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2010年9月26日 (日)

[尖閣・船長釈放]危うさを露呈した外交

http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-09-25_10513/

[尖閣・船長釈放]危うさを露呈した外交
政治

2010年9月25日 09時22分                   
(24時間50分前に更新)

 尖閣諸島沖の日本領海内で中国漁船と石垣海上保安部の巡視船が衝突した事件で、同保安部が公務執行妨害の疑いで逮捕した中国人船長について那覇地検は処分保留のまま釈放した。中国のチャーター機で帰国の途に就いた。

 日ごとに両国の関係が泥沼化するのは双方に不利益をもたらす。日中両国にとって早期決着が求められる事案だったわけだが、解決の在り方には疑問が残る。

 那覇地検は「国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、これ以上身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当でない」と日中関係に言及した。捜査機関が外交問題を理由に挙げるのは異例である。高度な政治的判断があったことをうかがわせる。

 拘置期限前の決定だが、那覇地検は福岡高検、最高検と協議。巡視船の損傷は航行に影響がない、乗組員が負傷していない、衝突はとっさに取った行動で計画性は認められない―ことなどを挙げた。

 中国の姿勢はエスカレートするばかりだった。日中の政治・経済交流が途切れ、文化イベントへの参加も次々中止となった。影響は沖縄にも及んだ。日本人4人が中国の軍事管理区域に侵入したとして拘束されたことも重なった。

 衝突から逮捕まで半日以上かかった。その間、政府は対応を協議した。逮捕後の展開をどのように想定していたのだろうか。

 仙谷由人官房長官は釈放決定を検察の判断としているが、検察が外交問題に口を挟むのは常識では考えられない。民主党外交の危うさを露呈してしまった。

 尖閣諸島は歴史的にみても、日本固有の領土である。

 1885年以降再三、現地調査を行い、無人島で清国の支配が及んでいないことを確認した上で、95年1月に閣議決定し、正式に日本領土に編入したというのが政府の見解である。

 中国も台湾当局も1970年代に、東シナ海大陸棚の石油開発の動きが表面化してから領有権を問題にするようになった。

 前原誠司外相は「東シナ海に領土問題はない」と明言しているが、この姿勢が逆に、対応を硬直化させている面はないのかどうか。

 船長の釈放で問題がなくなったわけではない。これまでの経緯をみても、同じような事件が起きる可能性は高い。中国との話し合いが必要だ。

 今回の決着は、国際社会に日本外交は中国の圧力に屈したと映ったのは間違いない。

 日本と中国は「戦略的互恵関係」と前向きに規定しているが、脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになった。

 同海域では沖縄の漁船も多数操業している。中国は漁民に不安を与える行為はやめるべきである。

 中国の海軍力増強を背景に、軌を一にするように出てきた自衛隊の増強計画や在沖米軍の強化に結び付ける口実にされることを懸念する。

 日本は尖閣諸島に対する基本見解を踏まえながら、中国とどう向き合うのか、いつまでも先延ばしできない外交課題を顕在化させたといえる。

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