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2010年12月25日 (土)

【土・日曜日に書く】特別記者・千野境子 防衛協力が浮き彫りにする

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101225/plc1012250348002-n1.htm
【土・日曜日に書く】特別記者・千野境子 防衛協力が浮き彫りにする
2010.12.25 03:47
◆ハードルを越える日韓

 「オブザーバーという行動自体に何か決定的な意味があるわけではないが、これまで高かった歴史的心理的ハードルを(日韓は)意外にスッと越えてしまった。そのことがむしろ画期的ですね」

 今年、日米演習に韓国軍が、米韓演習には自衛隊がそれぞれ初めてオブザーバー参加したことを、ある防衛関係者は現役時代を振り返りながらそう意義づけた。

 従来であれば、韓国では歴史認識や日本の軍事大国化への警戒論が、日本でも(戦争への)巻き込まれ論が懸念されるか噴出した。とりわけ今年は日韓併合100年という機微に触れる年でもあっただけに、なおさらである。

 ところが世論をはじめ両国の反応は至って平静だった。現実は日韓併合100年での観念的な首相談話などよりも、ずっと先を行っていたといえるかもしれない。

 そしていまや米韓演習に部隊参加を求める声さえ出ている。日韓の防衛交流はすでにさまざまな形で行われ、その糸は実はかなり太くなっているが、それでも交流はあくまで交流だった。

 先頃、東京で開かれた公開シンポジウム「新時代の日韓戦略協力」(世界平和研究所、韓国ソウルフォーラム共催)でも、民主、自民両党議員を交えての議論は率直で、この分野ではもう普通の国同士なのだと感じ入った。

 ◆安保環境の大きな変貌

 それもこれも背景にあるのが、東アジアの安保環境の大きな変化であるのはいうまでもない。南シナ海をチベット、台湾と同じ核心的利益と宣言した中国は、東シナ海でも海洋軍事活動を活発化させ漁船衝突事件も起こした。北方限界線に近い延坪(ヨンピョン)島では北朝鮮からの砲撃が行われた。それを挑発的行動とたしなめるどころか、擁護にさえ回った中国。それに歩調をあわせるロシア…。

 経済発展の神話で覆い隠されていた東アジア地域の危うさが、浮き彫りにされたのである。

 連携が進んだのは日韓だけではない。日豪や日印も同様だ。とくに日豪は5月に、米国以外では初となる物品役務相互提供協定(ACSA)に署名し、国会承認を残すのみとなっている。

 この結果、日豪は物品の調達・融通が容易になり、国連平和維持活動(PKO)での連携が円滑になるなどメリットは小さくない。日豪はすでに自民党政権時代にやはり米国以外で初めて安保共同宣言を行い、外務・防衛閣僚会議(2+2)も始めている。

 日米同盟を基軸に、それを補強する形のこうした対米同盟国を中心とする多国間・2国間の安保協力は、21世紀の東アジアの秩序形成に、アクターとしての役割をますます増していくのではないだろうか。日韓米豪4カ国が安保協議を定例化させる新たな動きも、そうした一例だろう。

 先のシンポジウムでも、この4カ国が情報分野で協力し、ジョイント・スマート・パワー委員会を作る構想や、シーレーン(海上交通路)防衛に共同で取り組むべきだとの積極的な意見も出た。

 民主主義をはじめ価値観を同じくする国々はリスクを共有し、「国内」を乗り越えていくべきだというのである。

 元防衛当局者は「協働」という新たな概念を提案する。

 「まだこなれた言葉とは言えないが、交流をワンステージ上げることがこれからは必要。共通の目標に向かって共に汗を流す『協働』作業が大事ではないか」

 ◆中国とどう向き合うか

 もっとも日韓米そして豪が協働し緊密化が進めば進むほど、中国にはうれしくない事態だろう。ただし中国の言葉をそっくり返せば、「そういう現実に慣れてほしい」ということになる。

 もとより中国と対決するために緊密化するわけではない。軍事大国として力の誇示に舵(かじ)を切ったかに見える最近の中国の行動が、新しい防衛計画の大綱も指摘したように、「地域・国際社会の懸念事項」だからである。

 その意味で大綱が自衛隊配備の空白地域になっていた島嶼(とうしょ)部の防衛強化の方針を明確にし、平成23年度からの中期防衛力整備計画で南西諸島地域に陸上自衛隊を配備するとの文言を入れたのは、ようやくとはいえ、日本の責務として妥当なことだろう。

 その候補地となっている日本最西端の沖縄・与那国島を昨秋訪れ取材した際、防衛関係者の一人は次のように語っていた。

 「東シナ海をめぐり中国の大きなうねりを感じます。ふと気がつけば国益を損なっている可能性はあるかもしれません」

 それからわずか1年余り。一連の出来事は、うねりがさらに大きくなって、波頭が砕け散っているように思われる。(ちの けいこ)

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