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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2010年6月 3日 (木)

検索:菅直人の改憲論

インターネットで少し覗いたもの。

  • 憲法改正論議に対しては、代表時代に「日本の国のあるべき姿を示す新たな憲法を作る」とした「創憲」を唱えており、「憲法発布から60年目に当たる2006年までに国民的運動を集約する形で民主党として新たな憲法のあり方を国民に示せるようにしたい」と主張していた[15]

http://www.n-kan.jp/2009/08/post-1933.php
憲法学と統治機構
2009年8月14日 10:49

http://www.kenpou.com/sympo1-1.htm
 菅直人 コメント  シンポジウム「市民が憲法をつくる」(第1回)
http://www.kenpou.com/sympo1-1.htm
 菅直人 コメント  シンポジウム「市民が憲法をつくる」(第1回)

菅直人(民主党代表)
    (タイトルをクリックするとその項目にジャンプします)
 ・イントロダクション
 ・国民主権が機能してこなかった憲法
 ・野党としての民主党の存在
 ・自治体に第一義的な権限を
 ・民意の反映が遅い二院制
 ・土地の所有権はあり得ない
 ・会計検査院を国会へ
 ・江戸時代のスローライフへの回帰
 ・自ら憲法論議のハンドルを握る


イントロダクション

 菅直人でございます。こういうシンポジウムがあるというのを聞いてプログラムを見ましたら、どういうわけか私の名前が入っておりまして、必ずしもOKした覚えが記憶になかったんですが、この会そのものには行きたいと思って、時間を作ってやってまいりました。

 去年の暮れに仙谷さんにお電話して、五十嵐さんの「市民の憲法」を、書かれた直後にももらったんですけれども、まだ本棚に置いてあったので読もうと思っていたら、仙谷さんが「いや、あれは目次だけ読めばいいよ」と言われたわけですが、しかし、年末年始をかけて目次だけじゃなくて中身も、読んでまいりました。

 そこで、多少の時間をいただいているようなので、私の考え方を、現在の憲法の動きを含めて、少し述べていきたいと思います。

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国民主権が機能してこなかった憲法

 1946年に現在の憲法が公布され、あと2年で暦が戻り、60年の還暦を迎えようとしています。この間に一字一句変わっていない憲法であるわけです。もちろん、この憲法は国民主権、平和主義、基本的人権、優れた憲法である。私もそう思います。

 だが、優れた憲法だから変える必要がなかったと、そう言いきれるならば、それはそれでいいんですけれども、必ずしもそうではない。つまりは、優れた憲法であったかもしれないけれども、だから憲法を変えてこなかったのではなくて、やはり憲法を自らの手で変えるだけの民主主義としての強さが日本はまだなかった。民主主義が弱いからこそ、憲法に手をかけないで解釈によってその状況にあわせてきた。こう見る方が正確ではないかと思っております。

 その中で、いわゆるイデオロギー的な対立によって、憲法の議論がなかなかしにくかった。実はもう一つあると思う。法律も国会が作ることになっているけれども、大部分は官僚が作ってます。憲法解釈も官僚がやっている。つまりは、日本では憲法の中に、国民主権ということが、前文において明確に書かれているにもかかわらず、実は国民主権の憲法として機能はまったくしていないということが、最大の問題だと思っている。


 憲法がこれだけ明確に国民主権を明記しながら、なぜ機能しないのか。あえて言えば、日本では、市民革命によって憲法を作っていないから。つまりは自分たち国民主権という原理に沿って憲法を作っていないからだと、こう思うんです。まだ明治憲法の方が、中身は“万世一系の天皇これを統治する”という、まさに国民主権ではない憲法ではありますけれども、多少なりとも議論があって作られています。今の憲法は決して悪いものだとは思いませんが、そういう自分たちの議論がないまま作られてます。

 私は幸いにして、大学では憲法の講義は一度として受けたことがない人間ですから、比較的自由にものが考えられるかもしれないですけれども、逆に言えば憲法というものに対しては、いろいろと解釈はするけれども、こういうつもりで作ったんだと言える人間がいないところに、国民主権の憲法でありながら、実は、国民主権の憲法として機能してこなかったと思っています。

 今日はあまり時間がありませんから、多くの例を挙げることを避けたいと思いますが、一つだけ。例えば会計検査院に匹敵する、アメリカにおけるGAOという制度を国会に設けようということを、今から10年ほど前、さきがけの時代に私も取り組みました。

