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2009年12月16日 (水)

迷走の13年:普天間移設の構図/上(その1) 首相「辺野古以外を」

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091216ddm001010042000c.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091216ddm003010052000c.html
迷走の13年:普天間移設の構図/上(その1) 首相「辺野古以外を」
 ◇社民は「微修正で決着」警戒

 「辺野古ではない地域というものを模索する。そして、できれば(移設先を)決める状況を何としても作り上げていきたい」。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先について、結論を来年に先送りする政府方針を決定した15日、鳩山由紀夫首相は首相官邸で記者団にこう語り、米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設する現行計画の見直しに強い意欲を示した。

 日米合意の見直しを主張する社民党への配慮とも受け取れたが、首相は「そのために数カ月単位の時間が必要だ」とも語った。15日の与党党首級による基本政策閣僚委員会では、「来年5月まで」に移設先の結論を出すとの期限設定では合意できなかったが、協議の具体的なあり方などが平野博文官房長官に一任されたこともあり、事実上の「5月期限」と受け止められている。

 社民党側には「模索した結果、最後は連立解消も覚悟で辺野古で決着させようとしているのではないか」との警戒感が消えない。

 来年5月は国内政治の大きな節目に当たる。政府・与党は1月召集予定の次期通常国会に09年度第2次補正予算案と来年度予算案を提出する予定。夏には参院選を控え、子ども手当などの目玉政策を実現させる来年度予算案と関連法案は確実に成立させたいところ。裏を返せば、参院で単独過半数を持たない民主党が社民党の「数」を必要とするのは4月まで。社民党幹部は「予算の国会審議後、現行計画の微修正で決着となれば、連立離脱に追い込まれかねない」と懸念する。

 一方、在日米軍再編合意(ロードマップ)の早期履行を求める米側の反発は強い。鳩山首相は15日夕、記者団に「日米合意の重さと沖縄県民の強い思いを両方同時に考えた時、今すぐ結論を出せば必ず壊れる」と強調した。首相は同日夜には首相官邸でルース駐日大使と会談。なし崩し的な引き延ばしではないことを説明し、理解を求めたとみられる。

 自民党は「決断なき決着で国益に反する」(大島理森幹事長)と批判。一方、民主党の小沢一郎幹事長は同日、東京都内で開いた自身のパーティー(非公開)であいさつし、出席者によれば「米国と日本はお互いにはっきりとものを言える関係になるべきだ」と語った。【白戸圭一、野口武則】

    ◇

 96年の普天間返還合意から13年。なおも膠着(こうちゃく)と迷走の続く背景を検証する。

 ◇地元がバラバラになってしまう

 「基本方針を早くいただかないと普天間の危険性除去につながらない。具体案に近いものを提示してもらわないと意見の言いようがない」。15日午後、沖縄県庁。記者団に囲まれた仲井真弘多(ひろかず)知事は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、政府が先送り方針を決めたことに戸惑いの表情を浮かべた。

 キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設する現行計画を条件付きで容認する名護市の島袋吉和市長(63)は、市役所で記者団に「閣僚の発言が三者三様。政府として早く統一した結論を出してほしい」と求めた。

 現行計画を含む移設先の再検討が決まったことに地元の期待は高まるが、同時に政権の対応の迷走ぶりに市民は翻弄(ほんろう)されている。約1カ月後に迫った名護市長選(来年1月17日告示、同24日投開票)は、現職の島袋氏に、「県外移設」を掲げ民主、社民、共産などが推薦する稲嶺進氏(64)が挑む構図で、移設受け入れの是非が争点となる。

 「岡田ショック」。その名護市で最近こんな言葉が飛び交っている。今月5日、市内の公民館で開かれた集会。報道陣を閉め出した後、岡田克也外相は会場からの質問にこう切り出した。「あなたたちの気持ちはわかります。でも日米合意は簡単に変えられないんですよ」。岡田氏の発言の意外さに会場は一瞬静まり返った。集まった住民約100人は「県内移設反対」を訴えて当選した民主党衆院議員の支持者が中心だった。

 「地元がバラバラになってしまって大変な思いをしている。早く県外・国外にお願いします」と発言が相次いだが、岡田氏は「反対し続けると普天間がこのままになる。海兵隊8000人のグアム移転も米国が認めなくなりますよ」と畳み掛けた。

