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2010年7月 1日 (木)

沖縄に映るニッポン 基地は地元潤さぬ

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010070102000060.html
沖縄に映るニッポン 基地は地元潤さぬ

2010年7月1日 朝刊

知念栄治・沖縄県経済団体会議議長と、国の振興事業で建てられた名護市の公民館(コラージュ)

 那覇市のホテルに集まった沖縄県の経済界の重鎮十数人は、頭を抱えていた。視線の先には「怒」のプラカードを掲げた県民を映す全国ニュース。「今、首相に切り出したら、アメを求めているように誤解される」-。

 五月二十三日。米軍普天間飛行場を名護市辺野古に移設する「結論」を携え、来県した首相(当時)の鳩山由紀夫は針のむしろに座らされた。この日、県内十二の経済団体でつくる「県経済団体会議」(議長・知念栄治)は振興策を首相に要望する予定だったが、対面した知念は話を封印せざるを得なかった。

 「頼みたかったのは、観光など基地に依存しない振興策」。当時を振り返り、知念は明かす。懸念したのは、移設受け入れの見返りに政府と経済取引するように映るイメージ。そして何より、基地に伴う振興事業の「アメ」と、沖縄経済がワンセットで語られるリスクだ。「基地はもはや経済発展を阻害するものでしかない」と知念。そのことを政府も国民も取り違えてはいないか。疑念が消えない。

   □  □

 県民総所得に占める基地関連収入の割合は一九五〇年代、50%を超えていた。今は5%台。この春、県が初めて策定した将来設計「21世紀ビジョン」には「基地は経済非効率」と明快に書き込まれた。「『沖縄をこうしたい』と県が国に示す時がきた」。策定に携わった沖縄国際大学長の富川盛武は言い切る。

 基地依存経済からの脱却が叫ばれる背後には、長年、アメにすがりつくあまり、振興とは裏腹に地域が疲弊した現実がある。

 自民党政権下、普天間移設の候補地に浮上した名護市には、九七年度以降の十二年間で国から四百六十億円分の振興事業が降り注がれた。「道路や施設がみるみる新しくなった」。“基地マネー”効果に住民は目を見張った。だが、ほぼ同じ期間に名護市を含む県北部の建設会社三十社が倒産した。

 「恩恵を受けたのは本土のゼネコンと一部の県内企業」と地元の土木会社社長(59)。特殊な設計の施設工事も多く、地元業者が入る余地は少なかった。

 名護市の湾岸沿いを走る国道脇で、ひときわ目立つ赤瓦の屋根と朱塗りの柱。三億円の国の交付金で五年前に完成した豪華な建物は公民館だ。「雨風をしのげばいいだけの施設に大金を投じて。ばかばかしい話」。二〇〇八年に倒産した地元建設会社の元社長は「振興事業に果実なし」と、ため息をつく。地元にカネは落ちず、市中心部は空き店舗だらけに成り果てた。

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 脱・基地経済の先駆けの場所が本島中部の北谷(ちゃたん)町にある。国道とビーチに挟まれた四十二ヘクタールの地域は、元は米軍飛行場。ショッピングセンターや飲食店を誘致し、人出が絶えない。〇三年度で税収は二十年前の返還時の八十九倍に拡大した。

 「やせ我慢でも『もう基地はいい』と声を上げないと」。疲弊する名護市に再び普天間移設の照準が定まったが、街づくりのNPO法人を運営する末吉司(42)はくぎを刺す。市内の商店街で空き店舗の再生に挑み始めたばかり。観光客に情報を発信し、にぎわい創出に思いをはせる。自立へのわずかな一歩。そこに沖縄が背負わされている基地の重しはない。 (敬称略)

<名護市に対する国の振興策> 普天間飛行場の辺野古移設を事実上盛り込んだ日米沖縄特別行動委員会(SACO)合意(1996年)に基づく補助金、市の移設受け入れ表明(99年)を受けた北部振興策、米軍再編への協力に応じて配分される再編交付金など、7つの制度が適用された。投入された国費は97~09年度で総額460億円に上る。

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