 何と言われたか。時の総務庁の担当者がやってきて、「国会は立法府ですよ。その国会に行政の監視をして、そして、それに対して勧告権を出すような、そういうものは行政権の範囲に属するんだから、立法府に設けるなんてものは、憲法の三権分立に違反している」ここまで言いました。そして彼らはその文章を役所の中、与党の中を回したわけであります。

 私はその担当者を連れて来て、「どこに憲法の中に三権分立という言葉があるのか。なぜ国会が行政を監督できないのか。議院内閣制というのは、国民が選んだ国会議員が、行政の、少なくとも国の責任者、総理大臣を選ぶんじゃないか。内閣が連帯して国会に責任を負うというのは、内閣は国民に直接責任を負わないで国民に責任を負うというのは、国会が行政を監督する責任を明記しているんじゃないか」こう言ったら、結論的には、彼らは三権分立に違反するという意見を取り下げました。

 これは一つの例ですけれども、少なくとも日本の憲法では国民主権なんていうのは、まったく霞ヶ関にとっては、まさに*1美称説か何て言うか知りませんが、単なるそういう存在であって、すべては自分たちの権限。冒頭申し上げましたようにイデオロギー的対立もあったけれども、法律の憲法解釈もすべて、官僚に任せてきた。それが日本の民主主義の弱さ。このように思っているところです。

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野党としての民主党の存在

 あえて言えば、昨年の衆議院の選挙から状況が変わってきた。かなり主観的なことも含めて、そう思っております。つまりは、みなさん方にとって民主党という存在は、いろんな見方があると思いますが、少なくともかつての55年体制の野党ではありません。そして、衆議院の3分の1、160名を越える議席をいただいたということは、少なくともこの議席がある限りは、自民党がどういう憲法改正案を出しても、発議を阻止することはできます。しかし、逆に言えば、私たち民主党がこういう憲法を作ろうといたときには、自民党が「まあ、自分たちはもうちょっとこうしたいんだけれども、民主党がそこまでしか言わないんだったらそれで行こう」こう言えば、発議は十分に可能になります。

 昨年の有事法制、緊急事態法制についても、いろんな見方はあると思いますけれども、民主党の存在というものは野党ではあるけれども、これからの日本の基本的な問題については、民主党が“ここまではOK”とした問題については、全体としても進んでいく。決して民主党という党のことだけで申し上げているわけじゃありません。もちろんオープンな議論もその中でしていく。そういう存在でありたい。ドイツにおける社民党もそういう存在の中から、*2基本法を変え、あるいはドイツの海外における軍事行動についても、当初のNATOの内側から、次第にあるルールの中で拡大し、今日はEUの議論があったようですけれども、EUの緊急展開軍といった形にも参加をすることになってきた。このように思っております。

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自治体に第一義的な責任を

 ここで少し、憲法のあるべき姿について、私なりに思いを申し上げてみたいと思います。やはり何と言っても国民主権の問題をきちんとすることだと思っております。その中では、当然のことながら、国と国民の関係、そして国と地方の関係、そういった問題がまず国の形として最重要だろうと思っている。

 憲法94条に、地方公共団体の行政執行という言葉がありまして、この行政執行権が国の行政権とどういう関係にあるのか、直接的な、国が上で地方が下なのか、並列的な関係なのか。時の法制局長官大森さんは、並列的な関係であるという答弁を、予算委員会で私に対して致しました。この原則でいい。ただ、今の憲法でははっきりしていません。

 つまり主権者である国民が、ある権限には国に、ある権限には都道府県に、ある権限は基礎自治体に、それぞれの権限を信託していくという考え方をもっと明確にして、先ほど仙谷さんも言われておりましたけれども、補完性の原理というのでしょうか、やれることはまず自治体が第一義的に責任を持つ。それができないところについて、あるいはもうちょっと広い範囲の問題、あるいは共通ルールの問題は、広域自治体、あるいは国がやっていく。この原理ですべて律すれば、一つの形が出てくる。こう思っております。

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民意の反映が遅い二院制

 それに加えて、内閣のあり方、国会のあり方、直接大統領を選ぶ制度がいいのか、議院内閣制がいいのか。これも相当の議論が、この間行われました。さらには議院内閣制が、二院制度でなければいけないのか、一院の議院内閣制の方がいいのか。こういった議論も、避けることはできないと思ってます。率直に申し上げて、議院内閣制の二院制度というものは、私の実感から言うと、大変、ある意味で、まあ何という表現をしたらいいんでしょうか、国民の意見の反映がものすごく遅れますね。

