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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2010年12月 2日 (木)

これが言いたい:尖閣諸島「領土問題は存在しない」から脱却を

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101202mog00m010001000c.html
これが言いたい:尖閣諸島「領土問題は存在しない」から脱却を
 ◇国際司法裁で決着図れ--東京外国語大教授・山田文比古

 尖閣諸島問題と日中関係への日本政府の対応について、多くの国民は懸念と不満を抱いている。「弱腰外交」との批判も根強い。

 一方、日本にレアアース禁輸という禁じ手まで発動した中国の強硬姿勢は、欧米諸国の中国への疑念をかき立てた。南シナ海で中国との領土紛争の火種を抱える東南アジア諸国も懸念を強めた。中国政府が時とともに態度軟化を見せ始めた背景には、こうした各国政府やメディアの相次ぐ懸念表明がある。

 中国脅威論は、これまでも根強く存在してきた。それを抑えてきたのは、むしろ中国の発展を助けながら責任ある国際社会の一員として溶け込ませることが、中国と国際社会双方の利益になるという考え方だ。中国も「韜光養晦(とうこうようかい)」と「和平発展」政策でそれに応じてきた。

 中国が今後も国際社会のルールを守りながら協調路線を歩み続けるのか、それとも、大国化とともに独自の主張を強めだすのか、今回の中国の対応は、それを見極める試金石として注目された。

 横浜で実現した日中首脳会談では、双方が「戦略的互恵関係」の発展で合意し、中国政府側にも一定の自制が働いていることがうかがわれた。ただ、今後懸念されるのは、国家理性が国民感情に押し流され、穏健な国際協調路線の継続が困難なほど、中国ナショナリズムが高揚することだ。

 従って、中国とは理性的な対話を根気よく続けることが極めて重要だ。しかし、現状ではなかなか双方が冷静な対話のテーブルにつけるような雰囲気ではない。

 それを打開する方法はないか。ひとつだけある。それはこれまで封印されてきた、国際司法裁判所への付託による司法的解決に委ねるという方法だ。国際法というルールにのっとり正々堂々と議論して決着をつけようということだ。

 国際法的には日本の主張が正しい。日本政府も多くの国際法学者もそう考えている。国際司法裁も同様の判断を示すであろう。もし、その判決を認めないとの態度を中国がとれば、それは中国が国際社会のルールに従わないと公言するに等しい。さすがの中国もそこまではできまい。

 それを恐れる中国が国際司法裁への付託自体を拒否すれば、自ら国際法上正当性がないことを認めたと解釈される。いずれにしても日本の主張の正しさが、中国国民と国際社会の前で明らかになる。

      *

 しかし日本政府は、国際司法裁への付託はしないとの方針を堅持している。なぜなら日本は、尖閣諸島に関し領土問題は存在しないとの立場だからだ。問題として存在しないものを裁判に訴えるというのは筋が通らない。またそれで通してきた日本政府としてのメンツもある。

 とはいうものの、現実には既に問題化してしまっている。中国側の既成事実化に対し、日本は有効な対抗手段をとりえないからだ。

 その結果、中国の声高な主張のみが響き、日本の説得力ある主張がかき消されるという理不尽なことが起きている。今こそ日本は、形式的な筋論やメンツへのこだわりを捨て、問題の存在を認めるとの政治判断で自らの封印を解き、国際司法裁に付託することを真剣に検討すべきだ。

 そのことは、竹島問題で、日本の国際司法裁付託提案に頑として応じない韓国への交渉のてこともなり得る。

 国際法というソフトパワーによる解決こそ、平和国家日本の取るべき選択である。
 ◇略歴

 やまだ・ふみひこ 外務省西欧1課長、駐仏公使などを経て2008年より現職。現代外交論。

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