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許すな!憲法改悪・市民連絡会

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2009年5月20日 (水)

【正論】拓殖大学大学院教授・森本敏 民主党の外交安保を憂慮する

森本氏が民主党中心政権の誕生の可能性を畏れて、安保政策での現政権の政策継承のために鳩山執行部を必死に脅している図である。果たして現自公政権の安全保障政策が国民にとって是認すべき事なのかどうか、姑息な単なる小沢バッシングではなくて、あらためて問い直されなくてはならないだろう。(高田)

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090520/stt0905200319002-n1.htm
【正論】拓殖大学大学院教授・森本敏 民主党の外交安保を憂慮する
≪米国の地位・役割も変質≫

 鳩山民主党が誕生し、世論調査によれば与党より人気が高い。総選挙が近いことを考えると国内政治にとって重要な意味を持つ。これを好機として政治に新風が吹き込まれることを期待したい。

 しかし、今回の代表選挙における民主党の外交・安全保障論議は感心しない。勿論(もちろん)、小沢氏の退任に伴い、総選挙に向けて新代表を選ぶ選挙であり、党内意見が分裂しているという印象を与えぬように配慮したことは理解できる。それにしても、次の総理になるかもしれない野党第一党の代表が日米同盟の在り方や中国、ロシアへの取り組みといった国家の基本である外交、安保について明確な方針を示さずに選ばれるなどということがあってよいものか。

 いま、世界は激動している。各国は金融危機から脱しようと必死である。中東や南アジアの混乱は深刻で、テロ組織が核兵器を使用する恐れもある。北朝鮮の核・ミサイル開発が進み、米国の対応次第では再び核実験を強行するであろう。中国やロシアの軍事力強化は止まらない。米国の地位と役割は大きく変質した。オバマ大統領は核軍縮を提案しているが、核抑止と核軍縮をどう調和させるかは難問である。核拡散、海賊、新型インフルエンザなどいずれもリスクの高い難問だ。

 ≪国益踏まえ個々の政策を≫

 国内政治を見ると、ねじれ国会の中で深刻な閉塞(へいそく)状態にある。重要法案も通り難く、政治家や官僚まで政党間の駆け引きに奔走し、世界の激動をよそに日本政治は国民不在の状態にある。

 今回の民主党の代表選も国民不在の感がぬぐえない。鳩山民主党がこの国を如何(いか)なる方向に進めようとしているのか良く見えなかった。来年5月には憲法改正の草案作成が凍結解除になる。憲法改正への取り組みも不明瞭(ふめいりょう)だ。鳩山氏は憲法改正に前向きだが、岡田氏が後ろ向きであることだけは何となく分かっただけである。

 民主党のマニフェスト(選挙公約)や政策インデックスには「主体的外交の確立」「米国との対等な真の同盟関係」「国民不在の在日米軍再編」「日米地位協定の見直し」「北朝鮮外交の主体的展開」などと書かれていた。これだけでは外交政策全体は分からないが、民主党は国会において、テロ特措法延長やソマリア沖海賊への海自派遣、グアム移転経費、HNS(接受国支援)、普天間基地建設に反対してきた。

 すると民主党が政権を担当すれば、ただちにインド洋やソマリアから自衛隊を撤収するのか。あるいは政権政党になれば、今までの国会議論を棚上げするのか。

 「小沢氏の傀儡(かいらい)」との指摘もある鳩山代表だが、個々の政策が日米同盟の信頼性や日本の国益にいかなる影響を与え、損失を生じさせるかを明確にすべきである。

 従来、同党の政策は小沢氏が主導してきた。小沢氏は鳩山代表の下で代表代行になったが、実態は小沢氏が民主党の主導権を掌握し続けることに変わりはない。

 小沢氏の核兵器問題での発言に中国が反発したこともある。氏はイラクへの自衛隊派遣も、インド洋への海自派遣も憲法違反として反対したが、アフガンのISAF(国際治安支援部隊)は国連安保理に基づくので、参加することは憲法に抵触しないとした。「日本もグローバル戦略で米国と役割分担し、在日米軍が果たしてきた役割をさらに担えば、米軍が出動部隊を日本におく必要はない」「第7艦隊がいれば、米国の極東におけるプレゼンスは十分だ」との趣旨の発言をしたこともある。

 ≪政権担当能力が問われる≫

 在日米軍のうち、陸軍と海軍は後方支援部隊であるが、海兵隊と空軍は戦闘部隊である。しかし、第7艦隊は洋上で作戦に従事する統合部隊であり、在日米軍には含まれない。

 第7艦隊は西太平洋全域で活動しており、常時、日本周辺にいるわけではないが、在日米海軍や海兵隊の支援があって初めて作戦を遂行できるのであって、第7艦隊と在日米軍は切り離せない。小沢氏の考え方を延長すると、在日米軍の戦闘部隊が撤退して有事駐留になるか、日本が再軍備して米軍の役割を担うということになる。

 有事駐留論は、在日米軍の抑止力を過小評価しすぎで日米同盟を危機に陥れることになり、中国や北朝鮮が喜ぶだけだ。他方、米軍が撤退し、日本がその代替を果たすには再軍備が必要であり、これはアジア諸国はいうに及ばず、米国が容認しないし、日米同盟は危うくなる。日本人の多くはこのいずれの選択もしないであろう。

 安全保障政策はリスクを負えない。日米同盟に大きな亀裂を生むような政策は日本の安全を阻害する。鳩山民主党は政権を担当する際、いかなる外交・安保政策を進めようとするのか、国民に明確な形で示すべきである。国民はそれによって民主党が真に政権担当能力があるかどうかを判断するであろう。そしてその結果は同盟国だけでなく、国際社会が注視していることを忘れるべきではない。(もりもと さとし)

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