 つまりは、一院であれば、その一院で勝てば少なくとも4年間なら4年間は、政権は変われます。しかし、参議院が、いっぺんに選挙はありません。たとえば 98年の例を言いますと、参議院で私たち当時の野党は過半数を取りました。過半数を取ったら何が起きたか。自民党は衆議院で過半数、参議院では過半数よりか少ない。だから、だれだれにひざまずいてでも、連立を組まなければいけなかったんですと言って、自公、自自公政権ができ、自公保政権ができてきた。今も公明党の存在というのは、いわば参議院における過半数割れを理由に、そういう連立をやむなし、国のためだと、こういう論理になっていることは、みなさんもご承知の通りです。

 そういった意味で、私は、民主主義というのは一定の期限を決めて、ある程度の独裁権を時の政府に任せる。しかし4年間を越えたら、もう一回チェックをする。もちろん特殊な例は、その4年間の間でも、それを変えることもあってもいいと思う。そう考えますと、必ずしも二院制というよりも一院制の方が、はっきりしている。こういったものも含めて議論をすべき問題だと思っております。

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土地の所有権はあり得ない

 もう一つ、私はもう十数年前、五十嵐さんと一緒に、都市計画法の改正という問題をやったことがあります。財産権29条。財産権はこれを犯してはならない。こう書いてあります。これは、多くの人たちが所有権のいわば絶対化として、「おれが持ってる土地なんだから、駅前の土地であったって大根を植えたって何が悪いんだ」「お寺の前だってビルを建てて何が悪いんだ」、日本の土地利用はすべて、逆に言えば29条の絶対的な所有権というものを、これから間違って導き出した。29条自体にも、公共の福祉にとって使うべきだという規定は入っているのですが、公共の福祉という概念が、非常に不明確だ。

 私は京都を見てきたが、わざわざ京都を壊している。先日も円通寺という寺に行きましたら、比叡山まで4~5キロあるんですけれども、庭からの借景、その間に今のところ、まだマンションやビルは建ってませんが、もう数年経ったら、もうこの借景は難しい。そこのお坊さんも頑張っておられました。

 こう考えますと、土地と利用というものは、私に言わせれば土地の所有というものはあり得ない。土地というのは地球の表面でありますから。土地は、地球の表面はおれのものだと言えるのは、天地創造の主くらいでありまして、せいぜいしばらく使わせてもらうというのが、土地に対する所有権の中身だと。ましてその都市における、あるいは日本における土地の利用というのは、まさに国民全体の中で適切な利用の仕方をする。もちろん保障することは当然かもしれません。この29条の問題は、財産権の問題と同時に環境権の問題などにも、ストレートに入って、関係してくると思ってます。

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会計検査院を国会へ

 また、先ほど申し上げた会計検査院が、憲法では規定されておりますけれども、私は会計検査院を内閣からも国会からも独立させているというのは、結果的にまったく効果のない会計検査院になっている。先ほど申し上げたように、議院内閣制を取るならそれは国会におくべきだ。国会は予算権を握っているんです。今の憲法における会計検査院の位置づけは違っているんではないかと思っている。

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江戸時代のスローライフへの回帰

 最後に一つだけ、私自身もまだわからない問題があります。日本で憲法という言葉を使った最初かどうかわかりませんが、7世紀の聖徳太子の十七条憲法というものがあります。この十七条憲法を読んでみますと、人間のあり方、国のあり方、そういう理念と言いましょうか、ある意味では倫理と言いましょうか、そういうこと多く盛られている。今の憲法はどちらかと言えば制度は書いておりますけれども、そういう人間のあり方といった問題は、多少前文の中にありますけれども、全体としてはあまり含まれておりません。私は憲法を考えるときに、もう少しそういう議論もあっていいのではないか、このように思います。

 そのときに、何か戦前を回帰するような議論が最近多くなっております。私にとって回帰するものがもしあるとすれば、明治よりも前の日本ではないかと思っております。つまりは明治よりも前の日本というのは、300年近く少なくとも平和を維持し、そして、鎖国をしろとまでは言いませんが、日本の山々から採れる木で家を建て、そしてモンスーン地帯の日本の農業で生活をし、そして識字率などを考えますと、当時のヨーロッパにも決して勝るとも劣らない文化大国だったと、私は自信をもって見ることができると思う。

 その中に、最近はやりの言葉で言えば、スローライフとでも言えるような、一つの八百万(やおよろず)の神が存在してそして自然とともに共生していく、こういう考え方があったんではないか。逆に言えば、明治以降は、近代化を急ぐために、ある意味では廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって無理矢理に、神道というものを唯一の宗教にして天皇制を中心に据えて、官僚国家を作り上げて成功して、失敗したのが太平洋戦争。もう一回成功して経済大国になって、今失敗しているのが今日の官僚制だ。

