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2010年6月23日 (水)

特集ワイド:’10攻防の夏 一兵卒の小沢前幹事長、再生にらみ雌伏の時?

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100623dde012010015000c.html
特集ワイド:’10攻防の夏 一兵卒の小沢前幹事長、再生にらみ雌伏の時?
 ◇笑顔に秘めたもの

 菅直人内閣の支持率は、「脱小沢」「小沢隠し」などが奏功してかV字回復を果たした。その陰で、自ら一兵卒と宣言した民主党前幹事長、小沢一郎さんは一体どうしているのか。参院選の公示を明日24日に控え、小沢さんの動きを探った。【中山裕司】

 さっさっさっ、と秘書らしき若い男性が手際よく竹ぼうきで落ち葉を掃いていた。週末の午前6時過ぎ、東京・世田谷の小沢さんの自宅は静かな朝を迎えていた。正門周辺の植木はきれいに整えられているが、邸内の高い樹木はうっそうとしている。正門と通用門の2カ所にはポリスボックスがあり、幹事長を辞めた今も警察官が立つ。しばらく待つも、門はぴたりと閉まったままだった。

 「一兵卒で頑張る。参院選では海っぺりの町や田舎の山で静かに応援したい」

 東京都内のホテルで17日開かれた政治資金パーティーで、小沢さんは参加者にこう語った。

 SP2人に囲まれて会場入りする小沢さんに「こんにちは」と声をかけると、白い歯を見せて「こんにちは」。壇上で参加者と写真撮影するなど常に機嫌よく、支持者の元埼玉県議は「小異を捨てて大同につくと言っていた。まあ大同の意味は人によって解釈が違うんだけど、参院選も頑張ってくれると思う」と話す。東京都新宿区の町会長は「民主党は未熟な域を出ていないので、大人の党にしていきたいと話していた。その通りだと思うし、小沢さんの表情も柔らかかったね」と、ほがらかな様子にほっとしていた。

 幹事長辞任が決まった1日の鳩山由紀夫前首相との会談後、小沢さんは大きく目を見開いたすごい形相をしていた。ところが、最近は妙に笑顔があふれている。わずか2分で終えた9日の新幹事長、枝野幸男さんとの引き継ぎ。その直前、国会内の幹事長室前廊下で出迎えた細野豪志幹事長代理には笑顔で応えている。菅さんが所信表明演説をした11日の衆院本会議場では、幹事長辞任を迫った鳩山さんと大きく笑って握手。12日に訪れた和歌山県の世界遺産・熊野古道でも、革靴で山道を歩きながら「終始、にこやかだった」という。

 あふれる笑顔にはどんな意味があるのか。元民主党事務局長の政治アナリスト、伊藤惇夫さんに尋ねてみた。

 「小沢さんの表情から何かを読み取るのは難しいと思いますよ。はらわたが煮えくりかえっている時にニコニコしていたり、仏頂面の時に逆に機嫌が良かったりするんですね」。こう言いながら、伊藤さんが政治の世界に入った時、ベテラン議員から教わった政治家と表情の話をした。「政治家というのはね、心の中で殺したいと思っているライバル政治家とすれ違った時にも、『先生、頑張ってくださいよ』と笑顔をつくりながら両手で握手をする。だけど、その手を離してから10秒以内にライバル政治家の悪口を10個言える。これが本当の政治家なんだ」

  ■

 小沢さんへの党内や世論の意見は厳しい。鳩山さんは「幹事長の職を引くことで、よりクリーンな民主党を作り上げることができる」、菅さんは「しばらく静かにしていてください」と言った。毎日新聞の世論調査でも、小沢さんの無役を「評価する」は80%、影響力は「弱い方がいい」が85%。「一兵卒として参院選の勝利に向けて微力を尽くしたい」という小沢さんの心境はいかがなものか。

 「菅さんにしばらく静かにと言われても、小沢さんは自分を悪者にして参院選に勝てるなら、どうぞおやりなさいと思っているのでしょう。小沢さんのようなベテラン政治家から見れば、誰かを悪者にして自らを浮上させる手法はあまりに稚拙で子供っぽい。『まあ、好きなようにやらせとけや』とぐらいに思っているのでしょうね」。伊藤さんはこう解説した。

 元外相の田中真紀子さんはどう見るか。鳩山さんの後継を決めた4日の代表選では、小沢さんが代表候補として真紀子さんに白羽の矢を立てたものの、真紀子さんは固辞した。「菅さんも市民運動家出身だから、『しばらく静かにしていてください』なんて言えるのよね。ヒエラルキーのしっかりした自民党だったら、あんな発言は許されないわよ」とまず菅さんをチクリ。

 「それより、小沢先生が行った熊野古道って、みそぎをする所なの? 修行する所なんじゃないの」

 早速、確認してみる。

 熊野は一般的には、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社がある地域を指す。紀伊山地の霊場という広い意味では神道の熊野三山、真言密教の高野山、修験道の吉野・大峯の三つの異なる宗教の霊場を結ぶ世界でも数少ない場所。宗教人類学者の植島啓司さんは「自らの身を神に委ねる受動的な信仰、厳しい修行を課す能動的な信仰の両方があります。源義経や後醍醐天皇のように政治的敗北を喫した人が中央への再起を図ってきた場所です。小沢さんがもし再起を図るのなら、ぴったりの場所」と話した。みそぎの意味もあるらしい。

  ■

 さて、参院選だ。小沢さんが熊野を訪れたのも連合和歌山との会談が目的だった。「自分が擁立した候補者は責任持って当選させるように動くだろう」(民主党関係者)の声がある一方で、「小沢さんが擁立した新人候補には『新人なのになんであんな一等地にいくつもの事務所を構えられるんだ』という恨みつらみの声が党内にはあります」(民主党国会議員)など、党内では激しいつばぜり合いが行われている。小沢さんが幹事長時代に傾斜配分していたとされる選挙資金の修正に新執行部は取り組み、菅さんが打ち出した消費税増税の方針は、バラマキを進めた小沢さんに対抗する意味もある。

 参院選から9月の代表選まで、小沢さんはどう動くのか。

 「民主党が、菅さんの掲げる54議席(改選数121)を割った場合には代表選に向けて動きが出てくる。過去の小沢さんを見ると、永遠におとなしくしていることは決してありえない」(伊藤さん)

 この夏は、再生につながる雌伏の時となるのだろうか。それとも?

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