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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2010年5月 6日 (木)

北海道新聞社説/憲法記念日 「平和」と「人権」生かして(5月3日)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/229359_all.html
社説
憲法記念日 「平和」と「人権」生かして(5月3日)

 きょうの憲法記念日は、日本国憲法の理念を確認し、いまの政治が憲法の目指す方向に合致しているかを点検する絶好の機会だ。

 今年は日米安保条約改定50年の節目であり、折しも米軍普天間飛行場の移転が焦点となっている。一方、社会問題化した格差や貧困にどう対策を講じるかも重要である。

 憲法の2本柱は、第9条の「戦争の放棄」に示された平和主義と、第11条の「基本的人権」の尊重だ。その精神を問題解決に生かしたい。

 今月18日には改憲手続きを定めた国民投票法が施行される。憲法に向き合う国民の姿勢が試されることを忘れてはなるまい。

*鳩山政権の理念問う

 鳩山由紀夫首相に聞きたいのは、どんな政治を目指して懸案に取り組んでいるかだ。

 まず米軍普天間である。

 この問題を見るとき、沖縄の米軍基地がイラクとアフガニスタンという二つの戦争に深く組み込まれていることを指摘したい。

 自民党の小泉純一郎、安倍晋三の両政権は憲法改正を強く打ち出し、安倍首相は2007年に国民投票法を成立させた。

 イラク戦争を支持し、自衛隊の現地派遣に踏み切った小泉政権以来の「対米軍事協力」の流れと無縁ではない。「任期中の改憲」を公言した安倍氏の狙いが、憲法9条の改正にあったことは明白だろう。

 鳩山政権の選択肢は二つだ。

 「国際平和の希求」をうたう憲法の精神に基づき日本の平和外交を追求するか、それとも旧来の対米追随を続けるか-である。

 想起すべきは航空自衛隊のイラクでの活動を9条違反と断じた名古屋高裁判決(08年)だ。憲法の平和主義を踏まえ、戦争への日本の加担に警鐘を鳴らしたと受け止めたい。

 だが普天間をめぐる政権の対応は移転先探しに終始し、沖縄の基地縮小に及んでいない。冷戦後の米軍駐留の是非を含め、日米安保条約を根本から問い直すときではないか。

 回り道のようでも、それが普天間問題を解決に導く原点となる。

 格差や貧困も放置できない。

 憲法前文の「平和のうちに生存する権利」とは、戦争放棄と基本的人権、生存権(第25条)が表裏一体であることを示している。

 自殺者が12年連続で3万人を超え老人の孤独死も伝えられる。非正規切りで職と住まいを失った若者には将来への不安が深まっている。

 憲法を空文にしてはなるまい。

 「いのちを守りたい」と施政方針を述べた鳩山首相は、人間性を回復する政治に全力をあげるべきだ。

*解釈改憲を懸念する

 鳩山首相は名うての改憲論者である。05年に著した「新憲法試案」では「自衛軍の保持」を明記し、集団的自衛権の行使も容認している。

 就任後「ベストな国のあり方のための憲法をつくりたい」と改憲への意欲を語ったこともあるが、当面、具体化させる考えはないようだ。

 首相がなすべきは改憲にエネルギーを注ぐことではあるまい。政権交代を選択した民意を踏まえ、社会の変革に力を尽くしてほしい。

 懸念するのは民主党の小沢一郎幹事長が主導する内閣法制局長官の国会答弁禁止だ。今国会で関連法案の成立を目指すという。

 内閣法制局は政府の憲法解釈を担ってきた。核心は平和主義と集団的自衛権の問題にある。自民党政権下ではイラクへの自衛隊派遣を「非戦闘地域なら合憲」とするなど、野党から解釈改憲との批判を浴びた。

 だが集団的自衛権の行使や国連軍参加には抑制を利かせてきた。

 小沢氏は自民党幹事長時代から、国連活動への参加なら武力行使を含んでも合憲だと主張し、違憲とする法制局と衝突してきた。

 法律をつくってまで法制局を排除しようとするのは政権に都合が良い解釈で9条を骨抜きにする意図ではないか。それには賛成できない。

*希望は人びとの声に

 憲法を生かすのは、国民の心構えにかかっている。憲法が保障する自由と権利は「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」(第12条)からだ。

 平和にせよ人権にせよ、憲法の精神を日常の暮らしに引き寄せ、具体的な問題として政治や行政に反映させることが大切だろう。

 たとえば「九条の会」の運動だ。04年に作家の故井上ひさしさんらの呼び掛けにより、個人の自由な意思で憲法を「守り」「生かす」ことを目的に発足した。

 賛同が広がり、北海道の496を含め全国で7507(4月集計)の「九条の会」が活動している。

 友人同士の集まりから、学校や地域、職場、趣味のグループに至るまで、「憲法」を語り合うさまざまな交流が行われている。

 国民の中のこうした動きは政治の方向に影響を与えるに違いない。

 憲法は生活の身近にある。

 人びとが声を上げることで、その精神はいっそう生かされていく。

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