 このように考えますと、日本の、もし戻るべき一つの参考にするところがあるとすれば、明治以降の130年の中の理念の前にあったものではないか。それをうまく憲法の中に盛り込めるのかどうか、私にもこの部分はまだわかりませんけれども、そういう認識を持っているところであります。

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自ら憲法論議のハンドルを握る

 そういった意味で先ほど政治日程の議論もありましたけれども、あまり言いますと野党第一党の横暴だと言われそうなので、あまり繰り返しませんけれども、しかし、これからの議論というものは、いくらでも止められるブレーキはあるんです。しかし、これまでの議論はブレーキしかない議論であって、自らハンドルを握るという議論がありませんでした。私たちは自らハンドルを握って、ブレーキをアクセスをどう踏むか、まさにこの議論を国民のみなさんの中で大いにやっていただきたい。

 まさに今日のこの会は、これまでもこの五十嵐さんの本が出たときから、そういう会として議論されている。そういう風に理解してましたし、私も何と言いましょうか、タイミングを見ながら一つの発言なり行動をしていきたいと思っておりましたけれども、そういう意味では“その時”が来たのではないかと。

 つまりは、最初の話に戻りますと、国民主権の憲法を、本当に日本の憲法とするためには、国民主権という発想でもって作らない限りは、解釈によっては国民主権の憲法にならなかったというのが、この60年間の、私は憲法の実態であった。論憲も、先ほど言った内閣のあり方から国会のあり方すべて含めて、そのように思っておりますので、そういった意味では自分たちの、まさに国民主権の気持ちで、つまりは市民革命というものを暴力革命ではないとしたら、まさに憲法を自分たちが作ることが、市民革命の現在におけるあり方ではないか。

 このように考えて、決して焦る必要はありません。焦りはしませんけれども、わざわざゆっくりする必要もありません。多くの政治課題がありますが、どの政治課題を優先するかということはありますけれども、自民党の土俵に乗る必要もありません。昨日ある会で、小泉さんの前で話をしましたら、「いやあ、菅さんそれなら、自民党と民主党で話し合いの場を作ればいいじゃないか」「いや、それなら自民党と民主党が連立したらいいじゃないか」。まさにそんなことをやったら密室の議論に完全になってしまう。そんな馬鹿なことをするほど、民主党は馬鹿ではないと、そこだけは信じていただいていいと思います。

 つまりは、違う政党であって、国会その他の場で、多くのみなさんの議論と同時に、この議論をやっていく。その時に、自民党が出したものを受け、言い合えばいいのではなくて、私たちは私たちなりの考え方、みなさんと共にそういうものが作れれば、その中で逆に自民党に、これでどうなんだということをですね、迫るような形の議論を展開したい。このように思っているところです。

 多少言い過ぎたところは、私今日は肩書きなしで来ておりますのでですね、菅直人個人の意見ということでご理解をいただきまして、今日のこのコメントということになっておりますが、私の与えられたコメントということに代えさせていただきます。どうもありがとうございました。

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*1 美称説:憲法第41条の国会は「国権の最高機関」であるという文言は、“政治的美称(単に褒めただけの言い方)”に過ぎないという解釈が通説となっている。主権者である国民が代表を選ぶ機関であっても、「最高機関」として認められないとする考え方でもある。 本文へ

http://www.eda-jp.com/pol/koizumi/159-kan.html
菅代表、憲法違反の自衛隊派遣で首相退陣求める (民主党ニュース)
http://www.eda-jp.com/pol/koizumi/159-kan.html
    小泉総理の施政方針演説に対する代表質問
    民主党 菅 直人

    菅代表、憲法違反の自衛隊派遣で首相退陣求める (民主党ニュース)

     民主党の菅直人代表は21日、衆議院本会議で代表質問に立ち、イラク派遣は「現行憲法に明らかに違反した行動であり、総理としてはその資質を欠く。辞任をこの場で強く求める」と退陣を要求した。また、神崎公明党代表に対しても「同罪であり、職を辞することを勧告する」と辞任を求めた。
     
     菅代表は質問の冒頭、「民主党のみならず、支持をいただいた2200万を超える国民の皆さんを代表し、また、先の総選挙では小泉首相を支持し、その後の小泉さんの行動に失望し、怒りを感じている人びとを代表して質問」すると述べ、国民に代わって小泉政権を糾す決意を表明。イラクへの自衛隊派遣について「派遣しなければ日本の平和が維持できないのならば、憲法の改正を提起すべき」とし、首相を「状況追従型政治、最も危険な総理」と断じた。しかし答弁に立った首相は、「(自衛隊の活動は)武力行使には当たらない。憲法違反ではない」などと述べたにすぎなかった。
     