 97年、普天間飛行場の代替海上ヘリポート建設の是非を問う市民投票で、「反対」の署名運動に参加した渡具知智佳子さん(48)は5日の集会に出席した後、「市長選で勝ってもう一度名護市の民意を示さなければだめだ」と決意を固めた。一方、稲嶺氏陣営からは「こんな対応が続けば、『民主党は何なんだ』と期待を高めた市民たちは怒り、あきれる。有利と思っていたが、厳しい戦いになる」との嘆きがもれる。市長選をめぐる状況は複雑さを増している。

 普天間問題の始まりは95年9月、米海兵隊員らが起こした沖縄少女暴行事件だ。普天間返還は96年4月「県内のヘリポート新設」を条件に日米合意され、同年12月の日米特別行動委員会(SACO)最終報告に「本島東海岸沖」への海上ヘリポート建設が明記された。

 移設先を巡り米側や沖縄と交渉した首相官邸関係者は「沖縄に代わる海兵隊2万人の受け入れ先が国内に見つからなかった。唯一の実戦部隊を国外に出して、中国や北朝鮮に対し、抑止力の空白を作るわけにはいかなかった」と明かす。

 今月10日夜、市民会館での集会。比嘉鉄也元市長は97年12月、北部振興策を条件に受け入れを決断すると同時に辞意表明した当時を振り返り「まだ十分じゃない。来年も続く」と、来る市長選での島袋氏支援を訴えた。

 自公政権の「振興策と引き換えの基地押し付け」を「アメとムチ」と批判してきた民主党に政権が交代した後も、「北部振興」がいまだに選挙のスローガンとなる現状は、鳩山政権が態度をあいまいにし続けていることの裏返しだ。

 「県外移設と明言しない閣僚は来ないでほしい」(稲嶺氏陣営)「移設先を早期に決めるべきだ」(島袋氏陣営)。再び二分されつつある名護市民の思いは「この13年間は何だったのか」との政府に対するいらだちで共通している。【西田進一郎、三森輝久】
 ◇米の不信、拡大必至 同盟破綻は望まず

 【ワシントン古本陽荘】日本政府が米軍普天間飛行場の移設先決定を先送りする方針を決めたことで、米政権内に広がり始めている対日不信に拍車がかかるのは避けられない情勢だ。だが、日米同盟をアジア外交の礎石(コーナーストーン)と位置付けるオバマ政権にとって、同盟関係を破綻(はたん)させる選択肢はない。当面は協力できる分野で関係を強化し、普天間問題の傷口を最小限に抑える道を模索するものとみられる。

 元米国防総省高官は決定先送りを「日米合意の破棄同然」と批判、さらに「本当に同盟国としてやっていけるのか検討する時期に来ている」と警告する。

 日米で合意した在沖縄海兵隊のグアム移転について、米国防総省は策定作業中の2011会計年度(10年10月~11年9月)予算案のなかで移転経費を10会計年度予算より大幅増額する方針だ。しかし、来年2月に本格化する議会の委員会審議では、前提となっている普天間のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設に確約がない以上、「見直しを求める声が出るのは必至」(日米関係筋)。仮に予算が打ち切られれば、在日米軍再編の計画全体が暗礁に乗り上げる。

 オバマ大統領と先月会談した鳩山由紀夫首相が「私を信用してほしい」と表明したあと、米政府内には普天間問題の年内合意に楽観的な空気も流れていた。それだけに、先送り決定に落胆は大きい。

 さらに、キャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は11日、訪米していた下地幹郎・国民新党政調会長に、民主党の小沢一郎幹事長が率いた大訪中団に言及し、「(鳩山政権が)米国と距離を置き、中国との関係を強化しようとしているのでは」との疑念を隠さなかった。

 オバマ政権は国務省、国防総省に知日派を多く配置し、「史上最強の対日チーム」(在米大使館筋)との触れ込みでスタート。だが、鳩山政権に対し「忍耐強く待つ」とのソフト路線が裏目に出たことになり、政権内の知日派への風当たりは強まっている。

 一方で、「米国はアフガニスタン政策など大きな課題を抱えて余裕がなく、普天間問題が大きな焦点になるとは思えない」(米議会筋)という声があるのも事実。米国務省当局者は「引き続き、同盟の能力を維持しつつ基地負担を軽減するための協議を日本政府と続けていく」と強調。日米関係筋は「決定的な対立は利益にならないという共通認識はある」と指摘する。

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