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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2011年2月 2日 (水)

記者の目:防衛大綱の「南西シフト」=樋岡徹也(東京社会部)

http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20110202ddm004070163000c.html
記者の目:防衛大綱の「南西シフト」=樋岡徹也(東京社会部)

 ◇情報開示し、住民の理解求めよ

 九州・沖縄の防衛を担う陸上自衛隊西部方面隊と米陸軍による島しょ防衛などを想定した日米共同方面隊指揮所演習が1月下旬から、熊本市の陸自駐屯地で行われている。昨年12月、民主党政権が初めて改定した新しい「防衛計画の大綱」(防衛大綱)では、中国の動向をにらんで「南西シフト」の方針が示された。だが、私は昨年、南西諸島を取材し、「情報過疎」に悩む声を聞いた。必要性を認識しているならば、政府は、できる限りの情報開示によって住民の理解を求めるべきだ。

 新大綱では、冷戦期の実態を踏まえて全国に均衡配備してきた「基盤的防衛力構想」から、「動的防衛力」への転換が示され、防衛省は11年度予算で、宮古島や日本最西端の与那国島を含む先島諸島への陸自部隊配備の調査費3000万円を計上した。

 現在、陸自部隊は沖縄本島までしか配備されておらず、空自のレーダーサイトがある宮古島より西は「防衛上の一種の空白地域」(10年版防衛白書)。与那国島では、地元町長らの誘致を受け、約100人規模の沿岸監視部隊を新設する方針が固まったが、石垣、宮古島は「初動を担当する普通科部隊の配備を検討している」(防衛省幹部)段階で、具体像は明らかでない。

 ◇報道で計画知り不満や懸念も

 この地域では昨年4月、沖縄本島と宮古島間を中国潜水艦が通過し、9月には尖閣諸島沖で漁船衝突事件が発生。私が11月訪れた宮古島市の下地敏彦市長は「尖閣沖ではうちの船も操業している」と危機感をにじませた。そして、先島諸島への陸自配備が検討されていることに関し「報道で知ってはいるが、国から公式に『配備どうですか』と聞かれたことは一度もない。ありそうなものだと思っていたが」と不満を漏らした。

 島内を歩くと、配備計画について関心を抱く住民は少なくなかった。「どんな部隊が何人来るのか」「防衛上どんな役割を担うのか」。情報がほとんどないこともあり、逆に質問攻めに遭った。過疎と高齢化の波にもまれる島にとって自衛隊配備は、雇用創出などによる島の活性化につながるとの期待も背景にあるようだ。一方、「近隣国を刺激し、かえって狙われるのでは」と懸念を示す声も聞かれた。

 自衛隊配備は周辺環境を一変させる可能性もあるデリケートな問題で、住民の理解が欠かせない。過去にも、基地や施設整備が反対運動で頓挫したケースは少なくない。

 沖縄本島に建設を予定した海自の対潜水艦作戦センター用送信所は、国が20年以上かけて予定地取得を進めたが、残る地権者の理解を得られず08年に計画を中止。宮古諸島の下地島空港も05年、地元議会が自衛隊誘致を求める決議を可決したが、住民の猛反発で撤回した経緯がある。

 沖縄戦の悲惨な体験から、「自衛隊アレルギー」は根強い。それでも、急患輸送など地道な活動や市民イベントへの参加を通じ、薄まりつつあると防衛省側はみている。実際、宮城篤実・嘉手納町長は昨年10月、取材に「住民が理解してくれるなら、自衛隊が米軍にとって代わってほしい」と語った。

 南西シフトは少しずつ進められている。沖縄本島では陸自の部隊が300人増員され約2100人体制に。空自も那覇基地のF15戦闘機を5年間で約10機増やす計画だ
。今後は、シフトをどう深化させるのか。沖縄勤務経験のある同省幹部は「構想段階ではなかなか説明しにくい」と話す。防衛機密として明かせない情報は当然ある。だが、それを盾に必要な説明すら省いてきたことはないだろうか。今一度、住民への説明の在り方について考えるべきだ。

 ◇空・海重視でも縦割り意識なお

 南西シフトを巡り、陸海空自の役割分担や人員バランスについて、防衛省・自衛隊内の意見が集約されていないのも気掛かりだ。

 新防衛大綱が示した「動的防衛力」は、大規模な着上陸侵攻を受ける恐れが減る中、機動性や即応性を重視したものだ。省内でも「東シナ海を挟んだ対中国戦略では、制空・制海権の確保が先決」と南西防衛の主力を空海自に担わせるべきだとの意見が強い。

 厳しい財政事情の中、防衛費は縮減傾向にある。新大綱では、動的防衛力を機能させるため、陸海空自を一体的に運用する統合運用体制の強化を挙げた。人的資源や装備を効果的に使う狙いだが、組織防衛に走る各自衛隊の縦割り意識は依然、根強いという。同省は大綱を受けて構造改革推進委員会を設置したが、陸海空自で固定化していた予算配分の見直しも必要だ。大綱を「机上の空論」にしては意味が無い。内部の意見集約なしに住民の理解を得られるはずはない。今後の国の防衛の在り方を大綱で示した次は、実効性が問題だ。

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