     菅代表は、イラクへの自衛隊派遣問題のほか、北朝鮮、年金改革、道路公団民営化、地方分権、財政再建、雇用対策、創憲に関して質問。首相は何らまともに答えようとしなかった。このため、菅代表は再質問に立ち、改めて「質問に答えていない。雇用の確保に関して、新たな農業、第1次産業をどう考えるか」と質した。しかし首相は「農業問題は最初の質問になかった」などと開き直り、答えようとしなかった。

    平成十六年一月二十一日(水曜日)

    ○議長(河野洋平君) 国務大臣の演説に対する質疑に入ります。菅直人君。
        〔菅直人君登壇〕

    ○菅直人君 民主党・無所属クラブを代表して、さらには今回我が民主党に支持をいただいた二千二百万人を超える国民の皆さんを代表して、そして五十八名の新しい議員を選出していただいた国民の皆さんを代表して、さらに言えば、さきの選挙では小泉総理の言葉を信じて投票はしたけれども、その後の小泉総理の行動に失望して怒りを感じている人の気持ちも体して、先日の小泉総理の施政方針演説に対して質問を申し上げます。(拍手)

     いよいよ陸上自衛隊の先遣隊がイラクに入りました。まず、議論に入る前に、派遣をされた自衛隊員の皆様に対して、その労苦に対し心から敬意をあらわすとともに、その任務を果たされて、無事全員が一日も早く日本に帰国されることを心から願っておきたいと思います。(拍手)

     さて、皆さん、日本が実質上の軍隊である自衛隊を戦争が継続している外国の領土イラクに派遣したというのは、まさに戦後の新しい歴史の一ページだと思います。軍隊を他国の領土に送るということは、いずれの時代においても、いずれの国においても、国家主権にかかわる重大事であります。

     総理は、さきの施政方針演説の中で、平和のための行動だ、そのような趣旨のことを、高揚した口調でこの場で話をされました。しかし、それでは、平和のために自衛隊を戦地に送る、平和のために戦争に送るということなんでしょうか。

     私は、この自衛隊の派遣が、いろいろな理屈をつけようとも、戦地に、自衛隊を戦争目的で海外に送らないとしてきた憲法の原則を大きく破るものであるということは疑いのないところであります。そのことを明確に指摘をしておきたいと思います。


     もし、総理が、イラクに自衛隊を送らなければ日本の平和が維持できない、そのように本当に思われるならば、その理由を明確にした上で、自衛隊をイラクに派遣できるような憲法改正を提起するのが筋ではないですか。(拍手)


     かつて、ドイツは、NATOの領域内に限られていた軍の活動をNATOの領域外に広げるときに、その基本法、日本でいう憲法の改正をあらかじめやってから行動いたしました。小泉総理は、憲法を変えることもなく、明らかに憲法に違反する行動を命令している。まさに民主主義を破壊する暴挙とこれを言わないで、何を暴挙と言うんでしょうか。

     それとも、小泉総理は、この行動は憲法に違反しない、もしそういうふうに考えるならば、国民にわかりやすく明確に説明をする義務があるわけであります。

     総理は、イラクは安全と言えないから自衛隊に行ってもらうんだとか、多くの国がイラクに出ているから日本も自衛隊に行ってもらうんだとか、こういったことを言っておりますが、これが日本国憲法に反して自衛隊を送る理由にならないことは、だれの目にも明らかではありませんか。

     それに加えて、小泉総理は、施政方針演説の中で、自衛隊は武力行使をしないんだ、また、近くで戦闘行為が行われる場合には、活動を休止して避難をするんだ、こういったことを言われております。

     しかし、それでは聞きましょう。自衛隊がテロ攻撃を受けた場合に反撃をするのは武力行使にならないんですか。それとも、まさか反撃をしないと言われるわけではないでしょう。

     それに加えて、今のイラクの現状の中で、戦闘行為に当たらないような活動が一体どこであるというんでしょうか。近くで戦闘行為があれば中止するというのであれば、今、イラクの中に活動できるところは一カ所たりともないというのが常識ではないでしょうか。

     防衛庁長官は、テロは戦闘行為ではないというふうなことを言われたそうであります。それでは、さきおととしですか、九月十一日のあのアメリカに対する連続テロが、まさに戦争である、攻撃であるとしてブッシュ大統領が自衛権を発動したことに賛成をし、支持を与えたのは、自民党、小泉政権ではありませんか。

     あるときには戦争と言い、あるときには戦闘行為ですらないと言うのは、言い逃れの詭弁以上の何物でもないではありませんか。総理に明確な答弁を求めます。(拍手)

