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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2010年8月28日 (土)

政府「安保防衛懇」が報告書/集団的自衛権行使促す 武器輸出三原則見直し

市民憲法講座で、本日は私の講演がある。
そこで、朝から安保防衛懇報告全文に目を通した。これは従来の日本政府が解釈改憲を正当化するものとはいえ、枠をはめられて採ってきた防衛路線の基本的転換の提言である。こんな提言を菅内閣は「防衛大綱策定の参考にさせて頂く」と受け取った。どうするのか。本来なら放り投げるしかあるまい。
せめて朝日の社説が言うように「時間をかけてもいい、進め方から見直すべきだ」というのが正論ではないか。東京は「平和創造にも節度を」と述べた。これでは甘い。私は「平和創造は日本国憲法に従ってやるべきだ」と言いたい。民主党代表選挙の対抗馬である小沢前幹事長はどう扱うのか。
私は今月号の「私と憲法」(サイトのNPJニュース参照)に「 現状では新自由主義に反対するリベラル派は小沢と連携して菅代表に対抗する以外にない。 民主党内でもっとも自民党的な小沢一郎が 『国民生活が第一』 を掲げる民主党衆院選マニフェストを堅持して小泉・竹中構造改革に反対する旗頭になっているという皮肉なねじれ現象は、 今後も長期にわたって民主党の危うさを生み出さざるをえない。政治の激動は長期にわたってつづくだろう。」と書いた。これは民生問題でも、安保問題でも同様である。(高田)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-08-28/2010082801_01_1.html
政府「安保防衛懇」が報告書/集団的自衛権行使促す 武器輸出三原則見直し

 政府の「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・佐藤茂雄京阪電鉄最高経営責任者)が27日、首相官邸で会合を開き、今後の日本の軍事力の指針となる新「防衛計画の大綱」の年内策定に向けた報告書をまとめ、菅直人首相に提出しました。報告書は、日米軍事同盟と核抑止力へのさらなる依存、自衛隊の海外派兵拡大と質的転換のため、憲法上の“歯止め”を全面的に取り払う方向性を示しています。
憲法上の制約撤廃要求

 憲法が禁じる集団的自衛権の行使を求め、武器輸出三原則、PKO(国連平和維持活動)参加五原則の武器使用基準の見直しを主張。戦後大原則となってきた「専守防衛」を含め、「こうした政策は、日本自身の選択によって変えることができる」と転換を促しています。

 また、軍事力の量的な強化に主眼を置いた「基盤的防衛力」構想から脱却し、質的な強化に主眼を置いた「動的抑止力」への転換を強調しています。

 集団的自衛権の行使に関して、「日本には現在、米艦艇の防護や米国に向かう弾道ミサイルの撃墜を、実施するかどうか考える選択肢さえない」として憲法解釈の見直しを求めています。

 また、非核三原則について報告書は、当面改めなければならない情勢にないとしながら、「一方的に米国の手を縛ることだけを事前に原則として決めておくことは必ずしも賢明ではない」としています。

 海外への武器輸出を禁じた武器輸出三原則については、米国以外の国とも共同開発・生産が可能となるよう見直しを要望。自衛隊の配備等については離島・島嶼(とうしょ)防衛を重要視し、これらが「米軍との共同作戦基盤を確保する上でも戦略的に重要」だとしています。

 新「防衛計画の大綱」は当初、昨年末策定の予定で麻生自公政権下でも昨年8月に有識者懇談会が報告書を提出しましたが、その後の総選挙で政権交代し、民主党政権下で「新しい政府として十分な検討を行う必要がある」として新たに懇談会をつくり議論してきました。

 「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」 年内策定を予定する新「防衛計画の大綱」に向けた報告書を提出するため、外務省・防衛省の元高官や研究者などで構成された首相の私的諮問機関。これまで大綱改定のたびに同様の懇談会を開催し、報告書を提出してきました。自公から民主党への政権交代に伴い、今年2月に新たなメンバーで懇談会を設置し、議論してきました。

http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2

新安保懇報告―「力には力を」でいいのか

 大きな方向転換がもくろまれている。懸念をもたざるをえない。

 民間有識者でつくる「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」が報告書をまとめ、菅直人首相に提出した。日本の安全保障の指針「防衛計画の大綱」の見直しに向けたものだ。

