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2009年11月28日 (土)

【久保田るり子の外交ウオッチ】アフガン支援「50億ドル」の使い途は「検証不可能」

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【久保田るり子の外交ウオッチ】アフガン支援「50億ドル」の使い途は「検証不可能」
2009.11.28 14:45
地域ごとの派遣状況

 行政刷新会議は事業仕分けで、政府開発援助(ODA)の学校建設など無償資金援助のハコモノ無償の「3分の1程度」縮減を求めた。一方で政府は、アフガニスタン支援を自衛隊のインド洋給油活動中止の代替策として政治的な数字(5年間で50億ドル=約4500億円)としてはじき出した。これらの方針は、どこまで戦略的なのか。予算削減や自衛隊撤退から導く外交政策論は、質への転換を図ったはずの日本のODA外交の展望を先細りさせていないか。

  (久保田るり子)
■「小切手のニーズはある」…

 戦費と汚職にカネが大地にしみこむアフガン再建。オバマ、カルザイ両大統領が日本の「小切手」を喜ばないわけはない。

 しかし、肝心の支援の具体案は実は白紙に近い。今年実施して評価の高かった国連開発計画(UNDP)を通じたアフガン警察8万人の給料6カ月分肩代わり支給(約120億円)は継続の方向だが、岡田外相が熱心な「経済的理由でタリバン兵となるアフガン人の職業訓練」は、タリバンを離脱したかどうかの見極めの難しさや、肝心の雇用の受け皿不足など具体策に乏しく、専門家からは早くも「アイデア倒れ」の恐れが指摘されている。

 農業支援や都市開発による雇用創出など、現在、進行中の計画の拡大が現実的だが、新味は少ない。「日本の顔」を印象付けるのも簡単ではない。

 人材の派遣は困難だ。

 日本の民生支援で首都カブールに滞在してきた約70人の国際協力機構(JICA)職員は治安悪化で60人が国外に退避、現在10人で退避組の復帰のメドは立っていない。10月末のタリバン襲撃で6人の犠牲者を出した国連は、アフガン駐留半世紀の歴史で初めて半数以上の職員をカブールから安全な地域や国外に移したばかりだ。

 治安回復はオバマ米大統領の新戦略にかかっているが、たとえ治安が安定しても、欧米警備会社にたよるJICA方式では、装備な安全確保などから70人が限度。「増員は無理だろう」(JICA)という。自国軍の警備なしでの民生支援は無理なのだ。

 では50億ドルはどう使われるのか。政府間支援は国際機関を通じたものとなる。現地の北大西洋条約機構(NATO)本部にショッピング・リストと呼ばれる地元の要望リストが山ほどあり、「小切手のニーズは高い」(専門家)。最大の問題は、支援資金の使途の検証が「ほぼ不可能」(外交筋)であることだ。そのシステム作りの検討すら行われていない。「汗を流さない小切手」は、仕分け人の最も嫌う国税の無駄遣いになりかねない。

■戦線は拡大の一途

 これまでのアフガン民生支援は米国が300億ドル、英国30億ドル、日本はこれに次ぐ20億ドル(2001年-9年)だった。50億ドルの数字は際立っている。この数字を政府はオバマ大統領の初来日(11月13日)3日前に発表した。約70億円(09年)だったインド洋給油を中断し、米国主導の「不朽の自由作戦」(テロとの戦い)からの戦列離脱の対価とした。

 日本の対応と対照的だったのが韓国だった。盧武鉉前政権で2002年からアフガンに医療、工兵部隊など200人を派遣していた韓国は民間人の拉致事件が発生、犠牲者が出たことなどから2007年に完全撤退していた。だが米韓両国の政権交代後、李明博政権の両国関係重視の観点からPRT(地域復興チーム)大幅増員とPRT警護の韓国軍を含む約300人の派遣を決めた。派兵発表はオバマ氏の訪韓直前のタイミングだった。

 現在、NATO指揮下の国際治安支援部隊(ISAF)はNATO加盟国、非加盟国併せて43カ国、7万1000人が展開中だ。今年(1-10月)だけで1万6000人が増派され、オバマ大統領がまもなく発表する新戦略で米軍が増派されたあとは、インド洋の多国籍軍など併せアフガン派兵は13万人を越えると予測されている。

ISAFではすでに英国、トルコが増派を表明。「アジアで新規派兵を検討している国がある」(防衛筋)。息を吹き返したタリバンを押さえ込むための戦線はいま拡大の一途だ。将来、アフガンから多国籍軍が撤退しアフガンが自力で治安維持を実現するには、現在、各8万人のアフガン国軍と警察を22-25万人規模に増強する必要があるとされている。

 アフガン再建は数十年の国際プロジェクトになる。支援のあり方は日米関係強化や日欧関係に止まらず国際社会への自国の役割への認識を映し出す。鳩山政権は外交・安保分野の戦略性、費用対効果を再考すべきだ。論議すべき場は事業仕分けの机上ではないはずである。

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