     さらに、総理は、自衛隊は戦争に行くのではない、こういう説明を何度もされております。しかし、私の手元に届いたCPAのブレマー長官の書簡によれば、派遣された自衛隊員の身分はアメリカ軍やイギリス軍と同じコアリションパーソネル、つまりは連合国の要員、連合国の一員としてのそういう法律的な位置であるということが明記をされております。また、そうでなければ、例えば万一自衛隊がイラクの市民を殺傷するようなことが起きたときの裁判権の問題がどちらになるのかという極めて重大な問題を惹起するからであります。つまりは、連合国の一員であるということで、戦時国際法の適用を受けて、いわば治外法権的な扱いを受けるというためのその措置がこの書簡ではありませんか。

     あるときには戦争を前提としたそういう身分保障を受けながら、しかし一方では戦争に行くのではない、これまた憲法違反を言い逃れするためのまさに二枚舌としか言いようがないじゃありませんか。この点についても明確な答弁を求めます。(拍手)

     私は、今回の自衛隊のイラク派遣がこういった意味で現行憲法に明らかに違反した活動であって、その行動を命令し承認した小泉総理は、民主主義国日本の総理としてはその資格を欠いている、辞任をこの場で強く要求したいと思います。(拍手)

     さらに、自衛隊派遣の露払いを積極的に務めた公明党も同罪です。神崎委員長には、委員長としてのその職を辞することを勧告申し上げたいと思います。(拍手)

     さて、次に、北朝鮮の問題について申し上げたいと思います。

     一昨年、小泉総理が北朝鮮を訪問して日朝平壌宣言が発せられてから一年半が経過しようとしております。帰ってこられた拉致被害者の家族の帰国問題はいまだに実現をしておりません。

     私たち民主党は、さきの総選挙のマニフェストの追加項目の中で、日本から北朝鮮に対する送金を停止できる法律案を出すべきだということを申し上げました。この国会で超党派で法案が出せることになったことは喜ばしいことだと考えます。こうした超党派的な努力もあって、北朝鮮は、何らかの事態の打開のため、最も強硬派と目されている平沢議員や我が党議員を含め、働きかけが来ていると聞いております。しかし、政府・与党はすべてを官僚に任せるだけで、その執行部の責任ある行動はまだ少なくとも私たちの目には見えておりません。

     そこで、総理に申し上げます。
     総理、この問題で最も熱心で最も強硬派とされている安倍幹事長を政府特使として北朝鮮に派遣されるおつもりはありませんか。そして、政府・与党、責任を持ってこの事態を解決しない限り、官僚にやらせておいて、そして、官僚が妥協をしたら強硬派と言われる人たちがそれをバッシングするというやり方では、何も進展しないことは明らかではありませんか。総理の見解を聞きたいと思います。(拍手)

     私は、小泉総理のこの間の活動や言動を見ていて、一体この日本をどの方向に導いていこうとするのか、全く理解することができません。その都度状況に応じて判断をするという、まさに状況追従型の政治と言わなければなりません。イラクに対するあの先制攻撃を支持したときの、大量破壊兵器が拡散するということを防ぐために支持したんだという大義名分は、一体どこに消えてしまったんですか。

     そして、今は、イラクの民主政権をつくる、こう言っておられます。大変結構なことです。しかし、中東には、イラクに限らず、必ずしも民主政権と言われない王政の国などがたくさんあります。すべての国の民主化が我が国の使命だ、そういう前提で話をされているんですか。その見解を聞きます。

     また、テロの温床にしないための活動だ、そういう大義名分を掲げられましたが、少なくともフセイン時代のイラクは、危険な独裁政権ではありましたけれども、海外のアルカイーダといったようなテロ組織がイラク国内で活動していたということは聞いておりません。

     結局のところ、状況が変わっていけば、くるくるとそれに合わせて大義名分を変えていく、このようなやり方で日本を導いていく。私は、総理としては最も危険な総理である。かつて戦前の政府が、軍部が生み出した状況を追認する形で、気がついてみたら、だれの責任かはっきりしないまま、アメリカとの戦争に突入していた。まさにこれと同じ政治スタイルじゃありませんか。(拍手)

     こういった意味で、今の総理のあり方には、日本の総理としてはふさわしくないということを重ねて申し上げておきます。

     さて、さきの衆議院の選挙において、私たちは政権交代を求めて戦いました。残念ながら政権交代には至らなかったわけですけれども、もし民主党中心の政権が生まれていたら、今ごろは我が党マニフェストに沿って迅速な改革が進んでいたであろうことを思うと、残念でなりません。

