自衛隊という緩衝材を抜きに米軍が直接、中国軍と向き合わざるを得なくなる。日本の早期復興は、米国の安全保障にとって極めて重要な意味を持つ。

 軍隊は外交の道具として使われる。そして外交は、純粋な善意だけで成り立つはずもない。みてきたように「トモダチ作戦」は、米国の利益に直結している。
◆高どまりの思いやり予算

 米政府は「トモダチ作戦」に用意した予算は、最大で八千万ドル(約六十五億円)と日本側に伝えた。一方、日本では在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)に関する新たな特別協定が四月一日に発効した。こちらは毎年度一千八百八十一億円ずつで、五年間にわたり日本側が負担する。総額は一兆円近くにもなる。

 これまでの特別協定は、在日米軍基地で働く日本人従業員の労務費と米軍施設の光熱水料の二本立てだったが、新協定は米国の求めに応じ、提供施設整備費まで含めた。提供施設整備費は在日米軍による要求に対し、防衛省が必要性や日本の財政事情を勘案して金額を決める柔軟性があった。

 九三年度の一千五十二億円をピークに年々減り続け、二〇一〇年度は二百六億円と五分の一にまで圧縮された。これにより、思いやり予算全体も九九年度を頂点に減少してきたが、施設整備費を特別協定に取り込んだことにより、思いやり予算は固定され、高どまりする。自民党政権でさえ避けてきた負担増を民主党政権はやすやすとのみ込んだ。国会では社民党と共産党が「思いやり予算は震災復興に回すべきだ」と主張したが、採用されなかった。
◆日米協議で負担減らせ

 危機にひんしたトモダチ=日本は、米軍による安全・安心と引き換えに、新特別協定による財政負担や相変わらずの基地負担を背負う。負担は少しでも減らすよう努めるのが真の友情であろう。いまこそ在日米軍のあり方について日米で議論を深めるべきである。

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