 「平和創造国家」を目標にすえるのはいい。しかし、脅威には軍事力で対抗するという「力の論理」があちこちに顔をのぞかせている点が危うい。

 たとえば、専守防衛の理念を長く支えてきた基盤的防衛力構想を、「もはや有効でない」とはっきり否定した。

 集団的自衛権の行使を禁じる憲法解釈の見直しや、武器輸出三原則の緩和なども求めている。

 また戦後、「国是」とされてきた非核三原則のうち、米国の核持ち込みの禁止について「必ずしも賢明ではない」と疑問を投げかけている。

 とりわけ見過ごせないのは、防衛力のあり方をめぐる方針転換である。

 防衛大綱は1976年に初めて策定されて以来、「脅威に直接対抗せず、自らが不安定要因にならないよう必要最小限度の防衛力を保有する」という抑制的な考え方を継承してきた。

 ところが報告書は一転して、脅威対抗型にかじを切るべきだとしている。

 なにが変わったのか。

 報告書は米国の軍事力の優越性にかげりが生じていることや中国の軍事力の近代化、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発などをあげる。地域の不確実性が増す可能性には確かに注意が必要だ。

 しかし同時に、近隣諸国との相互依存はますます深まり、日米安保体制はより強化されてきた現実もある。日本周辺に、あたかも本格的な軍事侵攻を仕掛ける勢力がいるかのような指摘はバランスを欠いていないか。

 相手の脅威に応じた防衛力整備は、防衛費の増大ばかりか軍備競争や摩擦の拡大にもつながる。

 戦後一貫して、他国の脅威とならないとし、専守防衛を掲げてきたわが国の理念からも逸脱しかねない。

 それがアジア諸国の目にどう映るのか、いま一度考えてみる必要がある。

 安全保障問題は民主党政権の苦手分野といっていい。野党時代から、このテーマにきちんと向き合ってこなかった。沖縄の普天間移設問題の迷走一つを見ても、それは明らかだ。

 政治主導を掲げながら、大綱見直し作業を外部の有識者に丸投げしていたことも、その証左だろう。懇談会は、人選の理由や議論の中身についてさえほとんど明らかにしなかった。

 その報告書をもとに、政府は年末に向け新たな防衛大綱をつくる作業にはいる。適切な政治のグリップなしに大きな政策転換に突き進んでいいのか。

 時間をかけてもいい。作業の進め方そのものから見直すべきである。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2010082802000071.html
【社説】
安保防衛懇報告 『平和創造』にも節度を

2010年8月28日

 政府の有識者懇談会が報告書で「平和創造国家」を提唱した。国際平和に積極的に貢献する姿勢は日本国憲法の趣旨にも合致し、異論はないが、自衛隊の海外派遣を伴う平和創造には節度も必要だ。

 報告書は、安全保障政策の基本方針を示すもので、これをたたき台に「防衛計画の大綱(防衛大綱)」と「中期防衛力整備計画(中期防)」が年末に改定される。

 特徴は、世界の平和と安全により積極的役割を果たす「平和創造国家」への転換を促したことだ。この概念は、民主党憲法調査会が以前、提言したものでもある。

 日本が自国の平和のみならず、世界平和に積極的に貢献すべきであることは論をまたない。

 冷戦終結後、自衛隊は国連平和維持活動(PKO)や災害救援、人道復興支援のために海外派遣され、実績を上げてきた。今後も活動が期待される場面も多かろう。

 ただ、むやみやたらと派遣すればいいというものでもない。本当に自衛隊でないとできないのか、現地の人たちに歓迎されるのか、精査しなければならない。

 報告書は、紛争当事者間の停戦合意や受け入れ同意、中立性維持、必要最小限の武器使用などのPKO参加五原則が、ソマリアなど破綻(はたん)国家の現出など時代の変化に適応していないとして、見直すよう提言している。

 また、PKOに参加する他国要員の警護や他国部隊の後方支援もできるようにすべきだとして、これらを禁ずる憲法解釈を見直す必要性にも言及している。

 平和創造国家として貢献する際の障害は極力排除すべきだが、最も大事なことは、交戦に巻き込まれてはならないということだ。

 これは憲法の根幹であり、五原則や憲法解釈の見直しには慎重を期すべきである。積極的な貢献といっても、やはり節度は要る。

 報告書はさらに、非核三原則の一部緩和や、集団的自衛権の行使を禁じる憲法解釈の変更、海外への武器輸出を禁じた武器輸出三原則の見直しなども求めている。これらはいずれも安全保障政策の抜本的転換を迫るものだ。

 実際の政策にどこまで反映されるかは不透明だが、仮に、平和国家としての「国是」を次々と変えるなら、日本の戦後の歩みを評価する国際社会の失望を招く。

 国際情勢に応じて安全保障政策を不断に見直すべきではあるが、それが地域の不安定要因になるようなら、本末転倒である。

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