     逆に言えば、総理はさきの選挙で国民の信を得たわけですから、小泉マニフェストをだれにはばかることなくどんどん推進すればいいではありませんか。しかし、現実に、そのマニフェストを現実化するとされた平成十六年度予算に向かっての政府・与党の決定は、まともな改革は一つたりとも見当たらないじゃありませんか。(拍手)

     例えば年金改革については、二〇〇四年に抜本改革を行うと書いてありますけれども、厚生年金の数字合わせにとどまっただけで、崩壊寸前の国民年金については何も触れられておりません。

     我が党は、国民年金、厚生年金、共済年金の一本化と、そして基礎年金に対する将来の消費税投入を含む税による負担という、まさに抜本的な改革を提示しておりますが、総理のこの問題に対する見解を伺います。

     さらに、道路公団の改革について、小泉マニフェストでは、民営化推進委員会の意見を尊重すると書いてありますが、政府・与党が合意をしたその日に、民営化推進委員会の会長代理は抗議の辞任をされました。通行料を借金の返済に優先するとする、その民営化推進委員会の、まさに意見の中心が無視されたことに抗議しての行動であります。これでもまだ高速道路の改革がマニフェストどおり進んでいると総理は強弁をされるんでしょうか。

     私は、このどたばた劇を見ていて、我が党が提起した高速道路無料化という考え方が最も必要な政策であるという思いを、一層その思いを深くしたところであります。

     つまり、これまで道路に使われてきたガソリン税などの九兆円の費用のうち、二兆円を道路公団の負債の返済に充てれば無料化が可能になります。そして、残りの七兆円の資金によって、必要な道路、場合によっては高速道路も含めて建設をすることによって、例えば、先日伺った秋田などでは、高速道路が無料になれば野菜などを首都圏に運ぶことも可能だ、そして、現在の関所とも言えるあの料金所を廃止して出入り口を大きくすることによって、かつて織田信長が行った関所の廃止と、いわゆる楽市楽座のような地方経済の活性化が大きく期待できるということを、私は、確信を持って改めてこの場で申し上げたいと思います。(拍手)

     さらに言えば、分権改革という中で鳴り物入りで始められた三位一体の改革についても、結局は負担を地方にいわば肩がわりをしてもらうだけであって、本当の意味の分権改革には何もなっていないじゃないですか。

     我が党は、霞が関からひものついた補助金を原則全廃して、国の仕事は、外交、防衛、通貨、さらには福祉や都市計画の基本ルールをつくることに権限や仕事を限定して、他の仕事はすべてを地方自治体に移していくという、本格的な分権提案をいたしております。これに対して、総理のマニフェストは全くそうした方向が進んでいない、このように申し上げなければなりませんが、反論があればお聞かせください。

     さらに、財政再建について、最もインチキなところがこの財政再建ではないでしょうか。

     総理が就任してから、GDPに対する公債の残高の比率は毎年大きく高まっております。総理は、当初、国債発行を三十兆円枠にとどめるということで財政再建を訴えましたが、初年度からその枠を突破したばかりでなく、今や、予算の約半分が国債に依存するところまで来ているじゃないですか。

     来年について、プライマリーバランスの赤字幅が狭まったかのような説明をする大臣もありますけれども、それでは、景気が上昇し、金利が上昇したときに、GDP比でどんどん膨らんでいるこの国債残高の金利の負担がどのようになるのか。二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを黒字化するというそのマニフェストが、本当に実行可能だと総理は思っているんですか。それとも、二〇一〇年代初頭といえば、もう自分が総理大臣なんかやっていないから、一度言った以上はそのまま約束をしておこう、これが実態ではないですか、皆さん。反論があったらお聞かせください。(拍手)

     さらに、雇用については、五百三十万人の雇用創出、あるいは二年間で三百万人の雇用の創出ということをマニフェストで述べられていますが、それでは、同じ期間にリストラなどによって雇用が失われる数は一体幾らに上るんですか。現実に、小泉総理が就任して以来、就業者の数は、この三年近くで約百万人余り正味で減っているじゃないですか。マニフェストで掲げた二年間で三百万人という数字なら、正味で何人ふえるのか、それとも減るのか、総理の口からはっきりと明言をいただきたい。(拍手)

     さきの民主党の党大会で、私は、国民主権の立場に立った新しい憲法をつくることを国民運動として、いわば市民革命の現代の活動として国民に呼びかけました。総理からは、早速、自民党との間での協議ということが言われましたけれども、総理は本当に、私が提起した問題を理解いただいているんでしょうか。

   http://www.eda-jp.com/pol/koizumi/159-kan.html

 与党の第一党と野党の第一党がまず議論を始めるということは、まさに国民不在の談合政治そのものじゃないですか。そうではなくて、国民の中で広く議論をしてこそ、本物の国民主権の憲法をつくり、国民主権の国をつくることになる、このように考えるから国民の皆さんに対して訴えたということをぜひ御理解いただきたいと思います。

     憲法に違反した行動を平気でとろうとしている総理に、憲法の議論をする資格があるのかどうかが疑われておりますが、いかがでしょうか。(拍手)

     最後に申し上げます。
     昨年初め以来、私が民主党代表として総理大臣と議論をするのは、今回で十五回目になります。私は、この討論を通して、最近は、終わった後にむなしさを感じてなりません。それは、総理の答弁がまともな、真正面からの答弁ではなく、問題をすりかえ、そして単に切り返しの答弁に終始することが多いからです。

     そこで、総理に強くお願いをしておきます。
     つまり、総理は、私の質問に対して、私に答えるつもりではなくて、総理の発言を注目し、総理のその決定によって大きく生活を左右され、そして影響を受けている国民一人一人の皆さんに答えるおつもりで答弁をいただきたい、このことを強く要請申し上げておきます。(拍手)

     そして、もし私に対するその答弁が国民に対する答弁としても不十分な場合には、私に与えられた時間の範囲で再質問を行う用意があることを最後に申し添えて、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)

http://www.tokyo-jc.or.jp/2004/news/040130_2.html
民主党 菅直人代表に憲法改正の陳情 東京 JC

http://www.tokyo-jc.or.jp/2004/news/040130_1.html
菅民主党代表へ陳情

憲法改正手続法令の早期整備で

(社)東京青年会議所古谷真一郎理事長は、1月30日午前11時、民主党本部に菅直人代表を訪ね、「憲法改正手続きとしての国民投票に関する法律及び国会法の改正など所要法令の早期成立」について陳情した。
 これは昨年12月8日の自民党安倍幹事長に引き続き、野党第一党への陳情として行われたもので、当日は古谷理事長始め高木副理事長、浅沼第3政策室担当理事、政治・行政政策委員会スタッフなど9名が出席、30分にわたって菅代表と会談した。
 菅代表は「日本国憲法は1946年に公布されてからもうすぐ還暦を迎えようとしている。この間一度も手を加えないで来たのは、市民自らが創った憲法ではなかったため不磨の大典となり、憲法解釈まで官僚任せにしてきたからだ。官僚依存政治から脱却し、私は広く国民の皆さんに憲法を創る運動を呼びかけたい。いわゆる論憲から「創憲」を主導していき、公布60年目に当たる2006年までに国民運動を集約する形で民主党として新たな憲法のあり方を国民に示したい」と意欲を示した。
 古谷理事長らは「この国の形が定まっていない。まずは憲法を変えられる状態を早急に創ってほしい」と熱く訴えていた。

http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/01252/contents/102.htm
鳩山民主、にじむ改憲色 菅氏も足並み、党内に戸惑い・反発も

http://www.ktv.ne.jp/~wef/kiji35.html
●読書案内 「大臣」(菅 直人著、岩波新書)

http://www.okazaki-inst.jp/hatokan.kenpo9.html
憲法特集資料編「民主党鳩山代表、菅幹事長の憲法改正発言」

http://www.dpj.or.jp/news/?num=7770
1999/05/03
憲法記念日にあたって 民主党代表  菅 直人

http://www.worldtimes.co.jp/wtop/tititokoqa2004/tititoko040118.htm
野党・民主党が改憲案提示へ/自民は05年新憲法案に着手

http://www.47news.jp/CN/200209/CN2002091501000090.html

憲法改正を早急に発議 鳩山氏、政権獲得で
 民主党の鳩山由紀夫代表は十五日、党代表選立候補者が出演したNHKの番組で、民主党が政権を獲得した場合、早急に憲法改正を発議する考えを強調した。  鳩山氏は「(憲法改正を)タブー視し、先送りしていたら、いつまでも発議できない」との認識を表明。憲法九条や自衛隊の位置付けだけではなく「人権、環境権も含め、今の憲法でいいのかという議論がある」と述べた。  これに対し菅直人幹事長は憲法改正の必要性は指摘しながらも「政権を取ってすぐ発議するのは課題として重すぎる」と述べた。  野田佳彦衆院議員は「自衛隊を戦力と認めて、憲法に明記する立場だ」と明言。横路孝弘前副代表は憲法改正に否定的な意向をあらためて示した。

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